サイクリストのブログやSNSを見ると、当たり前のように「今日は100km走った」「2,000キロカロリー消費した」なんて書かれています。ちょっとドヤってる感じもしなくもないですが、こんな風に数字で自分のライドが表現できたら、ライドの満足感が高まりそうじゃないですか?
こうした数字は、ライドの走行距離や消費カロリーを計測できる「サイクルコンピュータ」(サイコン)というガジェットを利用して取得したデータ。…なんですが、サイコンは安くても数千円、ミドルプライスのモデルで数万円、高いと10万円くらいします。いきなり買うのはちょっとヤな感じのお値段…。
でも大丈夫、実はこのサイコン、スマートフォンのアプリで代用できるんです。
今回は、メジャーなサイコンアプリ「Strava(ストラヴァ)」の導入方法から使い方、そして楽しみ方まで、まるっとご紹介しちゃいましょう。
目次
Stravaって何ができるアプリなの?
Stravaには、大まかに言って、以下の3つの機能があります。
- サイクルコンピュータ機能(上掲画像左)
- ライドデータ閲覧機能(上掲画像中央)
- SNS機能(上掲画像右)
まとめて言うなら、「走ったコースや走行距離、時速などをデータとして保存。データ分析をしたり、ほかのサイクリストのデータを見て楽しんだり、コミュニケーションしたりするためのアプリ」ということになります。
オフィシャルのこちらの動画を観ると、なんとなくできることがわかるんじゃないかと思いますので、よろしければご覧ください。
さて、ここまで読んで、「こういうアプリはほかにもあるよね?」と思われた方もいるかもしれませんね。確かにその通りです。
ではなぜStravaを紹介するのか? それはStravaが自転車の新しい楽しみ方を開拓したアプリだったから。そして、その楽しみ方が現在進行形で、全世界で広がり続けている、ホットなアプリという点もStravaの大きな魅力だからなのです!
Stravaの導入方法
ではStravaの具体的な導入方法をご説明します。
ダウンロード&インストール
出典:Strava
まず、以下より自分のスマートフォンに対応したアプリ本体をダウンロード&インストールしましょう。
iPhoneユーザー[iTunes]
Androidユーザー[Google Play]
初期登録
アプリを起動したら、「始める」をタップ。以下の画面が表示されるので、お好みの方法でアカウント登録を行いましょう。
今回は、Googleアカウントを用いて登録してみます。Gmailアドレスと対応するパスワードを入力します。
その後、Premium(有料版)の無料トライアルに登録しますかと聞かれますが、ここもお好みで。
有料版では、高度なパフォーマンス分析ツールなどが利用できます。…が、ガチのトレーニングがしたい人でなければ、無料版で十分かと思いますので、この記事でも無料版で使える機能を紹介します。
使い方のインストラクション後、この画面に。タップするとライドの記録がスタートしますが、セットアップを先に完了させるためにいったん右上の「後で」をタップ。
プロフィールを登録
画面下部の「プロフィール」→「編集」とタップして、設定をスタート。
設定画面はこんな感じです。埋めていけばOKです(青く塗りつぶされているのはメールアドレスです)。
以上で初期登録は完了です。
実際に使ってみよう
導入が無事に完了したら、実際に使ってみましょう!
スタート前のチェック事項
画面下部の「記録」をタップして計測スタート。でも、自転車で走る前に現在地を地図上に表示できるようにしておきましょう。
計測をスタートすると、最初はこんな画面です。下部中央の◼︎は記録停止ボタン。隣にあるボタン(赤丸で囲ったもの)を押してください。
すると、このように地図が表示されます。
Stravaのサイコン機能とは、自転車に速度メーターや距離計など、走行するうえで重要な情報をリアルタイムで見せてくれる機能なのです。これらがわかれば、目的地までにかかる時間を見積もれたり、「50km走ったからそろそろ休憩しよう」といった判断をしたりするのが楽になります。もちろん、すぐに地図をチェックできるのも便利。
また、停止&完了ボタンの上に、自転車マークが表示されているか確認してください。これが靴マークのときは、ランニング計測モードなので、タップして変更しておきましょう。
これで走り出す準備は完了です。でも、走行中にスマートフォンを見るのは厳禁。停車時など安全なときに確認しましょう。公道を走る際は必ず走行に専念してください。
ライドデータを確認してみよう
ライドが終わったら、「完了」を押しましょう。記録したデータは、「フィード」から確認できます。
ライドの記録をタップすれば、詳細を確認できます。ここからがStravaならではの楽しみ方ができるところです。
まず、走行距離や走行時間とともに消費カロリーを確認できます。このライドでは、3時間で50km走って、1,200キロカロリーほど消費していますね。
数字で消費カロリーがわかると日頃の食べすぎが気になってきたりしますが、Stravaを使って走るならご飯をおいしくするスパイスになります。自転車に乗れば、数百~千数百キロカロリー消費するのは難しくありません。ランチで気持ちよくドカ食いできちゃうんですよね。
上掲のライドの場合、1,000キロカロリー分食べてもまだアンダーカロリーですから、「カツ丼くらいは食べていいでしょ。あ、大盛りで」って気にもなってしまいますよ!
「獲得高度」というのは、上った高さのことです。坂上りが大好きなヒルクライマーたちは競い合うように獲得高度を積み上げていきます。走行距離にせよ、獲得高度にせよ、数字になると積み重ねる楽しさを実感しやすいんですよね!
また、赤枠で囲ったアイコンをタップすれば、写真を追加できます。数値化されたライドデータは無機質ですが、ビジュアルを添えれば、楽しい自転車日記のできあがりです。「編集」ボタンからは、ライド名なども変更でき、コメントも追加できますよ。
セグメントを使ってデータ分析してみよう
下にスクロールしていくと、このようなリストが現れます。これは「セグメント」と呼ばれる、コース上の1区間を切り出したものです。
セグメントのひとつをタップすると、以下のような画面が表示されます。
この画面ではセグメントの詳細なデータ(距離、獲得高度、斜度)と、自分の通過タイムがわかります。
「リーダーボード」からは、セグメント通過タイムランキングを見ることができます。たとえば、書いている人は30分でこのセグメントを通過していますが、1位の人(KOM・QOM)は16分台といった具合。
Stravaならではの機能がこのセグメントのKOM(キング・オブ・マウンテン)またはQOM(クィーン・オブ・マウンテン)の表示。KOM・QOMとは、そのセグメントを一番速く走った人のこと。つまりは、見知らぬサイクリストと勝負できちゃうってワケです。
唯一StravaでKOM?狙えるとこでも、あと2秒足りない…
辛いなぁ…(lll-ω-)チーン pic.twitter.com/yNlG7SsmvX— 猫天@次走未定 (@necoten620) 2018年1月3日
こんな風に、KOM・QOMを目指して日々走っているサイクリストもたくさんいます。最初は興味なくとも、順位が可視化されると挑んでみたくなったりしちゃうんですよ、これが。
信じられないようなタイムで走るKOM・QOMは走っている量も凄まじかったりします。そんな姿をStrava上で眺めていると、自分も走りたくなってくるんです。
ぜひ、一度Stravaを使って走って、見知らぬKOMたちに出会ってみてください。彼らのライド記録を辿れば、それだけで刺激になるはず。これもまたStravaの楽しみ方のひとつです。
ちなみに、同じセグメントを何度も走ると、「結果」から過去の通過タイムの一覧を確認できます(上掲図右)。毎回走り方を変えて、タイムを比較すれば、少しずつ速く走る方法が見えてきます。
これがStravaのライドデータ閲覧機能であり、このアプリの大きな特徴になっています。
サイクリストをつなぐStravaの活用方法
ここからはStravaの最大の特徴であるユーザー同士の交流を後押しする機能をご紹介します。アプリ下部の「見つける」から、Strava上のグループである「クラブ」と「友達」を探すことができます。
クラブを見つける
「見つける」をタップすると、すでに存在するクラブが表示されます。地域に根ざしたクラブが多いです。ブルベ関係のクラブ(上掲図右)もあったりしてジャンルもさまざまです。
友達を探す
クラブ一覧画面の右上にある虫眼鏡アイコンをタップすると、友達検索画面に移動できます。
Facebookやスマートフォンに登録された連絡先から、フォローする人の候補を提案してくれます。
チャレンジに参加してみよう
「もっと見る」→「チャレンジ」とタップすると、「1日で100km走ってみよう」「1ヶ月で8,000m上ってみよう」といった「チャレンジ」に参加できます。目標が欲しい方はトライしてみてもいいでしょう。
Stravaでさらに遊びの幅を広げる
「Strava Art」と呼ばれる、お絵描き遊びが最近SNS上で流行っています。どんなものかは、以下のツイートをご覧ください。
Some festive Strava art to feast your eyes on ☃ ? | via @BBCNews https://t.co/ip7awQqNlO#StravaArt #Christmas #Cycling pic.twitter.com/ox72sTfZrK
— DAHON (@DahonBikes) 2017年12月28日
Welcome 2018! What are your goals for this year? Run a marathon? First 5k? 100-miler? https://t.co/lO0TJYcuK4 pic.twitter.com/6BISzuqAuQ
— Strava (@Strava) 2018年1月2日
Twitterのハッシュタグ「#stravaart」などで検索すると世界各地で自分の走ったコースでお絵描きを楽しんでいる人たちを見つけられます。雪だるまだったり、新年を祝うメッセージだったり、季節感があってなかなか粋じゃないですか!
まさしくネットカルチャーという感じですよね。単に走るだけではなく、表現を楽しみ、シェアする。それが見た人をインスパイアして、また楽しみ方が広まっていくんです。こんな一風変わったカルチャーによるつながり方もまた、Stravaのおもしろさだったりします。
Stravaライドにあると便利なアイテム
スマートフォンホルダーがあれば、スマートフォンをいちいち取り出す手間もなくなりますし、リアルタイムに計測される現在地や走行距離、時速をチェックしやすくなります。
ただ、Strava使用中はスマートフォンは通常よりバッテリーを消費しやすくなります。GPSで位置を計測するなどの処理を行なっているためです。計測データをリアルタイムでチェックするなら、なおさら。
そのため、モバイルバッテリーと充電ケーブルも携帯しておくといいでしょう。100kmくらいまでなら、バッテリー容量3,000mAh程度の小型で安価なもので十分です。
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まとめ
Stravaは単純にサイコン機能として便利なだけでなく、その多様な機能を活用すれば自分の好みに合わせて、自転車という趣味の幅をグッと広げられるアプリなのです。ぜひ一度は試してみてくださいね!
TOP画像出典:=Strava Artist GPS Doodles