日本一サイクリストフレンドリー、しまなみ海道の玄関・松山空港トリビア

サイクリストフレンドリーな空港の世界基準がある!?

自転車乗りの皆様、「世界一サイクリストフレンドリーな空港」と自転車専門誌『サイクリング・ウィークリー』や旅行誌『コンデナスト・トラベラー』などがこぞって推薦する空港って、どこかご存知ですか?
答えはアメリカのポートランド空港

ポートランド空港

出典:オレゴン州ポートランド

エコで地産地消、地に足のついたライフスタイルで、ここ数年世界の注目を集めているポートランドですが、そんな街だからこそ「空港まで自転車で行く」という人も多く、駐輪場など、以下の設備が整っているのだとか。
1.空港まで自転車歩行者専用道がある
自転車で空港のあらゆる方向から安全にアクセス可能
2.安全な駐輪場システムがある
乗って停めて飛ぶ!が出来る駐輪場が空港の端に2つ設置、1つは輪行しやすいよう電車の駅に直結
3.自転車組立&修理ステーションがある
もちろん自転車ツールも完備
4.自転車フックを備えた電車が空港まで直行

こうやって挙げていくととてもうらやましくなるのですが、日本にもなかなかどうして、とてもサイクリストフレンドリーな空港があるのです。それはサイクリストの聖地・しまなみ海道の空の玄関である愛媛県の松山空港

自転車乗りにとって嬉しい松山空港基本情報から知られざる地下通路まで、地元サイクリストに教わった「自転車乗りならではの松山空港の使い方」をご紹介します。

松山空港⇔市内は自転車でラクラクアクセス可能!

松山市の中心部にある松山城まで約8km。空港近辺の道路も羽田空港近辺のように自転車通行不可の道があるわけではなく複雑ではないので、スラッと走れます。


▲松山市内から自転車で空港までラクラクアクセス可能です!

松山空港には「サイクリスト専用更衣室」がある!

写真の通り、正確には「サイクリストとお遍路さん」専用ですが、専用更衣室があります。お遍路さんとは「四国八十八ヶ所霊場巡り」をする巡礼者のこと。白装束に傘に杖という出で立ちで巡礼するのですが、確かにその格好のまま飛行機には乗りづらいので、到着後巡礼の装束に着替える必要がありますよね。サイクリストも同様です。


▲到着ロビーを出た正面にわかりやすいサインが

場所は空港1階西端、ジェットスター航空の受付カウンター手前左です。


▲松山空港1階西端にあるジェットスター航空


▲サイクリスト/お遍路さん専用更衣室入り口

ちなみに中はこんな感じ。お遍路さんが着物を着やすいようにしているせいか、畳敷きの更衣室なのです。


▲畳敷きなのは、レーパンなどボトムまで着替えやすいですね!

工具を備えた駐輪場・サイクルステーションがある!

先にポートランド空港の例にも挙げましたが、「工具を備えた組み立て場所=サイクルステーション」があるのはサイクリストフレンドリーな空港の条件としてまず挙げられるところ。もちろん、松山空港にもありますよ。


▲松山空港のサイクルステーション。バイクラックを2台設置してある

飛行機輪行してきた自転車はここで組み立てます。ここも松山空港の西端を出たすぐのところにあるので、先ほど紹介したサイクリスト専用更衣室からの動線に無駄がないのが嬉しいです(自転車担いでるとそこそこ重いですからね!)



▲「現在位置」と表示されているのがサイクルステーションに続く出口です

松山空港は駐車場に囲まれているため、一般道への出方がちょっと分かりにくいのですが、サイクルステーションで自転車を組み立てたら、そのまま貸し切りバスのりば・タクシー駐車場方向に自転車を押して直進し、道路に出るのが一番わかりやすいかと思います。


▲この方向に自転車を押して出ていくと、道路に出ます

この日は珍しく雨でした。瀬戸内海に面している松山の年間降水量は全国的にも少ない約1,300mm。晴れの日が多いのもサイクリストには嬉しいですね。

松山空港では滑走路の下を通行できる!

これ、地元サイクリストに教えてもらったトリビア中のトリビアです。下の松山空港の地図をご覧ください。滑走路の真下を突っ切っている白い道があるの、おわかりになりますか?

▲松山空港周辺地図。よーく見ると空港の下を横切っている道がありますね

▲さらに拡大してみました

実はこれ、もともと農道だったとか。周辺には畑が多く、農家の方の交通の便を考えて設置されているらしいです。出入り口はちょっとわかりにくいのですが、ご興味があればぜひ探してみて下さい。

松山空港はすぐ近くまでサイクルトレインがある!

土日祝日限定ではありますが、伊予鉄道のサイクルトレイン、輪行袋なしでそのまま自転車載せられちゃいます。最寄り駅は鎌田駅か余戸駅で、空港までの距離は約4kmです。余戸駅のほうが個人的にはオススメなのですが、その理由は後ほど述べます。


▲余戸駅。小さな駅です


▲こんな感じでフツーに愛車とともに乗車できます

伊予鉄道の郊外電車がサイクルトレインの対象なのですが、詳しくはこちらをご覧ください。重信川サイクリングロードを上流まで行き、帰りはサイクルトレインで、というのも楽しい使い方かと思います。

松山空港はすぐ側に温泉がある!

空港内に温泉がある新千歳空港には負けますが、松山といえば道後温泉が有名なように、温泉地でもありますよね。これも地元サイクリストに教えてもらったのですが「道後さや温泉ゆらら」は空港から約2km。サイクリングでかいた汗をゆっくり流してから空港にチェックイン、という手、私もよく使っております。先ほど余戸駅をオススメしたのは、余戸駅のほうがこの温泉に近いからです。


▲大人590円


▲駐車場の端っこに駐輪場があります。普通の駐輪場なのでロックは必要

ちなみにクレジットカードゴールドの方は、松山空港のビジネスラウンジにシャワーがあるのでそちらで汗を流すことも可能です。

松山空港は自転車用ケース・ダンボールを預かってくれる!

松山空港 自転車用段ボール
自転車用ケース預かりをしてくれるインフォメーションカウンター

引用:松山空港ビル株式会社

オランダ・スキポール空港他海外の空港で実施している「自転車送付ボックスの預かり」。松山空港でも2016年から開始しています。1階到着ロビー正面にあるインフォメーションに持っていくと最長7日間預かってくれるのだとか。これはウレシイですね!

営業時間: 8 時10 分~21 時
受付場所: 松山空港 到着ロビー インフォメーション
利用料金: 無料

結論、松山空港は日本一サイクリストフレンドリーな空港だ

世界一サイクリストフレンドリーなポートランド空港は「地元住民が自転車で来る」という状況で設備を整えていった結果、世界中から訪れるサイクリストにとっても便利な空港になった経緯があります。

松山空港および松山市は地元サイクリストが中心となって行政を巻き込み、世界中からやってくる「しまなみ海道」を走るサイクリストを迎える設備を整えているところです。設備だけではなく、空港職員のサイクリストに対するホスピタリティも高いのが利用するたびに伝わってきます。今後のサービスの充実にさらに期待!です。


▲ちなみに松山は俳句の創始者・正岡子規の出身地なので、サイクリスト更衣室の前にも俳句ポストがありました。一句いかがですか?

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WRITTEN BYヤマショウ

FRAME編集長 山祥ショウコ マガジンハウス『GINZA』を経て英国遊学から帰国後女性サイトの草分け「Cafeglobe.com」の立ち上げに参画。その後『Casa Brutus』『GQ Japan』「Variety Japan」など、雑誌やウェブのスタートアップ時の編集に携わる。自転車歴9年目。四国出身、湘南在住。

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