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伊豆半島を自転車で一周!週末の冒険として伊豆イチに挑戦しよう!

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ロードバイクが好きな方なら、きっと一度は走ってみたい場所・伊豆半島。関東圏からのアクセスがよく、伊豆でしか見られない絶景や、食べ物に出会うことが出来ます。この記事では、アクセスの方法やルート、絶景ポイントなどをご紹介します。

伊豆半島を走るための前知識・注意点

首都圏からアクセス可能な半島として、伊豆半島は同じ神奈川県にある三浦半島と比較されますが、伊豆半島を走ったことがあるサイクリストは「伊豆はキツイ」と必ず口にします。伊豆半島を一周する計画を立てる際、知っておいたほうがよい知識と注意点をまとめてみます。

伊豆イチ、起点は小田原か熱海がベスト


▲小田原駅南側の外観 出典:小田急電鉄

小田原は小田急箱根線、JR東海道線、JR東海道新幹線など首都圏からのアクセスがいい駅。輪行の場合、新宿からの小田急ロマンスカーは座席もゆったりしており、荷物を置くにも非常に便利です。JRの場合は座席数が決まっている快速電車湘南ライナーを利用すると、輪行時の荷物の置き場所に困ることはないでしょう。

後ほどルート紹介のところで説明しますが、箱根を回避して伊豆イチを行う場合は熱海を起点にするのがおすすめです。熱海はJR東海道線、JR東海道新幹線、JR伊東線の停車駅です。

伊豆半島を走る=ヒルクライムと同じと心得よう

リゾート地としての伊豆のイメージで走りだすと痛い目にあうかもしれません。


▲山からすぐ海、という伊豆半島の地形

伊豆半島は海というイメージが強いですが、実はとても山の多い地形です。半島の中央には南北に走る1000m近い山々が連なります。海岸線沿いのルートでもアップダウンが多く、最も一般的な伊豆半島一周(通称「伊豆イチ」)は、海沿いのコースにも関わらずなんと獲得標高約4,700m!油断は禁物ですね。また、伊豆半島は風が強いことが多いのにも注意です。

東伊豆は交通量が多いので注意が必要

関東側の「東伊豆」には、有名な熱海をはじめ、伊東、下田といった観光地が連なります。そのため観光客や車の通りも多く通行時には注意が必要です。反面、熱海から下田までは伊豆急行線という電車が通っているため、行き帰りやトラブル時などで輪行を使うことも可能です。

▲伊豆急行があるので「いざ」という時の回避策で輪行も。2017年6月からサイクルトレイン実施中(C)Takashi Kawasaki

西伊豆はリタイア時に輪行ができない


▲西伊豆・風早峠から土肥方面を眺める

一方、静岡側の「西伊豆」は電車が通っていないため、何かトラブルがあって自走不能になった場合のリカバリーが非常に困難です。しかし、その分手つかずの自然に囲まれ、絶景ポイントが多いので、ぜひ走っていただきたいコースです!

時計回りか反時計回りか


By っ [Public domain], via Wikimedia Commons

初めての伊豆イチの場合、おすすめなのはまだ足がフレッシュで元気なうちに箱根を越えて、険しい西伊豆を走り、東伊豆→熱海→小田原と戻る反時計回りです。なぜなら、脚がなくなる後半、もしリタイアしたいとなった場合でも西伊豆は電車の路線がないので、半島の付け根の沼津辺りまで戻ってくる必要があるからです。

伊豆半島は天気が変わりやすい


▲河津城近辺 (C)Shinobu Yamaga

伊豆半島・箱根は海抜が低いところでは晴天でも、少し登ると濃霧で視界が悪かったり、雨や雪が突然降り出したりします。特に夏から秋にかけては霧が出やすい地形のようです。走り出した後もまめに天気予報や路上の注意喚起サインをチェックしたり、地元の人の注意にも耳を傾けるのが大事です。

伊豆イチルートの紹介


▲真鶴近辺 (C)猫ちぐら

では、伊豆半島一周のおススメルートをご紹介します。スタートとゴールは小田原に設定してあるので自走はもちろん、輪行でも移動可能です。輪行の場合、都内からは東海道本線や小田急線のほか、東海道新幹線でのアクセスも出来ます!

これがオーソドックスな「伊豆イチ」ルート

ガッツリ走りたい健脚向き。最もメジャーで、最もハードな伊豆半島一周コース。小田原を起点として箱根を越え、伊豆半島を反時計回りで一周します。獲得標高は4674m、距離も262.6kmと申し分ないです。その辛さに見合う絶景や達成感が得られること間違いなしですが、上級者向けかもしれません。我こそはと自信のある挑戦者求ム!

箱根越えで脚を削りたくない場合は

先ほどのルートは箱根越えルートとなっていますが、箱根を避けるルートをご紹介しましょう。函南~熱海間の、県道11号を走り「熱海峠」を通るコースとなっています。峠の最高地点をトンネルで回避することが出来るので、脚力に自信がないという方は、まずはこちらからチャレンジしてみるのが良いかもしれません。東海道線や新幹線なら熱海まで輪行を伸ばすもよし、自走するもよし。箱根越えに比べると足を温存してのスタートとなります。

伊豆イチの出発地点・補給・難関スポットなどコース詳細

では、先ほどご紹介した反時計回り「伊豆イチ」ルートに添って、出発&ゴール地点、補給どころや見どころ、注意した方がいいポイント、コース情報をご紹介していきます。

出発&ゴール地点

小田原

言わずと知れた観光地。関東圏から電車でのアクセスもいいので、ここを伊豆イチの起点とする方も多いです。


▲小田原城(C)Shinobu Yamaga


▲小田原近郊の早川漁港。魚市場内にある食堂では朝7時から新鮮な魚定食が食べられる(C)Kiko Nishihata

熱海

熱海スタートにすると、距離・獲得標高ともに少なくなるため初心者向けになります。自信がないという方には、まずは熱海スタートがおすすめです!無事走り終えたときに立ち寄り湯があるのもポイント高いです。


▲熱海の街中は坂道が多い(C)猫ちぐら


▲熱海の海岸沿い(C)Kiko Nishihata


▲熱海市内の温泉(C)Kiko Nishihata

コース詳細

箱根


▲三島へ向かうダウンヒルの途中ではこんな風景が広がる (C)高林陽一

弱虫ペダルなどでもおなじみの箱根は温泉街を抜けるヒルクライムが楽しめます。しかしその標高差約850mと、峠としてはなかなかのもの。関東側(小田原・熱海)からスタートの場合、最初に通過しても、最後に残してもかなりの曲者です。ちなみに私は、最後にこのヒルクライムを残しておくと心が折れて三島から輪行してしまいそうなので、いつも最初に攻略しています。

箱根から沼津に抜けるには2ルートの選択肢がある

全国的にも有名なヒルクライムの聖地は、国道1号線を行くルートと、箱根旧街道を行くルートがあります。コースに設定している国道1号線ルートだと小田原駅から箱根峠まで約26km、箱根旧街道ルートだと約21kmとなりますが、こちらは全体的に斜度がきつめです。

沼津

箱根のダウンヒルを終えると、沼津市に入ります。ここは「西伊豆の入り口」ともいえる街。この先コンビニなどの補給ポイントがぐっと減るので、補給食やドリンクの補給を欠かさずしておきましょう!


▲沼津は海鮮丼など新鮮で安くてうまいランチスポットも

もし箱根を輪行して回避したい場合にも、沼津駅は便利です。お隣の三島駅~沼津駅の間は自転車で走ると交通量が多い区間。東海道本線の熱海~沼津の直通電車があるので、三島は通過してしまうのが無難でしょう。

沼津~戸田 コースのポイント

距離:37km
峠:標高200m弱の峠×2

はじめはフラットな海沿いの区間が続きます。道幅はそれほど広くありませんが、嬉しいことに自転車専用道もきちんと整備されているので比較的走りやすい区間です!静かな月夜に、港の匂いを感じながら走るのもオススメ!

戸田に入るラスト10kmの間が注意箇所で、小さな峠が2つ待ち受けています。峠自体はさほどきつくありませんが、道幅が狭く、ブラインドコーナーも多いです。街灯がない区間もあるので、夜間は明るいライトが必須となります。振り返ると富士山がきれいに見えるポイントがあるので、記念写真もお忘れなく!

戸田(へだ)


▲西伊豆は海の青が濃い

西伊豆最初の町は戸田。思わず「とだ」と呼んでしまいそうですが、正しい読み方は「へだ」なのでご注意を。
ここには地元の海鮮料理店のほかに「道の駅 くるら戸田」があります。地元のメニューが頂ける他、温泉・足湯があるので休憩にぴったり。施設が新しく綺麗で、サイクルラックもあるので要チェックです!


▲新鮮なイカ料理(C)Hisanori Tanaka

くるら戸田
戸田~松崎 コースのポイント

距離:40km
峠:250m×1、100m×2

途中には土肥(とい)、西伊豆町という小さな町が2つあります。交通量が少ない反面、補給ポイントがほとんどありません。またコース中、駅から最も遠い区間で、最寄り駅まで50kmなんてことも。トラブルにはくれぐれも注意してくださいね。


▲碧の丘から駿河湾を一望する

峠の付近には「碧の丘」や「恋人岬」というスポットも。ちょっとした広場のようになっていて、疲れたら景色を眺めながら休憩出来ます!後半はトンネルが多いので、さほど峠を登らずに済むのが嬉しいところです。

松崎

箱根越えルートの場合、ここ松崎がおおよその折り返し地点になります。大きな町ではありませんが、セブンイレブンやファミリーマートなど大手コンビニが立ち並んでおり心強い補給ポイントです。松崎を過ぎてしまうと、この先40kmはコンビニ等の補給ポイントが全くありません。多めに補給しておきましょう!

松崎~下田 コースのポイント

距離:50km
峠 :250m×1、100m×3

松崎から下田までの間には、待ちに待った伊豆半島の最南端があります!この間は絶景スポットばかりで、天気の良い日は感動すること間違いなし。その中でもオススメは「あいあい岬」で、伊豆の入り組んだ地形や青い海を一望できます!この岬からの夕日も有名なので、一度ならず二度三度と訪れたい場所です。


▲晴れているとこんな素晴らしい景色に出会える

交通量も少ないのも、自転車にとっては嬉しいポイントです。しかし、この区間は斜度が急な坂が多いのでペース配分に注意。絶景にテンションを上げて踏んでしまうと、この先脚が辛くなってしまいます。

下田


▲下田駅近く、黒船のモニュメント前にて

ここまでくれば一安心、下田は伊豆半島でも有数の港町で、非常に活気があります。有名な白浜海岸や温泉街、海の幸など目白押しです。金目鯛の漁獲量が日本一で、町としてのイチ押しだそう。観光をしつつ休憩するのもよいですし、伊豆急下田駅があるので、輪行の拠点にするのもオススメですよ!


▲名物、金目鯛の煮付け(C)Takashi Nakazawa

下田~伊東 コースのポイント

距離:50km
峠 :250m×1(その他細かなアップダウン多し)

この区間には稲取温泉や熱川温泉などの温泉街が立ち並びます。ここも非常に綺麗な景色ですが、下田を過ぎると一気に交通量が増えます。反時計回りに伊豆半島を回る場合、自転車は道路の左端(山側)を走行するため、交通量が多いと残念ながら景色がよく見えません。それを考慮して時計回りに走ってもよいのですが、私はよそ見運転が増えてかえって危険と感じました。

昼間は走りづらい区間ですが、交通量の少ない夜間や早朝に走ると、海岸線に浮かぶ月や朝日を見ながら快適に走ることが出来ます!伊豆の断崖から望むそれは、あなたの心を掴んでやまないはず。絶景が好きな方は、時間帯をずらして走りましょう。

伊東

伊東を過ぎると、伊豆半島一周の旅も終盤です。熱海までは20kmほどですが、交通量が多く休める場所がありません。飲食店やコンビニもあるので、十分に休息や補給を取りましょう!

◎伊藤~熱海~小田原
距離:20km+20km
峠 :なし(細かなアップダウン多し)

伊東・熱海間は20kmで、そこからさらに20km走ると小田原に到着します。コースについて特筆することはありませんが、この伊豆半島一周の中で、この区間は最も交通量が多いと思われるため一層の安全への配慮が求められます。

熱海・小田原間は、主要な道路である国道135号線は特に道幅が狭く、まるで自動車専用道路のようになっています。この区間は湯河原を少し過ぎたあたりから、県道740号線に入り迂回することを強くオススメします!


▲真鶴あたりの風景(C)Hisanori Tanaka


▲自転車乗りがよく行く湯河原「味の大西」ガッツリ系チャーシュー麺(C)Hisanori Tanaka

伊豆半島バリエーションルート

伊豆半周、風光明媚な絶景ルート

西伊豆を中心に、輪行を最大限活用したルートです。獲得標高こそ2376mと高めですが、長時間の登坂はないルートですので、ヒルクライムが得意でない方も楽しんでいただけるはず。また、道路状況も比較的走りやすいので、ロングライドに慣れてきたらぜひチャレンジしていただきたいルートです!

伊豆半島ヒルクライムルート

実は伊豆半島にも、森林限界を超えた高原ライドを楽しめる場所があるのです!その名も「西伊豆スカイライン」。日本アルプスのそれには及びませんが、手軽に行ける距離にあるルートとしては非常に魅力的です。箱根・伊豆半島の山岳を詰め込んだルートですので、距離は200km程度ですが獲得標高が4000m近くあります。

走行距離:199.1km
獲得標高:3954m

最後は温泉でまったりしたい人向けルート

輪行を駆使し海と山を楽しんだら、最後には修善寺温泉で疲れをとる!という欲張りなルート。とはいえ、距離は91.6km、獲得標高1,912mとしっかり歯ごたえもあります。

伊豆半島バリエーションルートの見どころ

ここでは伊豆イチルートでは通らなかった西伊豆スカイラインと修善寺温泉をご紹介します!

西伊豆スカイライン

まずはこちら、西伊豆スカイライン。自転車も走行可能な無料道路で、関東圏からも気軽に高原ライドが楽しめます!標高800~900mの稜線上を走るコースで、見晴らしがよく路面状況も良好です。高原ライドという枠組みでは北アルプスのそれには敵いませんが、手軽に楽しめるという観点でも、魅力的な場所です。


▲西伊豆スカイライン(C)Hisanori Tanaka


▲浮かんでるように見える富士山。こんな絶景に出会えます!

修善寺温泉

▲縁結びの5つの橋の一つ、桂橋を挟んで上流下流に温泉宿が立ち並ぶ
出典:伊豆修善寺温泉 旅館協同組合FACEBOOK

西伊豆スカイラインを走った後に、ぜひ立ち寄っていただきたいのがこの修善寺温泉。雰囲気の良い温泉街で、日帰り温泉もあります。(お昼前後のみの営業が多いので注意)ライドでかいた汗を流し、疲れをとるのもいいですよね!

最後に

いかがでしたか?都会から電車で一本で行ける伊豆半島。そこには、都会のライドにはないコースや楽しみが詰まっています。ヒルクライムコース以外、伊豆は暖かく冬季でも凍結しにくいので、オールシーズン楽めるのも魅力です。

B!

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