サイクリングシーズンを迎え、今年の休暇の計画を考える時期ですよね。しかし、泊りがけのサイクリング旅行で「どこに行くか?」ということを具体的に調べ始めると、一般旅行者とは視点が違う自転車乗り向けの旅行情報がなかなかないことに気づきませんか?
自転車乗りにとって遠出の最大のモチベーションとは「あの景色の中を走りたい」ですよね。つまり、自転車の聖地(例えばしまなみ海道)だったり、自転車乗りのバイブルとも言える『弱虫ペダル』にゆかりの場所だったり、アマチュアサイクリスト国内最高峰のレースの場所だったり。
そこで今回徹底的な自転車乗り目線で5つの宿を厳選。リアル&バーチャルの世界で認知度が高い「自転車乗り垂涎の宿」をご紹介します。
目次
『弱虫ペダル』ゆかりの宿
劇場版弱虫ペダルに登場した熊本「蘇山郷」
初心者からベテランまで自転車乗りなら誰もがガシッと魂をつかまれる漫画・アニメ『弱虫ペダル』。映画となって2015年に公開された「劇場版弱虫ペダル」は熊本を舞台として、インターハイの成績優勝チームが出場する「熊本 火の国 やまなみレース」で、総北高校や箱根学園、京都伏見、広島呉南、地元熊本の熊本台一が死闘を繰り広げます。
で、主人公・小野田坂道が一員の総北高校チームが宿泊したのがこちらの「蘇山郷」なのです。こちらの宿は「蘇山郷サイクリングステーション」として、フロアポンプやコース紹介など、サイクリングを楽しむ人のサポートを行っています。
車の交通量が少なく、豊かな自然に囲まれた宿は、弱虫ペダルの舞台にふさわしくとてもサイクリストフレンドリー。コルナゴ部長という愛称で親しまれているサイクリング担当者・中尾さんが地元サイクリストならではのおすすめコースを紹介してくれたりも。
コルナゴ部長インタビュー記事はこちら
→「自転車で阿蘇を再生させる」弱ペダ聖地「蘇山郷」コルナゴ部長とラピュタの道
蘇山郷
アクセス
熊本ICよりR57号を阿蘇方面へ50分、JR阿蘇駅より内牧温泉行きバスで商工会前バス停下車、徒歩2分
宿泊プラン
1泊朝食付き 大人1名8,000円〜、1泊2食付き 大人1名12,000円~
山神様の実家モデル?と言われている箱根「三河屋旅館」
一方、原作にはっきりと描かれているわけではないのですが、こちら創業明治16年の老舗「三河屋旅館」も『弱虫ペダル』に縁がある、と熱心なファンたちの間でささやかれています。
主人公たちの最強のライバル高として登場する箱根学園。そのエースクライマーとして登場する東堂尽八(別名・山神、スリーピングビューティ、森の忍者)は実家が箱根の老舗旅館のお坊ちゃまという設定です。温泉地として歴史ある箱根には数々の温泉旅館がありますが、一番条件が近いものがこの三河屋旅館なのでは・・・というわけです。
箱根にはさまざまな登坂ルートがありますが、中でも『弱虫ペダル』で主人公の小野田坂道が挑む初めてのインターハイの舞台である表箱根を上るルートは一番人気です。三河屋旅館も実はこのルート上にあります。この道を東堂尽八だけではなく、真波山岳や荒北靖友らが毎日練習で走っていたのかと想像すると感慨もひとしおでしょう。
三河屋旅館
アクセス
箱根湯本駅からバスに乗換え「元箱根・箱根」行き20分「蓬莱園」下車 (小涌谷駅から急な上り坂徒歩20分)
宿泊プラン
1泊2食付き 大人1名16,500円〜
『ろんぐらいだぁす!』ゆかりの宿
あみちゃんも舌鼓を打った!? しまなみ海道「住之江旅館」
しまなみ海道の途中にある生口島。こちらの「住之江旅館」は瀬戸田の老舗料理旅館です。漫画・アニメ『ろんぐらいだぁす』に登場、パカさん役の声優・東城咲耶子さんも現地を訪れています。
みんなが泊まっていた旅館は、生口島にある老舗旅館、住之江旅館さんです。原作ロケハン時も宿泊いたしました。料理も美味しくて、素敵な中庭のある、風情のある旅館でございました♪#ろんぐらいだぁす pic.twitter.com/I94qWsZKH1
— ろんぐらいだぁす! (@longriderscomic) 2017年2月7日
しまなみ海道全体が自転車乗りに優しいサイクルフレンドリーな地域ですのでとても走りやすい。せっかく瀬戸内に行ったのなら瀬戸内海の新鮮な魚も食べたい・・・のであれば、こちらの旅館は超オススメです。というのも、料理を極めているこちらの旅館、「支店」として日本料理店を東京・銀座に構えるほど、洗練された料理が楽しめるからです。
住之江旅館
アクセス
各地より山陽道へて、西瀬戸自動車道(しまなみ海道)へ ,生口島北IC下車、島内道10分
宿泊プラン
一泊朝食付き 大人1名7,000円〜 一泊二食付き 大人1名1万3000円~
しまなみ海道のスタート・ゴールに
世界でもトップクラスの自転車ホテル「Hotel Cycle(ホテルサイクル)」
いくつもの橋が連なるしまなみ海道はもはや「世界のシマナミ」と言っていいくらい、世界の自転車乗りの間で知名度が上がりました。その玄関口のひとつである尾道にあり、設計時から「サイクリスト・フレンドリー」をコンセプトにしているホテルが「Hotel Cycle(ホテルサイクル)」。巨大な元倉庫を複合商業施設にリノベーションしたONOMICHI U2の中にあります。
昔に比べ自転車乗り歓迎の宿も増え、「サイクルラック」を設ける/部屋まで自転車を持ち込めるなどのサービスも当たり前となってきた今、それでもこちらに匹敵するような場所はなかなかないでしょう。チェックインは自転車をひいてそのまま行え、館内は自転車を押しやすいように段差があるところには必ずスロープが設けられています。
部屋に自転車が持ち込めるだけではなく、愛車をモダンなインテリアの一部として鑑賞できる。本当に、自転車乗りにとって最高、いたれりつくせりの環境が整えられています。
朝食ブッフェの一部。腹ペコ自転車乗りも満足出来る量と質の高さ
施設内には自転車でそのまま行けるジュースバーなどもあり、このホテルがあるからこそ、尾道起点でしまなみを堪能して往復し、再びここに宿泊してサイクリングの疲れを癒やす、というリピーターもいるほどです。
アクセス
JR利用:山陽本線「尾道」駅より徒歩5分、山陽新幹線「新尾道」駅よりタクシーで15分
宿泊プラン
一泊朝食付き 大人1名8,425円〜 素泊まりプランもあり
アマチュアサイクリストの最高峰の舞台・沖縄
自転車のままチェックイン、ローラーもある「オキナワマリオットリゾートスパ」
アマチュアでレース志向の人が「最高峰」と目指すのはやはり年末のツール・ド・おきなわですよね。長年大会が開催されてきた歴史もあり、沖縄は総じてサイクリストフレンドリーな場所です。ベタですが、「青い空、青い海、白い砂浜」をバックに、一度はレース志向じゃない人でも一度は走ってみたい場所の一つではないでしょうか。
観光地である沖縄には数々のホテルがありますが、中でも自転車乗り向けに頭一つ抜けたサービスを行っているのが「オキナワマリオットリゾートスパ」。
上で紹介したホテルサイクルのように、こちらのホテルも自転車を持ったままチェックインできます。
マリオット・ホテルグループはグローバルなホテルチェーンですが、世界でのサイクリスト観光客の増加とニーズに応えるため、サイクリストフレンドリーをテーマにしたサービスを開始しています。
客室内に愛車を持ち込む、アップ&ダウンのための固定ローラールームあり、空気入れや各種工具の貸出、ローラーや自転車スタンドの貸出、ウェアも洗えるランドリー設備などなど。
アクセス
那覇空港より車で約70分。沖縄自動車道・那覇ICより名護向け、許田IC下車。恩納村向け約10分。
宿泊プラン
早期割60朝食なし素泊まり大人1名 5,185円〜 ほかさまざまなプランあり
自転車乗りが選ぶ宿でモチベーションアップ
今回はFRAME編集部が自転車乗り目線で「自分たちも一度は泊まりたい5つの宿」を紹介しました。こういう宿に泊まる旅を計画し始めると、それだけで「ちゃんとトレーニングしよう」とか「冬で鈍った身体を元通りにしよう」というモチベーションアップにつながりますね!