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飛行機輪行バッグ「シーコン、エアロコンフォートプラス3.0」は国内線最強の使い心地だった

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自転車イベントや旅行など遠出のサイクリングが楽しい季節になってきました。移動手段に飛行機を考えている人も多いでしょう。

飛行機輪行で気になるのはやはり「無事に自転車が届くかどうか」ですよね。ネット上では「フォークが折れた」「ディレイラーハンガーが壊れた」などネガティブな情報を見かけます。今回、筆者もLCC(格安航空会社)で東京~熊本への飛行機での遠征が決まり、いつも使っている電車輪行用の輪行袋での輪行がかなり不安でした。

そこで出張に合わせて、レースの選手も使うという『シーコン エアロコンフォートプラス3.0』を使ってみました。

海外輪行についてはこちらの記事をどうぞ

シーコン エアロコンフォートプラス3.0輪行袋


イタリアブランドの「シーコン」。レースやトレーニングで飛行機移動の多い欧州の選手のための輪行袋です。バッグ内でフレームを固定。キャスター付。
シーコン エアロコンフォートプラス3.0をAmazonで見る
寸法:横109×高さ103×幅50(cm)
重量:約11kg
参考価格:79,000円(税抜)

使ってみて良かった点

いきなり結論からいうと「めちゃくちゃ便利。国内飛行機輪行で使うには最強」でした。国内線であればあらゆる飛行機に乗せても安心といってもいいレベルです。

専用の梱包材が付いている

トップチューブ、ハンドル(2つ)に取り付けるクッション性のある梱包材はベルクロ(マジックテープ)で固定できる仕組みで、くるっと巻きつけてテープで止めるだけのもの。付属品として最初からついています。自力での養生となると、プチプチやガムテープを使っての工作をしないといけないし、旅先ではハサミやガムテープも必要になりますが、梱包材があればそういった文房具の持ち運びは不要です。

専用の梱包材のおかげで、梱包のわずらわしさは一切なし。梱包時間の短縮にもなりました。バッグの素材そのものも厚みがあってクッション性があります。少しくらいの衝撃には余裕で耐えられそうです。


▲普通の輪行袋に入れるために自転車を養生している同行したサイクリスト。行き帰りで2回この作業をしないといけなくて大変そうだ。

バイクを分解しなくてもいい

輪行準備で外すのはホイールだけ。ハンドルやペダル、サドルを外さなくても入ります。(自転車のサイズや航空会社の規定によっては外す必要もあるかもしれません)持っていく工具が少なくて済むし、旅先で自転車を組みなおす必要がほとんどなかったのは本当にありがたかったです。

バッグ内で自転車を完全に固定できる

バッグの底面にスタンドパイプがあり、クイックレリースで固定する仕組みです。上写真のように、バッグ内で自転車が自立できます。電車用輪行バッグだと、倒れないように気を使わなくてはいけないので、これはかなり便利でした。移動中のストレスがかなり減ります。

自転車のサイズに合わせてスタンドの前後の幅も調整できるので、自転車のサイズにも幅広く対応できます。


▲チェーンを引っ掛けるゴム製のパーツもあり、リアディレーラーの梱包も不要。ここも評価が高い!


▲サドルカバーに固定バンドが付いて、サドルの防護にもなる。



自転車本体と輪行袋を固定するバンドはサドル、ハンドル、トップチューブの3ヶ所。バッグを閉めながらバンドの長さを調節してかっちり固定します。


タイヤは左右両側にひとつずつ入れます。空港では気圧でタイヤがバーストしないように空気を抜くように言われるので、あらかじめ空気は抜いておくとよいです。

<動画>

https://youtu.be/Jhngw8-CtAA

使う前はうまく収納できるかどうか不安でしたが、フォークを固定、ホイールを収納、バンドで固定する、の3ステップのみ。輪行袋内の説明絵1枚を見て直感的にできる仕組みで、電車輪行の収納よりもはるかに簡単でした。電車での輪行に慣れている人であれば、まったく問題ないでしょう。

キャスター移動がめちゃくちゃ楽だった!


あらゆる輪行で「めんどくさいな」と思うポイントのひとつに「移動」があると思います。駅の乗り換え、空港内の移動など、自転車を担いで移動するのは疲れます。通行人や物にぶつけないかと気を使うことも多いですよね。


▲空港の荷物の受け取りもスタッフの手渡しだった。

シーコンであれば自立した状態でキャスター移動ができるので、ゴロゴロと押すだけ。空港内でカートの載せ替えも不要だし、エレベーターへの積み込みもスッと押して一緒に乗り込む。ほんの数mの移動から数百mの移動までスムーズでした。

キャスターがあれば下面がどっちかすぐにわかるし自立しているので縦にコンテナに積んでもらえます。自転車を知らない空港のスタッフでも取り扱い方がわかりやすい、というのは安全面で見てかなりの強みといえます。

※普通の輪行袋で移動していたサイクリストの自転車は、荷物受取場所でリアディレイラーが床に触れる形状で置かれていた。自転車の知識がなければどちらを下にすべきか分からないので仕方がない。

欠点

安全で便利なのは間違いないのですが、それゆえに扱いづらいシーンもありました。

重量があり旅先での持ち運びはほぼ不可能


底面が硬く、素材も厚みがあるためコンパクトにたためません。重量は約9kg前後ほど。現地で自転車で背負って持ち運ぶことはほぼ不可能です。旅先でレンタカーや送迎がある、空港に大型のロッカーがあり荷物が預けられる、など一定の条件での利用になります。

イベントやレースなど、移動した先のスケジュールがほぼ決まっている旅ならいいですが、ツーリングのような移動の多い旅には不向きです。


▲レンタカーはマーチで横置きなら入る。縦置きするならもっと大きなサイズの車が必要。

サイズオーバーで追加料金がかかる可能性がある


事前に受託手荷物の予約をしてはいましたが、サイズオーバーのため追加料金(2000円ほど)がかかりました。サイズや重量については航空会社によって違いはありますが、だいたいサイズは200cm前途、重量は20〜30kg前後です。航空券代を節約するためにLCCにしましたが、結果的にANAやJALでも良かったかな…と思いました。

ただ、これはこの輪行袋に限った話ではなく、ANAやJALでも飛行機の種類によっては積載できない場合があります。事前にサイズを確認して航空会社に問い合わせたほうがよいでしょう。

値段が高い

価格は79,000円(税抜)。けして気軽に買える値段ではありません。しかし、頻繁に遠征する、愛車が高価で絶対に壊したくない、愛車を傷つけたくない、という人にとっては買う価値が十分にあります。

フレーム本体の破損・買い替えを考えると高くはない…とも考えることができます。

国内線で使うソフトケースとして最強の輪行バッグ


▲ギアバッグも大容量。ヘルメットやシューズ、工具などかさばる荷物も一緒に輪行袋に入れてしまおう。

自転車の安全性、移動のしやすさなど、旅中は快適に、旅先で最大のパフォーマンスを発揮するための利便性を考えると完璧と言ってもいいほどでした。逆にちょっとした旅だと贅沢に感じてしまうほどです。

これから飛行機輪行を考えている人は、輪行袋の候補に入れてみてはいかがでしょうか。

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