初心者ライダーがひとりで100㎞ライドに出かけて問題なく帰ってくるためのサポート企画の第2弾をお届けします。あくまで走り方ではなく、しっかり準備し、ライド先で想定しうるトラブルに落ち着いて対処できるようになるためのメンテナンス企画。連載を続けて読んでもらえれば、ライド中のトラブルに対応/回避するために必要なメンテナンスの知識が身につくと思います。無事に100㎞ライドを終えたころには脱・初心者です!
見た目がキレイになるだけではないチェーン掃除のメリット
第2回目は、前回の空気の入れ方に続いて頻度の高いメンテナンス項目、チェーン洗浄の室内編です。チェーンがピカピカでちゃんとオイルが注してある自転車は、乗り手が自転車を大事に扱っていることが見て取れます。
また、すね毛をちゃんと剃っているのと同様、清潔感を演出することもできます。しょうがないケースもありますが、グループライドで機材トラブルを起こして皆を待たせがちなのは、チェーンが汚い人に多い気がします。チェーンの汚れは愛車に対する気遣いのバロメーター。できる限りキレイな状態を保ちましょう。もちろんロングライドに挑戦するにあたっても、ピカピカのチェーンで臨みたいですよね。
そのメリットとしては……
- 駆動系の摩擦抵抗が低くなり、体力の温存につながる
- チェーンやスプロケットなど摩耗していくパーツの寿命が伸びる
- こまめに掃除することでトラブルに気づきやすい
こんな点が挙げられます。
そもそもチェーンがキレイだと身も心も軽くなります。基本的にビギナーはショップでメンテナンスをしてもらった方が良いと僕は思っています。簡単に思えるサドル高などのポジション変更でさえ、はじめは自分でやらない方が良いです。実はポジション変更はさまざまな要素を考慮しなければならない複雑かつ重要な作業だからです。
すべてショップに任せると言いましたが、空気圧を管理してチェーンをキレイに保つこと。このふたつだけは例外です。スポーツ自転車乗りが自分で行うメンテナンス項目なんです。ショップによっては洗車の講習会を行っているところもありますから、できるだけ早いうちにチェーン洗浄のノウハウは身につけちゃいましょう。
その他のメンテナンス項目は、知識がないうちに手を出すと、ネジ穴を舐めてしまったり間違ったポジションにしてしまったりするリスクがあります。バイクの調子を悪くしたり、下手をすると、直してるつもりで愛車を破壊している可能性さえ生じます。その点チェーン洗浄はたとえ失敗したとしても、汚れの落ちや潤滑が悪いぐらいで致命傷には至りません。安心してどんどんチャレンジしてください。腕が良いショップほど忙しいですから、どこか調子が悪くなってメンテナンスしてもらうときも、チェーンはキレイにしてから持っていったほうがスマートです。
ライド毎にやりたい簡単な手入れ
さて、簡単な手入れから徹底的な方法まで、チェーン洗浄にはいくつかのレベルがあります。まずは、ライド後に毎回行って欲しいお手入れを紹介します。これは簡単で、帰宅したらウェスやペーパータオル(キッチンペーパーでもOK)でチェーンを包みながらクランクを逆回転させて汚れを拭き取るだけです。
このとき、ウェスやペーパーに粘度の低い(サラッとした)オイルを付けて拭き取るのも効果的です。3分とかからないですよ。次に紹介する徹底洗浄を行う時間がとれない、でも潤滑が悪くなっている場合は、チェーンに注油してから拭き取るのも簡易清掃としてはアリです。
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SNSで今日のライドを振り返る前に、この一手間をしておく。これがチェーンをキレイに保つ第一歩です。習慣にしてくださいね。次回は室内でのチェーンの徹底洗浄に必要なアイテムを紹介します。