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まずは自転車で旅に出てみよう!~2泊3日「バイク&キャンプ」のレシピ#01

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自転車旅が大好きなモデル兼トラベルライターの山下晃和(やましたあきかず)さんが、キャンプをしながらの自転車旅(バイク&キャンプといいます)の楽しみ方を伝える連載企画です。
ポイントは2泊3日
この泊数を無理なく旅することができるようになれば、国内でも海外でも、長期間の旅でも問題なく楽しめるようになるという。とはいうものの、「どんな自転車が必要?」「必要なギアは?」「外で寝るの怖い(笑)」などなど、越えなきゃいけないハードルはいくつかあります。それらを初心者でもひとつずつクリアしていけるように、山下さんにはそのレシピを教えてもらう予定です。それではよろしくお願いします!

変幻自在。とにかく自由なスタイルで楽しめる

▲昔から旅が大好きで、バックパッカーで海外を放浪していましたが、今から10年くらい前から自転車旅にハマってしまいました。こちらはメキシコ革命塔の前にて。

はじめまして、こんにちは。山下晃和と申します。好きが高じて、日本中を駆け巡り、東南アジア、中南米、フロリダ半島まで自転車で旅をしてしまいました。また現在は、自転車とキャンプの旅フェスティバル「BIKE&CAMP(バイクアンドキャンプ)」の副実行委員も務めております。そんな私が、自転車ツーリングとキャンプの素敵な関係を書き綴りつつ、2泊3日の旅を過ごすための方法も伝えていければと思っています。

自転車での旅は、車や電車で行く旅と違って、「自由気ままな旅」と言われますが、それは変幻自在な旅のスタイルであるからだと思います。

たとえば、家からそのまま目的地まで走る自走スタイル。家から電車や飛行機に載せて、降り立った街から走り出す輪行スタイル。車に載せて、駐車場やキャンプ場に停めて、そこから自転車を降ろして走り出すポタリングスタイル。自転車や荷物を宅急便で現地まで送って、その土地から走り出して、最後は、そこから自宅へ送り返して帰宅する手ぶらスタイル。

▲こちらは飛行機輪行。沖縄県の那覇空港で写真を撮った。国内の飛行機であれば輪行バッグのみでも快く引き受けてもらえます。

このように自転車でひたすら走るだけが自転車旅ではなく、自走と輪行を組み合わせたり、車、電車などを使い分けて走ったり、自分の予算や時間によっての選び方次第で、たくさんの旅のカタチがあるので、いろいろな走り方、観光の仕方ができるのが楽しいところです。

自転車を持って、様々な公共交通機関で移動できる「輪行(りんこう)」という言葉をさりげなく入れてしまいましたが、これができることによって一気にワープすることが可能になります。最初は難しく感じると思いますが、ホイールを外してフレームに括り付け、ハンドルをどちらかに回し、自転車専用の輪行バッグに詰めるだけ。慣れれば、10分でできるようになるでしょう。この「輪行」については、今後、詳しく説明していきたいと思います。

エンジンは脚。その分大きな達成感が得られる

話を戻しますと、輪行ができれば、自動車、バス(できる会社とできない会社があります)電車、飛行機、フェリーに簡単に載せることができるのです。

また、当たり前ですが、自転車でのツーリングは、ガソリン代がいっさいかからず、体力さえあれば自力でどこまでも行けるのも魅力だと思います。すべて自走スタイルの場合、交通費はタダも同然です。その分、キツイ坂道や荒れたオフロードを走らなくてはならないこともありますが、山、海、川などの景勝地、観光名所へ自分の脚で辿り着いた達成感は、アクセルを踏んで勝手に運んでくれた達成感とは比べものになりません。とはいえ、自転車は人力でもっとも速い乗り物なので、ゆくゆくは一日に200㎞走ることだって可能なのです。

▲旅道具満載の自転車は家財道具一式を運びながら、一日100㎞の移動が可能になります。

“自転車+キャンプ”でさらに自由な時間が得られる

さらにキャンプという楽しみを付け加えると、その何倍も楽しくなります。自転車ツーリングの自由度がさらに増し、距離も伸ばすこともできます。日帰りでは行けなかった場所へも、2日かければ、漕ぎ着けるようになるのです。

時間的な自由度もグッと上がります。電車や飛行機の時刻表を調べるためにスマホとにらめっこすることもないですし、野宿であればチェックインやチェックアウトの時間も気になりません。言うなれば、どこでも貴方だけの絶景ホテルが見つかるようなものです。

▲フロリダのオートキャンプ場にて。目を覚まして、テントのジッパーを開けると、目の前にフロリダブルーの空と相棒の自転車が目に入ります。

気の向くままに自転車を走らせ、気に入った景色を目の前に、はたまた極上の芝生が広がっているキャンプ場に寝泊まりできるのは、それだけで感動が待っていますが、テントから眺める夕日や朝日はさらに最高です。都会の喧騒を離れ、月明りを見ながら、川の流れる音、波の繰り返す音、鈴虫の鳴き声をBGMに寝るのも格別です。 

野宿の場合、宿泊料は無料ですし、場所によっては無料のキャンプ場も数多くあります。また、ライダー専用の価格が設定してあるキャンプ場は高くても1000円です。宿泊代が浮いた分、贅沢なご飯を食べて、美味しいお酒が飲めるのです。

ロングライドとの大きな違いは、自転車キャンプツーリングはロングである必要がないという点です。旅の目的は、距離を走ることではありません。人と会ったり、観光地を巡ったり、カフェやレストランに寄ったり、野球やサッカーの試合を見たり、キャンプをして地のもので調理をしたり、近くの山に登ったり。その寄り道した各所の「点の部分」を繋げて、「線」にすれば旅は完結です。逆にただひたすら道を走り続けたいのであれば、ロングライドで良いのです。

私は、モーターサイクルにも乗りますし、車も持っていますが、時速15kmくらいの自転車ならではのスピード感が一番好きです。何か気にとまるものがあれば、ブレーキレバーに指をかければすぐに止まることができるので。川の流れを眺めたり、街を歩いている人を目で追ったり、通り過ぎるトラックの運転手がわざわざ窓を開けて、応援してくれたのを見てサムズアップで返したり、自転車に乗った学生たちの集団を追い越したり、速すぎず、遅すぎない自転車のスピード感。それがもたらす、まるでその土地で生活しているような錯覚。そういったものを味わえるのが、自転車で行く旅の醍醐味だと思います。

▲ボリビアの標高が高いエリアであるアルティプラーノを走っているときに見つけた美しいライステラス。

▲テント、スリーピングバッグ、マットがあれば、どこであろうと快適な宿泊地に変わります。慣れるまでは準備に時間がかかりますが、練習すれば、設営時間は15分もあればできるようになります。

自転車キャンプツーリングに最低限必要な物は、自転車と、「三種の神器」ならぬ「三種の寝具」です。テント、スリーピングバッグ(寝袋)、マットの三つ。ハッキリ言って自転車は何でもいいです。ママチャリでも、クロスバイクでも、ランドナーでも、小径車でも。旅を続けているうえで、自分の旅のスタイルに必要な自転車が分かってくるので、そろえるのは後からでもかまいません。まずは、三種の寝具をそろえてください。

次回からはそういったアイテムの話や旅のハウツーをお伝えしていこうと思います。

B!

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