「ハンガーノック」という言葉を初めて聞いた方や、「絶対にハンガーノックにならない」と思っている経験者の方まで、今一度、ハンガーノックの恐ろしさと「どのような補給食がある」のか知って備えましょう。
また、ライドが上手な方は補給の仕方も上手です!!「上手な補給方法」を学んで、今まで以上に安全で快適なライドできるよう紹介します。
目次
ハンガーノックとは
長時間運動をしている最中、血糖値が正常範囲以下まで下がりこの状態を低血糖と呼びます。
血糖値が急激に低下すると動悸、冷や汗、意識障害、手足の痺れ、体の震え、最悪の場合は死に至るケースもあります。
簡単にいえば体のエネルギーがなくなりガス欠状態です。
ハンガーノックの状態から回避するためには、空腹だと感じる前に早めの補給、休息が必須です。また、すぐに回復をしたい場合、ブドウ糖、砂糖などの糖質補給が有効です。
回復するまでは安静にして、回復したら普通の食事を摂取します。
重症時には、病院に行き点滴を打ち血糖量を直接、回復させることもあります。
一般の人も成り得る症状なので油断はできません。
ハンガーノックの症状を知る
- 喉の渇き
- 突然の疲労感
- 動悸、息切れ、めまい
- 吐き気
- 頭痛
- 寒気
- 冷や汗
- 手足、指先のしびれ
- 顔面蒼白
- 意識が遠のく
ハンガーノックになる前兆と症状別について
- 初期症状:少しお腹が空いたと感じる
- 中期症状:喉が乾く、最初よりも空腹感を強く感じる、足に力が入らなくなる
- 後期症状:強い喉の渇き、指先の痺れ、めまい、動悸、冷や汗、強い疲労感に襲われる重症の場合:意識障害(死に至るケースもある)
ハンガーノックの原因と予防
朝ごはんを食べずに来てしまう人や食欲がないと食べないでいたりすると走行中に、突如、ハンガーノックに陥ることがあります。その日の体調や気温、季節によってもハンガーノックに陥りやすい場合があるので、どのようなことが原因でなりやすいのか説明します。
- ライド前にご飯を食べてない:ライド前にご飯を食べずに走る方がいます。普段から食べない人でも、運動する2時間前にはしっかりご飯を食べてから走るようにしましょう
- 空腹になるまで食べない:お腹が空いてから補給するのでは危険です。お腹が空く前に、小まめなエネルギー補給を心がけましょう。突然、エネルギーゼロになっては危険です
- 食欲がなくて補給しない:ハードなコースや夏場のライドで、疲れから休憩先で補給しないことが原因でハンガーノックになる人がいます。なるべく、休憩所では休息をしながら補給食以外でも補給するようにしましょう
- 補給食を持たない:コンビニがあるからと、普段からあまり補給食を持ち歩かなかったり食べない人もいます。コースによっては、コンビニや自動販売機がなかったり、急に補給したくてもできな場合があります。万が一の為に、補給食を持つようにしましょう
- 体調不良:あまり体調がすぐれない場合、補給しているのにも関わらず上手く体に栄養が吸収されないでハンガーノックになる場合があります。体調が悪い時は無理せずに走らないようにしましょう
- 頑張りすぎる:特にグループライドでは、周りが頑張ってるからと無理に調子を合わせたことで、ハンガーノックになる人もいます。無理はしないで、自分のペースで楽しむようにしましょう
- 夏の暑い日:夏は他の季節よりも体力の消耗が激しいです。補給をしていても消費が激しい分、エネルギーが足りなくなることがあります。また、ハンガーノックに似た、熱中症、脱水症状などに陥る可能性もあります。体に異変を感じたら無理せず休むようにしましょう
補給するタイミングって!?
今回は一般サイクリスト向けに補給するタイミングについてお話ししましょう。
のんびりサイクリングと強度の高いレースやロングライドでは、消費するカロリーに差があります。また、走るコース、速度、走者の体型、走り方、季節によっても変化します。
大まかな目安としては、のんびりサイクリング(時速20km1時間で約500Kcal消費)、強度の高いレースやロングライド(1時間で約1000Kcal消費)、おおよその目安を覚えておくだけでも補給するタイミングがわかってきます。
- お腹が空く前に補給する
- 喉が乾く前に補給する(15分〜20分起きに水分摂取)
- 1時間に1回は補給、または25kmほど走ったら必ず補給する
その日の距離や強度が分かっている場合は、走る前に何を食べればいいか意識することで、当日のライドが楽になります。その日に必要なカロリーを摂取しておくようにしましょう。
ハンガーノックの失敗体験
「ハンガーノック」と聞いただけでは、実際にハンガーノックに陥ったことがない人からすれば、どんな人がどんな状況で陥るのか、実際に体験談を紹介します。
ハンガーノック体験談その1
その日はロードバイクで、山の中にあるご飯屋さんに行く予定でした。距離も片道25kmほどで、いつも走ってるコースということもあり、あまり多くの補給食を持たずに行ったところが失敗の始まりでした。
なんと、その日に限ってレストランは臨時休業日。ヒルクライムコースということもあり、周りに休憩スポットは少なくコンビニや自動販売機も見当たりません。
下山するにしても、少し登って下るルートを探さないと下山もできません。やはり登りの途中で、喉はカラカラに渇き手足に力が入らなくなり、一瞬、目の前が真っ暗になりました。これは「危ない」と思い自転車から降りて歩くことにしました。
先に頂上にいた友人に訳を説明して、補給食を分けてもらい一難を逃れることができましたが、友人にとっても大切な補給食なので自己管理の甘さを痛感させられました。
ハンガーノック体験談その2
都民の森にチームメイトといった際、登りきった帰りに高校生程の4名の集団に会いました。
その時、あるタイミングで2名と2名の間に入ってしまったのですが、私の一つ前を走ってた方が仕切りに「腹減った」と仲間内に話をしていました。
私は後ろを走っていたわけで、ハンガーノックになって目の前で落車されるのを恐れて、持っていたゼリー状の補給食を1つ渡しました。
後日談になりますが、その高校生がツイッターで「補給食」をもらった内容が拡散されて回ってきて驚きました。そこで、ツイッターの情報力の強さと善意の素晴らしさを学びました。
年齢に限らず、いつ何が起きても良いよう補給食の準備は必須だと感じました。
タイプ別おすすめしたい補給食6選
「どんな補給食があるの?」「補給食って美味しいの?」「一度にどのくらいエネルギー補給できるの?」など、せっかく買って不味かったら嫌だという方のために、メリット、デメリット含めてタイプ別で補給食を紹介します。
補給食にも色々なタイプがあります。例えば、ジェルタイプ、バータイプ、グミタイプ、顆粒、溶かすタイプなど様々です!!
新世代のエネルギー補給
Challenger
- 1袋70gドリンクなどの水分に混ぜて使用する
- 飲むだけで280Kcalを摂取できる
- 胃への負担が少なく、ゆっくり吸収されていく
- クセもなく味もグレープフルーツ風味で美味しい
- パラチノース主体成分。砂糖から作られた甘味料で、はちみつの中に少量含まれている成分。消化吸収速度がゆっくりな特徴があり、医療や健康分野で良く使用されている
チョコ好きにはたまらない満足感
Powerbar 30% Protein Plus
- チョコ好きにはたまらない1本187Kcal
- バータイプで食べやすく満足感のある
- プロティン配合で運動後の摂取に適している
- 甘過ぎず中はしっとりしている
女性でも走りながら食べやすいグミタイプ
PowerGel Shots
- 口に入れやすく食べやすい
- 5粒でパワージェル1本分211Kcal
- ベタ付かない
- 噛みごたえのあるグミタイプ
- 味も美味しい
- 運動前、運動中に適している
レースや強度の高い練習人向け
WINZONE エナジージェル
- トレーニング中やレース中など素早くエネルギーを補給したい方へ
- 炭水化物とスポーツ飲料に含まれるナトリウム成分を同時に摂ることができる
- 味は濃く疲れている体には丁度いい
- 筋肉にグリコーゲンを貯蔵できる
- レース開始1時間前、レース中、後半でエネルギー量を増やしたいときに摂取すると効果的
- PowerGel1本115Kcal
エナジージェルのデメリット
エナジージェル専用ケースでベタベタとさようなら
PowerGel4本分入る専用ケースに入れることで、べたつかないで使用できます。ゴミも出ないので、迅速な補給ができるのでおすすめ!
闘い続けるアスリートにおすすめ
Mag-on
ミネラルとマグネシウム不足が起きると、血圧が下がりにくく疲れが蓄積され脚がつりやすくなります。
- レーニングやレースでの発汗、ストレスで失われ続けるマグネシウムを急速チャージ
- 素早く溶けて吸収率の高い水溶性に加工
- 1包3.7gで200mgのマグネシウムが摂取可能
- 急激なパフォーマンス低下や疲労が気になる人に
- 顆粒の状態で飲むか水に溶かして摂取
PowerBar ENERGIZE
- 運動前、運動中のエネルギー補給に食べやすい
- 汗と共に失うナトリウムの摂取が可能
- 高炭水化物ため筋肉に十分なエネルギーを補うことができる
- 人工甘味料不使用
- ねっとりとした食べ応えのある補給食
冬場は固まりやすく袋から出しにくいデメリットがあるので、冷たいところから開ける際には注意が必要。
補給食の収納に便利なバック
補給食をサイクルジャージのバックポケットに入れるのもいいですが、どうしても背中からは出しずらい、バックポケットは苦手という方におすすめなのが、TOPEAK(トピーク)トライバック!!小さいながらも収納力もあり、手元で使いやすくレインカバー付きで雨の日でも安心です。
最後に
ハンガーノックは、年齢、性別関係なく陥る可能性があります。近場なライドだからと油断せずに、補給食を持ち歩くようにしたり、小まめな補給、休息を心がけましょう。
また、季節によってはハンガーノックに似たような症状の熱中症、脱水症状などがあります。自分がどちらの症状に陥っているか分からない場合でも、無理せず補給と休息をしっかりしたのち適切な処置を行いましょう。
万が一、重度の場合は救急車を呼ぶようにしてください。
少しでも補給方法を学ぶことで、今よりも安全で楽しいサイクルライフを楽しめるのではないでしょうか!