Wilier Triestina(ウィリエール トリエスティーナ)はイタリア屈指のレーシングブランド。2019年ラインナップは、リム⇔ディスクブレーキ両方に対応するモデルや、2台目にちょうどいいディスクブレーキのカーボンロード、新カテゴリのアドベンチャーロードなどトピックスが盛りだくさん。
最新モデルをシリーズの特徴ごとにわかりやすく解説していきます!
目次
Wilier Triestina(ウィリエール トリエスティーナ)とは
Wilier Triestina(ウィリエール トリエスティーナ)は1906年創業の老舗イタリアンロードバイクメーカーです。本場ヨーロッパでは、ロードレースのプロチームにも機材供給し、最先端技術を用いた自転車を作り続けています。
近年では、ダミアーノ・クネゴ選手やアレッサンドロ・バッラン選手がクラシックや世界選手権で勝利。2011年のジロ・デ・イタリアでは、故・ミケーレ・スカルポーニ選手がマリアローザを獲得しています。
あの伝説のクライマーであるマルコ・パンターニが、ウィリエールのロードバイクに乗りラルプデュエズで独走した話は今でも語り継がれています。
イタリアの中でも最も古い自転車ブランドのひとつに数えられるウィリエール。現在ではロードバイクだけではなく、オフロード向けにMTBやグラベルバイクも手掛けています。
ウィリエール2019年モデルの注目ポイント
2019年レーシングモデルでは、ニューフェイスが2種登場。
フラッグシップモデルの「Cento 10 PRO」と、リムブレーキ/ディスクブレーキ共に対応可能な「Cento 1 NDR」が新たに発売されました。
エンデュランスモデルでは「GranTurismoR Team Disc」が追加されましたが、単なる同モデルのディスクブレーキ仕様ではありません。明確なコンセプトのもと、別ジオメトリ+全く異なる金型による成形で手の込んだ1台となっています。
中級以上のサイクリストがディスクブレーキのカーボンロードを探している、しかも手が届きやすいレンジで。そんなケースにはドンピシャなモデル。
他にもカーボン製のグラベルロードバイク「JENA」、タイムトライアル/トライアスロン用バイク「TURBINE」が追加されています。
▲ウィリエールが作るアドベンチャーロードは、650Bホイールも装着可能なカーボンバイク。
また、チェントディエチ・エリート、チェントウノエアー、ステッラSLなどの一部のモデルは価格改定が行われ、よりお求めやすくなっています。
2019年最新モデル全19台
ここからはウィリエールの2019年モデルをシリーズごとに紹介していきます。
ウィリエールのロードバイクは、大別すると以下のように展開されています。
ZERO(ゼロ):軽量モデル
GranTurismoR(グランツーリズモR):エンデュランスモデル
MONTEGRAPPA(モンテグラッパ):アルミモデル
JENA(ジェナ):アドベンチャーロード
TURBINE(ターバイン):トライアスロン・TTモデル
Stella SL(ステッラ エスエル)&Luna Alumi(ルナ アルミ):スモールサイズ限定モデル
レーシングモデルの「チェント」シリーズ
「Cento」(チェント)シリーズはウィリエールのレーシングモデルです。中でも「Cento 10」(チェントディエチ)はヨーロッパプロの要望に応えた高剛性モデルです。
Cento 10 PRO(チェントディエチ プロ) NEW
ツール・ド・フランス2018でディレクトエネルジーの選手が使用したフラッグシップモデルです。前年モデルより更に剛性をアップさせました。ハンドル・ステム部分は「ステンマ」+「バッラ」のセパレートタイプを採用し、ブレーキはダイレクトマウント仕様のみ。ディスクブレーキモデルはフレームのみの受注発注が可能です。
カラー:イエロー、レッド、マットブラック
サイズ:XS, S, M, L, XL
価格(税抜) | フレームセット(ステンマ&バッラ付) | ¥500,000 |
デュラエース / WH-RS300完成車 | ¥700,000 | |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥585,000 |
※ブレーキの仕様はダイレクトマウントになります。
※ディスクブレーキモデルはフレームのみの販売で受注発注になります。
Cento 10 NDR(チェントディエチ エヌディーアール)
エンド部分の金具を交換する事によって、キャリパーブレーキにもディスクブレーキにも対応できる「NDR(ニューデュアルレーシング)」システムを採用したモデルです。
デフォルトはダイレクトマウントキャリパーブレーキですが、別売りのスルーアクスルキットを使用するとディスクブレーキ仕様(フラットマウント)に変更できます。
また、ウィリエール独自の振動吸収機構「アクティフレックスシステム」を採用。使用目的に合わせ、リアステーのエラストマーダンパーを交換することによって走行時のストレスを軽減しつつ、荒れた路面でタイヤのグリップすなわちトラクションコントロールを稼ぎ出します。
カラー:マットブラック
サイズ:XS, S, M, L
価格(税抜) | フレームセット(ステンマ&バッラ付) | ¥500,000 |
デュラエース / WH-RS300完成車 | ¥700,000 | |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥585,000 |
Cento 10 ELITE(チェントディエチ・エリート) NEW
110周年記念に開発されたエアロレーシングバイク「チェントディエチ・エアー」が名称変更し、新たに「チェントディエチ・エリート」としてリリースされました。ステム一体型ハンドル「アラバルダ」を採用し、空力抵抗を軽減させています。価格が大幅に見直され、更にお求めやすくなりました。
カラー:レッド、マットブラック、ホワイト
サイズ:XS, S, M, L, XL
価格(税抜) | フレームセット(アラバルダ付) | ¥400,000 |
デュラエース / WH-RS300完成車 | ¥600,000 | |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥485,000 | |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥445,000 |
Cento 1 AIR(チェントウノ エアー)
60Tカーボン採用のエアロレーシングバイクです。前年モデルでは60Tと46Tの2つのモデルがありましたが、60Tカーボンモデルのみになり、価格も抑えました。カムテールデザインを採用し、ロードレースだけでなくショートトライアスロンにも最適な一台に仕上がっています。
カラー:レッド、ホワイト、マットブラック
サイズ:XS, S, M, L, XL
価格(税抜) | フレームセット | ¥320,000 |
デュラエース / WH-RS300完成車 | ¥510,000 | |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥395,000 | |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥355,000 |
Cento 1 NDR(チェントウノ エヌディーアール) NEW
チェントディエチNDR同様、キャリパーブレーキとディスクブレーキの両方に対応できる新しいエアロレーシングバイクです。キャリパーブレーキはダイレクトマウント、ディスクブレーキはフラットマウントが使用できます。素材には46Tカーボンを使用。剛性低下の要因となるスペーサーの量を減らす事が出来るため、ヘッドチューブは長めですが、アッパーベアリングのダストカバーを通常より薄いタイプにしてステム位置を下げ、レーシングモデルとして仕上げています。
カラー:マットブルー、マットブラック
サイズ:XS, S, M, L, XL
価格(税抜) | フレームセット | ¥320,000 |
デュラエース / WH-RS300完成車 | ¥510,000 | |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥395,000 | |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥355,000 |
軽量フレーム「ゼロ」山岳だけではなく下りや平地にも
ZEROシリーズは、軽量化のために製法~金型~カーボン素材にまでこだわったレーシングモデルです。
Zero.6(ゼロセーイ)
ロケットや衛星に使用される三菱ケミカル社製のハイグレード65トンカーボンファイバーを採用した、ウィリエール最軽量のレーシングバイクです。軽量パーツを組み込めば「3kg」台の完成車も可能。
シルエットは「ゼロセッテ」と同じですが、軽量化のためにまったく新しい金型を作製。採算度外視の最新素材の採用によってゼロセッテと比べ、フレーム重量で100g、フォーク重量で15gの軽量化を実現しています。
カラー:マットブラック
サイズ:XS, S, M, L
価格(税抜) | フレームセット | ¥650,000 |
デュラエース / WH-R9100-C40-CL | ¥1,100,000 |
Zero.7(ゼロセッテ)
S.E.I フィルムと60Tカーボンを採用することによって、衝撃吸収性と耐破断性を高めた軽量レーシングバイクです。インテグレーテッドフォークや左右非対称のリアアームなどの構造はそのままに、2012年発表の前作のゼロセッテから、フレーム形状を見直すことによって空力性能を向上させ、耐久性もアップしています。完成車販売モデル重量で約6.8kgを実現。
カラー:マットブラック/レッド
サイズ:XS, S, M, L
価格(税抜) | フレームセット | ¥500,000 |
デュラエース / WH-RS300完成車 | ¥700,000 | |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥585,000 |
Zero.9 LTD(ゼロノヴェ リミテッド)
上位モデル「ゼロセッテ」の金型を使用し、カーボンの積層を見直して、剛性を重視した設計にすることで耐久性と走行性能のバランスがとれたモデルに仕上がっています。完成車重量はアルテグラ採用モデルで約7.2kgを実現。日本限定モデル。
カラー:ブルー、マットブラック、ホワイト、マットブラック/イエロー(2019限定色)
サイズ:XS, S, M
価格(税抜) | フレームセット | ¥300,000 |
デュラエース / WH-RS300完成車 | ¥500,000 | |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥385,000 | |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥345,000 |
「グランツーリズモR」エンデュランスカーボンロード
他社メーカーではトップレベルのカーボン素材:ハイモジュラス46Tカーボンを使用したエントリー層~ミドル層向けモデルが「グランツーリズモR」シリーズです。新しくディスクブレーキ対応モデルも追加されました。
GranTurismoR Team(グランツーリズモ アール チーム)
フレーム素材に46Tと30Tカーボンを採用したマルチモデルです。ワイドなタイヤクリアランスで28Cまでのタイヤが装着可能。2019年モデルでは新たにXXSサイズが加わり、フレームカラーも新しくレッド、ホワイト、マットブラック/シルバーの3色が追加されました。
カラー:マットブラック、レッド、ホワイト、マットブラック/シルバー
サイズ:XXS, XS, S, M, L, XL
価格(税抜) | フレームセット | ¥200,000 |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥310,000 | |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥270,000 |
GranTurismoR Team Disc(グランツーリズモR チーム ディスク) NEW
46T/30Tカーボンを使った人気の「グランツーリズモR チーム」のディスクブレーキ対応モデルです。キャリパーブレーキモデルとは異なるジオメトリを採用し、まったく新しい金型で製造されています。ディスクブレーキは、ワイヤー引きで操作ができる油圧ピストンの「ハイブリッドディスクブレーキ」で、ブレーキ力の強い油圧式キャリパーでありながら、標準のメカニカルシフト用STIレバーが使用可能です。カラーは、レッドと日本限定のホワイトがあります。
カラー:レッド、ホワイト
サイズ:XS, S, M, L
価格(税抜) | フレームセット(ディスクブレーキ付) | ¥220,000 |
アルテグラ / WH-RS170完成車 | ¥320,000 | |
105(R7000) / WH-RS170完成車 | ¥280,000 |
GranTurismoR(グランツーリズモアール)
ウィリエールのロングセラーのカーボンのエントリーモデルです。30Tと46Tカーボンを使用していますが30Tカーボンを主体とすることで、エントリーユーザー向けに快適な乗り心地を実現しています。完成車はシマノ105モデルとティアグラモデルが用意されています。
カラー:ブラック/シルバー
サイズ:XS, S, M
価格(税抜) | フレームセット | ¥170,000 |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥240,000 | |
ティアグラ / WH-RS100完成車 | ¥215,000 |
「モンテグラッパ」アルミモデル
ジロ・デ・イタリアに登場する超級山岳「モンテグラッパ」の名を冠したアルミモデルシリーズです。
Montegrappa Team(モンテグラッパ チーム)
ダブルバテッドアルミフレームにフルカーボンフォークを組み合わせたのエントリーモデルです。フレームセット以外に、シマノアルテグラ、105、ティアグラのコンポーネントを搭載した完成車モデルが選べます。日本限定でXXSサイズのフレームも用意されています。
カラー:レッド、シルバー、マットブラック、ホワイト
サイズ:XXS, XS, S, M
価格(税抜) | フレームセット | ¥100,000 |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥210,000 | |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥170,000 | |
ティアグラ / WH-RS100完成車 | ¥145,000 |
Montegrappa Team TT(モンテグラッパ チーム ティーティー)
ダブルバテッドアルミ+フルカーボンフォークを採用した「モンテグラッパチーム」のTT(タイムトライアル)仕様モデルです。ブルホーンバー、クリップオンバー、バーエンドシフターを標準装備しています。
カラー:シルバー、レッド、ホワイト、マットブラック
サイズ:XXS, XS, S, M
価格(税抜) | アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥215,000 |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥175,000 |
Montegrappa(モンテグラッパ)
アルミフレームにカーボンフォークを採用したエントリーモデルです。「モンテグラッパ チーム」とは異なり、フレームは「チェントウノSR」と同様の形状を採用し、フロントフォークはカーボン素材のため、走行性、操作性を高めています。
カラー:マットブラック、ホワイト
サイズ:XS, S, M
価格(税抜) | フレームセット | ¥80,000 |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥150,000 | |
ティアグラ / WH-RS100完成車 | ¥125,000 |
Montegrappa Disc(モンテグラッパ ディスク)
「モンテグラッパ」の性能はそのままに、制動力の高いディスクブレーキを搭載したモデルです。グランツーリズモRチームディスクと同様に、ワイヤー引きのハイブリッドディスクブレーキを標準装備しています。前後にキャリアダボがあるため、キャリアやフェンダーを取り付け、太いタイヤを装着してグラベルロードのような使い方もできます。
カラー:レッド、シルバー
サイズ:S, M, L
価格(税抜) | フレームセット(ディスクブレーキ付) | ¥105,000 |
105(R7000) / WH-RX010完成車 | ¥180,000 | |
ティアグラ / WH-RX010完成車 | ¥155,000 |
「ジェナ」オフロード&グラベル対応の新モデル
2019年モデルとして新たに追加されたマルチユースのアドベンチャーロードバイクです。
JENA(ジェナ) NEW
フラットマウントディスクブレーキ専用のフルカーボンのグラベルロードバイクです。ホイールはロード用の700Cだけでなく650Bも使用でき、タイヤサイズは最大700x42Cもしくは27.5×1.95インチまで装着可能です。キャリア用のダボ穴も備え、ツーリングやシクロクロスなど、幅広い用途に対応できるモデルです。
カラー:マットブルー、グレー
サイズ:XS, S, M
価格(税抜) | フレームセット 付属品:カーボン製フロントフォーク、 | ¥320,000 |
「ターバイン」トライアスロン&タイムトライアル
プロチームも使用するタイムトライアル、トライアスロン用モデルです。
TURBINE(ターバイン)
プロチーム「ディレクトエネルジー」がレースで使用した新しいTTバイクです。Di2専用のディスクブレーキ仕様で、アームレストとエクステンションの取付角度は前後に15度ずつ調整可能です。
カラー:マットブラック、イエロー
サイズ:S, M, L
価格(税抜) | ¥650,000 |
小柄な女性にも対応したウィリエールの女性用モデル
小柄な方向けにフレームをスモールサイズに限定したモデルです。
Stella SL(ステッラ エスエル)
フレーム素材に60T/46Tカーボンを採用した女性用ハイエンドカーボンバイクです。キビキビとした走りで、女性サイクリストにぴったりのバイクです。
カラー:ステッラ
サイズ:XS, S
価格(税抜) | フレームセット | ¥200,000 |
アルテグラ / WH-RS300完成車 | ¥310,000 | |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥270,000 |
Luna Alumi(ルナ アルミ)
アルミロードバイク「モンテグラッパ」の性能をそのままに、日本の小柄な女性向けサイズを展開したアルミのエントリーモデルです。カーボンフォークを採用することで衝撃吸収性に優れており、休日のサイクリングやロングライドなど、ロードバイクに初めての方にも最適なモデルに仕上がっています。スモールサイズ限定。
カラー:マジェンタピンク
サイズ:XXS, XS
価格(税抜) | フレームセット | ¥80,000 |
105(R7000) / WH-RS100完成車 | ¥150,000 | |
ティアグラ / WH-RS100完成車 | ¥125,000 |
フラットバーロードや2018年モデルもあわせてチェック
たとえばウィリエールをもっとカジュアルに楽しみたい、パートナーの最初の1台もウィリエールで揃えたい。フラットバーロードという選択肢もありますよ。
(ウィリエール)Asolo|2019年フラットバーロード13選!クロスバイクとの違いやおすすめ用途まで徹底ガイド
前年度モデルと見比べてみても。
Wilier(ウィリエール)と言えば、かつては伝説のクライマーであるマルコ・パンターニが乗っていたバイクで、2012年まではUCIプロチー... 【2018年最新モデルも】Wilier(ウィリエール)のロードバイク21選 - FRAME : フレイム |
最後に
ウィリエールは、イタリアの老舗ブランドらしく魅力的でデザイン性に優れ、最先端のレーシングバイクとエントリーモデルがバランスよく展開されています。気になった方は是非ショップやコンセプトストアでチェックしてみてはいかがでしょうか?
ウィリエール取り扱いショップはこちら→「WILIER JAPAN OFFICIAL SITE | ショップリスト」
All photos (C) Hattori Sangyo
LINK:WILIER JAPAN OFFICIAL SITE