クライマーに贈る、ヒルクライムが速くなる筋トレの極意
こんにちは!あっちゃんです。
皆さんはヒルクライムを速く走るためにトレーニングはしていますか?
ヒルクライムを速く走るために、ただひたすら山道を走るという根性論的なトレーニングをされている方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかしながら、そのような根性論的なトレーニングはケガの原因にもなりますし、そもそも多くのローディーの方は時間の確保が難しいと思います。
そこでオススメしたいのが、「筋トレ」。トレーニングに筋トレを取り入れることによって、時間を確保しにくい週末ローディーでもケガのリスクを小さくし、効率的にヒルクライムの強化ができるようになります。
目次
ヒルクライムは筋肉の負担が大きい運動です。
ヒルクライムを1回でもしたことのある方にとって、ヒルクライムは筋肉への負担が大きい運動であることは、経験則的に明らかでしょう。もちろん、これは学術的にも正しいことです。
自転車での運動に関する論文を2本紹介します。(必要ない方は読み飛ばしてくださいね。)
Edmund R. Burkeらの調査によると、自転車での走行時に使われる脚の筋肉(ハムストリング、大腿四頭筋、前脛骨筋)は平坦の時は前脛骨筋が主に使われますが、斜度2%、4%での走行した場合は全ての筋肉が使われます。このことから、ヒルクライムでは平坦を走るよりもより脚全身の筋肉を使うことがわかります。
また、高嶋らの調査によると、斜度5%に比べて、斜度7%の方が必要なパワーが大きくなっていることがわかっています。このことから斜度が上がるほどパワーが必要になることもわかります。
少し乱暴なまとめ方ですが、ヒルクライムでは、多くの脚の筋肉が使われ、その負荷は斜度が増すほどに大きくなるということです。
ヒルクライムは、なぜ筋肉の負担が大きいのか。
続いて、ヒルクライムが筋肉の負担が大きい理由をわかりやすく解説していきます。
ヒルクライムは平坦のライドとは違い、傾斜のある道を走ります。
イラストのようにヒルクライムの時には常に重力に抵抗しながら走らなければならないため、常に身体に負荷がかかります。
また、この力は斜度が上がれば上がるほど強くなっていきます。激坂を登る際に身体に相当な負荷がかかるのは感覚的にも明らかだと思います。
その負担に耐えて走れるようになるためにも、筋肉を鍛えることはとても大事です。
ヒルクライムに適した筋トレとは?
ここまでヒルクライムは筋肉に大きな負荷がかかるという事実とその理由についてお話ししました。
ですが、いわゆるクライマーと呼ばれる人たちには身体が細い人が多いので、筋肉を鍛えなければいけないと言われてもピンとこない方が多いと思います。実際、筋肉がモリモリついたマッチョな人はヒルクライムが苦手な場合が多く、「筋トレは逆効果なんじゃないの?」と思われても仕方ありません。
実は筋トレには色々な方法があり、その中からヒルクライム向きではない筋トレを選んでしまうと、ヒルクライムが速くなるどころか、遅くなってしまうこともあるのです。
ここからは、ヒルクライムに適した筋トレをご紹介しますので是非とも参考にしてみてください。
複数の関節を動かす筋トレ
筋トレをする時には複数の関節を動かす筋トレをするようにしましょう。
例えばスクワットや腕立てなどです。これらの筋トレのことを「多関節種目」と言います。
この種目の筋トレをすることで、ヒルクライムの時に使える筋肉を身につけることができます。
なぜ多関節種目でヒルクライムの時に使える筋肉が身くのかいうと、実際のペダリングで使っている身体の使い方に近い形でできるからです。ペダリングの動きでは1つの関節だけが動くことはなく、複数の関節を動かします。
ポイント1:複数の関節を動かす多関節種目を行う。
筋持久力を鍛える筋トレをしよう
ヒルクライムに求められるのは爆発的なパワーを出せる力ではなく、コンスタントに一定のパワーを出せる力です。ですので、筋持久力を鍛えることが大事です。
筋持久力を鍛えるためには重い負荷での1セットの回数が少ないトレーニングをするよりも、軽い負荷(15回ほどできる強度の筋トレ)で1セットの回数を多く(15~20回)する方が効果的です。
逆に、重い負荷での筋トレは筋肉が肥大して体重が増加してしまいやすいです。体重が増加してしまうと負担が増えてしまいヒルクライムが遅くなってしまうこともあるため注意が必要です。
ポイント2:軽い負荷で回数が多くして、筋持久力を鍛える。
体幹も鍛えましょう!
筋持久力を鍛える筋トレがヒルクライムを速くなるためには大事だというお話をしましたが、同時に、体幹を鍛えることも大事です。
体幹を鍛えることによって安定性が増し、体のブレが少なくなります。また、それにより効率的にペダルを踏むことができるようになり、ヒルクライム時のパワーロスが減少します。
また体幹の安定性が増すことによって筋持久力が上がることもわかっています。
ポイント3:筋持久力を鍛える筋トレと合わせて体幹を鍛える。
ヒルクライムを速くなるためにオススメの筋トレ
ここまでヒルクライムを速くなるためには筋持久力を鍛える筋トレと体幹を鍛えることが大事だというお話をしました。
ここでは具体的に僕がオススメする筋トレをご紹介していこうと思います。
スクワット
スクワットは効果の高い筋トレBIG3(スクワット、ベンチプレス、デットリフト)の中の1つです。
スクワットは脚の筋肉を全体的に鍛えるのに最適で、足と膝、さらには股関節を使う多関節種目の筋トレです。
なので、スクワット1つでヒルクライムの時に使える脚の筋肉を鍛えられると言っても過言ではないでしょう。
スクワットのポイント
- 膝が前方に出過ぎたり、内側に入ったりしないようにする
- しゃがんだ時に、膝を完全に屈曲させたり、バウンドさせたりしない
- 動作中に背中が丸くなった反ったりしないように注意する
- しゃがみこむにつれて視線は上の方を向く
腕立て
腕立てはBIG3のベンチプレスを自重でもできるようにした筋トレです。
また、肘と肩関節を使って行う多関節種目でもあります。
一見、上半身の筋トレはいらないように思えますが、ヒルクライム(特にダンシング時)は上半身の筋肉も使うので、鍛えておいたほうがよいでしょう。
ヒルクライムを速くなりたい方は是非とも腕立てもやってみてください。
腕立てのポイント
- 動作中、身体を真っ直ぐに保って行う
- 床ギリギリまで身体をおろす
- 身体を下ろした後はバウンドさせないで、ゆっくりと身体を上げていく
プランク
最後に体幹を鍛えるのに最適な筋トレをご紹介します。
それは「プランク」です。
ブランクのやり方は仰向けになり地面に肘をついてから、身体が一直線になるようにお尻を上げてそのまま1分ほどキープするだけ、というとてもシンプルなものです。
先程説明した仰向けの状態で行うプランクを「フロントプランク」と言いますが、身体を横向きにして行う「サイドプランク」にすれば身体の側面の筋肉も鍛えることができます。
こんなシンプルなプランクですが先程紹介した筋トレに加えて行うことで、よりヒルクライムを速く走れるようになるでしょう。
プランクのポイント
- 動作中、腰や背中を曲げないで真っ直ぐを保つ
上半身、下半身ともにバランスよく鍛えるのが大事
筋トレをする時は上半身と下半身ともにバランス良く鍛えることが大事です。
もし、下半身だけを鍛えてしまうと身体がアンバランスになってしまい、その結果、腰を痛めるなどの怪我の原因になってしまいます。
実際、坂バカ俳優として有名な猪野学さんはアンバランスな筋トレのせいで腰痛持ちになってしまっています。
なので、例えば今日スクワットをしたら、明日は腕立てをするなど上半身・下半身ともにバランス良く鍛えることを意識しましょう!
まとめ
今回はヒルクライムにこそ筋トレが必要な理由を解説した後に、ヒルクライムにオススメの筋トレをご紹介しました。
筋トレを上手く取り入れることによって、効率的にヒルクライムの練習をすることができます。
筋トレをして仲間と差をつけましょう!