絶景ハンターのみなさんこんにちは!デザイナーのayumiです。
自転車に乗るようになって人生が変えられた私。自転車に乗らなければ見ることのないような景色をたくさん見るようになったのは“人生が変わった”ポイントでもあります。
中でも、「この世の果て」を思わせる特異な絶景は印象深く心に残っています。
今回ご紹介するのは、まさに「この世の果て」を感じる景色の一つ、浄土平です。
東京から新幹線で1時間半の福島駅からアクセスがよく、温泉や東北のグルメも一緒に楽しめる行楽にもってこいのスポット。
紅葉の見頃を迎える浄土平、週末の突発旅行にいかがですか?
浄土平とは
浄土平は福島県の北側、吾妻連峰の中にある湿原です。
その中を横切る磐梯吾妻スカイラインは日本の道100選にも選ばれた名道。道路最高地点の標高は1,622mにもなります。
火山噴火によって作られた火山荒原は「火星のよう」とも例えられ、多くのサイクリストを魅了してやみません。
しかし、浄土平は火山活動の影響により長らく交通規制がかけられていました。今年の6月末にやっと開通したとの一報を受け、待ちわびたサイクリスト達が今ここぞとばかりに登っています。
そんな大注目の浄土平の魅力をご紹介します。
浄土平の峠情報をRoadQuestでみる
アクセス・ルートは?
浄土平は新幹線なら福島駅、在来線なら二本松駅、猪苗代駅が50km圏内にあり、福島の観光と併せてルートを組み合わせることができます。
福島駅から高湯温泉を経由するルートは距離は一番短いものの、斜度がきつめのハードなコース。
土湯温泉を経由するルートは比較的ゆったりとしたルートになります。
たっぷり観光を楽しむ余裕があれば、猪苗代駅から裏磐梯を経由して紅葉をめいっぱい楽しむことも。
どのコースも獲得標高としては1500m以上のややハードなプランになってしまいますが、途中には温泉地やキャンプ場が点在しているので、一泊してゆっくり観光をするのもおすすめです。
注意点としては浄土平の周辺は補給スポットがかなり少ないこと。自動販売機もほとんどないので補給はしっかり持っていきましょう。
山頂には「浄土平レストハウス」があり休憩と軽食を取ることができます。タイミングによっては休業していることもあるので、訪れる際には営業状況を確認しておきましょう。
高湯温泉で癒されて
今回私が登ってきたのは高湯温泉ルート。途中温泉で一泊し、余裕を持って観光することにしました。
高湯温泉までのルートはこの辺りで随一のヒルクライム練習ポイントで、地元の方でも高湯温泉は避けることが多いんだとか。最大斜度15%くらい、途中ほとんど12%から下がらず脚を休めるポイントはありません…!
道中は辛い道のりでしたが、福島でも屈指の名湯とされる高湯温泉はその分の疲れを癒してくれます。
高湯温泉は豊富な湯量を誇る9つの源泉から引いた天然温泉で、青みがかった乳白色が美しい硫黄泉。
共同浴場のあったか湯の温泉公園では、無料の足湯も解放されています。
今回は高湯温泉の中の静心山荘に宿泊しました。
朝晩ご飯付きで1万円を切るリーズナブルなお値段設定の小さなお宿です。なんと息子さんご夫婦がロードバイクに乗られるとのことで、自転車にもご理解ありとてもよくしていただきました。
女将さんが腕に寄りをかけたお料理は、地元で採れた旬の食材が使われていてどれも美味しい…!
部屋数の少ないお宿なので、タイミングがよければ温泉は貸切状態。窓から入る夜風で露天風呂のような気分を味わえますよ!
いざ浄土平へ!
高湯温泉に癒された翌朝はいよいよ浄土平へ。道のりは14kmほど。ここからは多少斜度が落ち着くとのことですが、いきなりつづら折りの連続が始まります。
つづら折りはカーブの度に斜度が上がるつくりになっていて、3%〜13%くらいを行ったり来たり。脚を壊しにきてますね。
最初の景観ポイントは「つばくろ谷」。
福島の市街が見渡せる渓谷と、そこに跨がる大きな不動沢橋が見事です。紅葉時期には谷全体が色鮮やかに染まるスポットでもあります。
まだまだこの先に絶景がいくつも待っているのですが、この時点でも十分に素晴らしい景色でなかなか前に進めません。
またつづらを繰り返して、第2の景観ポイント「天狗の庭」へ。こちらも紅葉の名所で、遠くに広がる山の斜面が色付く姿が見られます。
少しずつひらけてくる視界と遠くに見える吾妻小富士にだんだんと期待が高まっていきます。
磐梯吾妻スカイラインではこうした景観スポットがいくつか設けられていますが、駐車場がしっかりと設けられているのは福島側では「つばくろ谷」だけ。
他のスポットでは数台が停車できる小さな駐車スペースがあるのみで、ハイシーズンに車で行けば、止まってゆっくり楽しむのは難しい場合も。
その点自転車なら駐車スペースを気にせずじっくりと楽しむことができます。
ゆっくりと流れる景色も、澄んだ空気も匂いも、山の静けさも味わえるのは自転車の特権ですね。
「天狗の庭」からほどなく、大きなカーブを超えると、一気に別世界が広がっていきます。
荒々しく削られたような山肌とゴロゴロと転がる白い岩、その中に永い年月をかけて根を張る高山植物。まさに“この世のものではない景色”が作り上げられていました。
荒涼とした世界に静けさが広がりますが、活火山を含む吾妻連峰。
磐梯吾妻スカイラインを挟み、吾妻小富士の反対側にある一切経山からは常に噴煙があげられています。
途中にはこんな看板もありました!
浄土平ビジターセンター・浄土平レストハウスまでの3kmほどの区間は、大きく湾曲したカーブやつづら折りがあり、次々と変化していく景色に言葉を失うばかりでした。
吾妻小富士でお鉢巡り。
“火星探索”を終えたら浄土平レストハウスで休憩。
レストハウスの前にはサイクルラックが設置してあるので、自転車を置いて吾妻小富士に登ってみましょう!
吾妻小富士の上までは階段で15分ほど。そこから40分ほどで火口壁を一周することができます。クリートカバーや、荷物に余裕があればスニーカーや折りたたみシューズなどを持参するのがおすすめです。
すり鉢状の吾妻小富士の火口壁からは火山口が臨めます。
遮るものがないので日によっては風が強くてお鉢巡りができない日もあるようですが、この日は快晴で風もなく気持ちよく歩くことができました。
吾妻小富士の上は一番高いところで1,707m。先ほど走って来た道がもうこんなに遠くに見える…!
1,622の道路最高地点へ。
実は道路最高地点は浄土平レストハウスよりも南側。アップダウンを経て少し走ると、路上に書かれた道路最高地点1,622mの文字に出会えます。
南側は遠くに磐梯山や安達太良山が見えるゆるやかな斜度のルートで、福島側とはまた違った雰囲気の道が楽しめます。
この日は浄土平レストハウスでの食事がお休みだったため、道の駅つちゆでようやく食事休憩をとりました。柔らかい味噌カツ丼はもちろん、郷土料理のちぎりこんにゃくの天ぷらも美味しかったです。
おわりに
今回ご紹介した写真は9月末のもの。浄土平ではちょうどこれから紅葉の見頃を迎えるのではないでしょうか。
どこを切り取っても美しく壮大な景色は、日常を忘れるに十分の感動をくれました。
浄土平は火山活動の影響によりいつまた交通規制がかかるかわかりません。また、雪が降る11月中旬頃〜4月上旬頃は冬季封鎖もかけられてしまいます。
少しでも行きたいと思った方、迷わずにチャレンジしてみましょう!
おまけに、昨年10月の下旬に訪れた裏磐梯の様子も参考になれば。うまくルートを組めば一緒に観光することができますよ!
浄土平の他にも紅葉が楽しめる標高1000m以上の峠をピックアップしてみました!
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