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バイクパッキングで旅に出よう!~パッキング実践編~

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こんにちは、ブログ「つむりの悠々自適ライフ」を書いている神楽坂つむりです。

暇があれば旅をしている私ですが、その中でも特に好きなのがバイクパッキングスタイルでの旅。
前回のバイクパッキング基礎編に引き続き、今回は応用編をお送り致します!

パッキングの仕方

GT GRADEグラベルロードバイクをベースにフルキャンピング仕様。フロントバッグ、フレームバッグ、サドルバッグはバイクパッキング用バッグメーカーの「APIDURA」で揃えています。photo:神楽坂つむり

ここからはキャンプツーリングの話になりますが、キャンプツーリングは生活の3要素である「衣・食・住を持ち運ぶこと」と理解すると装備選びをしやすくなります。

「衣」は着替えやウエアのこと。

青色のスタッフバッグの中に着替え一式を詰め込んでいます。ウエアだけは万が一雨に降られても大丈夫なように防水性のバッグに入れておくことをおすすめします。photo:神楽坂つむり

ここにはヘルメットやグローブ、インナーシャツやパンツも含みます。
日本には四季があるおかげで様々な景色を楽しむことができますが、それ故にウエアには悩まされます。
季節ごとに適切なウエアを選択すること。
快適な自転車ライフを送るために最も重要なことの一つと言っても過言ではありません。
それなりにかさばるためバイクパッキングをする際にはバッグの種類や大きさを左右する要素になってきます。

「食」は調理をするための自炊道具や水、補給食、インスタント食品等が挙げられます。

トーストとベーコン、コーヒーで朝ごはん。普段家で食べるメニューも外で食べるだけでなんだか特別感が倍増します。photo:神楽坂つむり

日本はほぼ全国、田舎に至るまでコンビニエンスストアやスーパー、個人商店があるため正直なところ自炊しなくても食料をゲットすることができます。
けれど、やっぱりキャンプツーリングで食べるご飯というのは格別。
後述するデイキャンプではメインイベントと言っても良いくらい食事は大切な時間。
故にバイクパッキングの際には是非とも自炊道具を揃えてみることをおすすめします。

最後に「住」はテント泊をするにあたって必要なアイテム群のこと。

「ZEROGRAM」の軽量タープに「モンベル」のドームシェルター。いわゆるウルトラライトギアの組み合わせで軽量化を計りました。photo:神楽坂つむり

最低限必要なアイテムは下記の通りです。

  • テント・・・「家」の役割を果たす重要なアイテム。
    自転車旅においては登山に使われるような軽量でコンパクトな一人用のテントが人気です。展開時の広さや耐久性、耐水性、重量や価格、さらにはパッキング時のサイズや収納のし易さに注目しながら選ぶことをおすすめします。
  • グランドシート・・・テントと地面の間に敷くシート。
    地面からの熱や冷え、水気をシャットダウンしてテント内を快適に保ってくれる縁の下の力持ちです。地味に重要!
    テントとセットで販売されていることが多いので一緒に購入されることをおすすめします。
  • シュラフ・・・「布団」です。
    特に冬場のシュラフは快適に睡眠するために重要なアイテム。気温に合わせて適切な保温性能を有しているものを選びましょう。photo:神楽坂つむり

    化繊タイプや羽毛タイプ、マミータイプや封筒タイプ等、選択肢が多いですが、軽量コンパクトであることが求められる自転車旅においてはダウンシュラフがおすすめです。
    ダウン(羽毛)の量で保温性が大きく変わるため大まかには夏用、秋冬用、厳冬期用の三種類に分けられます。
    ちなみに私は夏用、秋冬用、厳冬期用の三種類全部買ってしまいました(笑)

  • マット・・・「敷布団」です。
    モンベルのエアマットを愛用しています。軽量コンパクトで持ち運びしやすいのが最大のメリットです。photo:神楽坂つむり

    地味にこれが一番大切かもしれません。
    自宅で寝る際にもフローリングの上に直に寝るのはきついですよね。
    そんなことしたら身体バキバキ。夜中に何度も起きてしまってろくに睡眠も取れず、疲れも取れない、身体は痛い。
    テント泊においてマットをケチるとこうなります。ましてやこれが冬場なら冷えによってさらに事態は悪化します。

    良質な睡眠は良質なマットから!
    こればっかりはケチってはいけません。
    身長にあったサイズであること、十分な保温力があること、寝心地が良いこと。他のギアを節約してでもマットは良いものを選べれることをおすすめします。

  • エアピロー・・・「枕」です。
    主にエアタイプ、空気で膨らむものが主流です。サイズや高さ、収納サイズに着目して選びます。私は割と枕が変わっても寝られるタイプなので気にならないですが、人によってはやはりこれも睡眠の質を左右すると思います。
    ツーリングでいきなり使うのではなく、一度ご自宅で試して頭を慣らしておくことをおすすめします。
キャンプツーリングにおけるギア選びは試行錯誤の連続。またいきなり本番で使用するのはリスクが高いので一度自宅や近所の公園・河原等で組み立てと収納の練習をしてみることをおすすめします。photo:神楽坂つむり

バッグ選びは最後!

これらのアイテムを揃えるところからバイクパッキングは始まるわけですが、ポイントがあります。

それはバッグありきでパッキングを考えるとちぐはぐになってしまうということです。

例えば何も考えずに大型サドルバッグを買ったは良いものの、いざ実際に装備を揃えてみると思ったよりも荷物が少なくてスカスカになった、あるいはその逆に思ったよりも荷物が多くて全然入らなかった、ということがありえます。

バイクパッキングで使用するバッグは「大は小を兼ねない」。荷物量にあったバッグを選ぶことが重要になってきます。photo:神楽坂つむり

バッグは荷物を入れるためのものですが、何を運ぶのかが定まっていないと、最適なバッグが何なのかなんて分かりっこありません。

どんな荷物を持っていくか?という質問は「どんな旅をしたいのか?」とほぼ同義だと私は考えていますし、その観点でギアを揃えて装備を整えています。

バイクパッキングはあくまで手段であり目的ではありません。
どんな旅をするかをまず考え、自分のスタイルに合った装備を想定してからバッグ選びをすることをおすすめします。

バッグの種類

前提として使用するバッグは下記の3点と想定します。
それぞれのバッグの特徴を簡単にですがまとめていきましょう。

  1. フロントバッグ
    走りながら荷物を出し入れできるタイプが多く、貴重品などを入れるにも適しています。私は主にマット、エアピロー、輪行袋等を収納しています。photo:神楽坂つむり

      メリット・・・・サドルバッグに比べて重心が低い、脱着が比較的簡単
      デメリット・・サイズが大きすぎる物は入れにくい、重量物を入れるとバランスがと取りにくい、頻繁な荷物の出し入れには不向き

  2. フレームバッグ
    自転車の中央部に位置するフレームバッグ。バイクパッキング旅以外でもちょっとしたサイクリングやポタリングでも便利なアイテムです。photo:神楽坂つむり

      メリット・・・・荷物の出し入れがし易い、目に届く場所で荷物を管理できるので安心感がある
      デメリット・・サイズが大きい物は入らない、厚みのあるものは無理

  3. サドルバッグ
    サドルバッグの収納力はあらゆるバッグの中でも群を抜いています。この状態で中にはテント、タープ、着替え、自炊道具、エアピロー、マットが入っています。photo:神楽坂つむり

      メリット・・・・サイズが大きい物も入る、複数アイテムをパッキングできる
      デメリット・・重心が高いため重量物を入れると不安定、荷物の出し入れがしにくい

以上のバッグ別の特徴を理解した上で次に荷物を3つの要素でカテゴライズしていきます。

①使用頻度 
②サイズ 
③重量

例えばスマホや財布であれば、使用頻度が高く、サイズや重量も抑えられるため、先ほどのバッグの特徴を当てはめるとフレームバッグが最適であることが分かります。

また、テントや枕については使用頻度は低いけれど、サイズはそこそこあり、重量は抑えられるため、サドルバッグ(次点でフロントバッグ)が向いていることが分かります。

自炊道具やカメラ等、重量がかさむものについては、フロントバッグ等に分散させるという作戦が有効です。

まるでパズルのように・・・

このようにバッグの特性と荷物の要素を理解した上で、パズルを組み立てていくようにそれぞれの居場所を決めていく・・・。
これがバイクパッキングの難しい所ではありますが、醍醐味でもあり、また上手く自分のスタイルが確立できた時には最高に快適なツーリングが出来るようになります。

また、上記で紹介したバッグ以外にも、トップチューブバッグやフロントフォーク横に装着できるラック、ダウンチューブの下に装着できるラックなど、補助的なアイテムがたくさん登場しています。
つまり組み合わせとその運用方法は千差万別、十人十色。

色んな組み合わせができるのがバイクパッキングスタイルの面白いところ。どこに何を入れるかに明確なルールはありません。試行錯誤をして自分の最適解を見つけるのが醍醐味とも言えます。photo:神楽坂つむり

私も2回、3回と繰り返していくうちに理想のバッグとパッキング方法が見えてきました。
今思うと最初の頃は随分とちぐはぐな装備で旅をしていたように思います・・・(笑)
是非皆さんも自分にとってベストなバイクパッキングスタイルを見つけてみてください。

バイクパッキングの楽しみ方

最後にバイクパッキングができるようになることでどんな遊び方ができるようになるのかを実体験を混じえて紹介していきます。
先述した通りバイクパッキングはあくまで手段であり目的ではありませんが、参考程度にしていただけると幸いです。

デイキャンプ

デイキャンプの醍醐味、キャンプ飯!登山用の山飯レシピやクックパッドを見ながらあれこれ試しています。調理器具さえあれば意外と色んな料理を作ることができるのです。photo:神楽坂つむり

最も気軽に始められるのがこのデイキャンプです。
テント泊はしないけれど、自然の中に身を置いて河原遊びをしたり山遊びをしたり、何もせずにただただボーッと過ごす。
あるいは試してみたいご飯のレシピを試す。
仲間と一緒にキャンプで遊ぶ。
それくらい気軽な気持ちで始められるのがデイキャンプの良いところです。

とある夏の日。川の上に折りたたみ椅子を置いて読書タイム。家から程近い河原でデイキャンプするだけでもバカンス気分になったり。連泊するようなツーリングじゃなくてもアイデア次第で立派な遊びに早変わりです。photo:神楽坂つむり

極端な話、家でお湯を沸かして魔法瓶に入れてキャンプ場までの道中でカップラーメンを購入し、折りたたみ椅子とタープだけでなんちゃって河原デイキャンプ・・・くらいでも十分に楽しいです。
やっていることはイージーですが、雰囲気はバッチリですし、それに実際にやってみるとこれだけでも結構満足度が高い!
ロケーションや仲間次第でいくらでも応用が利きますし、テント泊がない分、初期投資も抑えることができます。

キャンプツーリング

林間キャンプ場で一夜を過ごすための準備。木々が多い場所はタープが張りやすく、また風や雨を凌いでくれるのでお気に入りの場所です。ただし地面からの結露がすごいのでグラウンドシートは必須です。photo:神楽坂つむり

バイクパッキングが本当の意味での手段となり、その魅力を最大限発揮してくれるのがこのキャンプツーリングです。

「テント泊ができる」と言う状態で旅をするのは、実際にやってみるとなんて自由なんだ!と感動します。

ホテルや民宿と言った拠点に縛られることなく自由に移動することができます。
チェックインもチェックアウトもなく、ただただ自分のペースで旅をする。
行きたい場所まで走り、疲れたらそこでテントを張って休む。もちろんどこでもテントを張って良い訳ではありませんが、湖畔キャンプ場や河原キャンプ場など、探せば意外といろんな場所にキャンプ場はあります。

伊豆半島キャンプツーリングのための装備。この装備で1週間程度の旅には耐えることができます。いつものロードバイクでそのまま旅できるのがバイクパッキングスタイルの大きなメリットです。photo:神楽坂つむり

テント泊を伴うために荷物の量は一気に増えて、いわゆるフルパッキングの状態で走ることになることが多いため、それなりに準備は大変です。
が、最近ではウルトラライトと言ったスタイルが流行っており、比較的軽装でキャンプツーリングが出来るようになっています。

ただウルトラライトスタイルは軽量コンパクトであることと堅実性・快適性を犠牲にしているトレードオフのスタイルですので、慎重にギアを選ばなければ結構悲惨な目に遭うことがあります。特に高温多湿で雨が多い日本において軽量化を求めすぎた結果、いざテント泊をする際に雨に打たれて荷物や着替えがびしょ濡れに・・・なんて話も珍しくありません。
ウルトラライト製品でギアを構築するのはある程度、それぞれのギアに求めるものと除外するべきものが見えてきた段階で導入しても遅くないのではと個人的には思います。

バイクパッキングは究極の「遊び」

デイキャンプにしろキャンプツーリングにしろ、実際にやってみるとそれなりに準備が大変です。
お金はかかるし、時間も取られるし、設営や後片付け、ギアのメンテナンスのことを考えると普通に宿に泊まった方が間違いなく楽チンです。
別の場所で話したこともありますが、事前に荷物を発送する「手ぶらツーリング」だったり、特定の場所を拠点にする「滞在型ツーリング」というやり方もあります。
面倒臭いところをアウトソーシングしてしまうというやり方です。

大きな旅から小さな旅まで。自由な旅ができるのがバイクパッキングの一番の魅力かもしれません。photo:神楽坂つむり

そういった意味ではバイクパッキングスタイルは面倒臭いです。

諸々の不自由さを全部自分で担って、自分で処理し、どこでどんな旅をするかを全て自分で決めます。どこかで失敗してとんでもない苦労をすることも珍しくありません。
でも、だからこそ自由であり、旅の計画から準備、実行するまでの一連の流れ全てがたまらなく楽しく達成感があります。
人によっては計画から準備までが一番楽しいという人もいるくらいです。

普通の旅行とはひと味もふた味も違うバイクパッキングスタイルでの旅。
一度経験するとハマる人にはハマるはず。
ぜひチャレンジしてみてください!

B!

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