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イギリス生まれの高級折り畳み自転車【ブロンプトン】の歴史に迫る!

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折りたたみ自転車と言えば真っ先に名前が挙がるブロンプトン。高級感のあるクラシカルなデザインに魅かれる方も多いでしょう。今回は動画クリエイターのけんたさんが、ブロンプトン本社を訪問、現在の社長さんに歴史を紹介してもらいました。ハンドメイドへのこだわりで知られるブロンプトンですが、実は… 驚きの歴史が明かされます。

ブロンプトンとは

ブロンプトンは1975年にイギリスでアンドリュー・リッチーによって創業された折りたたみバイクのメーカー。イギリスはもちろんヨーロッパ各国でも人気が高く、自転車通勤や旅先の移動手段としてよく使われています。

ブロンプトンの特徴

ブロンプトンは生活に根付いた使用を前提とした実用車として設計されています。15秒もあれば簡単に折りたたむことができ、その状態で転がして運べます。クロモリ製のフレームは重量があるものの、振動を吸収するので疲れにくいことがメリットです。

ワイズロードでブロンプトンを見る

Made In London

創業以来今日に至るまで、ブロンプトンはロンドン郊外の工場で、熟練の職人たちにより手作業で作られています。ハンドメイドへのこだわりは、ブロンプトンの特徴のひとつです。

波乱万丈!ブロンプトンの歴史

1977年 最初のデザインが完成

街で見かけた折りたたみ自転車に興味を持ったアンドリュー・リッチーは、1975年に設計を始めます。最初のデザインが完成し、特許を取得したのが1977年。今のデザインとはかなり違いますね。折りたたみヒンジやブレーキの位置を工夫することで前輪と後輪を向かい合わせに折りたたむデザインは画期的で、大きな注目を集めました。

あの「ラレー」に断られていた!

アンドリューは当初、アイデアを自ら形にしようとはせず、誰か他の人に作ってもらおうと考えていました。そこで声をかけたのがラレー。当時、1年に200万台のペースで自転車を製造していたイギリスの超有名ブランドです。

しかし、デザインを見たラレーの社員は「誰もこんなの買わない」と言い、断られてしまいます。その後5年間、誰も作ろうとしなかったことから、アンドリューは「自分で自転車を作ろう」と決心したのです。

断られた時の手紙は今も残されています。

最初の2年間で作った450台はとてもよく売れましたが、全て手作業で作っていたため作っても作っても利益は出ません。効率的な製造のためには、機械が必要だったのです。そこでアンドリューは自転車作りをいったん休み、資金集めに奔走します。しかし、どの銀行でも「NO」の連続。それでもアンドリューはあきらめませんでした。

ジュリアン・ヴェリカーとの出会い

(左)アンドリューと(右)ジュリアン

生粋の起業家だったジュリアン・ヴェリカーは、初代ブロンプトンを4台買うほどのファンでした。追加で買おうとしても、手に入らなかったことから、融資を決意します。アンドリューは設計者・発明者の役割を、ジュリアンが事業を担当、最終的に製造にこぎつけたのは1988年のことでした。

ジュリアンが購入した4台のうちの1台。

ブロンプトンはいまや425人の従業員で、1万6000台の自転車を売り、1,600万ポンド(約22億円)の売り上げを誇るブランドに成長しています。

社長一押しの一台

社長さんが「ここに必見の自転車があります。」と紹介してくれたのがこちら。最初の400型番のうち、限定の25台です。ヒンジ、特にクランプ部分が非常に複雑な形だったので、デザインを変更したそうです。

「ヒンジを見てください。特にクランプ部分。珍しい形のクランプでしょう?」



「このデザインは、そうですね… プライスレス!」

すべての記録を保存

ブロンプトン本社には、アンドリューが描いた設計図がすべて保管されています。全部、アンドリューが鉛筆で手書きしたものです。数千もの設計図には、ただの自転車のデザインではなく、その製造過程も描かれています。

すべてがオリジナルデザイン

独自のブレーキキャリパーをデザイン

一般的には、ブレーキはSHIMANOなどから買いますよね?一方ブロンプトンは全部がオリジナルのデザインです。

アンドリューのオリジナルの本。

1975年に製作を始めてから、ブロンプトンは全部オリジナルで、試行錯誤しながら折りたたみ自転車を作り続けて来ました。時には自転車を飛行機に持ち込んだことも。アンドリューオリジナルの本には、挑戦の歴史が詰まっています。

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イギリス王室とのかかわり

ブロンプトンは、輸出に貢献したとして1995年に最初の英国女王賞(QUEENS AWARD)を受賞、2010年にはイノベーションと国際貿易ビジネスの2部門、2015年にも国際貿易ビジネス部門で受賞しています。

ブロンプトンとイギリス王室の関わりは深く、実はハリー王子とウィリアム王子はどちらもブロンプトンのファン。新しい工場のオープンには、エリザベス女王の旦那様、フィリップ殿下がお見えになったそうです。

ブロンプトン本社には、ボリス・ジョンソン首相やチャールズ皇太子、ウィリアム王子、ハリー王子の写真が飾られています。

(左)ハリー王子(右)ウィリアム王子

ブロンプトンの自転車は折りたたんだ時、チェーンが前輪と後輪の間に挟まれるので人に当たりません。これまでにない新しいアイデアでしたが「誰も買わない」と言われてから40年以上が経ち、今では誰もが憧れる高級自転車になりました。ブロンプトンの自転車と歴史に興味のある方は、ぜひ動画を見てみてください!

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