前回、ビンディングシューズ&ペダルでのペダリング効率について学んだなみこさん。今回はビンディングシステム「SPD-SL」で実際に車道を走れるようになるべく、専門ショップへやってきました。
ペダルとシューズの着脱のコツや練習方法、走行時のポイントまで、ためになるアドバイスが満載! これからビンディングデビューを考えているみなさん、必読です!
目次
シューズのペダル着脱が不安…教えて!鈴木店長
ビンディングシステムデビューで心配なのはやはりシューズとペダルの着脱。早速、「スポーツバイクファクトリースズキ北浦和」店長の鈴木さんからビンディングシューズ&ペダルの使い方をレクチャーしてもらいましょう。
今回使用するシューズは、シマノの「RC3 ウイメンズ」。
シマノのシューズラインナップのうちミドルグレードにあたるモデルで、フラッグシップモデルのテクノロジーを多く継承しながら、より手の届きやすい価格が魅力の1足です。
シューズの中心にあるBOAダイヤルひとつで、全体の締め付け調整が可能。サラウンドラップ構造と呼ばれるアッパーは、 グローブのようにぴったりとしたフィット感を実現しています。
鈴木「RC3は当店でも主流で扱っているシューズです。こちらは女性用モデルですが、もちろん男性用もあって、ワイドやノーマルとラインナップが広く、エントリーモデルとしてとても人気です。初心者の人には手堅い選択だと思います」
なみこ「私にもぴったりですね! 今日はこれで車道を走れるようになるぞ~!」
LINK: SH-RC300/RC3、SH-RC300 WOMEN/RC3 ウイメンズ
固定ローラーで練習。着脱のコツはガム!?
ファーストステップは固定ローラーでの挑戦!「ローラー台=転ばない環境」で、安心して練習ができます。
鈴木「ビンディングシステムではペダルとシューズが一体化するわけですが、つける際はまずペダル先端部が引っかかって、そのあと中央でパチンとはめるイメージです」
「コツは最初につま先できっかけを作ってあげること。いきなりはめようとせず、つま先にペダルをかぶせるようにしてきっかけを作るんです」
「そして前にスライドさせてはめる。シマノ製ペダルはきっかけを作りやすい構造になっているんですよ」
鈴木「外すときもコツがあります。イメージしてほしいのは “靴の底にくっついたガム”」
なみこ「……イヤですね~(笑)」
鈴木「(笑)。靴底についたガムを地面でこすり落とすイメージです」
鈴木「それから位置もポイントです。外しやすい位置というのがあって、12時から前方向の6時までが外しやすい位置なんです。」
鈴木「あとは右足と左足、どちらから外すのがよいか。答えは左足です。日本の道路交通法に基づいた走行時は左側通行ですから、左足から外したほうが安全です」
◇着脱ポイント◇
- はめるときはつま先できっかけを作ってスライドさせる
- 外すときは靴底についたガムを地面でこすり落とすイメージで
- はずしやすい位置:12時から前方向の6時まで
- はずすときは左足から
はやいペースで反復練習を。感覚をつかもう
着脱のポイントを押さえたら、次は体で感覚をつかんでいきます。
鈴木「ペダルを6時の位置にして、はやいペースで着脱を繰り返すと効果的です」
鈴木「では、今度は足元を見ないでやってみましょう」
なみこ「見ないで!??」
鈴木「走行中は下を向くと危険ですからね。ペダルがどのへんにあるのか想像しながら」
失敗と成功を繰り返しながら、だんだんとコツをつかめてきたなみこさん。
次のステップはローラー台から降りて自転車にまたがって練習です。乗り出しを想定しています。
鈴木「自転車にまたがったら、フラフラしないようにブレーキを握ります。そしてシューズを付ける場所を探ってください」
なみこ「なんか難しい……あっ、はまりました」
ビンディングペダルの固定力は調節できる!?
初心者は柔らかい設定がおすすめ
ビンディングペダルは固定力を調節できること、ご存じですか? ペダルとシューズのクリートを固定する部分は、固定力の強弱が設定可能です。ペダルの着脱をスムーズに行えるよう、初心者は「柔らかい設定」つまり固定力が弱い設定から始めるとよいでしょう。
クリートにも種類がある?
クリートとはビンディングシューズとペダルを固定するパーツのこと。シューズ裏のネジ穴に取り付けて使います。
クリートには3種類あり、黃・青・赤とそれぞれ色分けされています。違いは可動域、つまりペダルにはめたときの “あそび” 具合が異なります。
- 黄色:可動域がもっとも大きいタイプ。可動の支点はクリートの中心。ビギナーにもおすすめ。
- 青色:黄色より可動域が狭く、支点は前方に位置。黄色よりもう少し固定力が欲しいという方に。
- 赤色:完全に固定されるタイプ。あそびがない=力がダイレクトにペダルに伝わる。上級者向け。
外で実際に乗り降りを練習してみよう
基本を覚えたら、いよいよ走行とセットで実践してみましょう。屋外の、広くて車通りのない安全な場所で練習します。
鈴木「スタート時、ギアは軽めの設定で。重いとバランスを崩して転倒しやすいですからね。2時あたりを意識して踏み出しましょう」
鈴木「では、今度は左側を外してー」
鈴木「左側に足を出しますー」
なみこ「おー!! これは……できたのでは…!?」
鈴木「そうそうそう、できましたねー」
なみこ「もしやセンスありということ?」
成功の感覚を忘れないうちに練習を続けます。
なみこ「ああっ、今度は失敗!」
鈴木「いいのいいの。今みたいに、こだわらないことはすごく重要」
◇走行練習のポイント◇
- 広くて車通りの少ない安全な場所で
- スタート時は軽いギアで
- 失敗してもこだわらない!
何度か練習を繰り返し、だんだんとコツをつかんでいきます。
ひととおり基礎が身についたところで、店頭でのレクチャーが完了です。
鈴木「お疲れ様でした、ここまでで乗り降りのエッセンスは教えられたと思います」
なみこ「ありがとうございました! 初めての経験で不安もある中、しっかり指導を受けながら練習できるメリットは大きいと実感しました。やっぱり専門店は頼もしくて安心です」
鈴木「専門店だからと身構えず、初心者の方も気軽に声をかけていただきたいですね」
今回お世話になったお店:
「スポーツバイクファクトリースズキ北浦和」
スポーツバイクを豊富に取り扱うプロショップ。プロショップというと敷居が高そうなイメージですが、初心者でも気軽に入りやすく、さまざまな質問に応じてくれる優しいお店です。
スポーツバイクファクトリースズキ北浦和
〒330-0072
埼玉県さいたま市浦和区領家3-23-17
TEL:048-883-7077
受付時間/12:00〜19:30(定休日/水曜日・木曜日)
最寄駅:JR京浜東北線 北浦和駅 東口下車 徒歩15分
アクセス:北浦和駅 東口ターミナル1より東武バス[浦31]
市立病院 山崎(市営アパート経由)行き『瀬ヶ崎』下車
さらに広い場所で実践!クルマ通りのない公園へ
鈴木店長にしっかりレクチャーしてもらったあとは、もっと広い場所での実践に移ります。
自転車走行が可能で、信号も少なくクルマ通りの少ない場所がおすすめです。今回は彩湖へ向かいます。
◇練習場所を選ぶポイント◇
- サイクリングロードなど長い距離を自転車で走行できる
- 公園などクルマ通り&信号がない
なみこ「さっそくビンディングシューズ&ペダルで走ってみます! 走りながら着脱を繰り返し練習していきたいと思います」
なみこ「足とペダルが固定されて一体感があります、走りやすい! いきなり車道だとちょっとハードルが高いので、こういう場所で練習できると安心ですね」
走りながら左足でペダルの着脱を繰り返します。
なみこ「下を見ないではめる感覚がなかなかつかめないな~、空振りが多い……。でもだいぶ慣れてきたぞ!」
◇走行練習のポイント◇
- 転びそうになったら無理をせず停まる
- 歩行者やほかの自転車など、周りにじゅうぶん気をつけて
最後は車道デビュー!先輩イマオさんと一緒に
公園でじっくり練習したら、最後はいよいよ車道を走ってみましょう。
ここで先輩イマオさんと合流。車道での初走行で経験者のアシストがあると心強いですね。
彩湖を出て市街地を5kmほど走り、スポーツバイクファクトリースズキ北浦和さんまで戻ります。
車道に出る前にイマオさんからアドバイスが。
イマオ「見た感じ、速度が落ちてくるとバランスを崩しちゃうね。ある程度、一定の速度を保つように意識したらいいかも」
なみこ「逆に!? 怖いからスピードださないようにしてた……やってみます!」
イマオ「減速するときや発進時は特に立ちゴケしやすいから気をつけて。落ち着いてやれば大丈夫」
◇車道での実践ポイント(立ちゴケしやすいポイント)◇
- 経験者にリードしてもらえると安心
- 停まろうとするとき、発進するときなどは特に立ちゴケしやすい
- スピードが出ないシーンは特に注意して、落ち着いて!
先輩イマオさんが、停まる前、発進の前にしっかり声がけをしてくれます。操作の前に心の準備ができるので、上手なリードはありがたいですね。
イマオ「停まるよー」
なみこ「うわー、ドキドキした! でもうまく外せた!」
「ちょっと慌てちゃったから、ギアを軽くするのを忘れてた~」
ギアが重いと発進時が不安定になることを実感するなみこさん。
また赤信号、次は前にクルマが停まっています。
イマオ「脇にクルマが停まっていたら無理に前に出なくていいので、クルマの後ろで停まりましょう。発進も落ち着いて、クルマが出てから行きましょう」
◇車道走行のポイント◇
- 停まる前はギア変速を軽くしておくと、漕ぎ出しもビンディングをはめるのもスムーズに
- 早く外すのはOK! 慣れるまでは早めに外して停車する準備に入ろう
- 片足でも漕ぐことはできるので、怖いときは無理せず外したままで
初ビンディングシューズ&ペダルで5km完走!
無事に鈴木店長の元へ帰ってきたなみこさん。はじめてのビンディング体験が終了しました。
なみこ「車道でもしっかり着脱できて、信号の停止発進もちゃんと乗れていたと思います。ケガもなくひと安心、これで本格ロードバイクデビューしちゃったよ~」
お店できちんとプロにレクチャーしてもらい、安全な場所でしっかり練習、最後は経験者と一緒に車道を走るという、万全の体制でビンディングデビューを飾ったなみこさん。
なみこ「私みたいにイチから始める場合は、ビンディングペダルやシューズを取り扱っているプロショップで相談しながら購入して、乗り方までしっかり教えてもらうのが、安全に乗るには一番近い道だと思いました」
鈴木「スポーツには最適な靴っていうのが絶対あって、自転車の場合も専用のシューズとペダルがあると、もっと楽しくなる。ぜひステップアップして楽しんでもらえればと思います」
提供:シマノセールス株式会社
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