サイクリング王国茨城を舞台に、今日もスーツ姿でロードバイクを駆る女性がいる。水戸経済新聞の編集長・高木真矢子さんは、PR会社JOYNSの代表でもあり、2児のママ、4人家族の一員でもある。
ロードバイクに乗り始めて半年。取材はもちろん学校行事もロードで向かう彼女に、カジュアルにもハードにも関われる自転車との付き合い方を聞いた。
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無邪気なサイクリストたちに魅了され、「撮る側」から「乗る側」へ。
―― SNSのアイコンでもピナレロを前に精悍な出で立ちが印象的です。ロードバイクを始めたきっかけは何だったんですか?
高木さん(以下、高木):仕事ですね。自転車事業の運営を任され、カメラマンとしてサポートカーから撮影しているうちに、気づいたら自分が乗っていました(笑)。
―― もともと運動はお好きなんですか?
高木:実は、ここ15年は運動らしい運動をしてこなかったんです。
それが仕事で撮影を重ねるごとに、軽々と自転車を操っては平坦も山も走り抜けるサイクリストの姿にワクワクしている自分がいました。
自転車についてキラキラと輝く瞳で語り、勝負しては悔しがったり無邪気に笑ったりする姿は人間らしく、とても魅力的に見えましたね。
―― 現役ローディーたちの背中を見て乗り始めたパターンですね。
高木:ちなみに、弱虫ペダルはもちろん履修済みです。ロードバイクに興味を持ったきっかけでもありますね。
仕事も、学校行事も。ビジネスカジュアルで茨城中を駆け巡る
―― メインはお仕事、取材の移動手段としてロードに乗っているんですよね。仕事となると服装が限定されそうですが、そのあたりはどうされているんですか?
高木:走り始めた頃は「ジャケット + カットソー + 黒スキニー」の組み合わせでした。足元はスニーカー。
今は太ももが育ちすぎて(笑)、スキニーからスーツのボトムにチェンジしています。足元は変わらずスニーカー、もしくは近距離であればぺったんこのパンプスです。
暑くなってくると着替えを前提に、サイクルウェアで走りますね。打合せや取材先近くでスーツに着替えます。
男性はサイクリングスーツがありますが、女性用ってなかなか見ないんですよね。いつかデザインしたいな、なんて思っています。とりあえずロード乗りの強めな太もも*でもすらっと見えるようなパンツとパンプスが作りたい。実際に市販品を使って気づいた点や要望もあるので、コラボしてくださるメーカーさん、大歓迎です!!
*) あくまで個人の体験による見解です
―― 実現したら喜ぶ女性ローディーも多そうです。お仕事以外ではどうですか?
高木:最近でいうと、娘の授業参観にロードバイクで向かいました。迷ったのですが、普段の取材時とほぼ変わらない「ジャケット + パンツ + パンプス」で行きました。
でもいまどきの参観日って、カジュアルな服装で来ているご家庭も多いんですよ。もっと動きやすいスタイリングで上品にまとめても良さそうだなって。アスレジャースタイルと絡めたりすれば、授業参観に限らずいろんなシーンでロードバイクに乗って移動ができるんじゃないかな。
ロード乗りとしてはまだまだ初心者ですが、もっと自由にロードを楽しんでいいんだ!と伝えていきたいですね。
ママだけ高額自転車を買う。購入の第一関門「家族説得」やいかに……!?
―― 高額商品であるロードバイクですが、購入にあたりママである高木さんにとって「ならでは」な問題があったんじゃないですか?
高木:そうなんです、やはり “独身でお金を貯めて買う” とは違う視点が必要でしたね。決して安い買い物ではないし、これからお金がかかる子どもたちもいる。家族の理解は絶対条件でした。
―― 最初にして最大の難関ですよね。世の男性ロード乗りが妻の理解を得ようと苦心する図はあるあるですが、ママパターンは珍しい。
高木:いざ! とドキドキしながら夫に相談すると、「自分の仕事のことなんだから好きにしていいよ」とあっさりOKでした。
―― えっ!! それはなんとも……ラッキーというか、ズルい(笑)! さては「仕事で必要」で攻めましたね?
高木:実際その目的が大きかったですからね(笑) 。ただチクリと突かれはしましたよ、「ランニングも続かないのに大丈夫?」「高い自転車買ってもホコリかぶっちゃうんじゃないの?」って。
実は「仕事の関係者もみんな自転車買ったんだよ!」という切り札も用意していたのですが、使うことはありませんでした。
―― うーん、それはなんとも羨ましい! 画面の向こうでギリギリ言ってる読者の顔が浮かびますね(苦笑)
「ロングライドも早朝から行けば、午後は家族と過ごせる」
―― Twitterを拝見していると「隙あらばロード乗ってやろう」という気概を感じます。
取材の合間に2.5キロ?#城里町#cycling#roadbike#ピナレロ#PINARELLO #cyclingibaraki#サイクリング王国いばらき pic.twitter.com/cdIGFYgkc0
— 高木 真矢子@たっきー (@mayakotakaki) June 22, 2021
晴れているうちに
ギアチェンジと坂の練習?♀️
これからお仕事へ。#月池#偕楽園#水戸市#training#cycling#roadbike#PINARELLO#cyclingibaraki#サイクリング王国いばらき pic.twitter.com/Tx3ilUpwUv— 高木 真矢子@たっきー (@mayakotakaki) June 15, 2021
高木:年間目標5000kmですから! 今年の達成は難しそうですが、月間平均300km強は走っていますよ。
月に2〜3回のロングライドに加え、空いた時間があればトレーニングとして20〜30kmを走る、5〜30km圏内の取材や打合せなら自転車で移動したりしています。
―― 本当に隙あらば、ですね(笑)お仕事の移動はともかく、たとえば休日のロングライドなど、家族の説得はどうしているんですか?
高木:ありがたいことに、地元のイベントなどにゲストでお声がけいただいたり、仕事で関わる企画として試走が必要だったりするので、説得はあまり必要なくて。
地元のサイクリングチームでの練習も、ヒルクライムを含めた企画に必要、などと立派な(?)理由があるのでちゃんと理解が得られています。
―― なるほど、お仕事と趣味が両立できているパターンですね! このあたりは羨ましく思うローディーも多そうですよね。
高木:でも家族時間との両立だってできますよ。朝6時ごろの出走が多いので、60〜70キロほどのライドであれば、昼までには自宅に戻って来ることができる。そうすれば午後は家族の時間も取れますからね。
―― すごい! アクティブ……というかハードスケジュールとも思えてしまいます。が、家族の反対ナシに気持ちよく出かけられることは精神衛生上にもかなり良いですよね。
高木:子どもたちも小5と中2、それぞれ部活や友達と遊んだりで忙しくしています。夫も土日祝日関係ない仕事のため「事故なく、安全であればヨシ!!じゃ、解散!」という感じで(笑)。
それでもやっぱり “午後は家族でお出掛けできる” ことは、理解を得られる大きな理由かもしれませんね。