自転車を始めて早三年。数えきれないほど多くの場所へ行ったし、レースにも出場した。エベレスティングにだって挑戦した。しかし、未だ経験していないものがある。自転車デートだ。
長らく私の辞書に、「自転車デート」という言葉は存在してこなかった。自転車とデートは混ざり合わないものと思っていた。しかし、そんな私にも自転車デートをする日が訪れたのだ。今振り返ってみれば、幻のような自転車デートだった。
目次
溺愛する彼女に自転車の良さを知ってもらいたい
今回は、私が考えた最高のデートコースを紹介しよう。本気でおすすめできるコースなので、彼女とデートする際の参考にしてほしい。
彼女がいないローディー君たちへ。諸君のために、自転車デート時のポイントも記しておいた。心して読むように。
ハアハアしながら山を登っている場合じゃないよ。まあ、僕も彼女いないんですけれどもね。
まずは大前提、サイクリングを楽しんでもらわねばならない。自転車という素晴らしいツールの魅力を伝えなければ。
自転車の良さ……?
「やっぱこれっしょ」
自転車乗りの正装、ピチピチのサイクルウェアだ。
空気抵抗を削減することこそが至上命題であり、見た目は二の次。女性からは「空気抵抗にまで気を使える男性ってカッコイイ!」、そう高評価を貰えるに違いない。
なぜだか通行人の視線が気になる。そんなにこのウェアがカッコイイのか……やはり男は黙ってピチピチジャージだな。
そうそう、言い忘れていたが、今回のデートコースにはわが社の辛口女性スタッフによるジャッジメントが入る。怖い。
ちなみに彼女は自転車に1ミリも興味がない。
自信を持っての登場だったが、初っ端から強めのダメ出しをくらってしまった。
仕方ない、着替えよう。
空気抵抗が気になるが、今日のところは我慢するほかない。
次は彼女の自転車だ。
かわいい彼女にぴったりなクロスバイクをレンタルする。
クロスバイクは、秋葉原のCycleTripでレンタルする。日本最大級のスポーツバイク専門レンタルショップで、ラインナップが豊富だからだ。
ママチャリをレンタルする店はいくらでもあるが、スポーツバイクを貸してくれる店は意外に少ない。
東京巡りの拠点にちょうど良い秋葉原という立地もナイスだ。
今回レンタルしたのはLivのEscape R3。小柄な女性でも無理なく乗れる設計のクロスバイクだ。色はピュアな彼女にピッタリなホワイトを選択。
このバイクを見た彼女は、間違いなく「この自転車かわいい!」と言うはず。そこで食い気味に「君の方がかわいいよ」と言えば完璧だ。できる男は数手先まで考えて、レンタルバイクを選ぶ。
はじめてのスポーツサイクルに乗る彼女かわいすぎる
さっそく出発、ペダルをゆっくりと回す。
見よ、このイカした後ろ姿を。
後ろ姿を見られる想定でスタイリッシュにキメてきたので抜かりはない。
彼女がきつくなさそうか、車が後ろから来てないか確認する。
それと同時に彼女のかわいい顔も拝む。下心がバレないように、一瞬で顔をチラ見しよう。
まずはランチへ、自転車ネタでドヤりたい
ランチどころに選んだのは、アシストコーヒー ロースタリーというカフェ。自転車フレンドリーなお店という情報を、事前に入手した。
自家焙煎珈琲にこだわった路地裏の隠れ家的なカフェ、アシストコーヒーロースタリー。裏路地にあるためガヤガヤせず、落ち着いた雰囲気がデートにもピッタリ。サイクリストたちの恋もアシストしてくれそうだ。
お店のメニューには「東京都檜原村」の食材を使用したこだわりの料理などが並ぶ。檜原村と聞いて、都民の森や時坂峠が頭に浮かんだローディーも多いのでは? それ、かなり重症ですよ。
おしゃれな料理とコーヒーを楽しみながら、自転車に関連するうんちく話などして盛り上がりたいところ。
お店の壁には、黄色いサイクルジャージが飾ってあった。
「この黄色いジャージはツール・ド・フランスの総合タイムが~~~」と解説を入れよう。隣にあったピンク色のジャージも解説したいところだが、よく分からないので適当に誤魔化す。
ライトアップされたジャージと私に哀愁がただよっている。
おなかも満たされたら桜で有名なあの場所へ
気持ちの良い天気の中走る。絶好のお花見日和だ!
向かうは東京でも指折りの桜の名所、千鳥ヶ淵だ。
……ところが時期が早すぎて全く咲いていない。枯れ木しかないのはやや想定外。
しかし、ここで焦ったり落ち込んだりするのはダサい。
「桜が俺のスピードに追いついていない」と桜にマウントをとりつつ、足早に通過しよう。
やっぱヒルクライムっしょ!
次なるスポットは、赤坂の日枝(ひえ)神社だ。
山の神様が祀られているという。
ヒルクライムが速くなりたいので、もちろん参拝する。日枝神社に参拝するには、坂を登る必要がある。さすがは山の神様だ。
吊り橋効果をご存じだろうか? 恐怖や緊張からくるドキドキ感を、一緒にいる異性への恋と勘違いするという心理効果だ。
要は心拍が速くなってドキドキすればいいわけだ。一緒に坂を登ることで、彼女は私をますます好きになってしまうはずだ。
ヒルクラ効果と命名することにした。
なかなかの急勾配だが、間違っても下ハンを握ってもがき始めないように。ローディーの気持ちは痛いほど分かる。この坂で、ストラバのKOMを狙いたくなる気持ちも分かる。
しかし、今日はデートだ。フロントギアはインナーに落とし、後ろにいる彼女のペースに合わせよう。
日枝神社は縁結びや恋愛成就のご利益もあるらしいが、そんなものはどうだっていい。
「富士ヒルでゴールド取れますように」と心を込めてお願いした。
終盤は丸の内でお散歩デート
デートの締めはおしゃれにキメる。自転車乗りはおしゃれであることを見せつけるのだ。
鍛冶橋高架下の駐輪場に自転車をとめて、
向かうは三菱一号館美術館。
ハッキリ言って美術には一ミリも興味ないが、教養アピールをしたいので寄る。
美術館デートのコツは、「俺、美術詳しいですよ」感を出すことだ。意味もなく絵の前に立ち止まり、凝視した後に何回か頷く。「なるほどねぇ~」と分かった風の声で言えば完璧だ。
普段慣れないものを見ると、脳は疲れる。ハンガーノック寸前だ。すぐにカフェインと甘いものを補給したい。
隣接するオシャレそうなミュージアムカフェ「Café 1894」で休憩することにした。
厳かな雰囲気のカフェ。
間違ってもピチピチのサイクルウェアで入らない方が良い。ビンディングシューズをガチャガチャ鳴らしながらペンギン歩きできる雰囲気ではない。
ローディーはカフェが異常に好きだ。1回のライドでカフェ2つは寄っておきたい。
そして撮ったスイーツの写真はインスタではなく、ストラバに載せる。これもローディーの常識だ。
現実だけは甘くない。いつもより苦く感じるコーヒーを飲み干し、店を出た。
写真映えスポットで将来を語り合ってフィニッシュ
そろそろ日も落ちてきた。
丸の内の洒落た通りを抜けて、
東京駅をバックに写真を撮りにいきたい。
なぜって、ウェディングフォトのメッカだから。
ほら、ふたりの将来を話しながらさ。
この日はなんてことない平日だったが、本当にウェディング撮影をしていた。
「今度ここに来るときは、ウェディング姿かな」
これが今日の決め台詞。
これだけは絶対に言う。絶対にだ。
今日は一人だけども、隣の彼女を想像してこの笑顔だ。
え?
「ずっと思ってたけど、その変な帽子なに!?」
!???
完璧な自転車デートコースが完成した
秋葉原に戻り、CycleTripにレンタルバイクを返却した。夢のような自転車デートも終わり。
ローディー諸君、いかがだったろうか? カフェ、神社、美術館と様々な場所を巡ったが、距離は15kmほどだ。この距離なら、女性も疲れずに観光を楽しめるのでは?
辛口ジャッジが随所に入ったような、途中ついてきてくれなかったスポットがあるような気もするが、これで理想のデートコースは完成した。
自転車も、CycleTripでレンタルすればよい。ガチガチのカーボンバイクだって借りられるし、E-BIKEだって借りられる。マウンテンバイクまである。
ただ、一つだけレンタルできないものがあると店長が言ってきた。
「彼女のレンタルはしておりません。彼女はご自分でご用意ください」
自転車デートへの道は、まだまだ長く険しいようだ。
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