【独立行政法人 製品評価技術基盤機構】電動アシスト自転車による事故の再発防止を目的をした注意喚起を実施
近年、電動アシスト自転車の販売が好調だ。2017年以降の販売数量の推移を見ると、軽快車(いわゆるシティ車)、その他自転車(マウンテンバイクやミニサイクル、幼児車など)と比較し、電動アシスト自転車が顕著に増加している。
このたび、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(以下、NITE(ナイト))[理事長:長谷川 史彦] は、 電動アシスト自転車による事故の再発防止を目的とした注意喚起を行う。
NITEに通知のあった製品事故情報※1では、2017年から2021年の5年間に電動アシスト自転車の事故が366件あった。走行中に転倒した事故やバッテリーの焼損事故などが発生している。
電動アシスト自転車はシティ車と同様に一般的な自転車としての注意点のほか、アシスト機能※2があるため、バッテリー搭載製品としての注意事項がある。
自転車は乗り始めてから一カ月目の点検やその後の定期的な点検が必要だ。特に今年の春から乗り始めた方は一カ月目の点検を受けると共に、乗車時の注意点を確認すること。
(※1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含む。
(※2)電動モーターによって、人の力を補助(アシスト)する機能のこと。ペダルをこぐ際の力を感知し、人の力の最大2倍の電力補助をする。時速10kmを超えて時速24kmまではその比率を速度に応じて徐々に下げ、時速24kmを超えると補助をしないと定められている。速度が低く、力が必要なときは強くアシストし、ある程度スピードが出てきたらアシストしなくなる仕組み。
事故発生および被害状況
2017年から2021年の5年間における自転車の製品事故636件の「年別の車種別事故発生件数」。2019年6月にハンドルロック「一発二錠」を搭載した自転車・電動アシスト自転車でリコールが行われており、この前後に多くの事故が発生している。2020年以降は減少している。
しかしながら、依然として電動アシスト自転車の事故は高い割合で毎年発生している。
電動アシスト自転車の事故366件の「被害状況別の事故発生件数」を示す。自転車の製品事故は走行中に発生するものが多いため、重傷事故が半数以上と多く発生している。
電動アシスト自転車を運転する際に気を付けるポイント
- 電動アシスト自転車の操縦に慣れるまでは人の多い道や坂道などで乗らない。
- またがってからこぎ出す(けんけん乗りをしない)。
- バッテリーを確実に取り付ける。
- 乗車前の点検を行う。
- 最新のリコール情報を確認する。
【動画】 電動アシスト自転車「1乗車前の点検と注意点」
本資料に掲載している自転車の車両について、ブリヂストンサイクル株式会社の協力のもと撮影した。
独立行政法人製品評価技術基盤機構製品安全センターの概要
NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられる。
製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っている。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てている。
LINK:独立行政法人製品評価技術基盤機構
WRITTEN BYFRAME編集部
FRAME編集部はロードバイク、MTB、ミニベロ、トライアスリートなど、全員が自転車乗りのメンバーで構成されています。メンテナンスなど役立つ情報から、サイクリングのおすすめのスポット情報、ロードレースの観戦まで、自転車をもっと楽しくするライフスタイル情報をお届けします。 https://jitensha-hoken.jp/blog/