スペシャライズドのルーベが新型に! どんな人向け? ロングライダーが見た最新エンデュランスバイクの5つの快適ポイント
スペシャライズドからエンデュランス系ロードバイク「ROUBAIX(ルーベ)」の新型情報が舞い込んできました。
第一線のレースシーンで活躍する一方で、ホビーレーサー、一般サイクリストにとっても身近なルーベ。世界的にもファンが多いモデルですが、そもそもエンデュランスモデルが快適に走れるのはなぜ? ルーベ独自の特徴とは?
最新モデル「ルーベSL8」の進化ポイントを交え、「みんなのルーベ」をじっくり掘り下げていきましょう。
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目次
スペシャライズドのエンデュランスロード「ROUBAIX(ルーベ)」
こんにちは。神楽坂つむり(つむりの悠々自適ライフ)です。
スペシャライズドのエンデュランスロード、ROUBAIX(ルーベ)。スペシャライズドのバイクの中でもとくに乗り心地が良く、快適に走れるロードバイクです。
私自身、自転車を初めて間もない頃に一時期乗っていたことがありますが、乗り味はまさに極上!
「ロードバイクはレースを走る機材」というイメージから「遠くまでラクに走るための乗り物」というイメージに生まれ変わったほどです。軽快な乗り心地にも驚いた記憶があります。
ルーベはこんな人におすすめできるロードバイクです。
- ロングライドに興味がある人
- リラックスした姿勢でラクに乗りたい人
- ゆったりマイペースのサイクリングが好き、だけど速さも妥協したくない人
詳細を掘り下げていきましょう。
スムースなれば速くなる。”Smoother is Faster”
ルーベには、「Smoother is Faster(スムースさ=速さ)」という独自のコンセプトが与えられています。
スペシャライズドの解説は以下のとおり。
サドルに安定して座り、自信を持ってハンドルバーを握られれば、つまりバイクの上でスムーズに身体を動かされれば、より速く走れるというシンプルなコンセプトが「Smoother is Faster」つまり「スムーズさ=速さ」です。これは山岳ルートでも、石畳でも、荒れた路面やグラベルでも同じこと。しかし、効率的なパワー伝達や精確なハンドリング性能とともにコンプライアンスがもたらされてこそ、スムーズさが速さに変換されます。スペシャライズドは数十年にもわたり、イノベーションに次ぐイノベーションを重ね、このコンセプトを追い求めてきました。
Smoother is Faster / Specialized
スムースさ=速さ。もう少し嚙み砕けば
快適さ=速さ
とも表現できるでしょうか。
実際に自転車で走っていると、これは強く実感することができます。むしろ快適じゃなければ、どれだけ軽くてよく進む自転車でも、それらのメリットはすべて無駄になる……といってもよいほど。
快適な自転車は疲れにくく、ストレスなく乗ることができます。フレームの素材や設計、各種パーツの構成や、身体との相性など、さまざまな要素によってこの快適性は変わってきますが、ルーベはこの快適さを追求するために、他のバイクにはない独自のテクノロジーが注がれています。
自転車の速さとは、瞬間的な速度だけを指すわけではありません。「ー日を通じてどれだけラクに快適に遠くまで走ることができるか」も重要になってきます。
その意味では自転車を始めたばかりの初心者の人や、ゆったりとマイペースでサイクリングしたい人にとって、この快適性がじつは一番大事なポイントかもしれません。
ルーベはモデルチェンジを繰り返す度に、この快適性が進化しています。さらに快適性だけではなく軽さやエアロ性能も向上させてるあたり、さすが世界的自転車メーカーだと感じます。
自転車に乗る理由は人によっていろいろですが、「よりラクに」「より遠くまで走りたい」そんな人にはルーベはうってつけなモデルです。
新型ルーベが快適な5つの理由
ルーベが快適性を得るに至ったテクノロジーを紹介します。最新のルーベSL8の進化ポイントとあわせてチェックしていきましょう。
①フューチャーショック
スペシャライズドのルーベを唯一無二の存在たらしめているのが、このフューチャーショックテクノロジーです。ルーベ発のこのテクノロジーはその効果が評価されて、今では同社の他の車種にも採用されつつあります。
ステムとフロントフォークの間に組み込まれるこのテクノロジーの正体は、上下方向におおよそ20mm動く小さなサスペンションのことです。サスペンション、つまりバネのようなイメージですが、実際は油圧ダンパー*という高度で信頼性の高い仕組みが採用されています。
*)フーチャーショックのグレードによる
凸凹道走行や段差を超えるためタイヤやホイール、自転車全体は当然上下に動きますが、このフューチャーショックを挟むおかげでライダーはその振動から解放されるというわけです。振動が軽減することでバイクも人も安定感が増して、疲れにくくなります。
「ライダーを車体から切り離す」という発想で長年開発を続けて来たスペシャライズドの底力といえますね。
2.0から3.0へ。最新の『フューチャーショック 3.0』
そんなフューチャーショックは前作からさらに改良が加えられて『フューチャーショック3.0』として生まれ変わりました。
新型Roubaixとともに登場するFuture Shock 3.0。個々のライダーに特化したチューニングが容易になり、走行時のポジションに関わらず、ステアラーの軸上でスムースに20mm動いて衝撃を吸収します。従来のフォークのように、衝撃を受けると後方へしなり、減速を招くことはありません。スムースさは、やはり実際に速さに直結するのです。
という紹介文にあるとおり、フューチャーショック3.0ではチューニング機能が進化。ライダーの体重や走る路面に合わせて衝撃に対する反応速度を細かく変更可能になりました。スプリングはファーム(ハード)、ミディアム、ソフトの3種類が用意されています。
また、ステム上部のダイヤルを回すことでライド中も調整可能な仕組みになっており、1日のライドの中でも場面に合わせて乗り心地を調整することができます。
ロングライドは一定のシチュエーションで走ることは少なく、とくに日本のように短い距離の中で山岳アップダウンや河川敷サイクリングロード、街中走行などさまざまなシーンが登場する場所においては非常に便利な仕組みだといえます。
前作のフューチャーショック2.0と比べて水や泥が侵入しにくいように改良され、耐久性がアップしたのも嬉しいポイントです。
②PAVÉ(パヴェ)シートポストとドロップド・クランプ
またフロントのフューチャーショックと同じく見逃せないのが、シートポスト周りの振動減衰機構です。
Pavé シートポストは、路面からの突き上げで動いたリアアクスルと反対の後方へしなるよう、カーボンレイアップを配置。この動きがサドルに伝わる衝撃を軽減させます。しかし、その際に減速が生じることはなく、バイクのリア側の剛性を高く保つため、漕いだ力をダイレクトかつ効率的に路面に伝えられます。また、コンプライアンスを高めるため、従来のシートポストクランプの位置を65mm下げたドロップド・クランプデザインを採用し、シートポストがさらにしなるようにしました。
前作から引き続き搭載されるこの機構は、シートポストにいわゆる「しなり」効果を生み出すテクノロジーです。
実際にロングライドをしていると、個人的にはフロント=ハンドル周りよりもリア=サドル周りの振動の方が、身体への影響度は高いと感じます。
ロードバイクに長時間乗車してお尻が痛くなった経験のあるサイクリストは少なくないと思いますが、それだけリア周りの振動は蓄積していくことで身体へじわじわとダメージを与えていきます。
先述したフューチャーショック3.0と組み合わさることで、他社の同クラスのエンデュランスロードバイクと比べて衝撃を53%も減衰するとスペシャライズドは謳っています。
数字と実際の体感は個人によって感じ方に差が出るとは思いますが、「ラクに」「遠くまで」走るためのテクノロジーは、ロングライドや快適にサイクリングをしたいサイクリストにとっての福音になることは間違いなしです!
③最新のエンデュランス・ジオメトリ
ジオメトリーとはフレームの設計思想や形状、各種数値を示します。ジオメトリでそのバイクの性質や特徴をおおよそ掴むことができますし、先述したテクノロジーやフレームの素材を別にすれば、バイクの性能や乗り心地を決めるのはこのジオメトリにほぼ全てかかっているといっても過言ではありません。
ルーベのジオメトリは快適に乗るために設計されていることが良くわかります。ショートリーチのハンドルに、低重心のBB、高めのスタックハイトなどライダーの疲労を軽減する具体的な解決策が盛り込まれています。
また、リラックスした姿勢で乗車しやすいので、身体の柔軟性に自信がない人や、まだロードバイクに乗り慣れていない人、これから自転車を始めたいという人にもおすすめ。非常に懐の広いバイクともいえるでしょう。
加えてスペシャライズドらしく、オールラウンダーレーシングのTARMAC(ターマック)や軽量バイクのAETHOS(エートス)で培った設計思想も随所に散りばめられており、快適でありながらもロードバイクとして大事な反応性やエアロ性能も足し算、もとい掛け算をすることで、非常に全体バランスの優れたエンデュランスジオメトリに仕上がっています。
前作からの大きな変更点として、フロントセンターが全サイズ平均で10mm伸ばされています。これにより、後述する太めのタイヤをセットできるようになりました。
④広がるタイヤクリアランス
新作のルーベは最大で38Cのタイヤを装着することが可能になりました。ここまで太いタイヤを履いた場合はもはやグラベルロードバイクに匹敵し、未舗装路を走ることも可能になるサイズです。ここも生粋のレーシングバイクとは設計思想が異なることがよくわかります。
太いタイヤは近年のトレンド。理由はさまざまですが、やはり一番の恩恵は乗り心地の向上でしょうか。タイヤが太い=空気量が多くなり、それはそのままクッション性の良さにつながります。その結果、振動は軽減され、バイクコントロールが安定し、疲れにくくなります。
腰が痛い、首が痛い、肩が痛い、そんな問題を解決する一番手っ取り早い方法が太いタイヤを履かせること、なんて言うと眉唾理論に思われそうですが、これがそれなりに効果があったりします。
何より一台のロードバイクでこなせる役割が増えるというのは嬉しい限り! 舗装路メインのライドには28Cタイヤをセットしたホイールを使用し、未舗装路をメインのライドには38Cタイヤをセットしたホイールを使用して、一台でさまざまなライドを楽しむ……なんてこともルーベは許容してくれます。
⑤もっと、広がる。拡張性
ロングライドをする上で重要なのが拡張性。新型ルーベは昨今グラベルバイク等で流行りのトップチューブマウントの他に、ボトルケージマウントを3箇所に配置。さらに雨天時の走行やアドベンチャーライド、ブルベに便利なフェンダーマウントまでも搭載をしており、まさに死角なし。これ一台で何でも出来てしまいます。初めての一台にも最高の選択肢となりそうです。
ラインナップ
ルーベはすべてカーボンモデル。
S-ワークスとノーマルに分かれ、カーボングレードやフューチャーショックのグレード、アッセンブルパーツにより全6モデルの展開されています。
S-WORKS ROUBAIX SL8
フレーム | FACT 12R, Rider First Engineered™ (RFE), FreeFoil ShapeLibrary tubes, threaded BB, 12x142mm thru-axle, flat-mountdisc |
フォーク | Future Shock 3.3 w/ Smooth Boot, FACT Carbon 12x100mm,thru-axle, flat-mount disc |
メインコンポーネント | SRAM Red eTAP AXS |
税込価格 | 1,738,000円 |
S-WORKS ROUBAIX SL8 FRAMESET
フレーム | FACT 12R, Rider First Engineered™ (RFE), FreeFoil Shape Library tubes, threaded BB, 12x142mm thru-axle, flat-mount disc |
フォーク | Future Shock 3.3 w/ Smooth Boot, FACT Carbon 12x100mm, thru-axle, flat-mount disc |
メインコンポーネント | ー |
税込価格 | 737,000円 |
ROUBAIX SL8 EXPERT
フレーム | FACT 10R, Rider First Engineered™ (RFE), FreeFoil Shape Library tubes, threaded BB, 12x142mm thru-axle, flat-mount disc |
フォーク | Future Shock 3.2 w/ Smooth Boot, FACT Carbon 12x100mm, thru-axle, flat-mount disc |
メインコンポーネント | SRAM Rival eTAP AXS |
税込価格 | 770,000円 |
ROUBAIX SL8 COMP
フレーム | FACT 10R, Rider First Engineered™ (RFE), FreeFoil Shape Library tubes, threaded BB, 12x142mm thru-axle, flat-mount disc |
フォーク | Future Shock 3.2 w/ Smooth Boot, FACT Carbon 12x100mm,thru-axle, flat-mount disc |
メインコンポーネント | Shimano 105 Di2 |
税込価格 | 495,000円 |
ROUBAIX SL8 SPORT 105
フレーム | FACT 10R, Rider First Engineered™ (RFE), FreeFoil ShapeLibrary tubes, threaded BB, 12x142mm thru-axle, flat-mountdisc |
フォーク | Future Shock 3.1 w/ Smooth Boot, FACT Carbon 12x100mm,thru-axle, flat-mount disc |
メインコンポーネント | Shimano 105(R7100/12s) |
税込価格 | 385,000円 |
ROUBAIX SL8
フレーム | FACT 10R, Rider First Engineered™ (RFE), FreeFoil ShapeLibrary tubes, threaded BB, 12x142mm thru-axle, flat-mountdisc |
フォーク | Future Shock 3.1 w/ Smooth Boot, FACT Carbon 12x100mm,thru-axle, flat-mount disc |
メインコンポーネント | Shimnao Tiagra |
税込価格 | 297,000円 |
極上の最新エンデュランスバイク
「速さは求めつつも、快適でなければ意味がない」という根底の思想は、私たちのようなホビーレーサーにこそ最も価値のあるものだと感じます。
もっぱらレースに出場するようなレース志向の人はターマックシリーズがおすすめですが、バイクにライドのサポートをしてもらい、快適に1日をサドルの上で過ごしたい人には間違いなくルーベがおすすめ!
今作のスペシャライズドルーベは、現時点で間違いなく世界最高峰のエンデュランスバイクの一つ。ロングライドに最適な相棒を探しているなら、ぜひ候補にあげてほしいですね。
▼エアロになった最新オールラウンダー『ターマックSL8』はもうチェックした?
Photos (C) Specialized
LINK: Specialized
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WRITTEN BY神楽坂つむり
ブログ「つむりの悠々自適ライフ」の管理人 大学時代に自転車と出会い、暇があれば各地をツーリングする日々。 最近では海外旅にも挑戦中。機材ネタや旅のノウハウ、旅レポートを執筆中。 http://tsumuri5.com/