【SHIMANO】新型デュラエースが登場!12速化&ワイヤレス

新型デュラエース

“For those who never compromise”(妥協を許さない者たちへ)。R9200シリーズへと生まれ変わったDURA-ACEはDI2専用の12速変速システムへと進化。多様なフレームに対応するためディスクブレーキとリムブレーキをスタンバイ。新たなテクノロジーとしてワイヤレスシフト(注:ディスクブレーキ仕様のみ)、54-40Tのチェーンリング、11-34Tのカセットスプロケットが導入されている。新世代のDURA-ACEは単に新しいグループセットの誕生ということだけではなく、すなわち「SCIENCE OF SPEED」の研究の頂点を意味する。

「SCIENCE OF SPEED」

SCIENCE OF SPEED

 R9200シリーズはより速く、より正確に、そして直感的な操作を実現すべく開発と研究を重ねてきた。R9200シリーズを特徴付けるものは駆動効率を極限まで高めた12速変速システム、卓越したエルゴノミクスかつクリーンなワイヤレスコックピット、エアロダイナミクスに優れたチューブレスとチュブラーホイール、さらに強化されたブレーキシステム、そして最新デジタルテクノロジーとの融合。世界のトップアスリート達と共に常にベストを模索し「SCIENCE OF SPEED」のあらゆる可能性について調査、研究、開発を重ねた結果、エンジニアは次の5つの要素を開発のテーマに置くことを決めた。

  1. シフティングプラットフォーム
  2. コントロールインターフェイス
  3. ブレーキシステム
  4. ドライブシステム
  5. ホイールシステム

シフティングプラットフォーム

かつてない変速スピード。そして揺るぎない信頼性

既に完成の域にあったDI2プラットフォームに満足することなく、R9200シリーズではSTIレバーとディレイラーをワイヤレスで動かしながらも従来モデルより変速スピードを速め、絶対的信頼性を確保した。”Fastest Shifting Ever” R9200シリーズは各ディレイラーの内部モーターの設計を抜本的に見直した結果、R9100シリーズと比較してフロントディレイラー(FD-R9250)の変速スピードを45%短縮。リアディレイラー(RD-R9250)の変速スピードは、従来モデルをはるかに凌ぐ58%短縮することに成功している。さらに変速性能の絶対的信頼性の秘密にはワイヤー接続が隠されている。コンパクト設計のエレクトロニックワイヤー(EW-SD300)がDI2バッテリー(BT-DN300)とフロントディレイラー、リアディレイラーを接続。唯一の内蔵バッテリーによって、充電をシンプルにするだけではなく、ハイボルテージ接続によって今までにない変速スピードを実現している。そのため、R9200シリーズは変速スピードの観点で、STIレバーとディレイラーのみを無線接続とするセミワイヤレス方式をあえて採用している。DI2の頭脳とも言える高速処理スピードとパワー消費を抑えたチップ回路は高いセキュリティー性を誇り、DI2バッテリーは1回の充電で約1,000kmの走行を可能としている。またSTIレバーはコインタイプのCR1632で駆動し、約1.5~2年の使用が可能となる。

コインタイプのCR1632

R9200のリアディレイラーは今までと大きく異なる。例えば、DI2バッテリーへの充電はリアディレイラーを通じて行うことになり、さらにSTIレバーとのワイヤレス接続はリアディレイラーを通じて行うため、従来のワイヤレスユニット(EW-WU111)やジャンクションA(SM-RS910)は不要となる。これによりRD-R9250は充電ポート、シンクロシフトモードやセッティングモードを意味するLEDライトとDI2オペレーションを備えた次世代のリアディレイラーへと進化した。なお、有線接続もオプションで設定されている。その場合、ワイヤレス接続と比較してバッテリーの消費を約50%抑えることができる。(※リムブレーキタイプは有線接続のみの設定)

コントロールインターフェイス

比類なきエルゴノミクスとクリーンなコックピット

プロライダーのライディングポジションやその好みは以前と比較して大きく変化している。DURA-ACEは長年に渡って多くのトップライダーとの研究、開発を積み重ね、クライミング、スプリント、タイムトライアルにおける快適性、エアロダイナミクスに優れた比類なきエルゴノミクスを両立させてきた。

2×12SワイヤレスディスクブレーキSTIレバー(ST-R9270)

新しく生まれ変わった2×12SワイヤレスディスクブレーキSTIレバー(ST-R9270)はブラケット先端部分を少し内側にカーブさせており、これによってブラケット部分がさらに握りやすくなっている。またエアロポジション走行姿勢をより改善するために、ヘッド部分は従来モデルよりも高く設計。またハンドルバーとレバー間に指3本が入るようにリーチを大きくするなど、快適性と安全性の向上も図られた。さらにDI2ボタンのオフセットを増やすことで、雨のライドやグローブ装着時でも、よりシフトダウン/アップがしやすいようにデザインが見直されている。コックピット周辺をワイヤレス化することで、コンポーネンツの組付けを容易にするだけではなく、クリーンな見た目も演出。R9200シリーズでは2種類のサテライトスイッチがラインナップされており、ドロップハンドルに配置するSW-R801-Sとアップハンドルに配置するSW-R801-Tを用意。R801-Sはスプリンタースイッチとして、さらにR801-Tはクライミングシフターとして使用することができるだけではなく、PRO Vibe Evoと一体化する設計(R801-Tのみ)になっている。

ドライブトレインシステム

素早くシームレスな変速システム

MTBで培われたハイパーグライド+テクノロジー。R9200シリーズに採用されているハイパーグライド+テクノロジーはロードコンポーネントに最適な11Tトップギアのカセットスプロケットを採用。6段、7段、8段のいわゆる”スイートスポット(使用頻度の高いギア)”の端数構成を見直すことで、スピーディーかつ効率的な伝達効率、チェーンの安定性を実現している。ハイパーグライド+はシフトアップ、シフトダウンの時や、どんな路面状況下においてもシフト時間を大幅に短縮するだけではなく、ペダリングのショックも減少させることにも成功している。従来はシフトチェンジの際にペダリングの力を抜く必要があったが、R9200シリーズでは最大の力でペダルを踏み込むような状況でも、より速く、そして滑らかな変速を実現した。集団から一気に抜け出していく、前の選手に追いついていくといった瞬間的な動きに際して、ペダリング踏力を緩めることなく、素早く変速することができ、シームレスな変速は、常にライドに集中できる。DURA-ACEハイパーグライド+ スプロケットでは11-30Tと新たにヒルクライムに最適な11-34Tをラインナップ。このカセットスプロケット(CS-R9200)は新しいスプラインパターンが採用されており、従来のR9100シリーズ11速ホイールとの互換性も持たせている。

従来のR9100シリーズ11速ホイールとの互換性

さらにフロントチェーンリングにはハイスピード化するレース向けの54-40Tが設定されたことで、フロントクランク(FC-R9200)は50-34T、52-36T、54-40Tの3つのバリエーションで展開される。クランクアーム長は160mmから177.5mmまで選択可能でQファクターは148mm。クランク一体型パワーメーターもR9200シリーズには設定されており、正確かつ素早いデータ収集が可能。1回の充電で約300時間の使用を可能とし、フルレンジでのひずみゲージパワー測定精度はFC-R9100-Pと比較して1.5%改善されている。

FC-R9200

ブレーキシステム

最良のコントール性能、優れたメンテナンス性

ブレーキシステム

レースはコーナーで決まると言っても過言ではない。ブレーキ性能を向上させるということは、すなわちレースで勝つために必要不可欠な要素。MTBやグラベルコンポーネントからのフィードバックを得たサーボウェーブアクションが搭載されたSTIレバーは、従来モデルと比較してコントロールエリアが13%拡大されている。フリーストロークを短くすることで、テクニカルなセクションであったとしても、より繊細なブレーキコントロールを生み出している。さらにブレーキパッドとローターとのクリアランスを10%広げ、ローターの熱変形を抑えるだけではなく、パッドとローターの干渉を防いでいる。

ブレーキパッドとローターとのクリアランス

それと同時にメンテナンス性も新たに見直された。ブリードポートとバルブスクリューをそれぞれ分けることで、ブレーキキャリパー(BR-R9270)をフレーム本体から外すことなくブリーディングを行うことが可能となる。

ブリードポートとバルブスクリュー

ホイールシステム

エアロダイナミクス、駆動効率と軽量化

「SCIENCE OF SPEED」の最後の柱はライダーのインプットとスピードのアウトプットの最後の接点とも言えるホイール。開発プロセス全体で「コントロールを犠牲にしない抵抗軽減」「駆動剛性を高めた新たなダイレクトエンゲージメント」「軽量化」の3つの要素を開発テーマとして置かれたフルカーボンチューブレス、チュブラーホイールは新たな勝利へのアドバンテージ。R9200シリーズでは3つのリムハイトをラインナップ。

ホイールシステム
  • C36(WH-R9270-C36-TL) ヒルクライムに最適な軽量ホイール
  • C50(WH-R9270-C50-TL)  バランスに優れたオールランドホイール
  • C60(WH-R9270-C60-TL)  スプリントに最適なエアロダイナミクスホイール

C36、C50のフロントホイールは左右1:1の標準的なスポークパターンと軽量の1.5mmスポークを採用。リアホイールは2:1のスポークパターンとなっている。C60はフロントホイール、リアホイールとも左右2:1のスポークパターンを採用しており、採用されている1.8mmスポークは駆動剛性の向上にも貢献している。抵抗軽減は特にC50ホイールにとって大きな開発目標だった。R9100シリーズと比較して、5.1W(WH-R9170-C40-TLと比較して)、1W(WH-R9170-C60-TLと比較して)空気抵抗の低減に成功している。それと同時に駆動効率を高めることは加速時にペダリングのダイレクト感を高めることとなる。新たなダイレクトエンゲージメントハブはハブ単体で従来と比較して45g軽量化しただけではなく、駆動剛性を63%(WH-R9170-C40-TLと比較して)高めている。

DURA-ACE R9200:”For those who never compromise”(妥協を許さない者たちへ)。
シマノの「SCIENCE OF SPEED」の研究は常にロードバイクを新たな次元へと発展させてきた。DURA-ACEのロゴが刻まれたSTIレバー、ブレーキキャリパー、ホイール、ディレイラー、カセットスプロケット、クランクセット。コンポーネンツの細部に至るまでエンジニアの情熱が宿っている。シマノの次のレベルのスピードへのあくなき挑戦は終わらない。

同時発表された新型アルテグラの詳細はこちら!

LINK:シマノセールス株式会社

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WRITTEN BYFRAME編集部

FRAME編集部はロードバイク、MTB、ミニベロ、トライアスリートなど、全員が自転車乗りのメンバーで構成されています。メンテナンスなど役立つ情報から、サイクリングのおすすめのスポット情報、ロードレースの観戦まで、自転車をもっと楽しくするライフスタイル情報をお届けします。 https://jitensha-hoken.jp/blog/

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