POLARデータによりコロナ禍により運動の傾向が変化し、日本ではウォーキングが増加
スポーツ用ウェアラブルデバイスと心拍数テクノロジーの世界的リーディングカンパニーであるポラール・エレクトロ(本社:フィンランド ケンペル、代表取締役Sander Werring)は、2019年から3年間のポラールユーザーのデータを調査し、日本のユーザーのウォーキング人口が増えていることが分かった。2019年では日本のユーザーが行った全体のスポーツのうちウォーキングが占める割合は9%だったが、2020年は15%、2021年は17%となり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ウォーキングを選ぶユーザーが増えていることが明らかになった。なお、分析はすべて、各個人の識別情報を除外した匿名化したポラールユーザーのデータを用いている。
データについて
グローバルの分析結果からは、多くの国々でも日本と同様な傾向を見ることができた。ポラールの本社があるフィンランドをはじめ、ノルウェー、スウェーデンといった北欧の国々はスポーツ全体に占めるウォーキングの割合がもともと高い傾向にあったが、新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)にあわせて、さらに他のスポーツよりウォーキングを選ぶ人が顕著に増えている。北欧の国々に次いで、日本のほかに、オランダ、イギリスのユーザーのウォーキングの割合が高くなっている。その他のヨーロッパの国々やブラジルではウォーキングの割合が増加傾向ではあるが、大きくはなかった。
ウォーキングの人気は、パンデミックの時期にあたる2020年に始まりましたが、世界がコロナとの生活に適応するにつれて、ウォーキングは若い世代で伸び続けている。これまで若い世代は、フィットネスの向上が早く得られる、運動強度が高く効果の高い運動を好むと考えられていた。しかしこのデータからは、Z世代は運動強度が低く効率的な運動を取り入れているという認識の変化を示していると考えられる。
ウォーキングの増加傾向は、ポラールユーザーの1日平均歩数の全体的な増加にもつながっている。2021年の夏に計測されたデータは、1日平均約10,000歩となり、2020年の同じ時期と比較して約500歩多くなっている。この傾向は日本だけでなく、グローバルでも同様に見られる。すべての年齢層における平均でウォーキング1回あたりの距離は平均4.5km、また時間は1時間を超え、約360キロカロリーを消費していた。
この傾向は今後も続くと思われ、ポラールリサーチセンターのRaija Laukkanen博士は、すべてのウォーキング愛好者がウォーキングを最大限に活用する方法について、下記のような推奨事項を述べている。
- 運動効果を得るには、必ずしも高強度のトレーニングを行う必要はない。低強度でゆっくりとした歩行は、心血管系の健康を維持するのに役立つ。
- ハイキングなどの高強度のウォーキングエクササイズは、体全体でより多くの筋肉を使うことで、ウォーキングの効果を高める良い方法だ。
- 歩く場所(地形)を変えることも、トレーニング強度に多様性を与えるのに役立つ。例えば上り坂や下り坂では、ウォーキングの強度に大きな影響を与え、より高い効果につながる可能性がある。
- 複数の人と一緒に歩くことは社会的なつながりにもなります。これは身体的健康の改善には直接つながらないかもしれないが、精神的健康とストレスレベルに良い影響を与える可能性があります。
- ウォーキングで心拍数を計測する事は、自身の運動を最適化し、様々な状況での心拍数ゾーンについてより理解することができるので、ウォーキングを最大限に活用化できる。ゆっくり歩くことでも気分転換や健康維持につながるが、最大心拍数の60~70%であるゾーン2で行うことで代謝・脂肪燃焼の効率が上がり、最大心拍数の70~80%であるゾーン3で行うことで持久力の向上につながる。
ウォーキングの身体的、精神的な利点について、定期的に歩く人はそうでない人よりも健康で長生きすることが、これまでも多くの研究で示されている。Laukkanen博士は次のように述べている。
ウォーキングは、私たちが日々健康を維持するための、最もシンプルで効果的な方法の一つです。この手軽な運動は、運動強度を適宜変えることが可能で、非常に実施しやすい運動です。またロックダウンは若者の精神面での健康に影響を及ぼし続けるため、ウォーキングは気分を改善するだけでなく、うつ病や緊張、ストレスを軽減し、さらには睡眠の質の向上に役立ちます。
ポラールについて
Polar Electro(本社:フィンランド、設立:1977年)は、1982年に世界ではじめてトレーニング用心拍計モニター装置を開発した、心拍トレーニングのスペシャリスト。同分野のリーディングカンパニーとして約40年にわたり、徹底的な研究・分析に基づく革新的な製品を世に送り出してきた。その製品の正確さと性能の高さ、優れた心拍数モニター機能はトップアスリートや専門家に認められ、世界中で使われている。現在、世界80カ国以上で販売されている。ポラール・エレクトロ・ジャパン株式会社は、ポラールの100%子会社として2009年3月に設立された。日本国内でスポーツにおける心拍トレーニングの重要性をアスリートや一般の方へ広く訴求している。
ポラールリサーチについて
ポラールの調査結果は、複数のポラールデバイスと12か国以上のPolar Flowソリューション内のユーザーデータから作成されている。16歳以上のほぼ全てのポラールユーザーは、少なくとも週に1回運動している。調査には、100万以上のサンプルが含まれている。この調査結果は、2019年1月から2021年12月の間に収集されたポラールユーザーデータから集計されている。また各個人の識別情報を除外した匿名化した個々のユーザーデータに基づいて計算されている。ユーザーデータは、統計データとしてまとめられ、個人が特定できる形で利用することはない。
LINK:ポラール・エレクトロ・ジャパン株式会社
WRITTEN BYFRAME編集部
FRAME編集部はロードバイク、MTB、ミニベロ、トライアスリートなど、全員が自転車乗りのメンバーで構成されています。メンテナンスなど役立つ情報から、サイクリングのおすすめのスポット情報、ロードレースの観戦まで、自転車をもっと楽しくするライフスタイル情報をお届けします。 https://jitensha-hoken.jp/blog/