木村拓哉、マツコも走った花見川サイクリングロードって?
目次
マツコ・デラックスさんに会いに行く マダム・タッソー東京
48歳、オッサン、哲也です。本業は映画ジャーナリスト。今回は自転車放浪記というより、ポタリングかな。千葉市の花見川サイクリングロードを走ってきた。
きっかけは、熊谷俊人・千葉市長のツイッター(5月6日)だった。
マツコデラックスさんと木村拓哉さんが学生時代の花見川サイクリングロードの話で盛り上がったみたいですね。 https://t.co/ztvJOxf5Jq
— 熊谷俊人(千葉市長) (@kumagai_chiba) 2017年5月5日
おお、そうだったのか。千葉市在住のオッサンにとって、花見川サイクリングロードはいわば、ホームコース。慌ててネットをググって、情報をチェックした。
2人が地元トークで盛り上がったのは、マツコ・デラックスさんがホスト? を務めるテレビ朝日系「夜の巷を徘徊する」(5月4日放送分)でのこと。今回は高校時代の同級生(当時面識はないとのこと)だった木村拓哉さんと夜の浅草寺を歩くという内容だった。車内では、高校までの通学方法が話題に。
当時の最寄り駅は、木村さんがJR総武線の新検見川駅、マツコさんが隣の稲毛駅で、互いにチャリ通学だった。
木村「(自宅から学校まで)遠いって。花見川のサイクリングロードずっとだもん」
マツコ「うわ、懐かしい。木村拓哉の口から『花見川のサイクリングロード』の名前が出てきたわよ」
浅草寺での“徘徊”が終わった後も、マツコさんは(浅草寺ではなく)花見川サイクリングロードを選ぶべきだった、との感想も。熊谷市長も、「嬉しいコメントでしたね」と言及し、魅力向上に務めたいとツイートしていた。
これは乗っかるしかない!オッサンは常々、花見川サイクリングロードは千葉市が誇る大きな財産だと思っていた。その魅力をみなさんに知っていただきたい! しかし、ただ乗りは心苦しいので、5月10日、マツコさんに会いに行ってきた。で、その写真。
すまん。東京・お台場にある「マダム・タッソー東京」の蝋人形だ。だが、よくできている。ここには、70体以上のフィギュアが展示されているが、正直、似てないものもある。そんな中でも、マツコさんのフィギュアはかなりレベルが高い。
「2012年6月23日に東京で行われたシッティング(計測)および2012年のポートレートを基に等身大フィギュアを作成。衣装は本人提供」との説明だ。サングラスは後ろにあるレディー・ガガさま用のなりきりグッズから借りて、通りがかりの訳あり風のカップルに頼んで、撮ってもらった。館内のスタッフさんも「写真をお撮りしましょうか」と声をかけてくれ、ジョニー・デップ、三浦知良選手のフィギュアとも撮影。一人で行ったオッサンもかなり満喫した。再び、すまん。でも、仕事だ!
高校時代の木村拓哉さんも走った道
さて、翌5月11日。花見川サイクリングロードは利根川の支流である花見川沿いに作られたサイクリング専門のコース。上流に上がっていくと、新川サイクリングコース(八千代市)、印旛沼サイクリングコース(佐倉市ほか)と名称が変わり、利根川まで約54キロのロングライドが楽しめる。
今回は、マツコさんと木村さんの母校、千葉県立犢橋高校を出発点として、検見川浜のサイクルセンター近くの「THE SURF OCEAN TERRACE RESTAURANT(ザ・サーフ オーシャンテラス レストラン)」をゴールとした。スタートは12時40分。写真も撮りつつ、14時半のラストオーダーまでには間に合いたい。
自転車NAVITIMEの「サイクリングロード優先」モード(有料、1か月無料)で検索すると、総距離11.4km、時間1時間6分、獲得標高21mと出た。ゆっくりいっても、2時前には着きそうだ。
犢橋高校からサイクリングロードの入り口までは約1.6キロほど。サイクリングロードに入ると、トイレ、自販機はほとんどないので、いくつかあるコンビニで用を済ます。三角町の交差点を左折し、住宅地を抜けると、サイクリングロードの入り口。標識も出てくるので、迷うことはない。
サイクリングロードは緑がいっぱい。鶯の鳴き声も聞こえてきて、のどかな雰囲気。ここは、ペースを落として、川辺の風景も楽しみたい。自転車乗りだけではなく、ウォーキングやジョギングを楽しむ人も多い。レジャー施設でもあり、生活道路でもある。専用道路ということで、自動車との接触事故の心配も少ない。通学には絶好の道と言える。
花見川の語源は諸説あるが、治承4(1180)年頃に書かれた「千葉実録」にこんな記述がある、という。源頼朝がこの地を通った折、川の名を聞いた。同行した千葉常胤の六男、東六郎太夫胤頼は二首の和歌を読んで答えたという。
「行く水の色もあやなる花見川 桜波よる岸の夕風」
「水上の藻にや咲くらん谷川の花見にけらし峰の春風」
この流域には、見事な桜並木があって、4月上旬の開花時期には見頃を迎えるのだ。
ここは、千葉在住だったハードボイルド作家、故・稲見一良(いなみ・いつら)の短編集「遺稿集 花見川のハック」の舞台でもある。この名前はおそらくペンネームだが、「稲毛」と「花見川」から取られたもので、一番良い、という愛着を名前にしたのではないか、と推測する。「ダック・コール」「セント・メリーのリボン」あたりもオススメしたい。
5月11日の天気は晴れ、最高気温25.8度。距離は短いので、サイクルパンツではなく、ショートパンツにTシャツというスタイル。風もそこそこあって、気持ちもいい。ちょうど西に向かっていく格好になるので、日差しが眩しい。濃い色のサングラスは必須。
サイクリングロードは快適。途中、幹線道路にもぶつかるが、信号はほとんどない。周囲の草木は青々と茂っている。欲を言えば、花が欲しいところ。オッサンは意外に花好きなのだ。菜の花、ツツジなどあれば、もっと目を楽しませてくれるだろう。下流へ向かうにつれ、周囲の建物の数が増えてくる。各所に架かった橋の下には、釣り人の姿もある。
「何が釣れるのですか?」と聞くと、テナガエビだという。釣ったエビは泥抜きをして、素揚げにすると、美味とか。
JR総武線の高架下を抜けていくと、幕張新都心の高層ビルディングが見える。この辺りからは徐々に潮の香りがする。山林のような道から、畑、宅地、高層ビル群、そして、海へ。変化に富んだ風景も、このサイクリングロードの魅力である。
釣り、カイト・サーフィン 近くはエアレース会場 検見川浜
東京湾を臨む検見川浜が見えると、グンと視界が開ける。潮風が気持ちいい。浜ではサイクリング、ジョギング、昼寝、読書、ウインドサーフィンを楽しむ人がいる。堤防には、釣り人も多い。ちょっと行ってみよう。
海から幕張を見ると、ロッテ・マリンズの本拠地、ZOZOマリンスタジアムや高層ホテル群が見える。その前の海はレッドブル・エアレース千葉2017(6月3、4日)の会場だ。国際航空連盟(FAI)公認の飛行機レース世界選手権の第3戦(全8戦)で、世界トップクラスのレースパイロット14名が参加。前回大会で優勝した室屋義秀選手の連覇なるか、注目だ。
堤防の釣り人は全員シニア層。自転車で来て、釣り糸を垂らしている。しかし、どうも釣果はいまいちらしい。釣り上げている人は見なかった。先端で2本の釣り竿を垂らしている人に聞く。
「釣れますか?」
「いやあ、全然。風があるからね」
シニアの釣り人とカイト・サーフィンを眺めながら、しばし雑談。
「別に釣れなくても、いいんだよ」と釣り人。
金はかからないが、平日の贅沢な午後である。
「日向ぼっこには絶好の天気ですね」とオッサンは話を合わせる。
「釣りより貝採りの方がいいよ」
ハマグリに似たホンビノス貝が取れる、とのこと。酒蒸し、クラムチャウダーにすると、うまいらしい。
ブイヤベースを堪能 THE SURF OCEAN TERRACE
テナガエビやら、ホンビノス貝の話を聞かされて、頭の中がすっかり貝料理モードになってきたところで、午後2時、ゴールのTHE SURF OCEAN TERRACEへ。閉店は3時なので、ゆっくり時間が取れそうだ。
ランチの予約は2週間先までいっぱいという人気店だが、時間が遅かったせいか、すぐに入ることができた。店員さんにオススメを聞くと、「ブイヤベースが人気です」とのこと。貝モードのオッサンは早速、注文する。5月といえば、カンヌ国際映画祭のシーズン。新聞記者時代は、何度もカンヌにも行かせてもらった。そこで、毎回1度は食するのがブイヤベースであった。オッサンにとって、思い出の料理だ。
前菜は白く光る大皿の上に、新鮮な野菜のオードブルとソース。「フランスパンはいかがですか?」とやってくる。これをオリーブオイルにつけて食べるわけだ。
前菜を食べ終わると、黒い鉄鍋に入ったブイヤベース。湯気まではっきり写真に映るほどアツアツ。エビ、白身魚、各種貝類(詳しくは分からん)が盛りだくさん。地中海ならぬ房総の海の幸である。+350円でパスタ、リゾットを加えられる、とのことだが、量は十分。スープもよく魚貝類の旨味が出ている。最後は、パンをスープにつけて、一滴残らず平らげた。おいしかった!
しかし、だ。マダム・タッソー東京にしても、このオシャレなレストランにしても、オッサン一人で来る場所ではないわ。
木村さん、マツコさん。次回はぜひぜひ花見川サイクリングロードを徘徊してください。夜は電灯がほとんどないので、真っ暗だけども。
千葉市外からの手段
輪行の場合はJR京葉線検見川浜駅などで下車。検見川浜のサイクルセンターを出発地にするのがベスト。自動車の場合は検見川浜の有料駐車場を利用。今回は走らなかった花島橋以北の地点はさらに見どころあり。こちらは、改めてレポートしたい。