プロ選手も走る!? 関西の定番ヒルクライムスポット「鍋谷峠」
大阪南部から和歌山県にまたがる「鍋谷峠(なべたにとうげ)」。スタート地点は大阪側と和歌山側にあり、ともに距離5〜6km、平均勾配7.6%、最大斜度も10%ほどのコースですが、斜度がある程度一定で黙々と鍛錬できる大阪側と風景が楽しめる和歌山側など、コースの特徴が異なるので、それぞれ違った楽しみ方ができます。
またタイトルにもあるようにマトリックスやシマノの選手たちの目撃情報もよくあり、実際Stravaの上位に彼らが名を連ねています。
南大阪や和歌山からのアクセスのしやすさや、コースの楽しさから、サイクリストが多く集まり「聖地」とも呼ばれる人気のヒルクライムスポット鍋谷峠。アクセス、ルート、休憩どころなどをご紹介します。
目次
鍋谷峠へのアクセス
鍋谷峠とは、大阪府和泉市~和歌山県伊都郡かつらぎ町を繋ぐ峠です。古くから大阪南部と和歌山の高野山方面へとを結ぶ主要道路でしたが、2017年に自動車用のバイパストンネルが通り、旧道である鍋谷峠は車がホントに少なく、まさにサイクリング天国です。
輪行の場合
大阪側、和歌山側どちらも輪行は可能ですが、今回は大阪側からのアプローチをおすすめします。スタート地点への最寄駅は泉北高速鉄道和泉中央駅になり、鍋谷峠の入り口まで約11kmです。ちなみに和歌山側の最寄駅はJR和歌山線笠田駅です。
和泉中央駅から鍋谷峠入り口まで
車載の場合
和泉中央駅付近にコインパーキングはありますが、国道480号線を通って和歌山側に行き後述する道の駅「くしがきの里」に停めるのがおすすめです。高速道路利用の場合は京奈和自動車道かつらぎ西ICから国道480号線経由で約3.6km。
鍋谷峠コース詳細
大阪側からスタート
2017年に鍋谷峠に代わる自動車用バイパストンネルが開通したため、序盤で一部国道の歩道を通るルートになっています。
コースはある程度一定の斜度と、同じようなカーブを黙々とこなします。初めての方はサイコンの距離や高度を参考に現在地してください。ホント同じ風景なので精神的に不安になります。
また、道幅は車1台通れるくらいのところが多く、全体的に細いです。路面状況は太陽があまり当たらない北斜面のためあまり良くない部分もあるので、下る時は注意してください。
標高差:435m
距離:5.9km
平均斜度:7.6%
最大斜度:10%ほど
国道480号線合流付近になると、工事中のため路面が荒れています
ここを歩いて鍋谷峠を越える人はおそらくいない。実質サイクリスト用となっている歩道。
右へ曲がり、再びヒルクライムコースへ。ストラバなどでは先ほどの製材所付近の橋がスタートになっていますが、安全面を考えるとこの地点をスタートにしてもいいかも。
カーブにある不法投棄厳禁の看板。この後何回も見ることになります。
カーブを越えると木々に囲まれた荒れた路面。斜度は5%強くらい。
2.2km付近の少しひらけたところ。斜度は平均より少し高めの8%ほど。
斜度自体はゆるいのですが、こういうカーブが何回も続き、同じような風景ばかりなので精神的にきつい。
同じようなカーブに若干イライラし、ダンシングで一気に走り去ろうとする。
写真を撮っていると、登る人と下る人を合わせて4~5人に遭遇しました。
4.8km付近。この辺りに来ると少し景色が楽しめます。山桜がキレイでした。
ゴール前の直線で他のサイクリストに差される。タイムを競っていたわけではないのですが、このタイミングはなんか悔しい。
先ほどのゴール地点から100m弱進んだところにある「鍋谷峠」の看板。登りきったサイクリストが数人休憩していました。
和歌山側からスタート
初めは緩やかなのですが、徐々に斜度が上がっていきます。登ってる途中で景色も楽しめるのが和歌山側の魅力。
また、道幅は一部狭い部分がありますが、2車線の区間もあり全体的に広いです。路面もある程度キレイなので走りやすくなっています。
以前は1kmほど手前がスタート地点でしたが、前述したバイパストンネルができた影響で短くなっています。
標高差:370m
距離:5.2km
平均斜度:7.6%
最大斜度:10%ほど
3月下旬ごろなら桃の花がキレイだったであろう、福徳寺付近のカーブ。
スタートから3km付近の景色。スタート付近の集落が小さく見えます。
序盤の緩やかなところで調子に乗って足を使うと、後半は8~10%のところが多く苦しくなるので、余力を残すペース配分を。
4km付近のカーブ。道幅が広く登りは外側を走るので傾斜は緩やか。
4.8km付近のヘアピンカーブ。斜度も10%ほどあり、終盤のこの辺りが一番しんどい。
先ほどのヘアピンに続き、またヘアピン。こちらの斜度は5%前後で緩やか。
和歌山側からのゴール。大阪側と同じ場所です。取材時は4月というのに気温は4℃!登って暑いはずなのに、手足から冷えてくる。
鍋谷峠周辺おすすめグルメ
大阪側から鍋谷峠を経て下った先の和歌山県かつらぎ町と紀の川市は、野菜やフルーツの産地です。せっかくなので、新鮮な食材を使ったランチや名物を食べてみてはいかがでしょうか。
ムリーノ
紀ノ川農業協同組合が運営するファーマーズマーケットふうの丘に併設されているムリーノ。紀の川市で採れた新鮮な野菜を使った料理が味わえます。
日によってカレーの種類が違うようで、この日は「南インドの魚カレー」。さらっとしたスープに酸味のあるスパイスが効いています。地元の食材を中心とした野菜を素揚げしてトッピングしています。
クライム後の空腹のためガッついています。自転車に乗っている時はカレー率が高い気がする。
紀の川トマトで煮込んだハンバーグのロコモコ。こちらも日によって変わるそう。
道の駅 くしがきの里
車載の場合の駐車場所として紹介した「道の駅 くしがきの里」には、地元の名産品をはじめ、売店やパン屋などがあります。2018年4月14日には、蕎麦やうどんなど軽食を提供するレストランもオープンしました。
昔、腐食しないように柿の葉でお寿司を包んだものが始まりだと言われています。この辺りの名物でもあり、お店によってさまざまなものが売られています。こちらは、さばとさけの6つ入り。
ヒルクライム後は、やっぱり汗を流したい
和歌山側、大阪側のどちらにも入浴施設があるのが、このコースのいいところ。それぞれで入れるお湯を紹介します。
ラジューム温泉
JR阪和線和泉府中駅すぐ近くにある昔ながらの銭湯。入浴料金は大人330円。
かつらぎ温泉 八風の湯
和歌山側のかつらぎ町にある宿泊施設も兼ね備えた八風の湯。入館料は平日1,000円、土日祝1,200円と高めですが、タオル・部屋着がセットになっています。
出典:かつらぎ温泉 八風の湯かつらぎ温泉 八風の湯
おわりに
地元サイクリストに人気の鍋谷峠を紹介しましたがいかがでしたか。
距離も短く、激坂区間もない、さらに車も少ないのでヒルクライムを練習するのにバッチリ。また、鍋谷峠を経て、さらに登って高野山へ行き世界遺産を満喫したりと、色々な楽しみ方ができます。
また、和歌山側を下りると紀ノ川サイクリングロードがあるので組み合わせてライドの計画を立てるのもいいです。
運が良ければプロ選手に遭遇するかもしれない鍋谷峠、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
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WRITTEN BYmizo
和歌山市在住のサイクリスト。中学3年の時に近畿一周してからサイクリングの非現実感のトリコになり、大学ではサイクリング部で近畿や長野を駆け巡りました。趣味で和歌山の自転車系フリーペーパーRe;Cycle(リ;サイクル)を和歌山、大阪の自転車店などに配付中! http://t-j-bike.com/recycle/