コーダーブルーム|初心者にこそ「日本人のためのロードバイク&クロスバイク」をすすめたい

ロードバイクやクロスバイクを始めたい!そう思って自転車を探し始めると、多くが海外製であることに気づくだろう。細かいサイズフィッティングが必要なスポーツサイクルにおいて、「日本人の体型にフォーカスして作られたバイク」これ以上に最適なものはない。
コーダーブルームはまさに「日本人のためのバイク」を作っている。そのこだわりをおすすめモデルとあわせて紹介していこう。

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ブランド背景

KhodaaBloom(コーダーブルーム)

KhodaaBloom(コーダーブルーム)は、ホダカ株式会社が2007年に立ち上げたスポーツバイクブランドだ。ホダカはもともと軽快車などの実用車を製造してきたメーカーであるが、生活習慣の変化や今後の人口減少に伴う実用車の将来的な需要の先細りを懸念し、本格的にスポーツバイク市場への進出を決定した。

「Bloom-花開いた」スポーツバイク展開

実用車からスポーツサイクル市場へ、簡単な道のりではなかったが今や美しく花開いて(Bloom)いる。
コーダーブルームというブランド名は、当時の立ち上げメンバーで検討を重ね、社名であるホダカ(Hodaka)のアナグラムにすることが決定。「K」の文字を頭にすることで、「希望」とともに新たなブランドを展開しよう、そう意味づけたネーミングになった。後半の「Bloom」は「華やか」の意味で、自転車のある華やいだ生活を提供しようという想いで綴られている。

カジュアルからよりスポーティなバイクへ

2007年の立ち上げから数年間はラインナップの中でカゴ・泥除け付きの実用的なアルミニウムのスポーツバイクが人気だったが、2014年からよりスポーツバイクとしての性能面に特化したモデルの開発を手がけ始める。まずは日本国内で10万円以下で販売されていたクロスバイクの中で最軽量に挑戦だ。

フレームについては、軽さと走行性能を兼ね備えた図面を作成し、それをもとに当時誰も使ったことのなかった3Dプリンターでモックサンプルを作成。そこへさまざまなパーツをサンプルに取り付け、完成車としての外観確認を行なってから、金型を製作して軽量化したフレームを開発。

▲モックサンプル

パーツについては日々電子秤と格闘し、性能確認のために試走を繰り返して最終的なスペックを決定した。そしてついに完成した新製品の重量は8.7kgとなり、最軽量クロスバイクの称号を謳うことができるようになった。そのモデルこそ、幾多の仕様変更を重ねて現在もクラス最軽量として発売されている「RAIL 700SL」である。

▲RAIL 700SL

レースシーンへの挑戦

次なるステップアップとして見定めたのは、スポーツバイクに欠かせないレースシーンへの挑戦だ。2013年に発売したロングライド向けカーボンバイク「FARNA 9000」からノウハウを重ね、ブランド初のレーシングカーボンロード「FARNA PRO」を開発。
また同時進行で「RAIL」によって培ったアルミバイクの技術を盛り込んで、超軽量アルミレーシングバイク「FARNA SL」を製作した。同機はアルミロードバイク完成車の世界最軽量を達成。走行性能や快適性においても優れ、当時のアルミバイクシーンに一石を投じる名機となった。

特徴

冒頭でも述べた「日本人のためのスポーツバイク」とはどういうことなのか。バイクづくりへのこだわりと特徴、またレースシーンにも着実に実績を残しているその真価とともに紹介していこう。

日本人の身体、使用シーンに適したものづくり

コンセプトは「日本人が企画開発した、日本人のためのスポーツバイク」である。国内で流通する多くのバイクは海外ブランドのものだが、それらは日本人の体型や使用シーンに必ずしも適しているとは言えない。コーダーブルームはスタッフがスポーツとしてサイクリングに取り組み、そこで得られた経験を元に日本人の使用シーンに最適なスポーツバイクを追求している。

女性ライダーにも優しい。身長140cmから乗れる「RAIL 26」は、26インチのクロスバイク。日本人女性の平均身長は151.1cm*で、140〜150cm台が多い。しかし、一般的な700Cのスポーツバイクでは最小サイズでも適正身長に満たないことがあり、小柄な人にとってはスポーツバイクに乗りたくても乗れない、または身長に合わない大きいサイズのスポーツバイクに乗って身体が疲れてしまうといった悩みがあった。それらを解決し、小柄な人に、体格に合ったベストな乗り心地を感じてもらいたいとの願いから生まれたモデルだ。

*)総務省「平成27年国民健康栄養調査」調べ

MAVICニュートラルバイクに採用

MAVICニュートラルバイクに採用

2018年からマヴィックの国内ニュートラルバイクにコーダーブルームの「FARNA」シリーズが採用された。ニュートラルバイクとは、レースの現場においてチームや国籍にかかわらず中立的な立場で選手のサポートを行なう「ニュートラルサービス」で使用されるバイクのことだ。機材的なトラブルを起こした選手にバイクを一時供給するもので、UCIプロレースではお馴染みの黄色いマヴィックカーに搭載される。

▲MAVIC新ニュートラルバイクはKhodaaBloomフラッグシップモデル「FARNA ULTIMATE」をはじめ、3車種が採用された

プロチームHonda栃木

コーダーブルームはJプロツアーチーム「Honda栃木」にも機材供給をしている。同チームは栃木県芳賀郡芳賀町にある本田技術研究所で働く社員を中心に結成。2011年度よりエリートツアーに参戦したのを皮切りに、2015年よりJプロツアーに昇格。現在に至るまで国内最高峰の舞台で戦い続けている。

▲FARNA ULTIMATE Honda栃木デザイン(非売品)
▲FARNA ULTIMATE Honda栃木デザイン(非売品)

カラーオーダー

カラーオーダー
レーシングモデルからエンデュランスモデルまで揃った「FARNA」は、全17車種がカラーオーダーに対応。カラーは250色から選ぶことができる。
デザインをイメージすることから始まり、用意された3つのプランでオーダーできる。ロゴやオリジナルネームの指定も受け付けている。
デザインのエントリーはデザインデータとフリーハンドイラスト、またイメージテキストの3方法があり、エントリーしたイメージからコーダーブルームのデザイナーがデザインを作成し、提案してくれる。デザインは納得がいくまで何度も修正が可能だ。
デザインが決まったらKhodaaBloom取扱店で購入手続きを行なって、注文から約1ヵ月で納品となる。オーダー料金は60,000円から。

初心者にもおすすめ!15万円以下ロードバイク3台

初心者が最初の1台として迎えるときにも手が届く、15万円以下という価格でおすすめモデルを紹介しよう。

FARNA 700-105

■FARNA 700-105
「巡航速度25km/hで最も快適に走るには、どんなジオメタリーが適しているか」をコンセプトにしたエンデュランス・アルミロードバイク。BB下がりを大きく取った低重心設計にしたことで、低速でのふらつきやすさを最小化させている。またリアセンターとフロントセンターのホイールベースをロングにすることで、優れた直進安定性を発揮。

価格:150,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:395、430,465、500mm
カラー:ブラックブルー、ブラックホワイト、ホワイトダークブルー

FARNA 700-Tiagra

■FARNA 700-Tiagra
「FARNA700-105」と共通のフレームを採用。ヘッドチューブ長をあえて短く設計し、十分に前傾できるハンドルポジションをとることで、上体を含む全身の力を効率よくペダルに伝えて推進力に変換する。フレーム素材には重量剛性比の高いアルミ合金を使用。トリプルバテッド加工により軽量化したチューブに、スムースウェルディングが施されている。

価格:110,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・ティアグラ
サイズ:395、430,465、500mm
カラー:ホワイトブラック、ブラックホワイト

FARNA 700-Claris

■FARNA 700-Claris
FARNA700シリーズ末弟。上位モデルと同じアルミフレーム、カーボンフォークを使用している。アーチ型かつ扁平したトップチューブ、シートステーおよびチェーンステーの扁平加工により、路面からの衝撃を効果的に軽減させている。補助ブレーキを搭載しており、初めてロードバイクに乗る人でも簡単にブレーキングが可能。

価格:85,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・クラリス
サイズ:395、430,465、500mm
カラー:ブラックグリーン、ホワイトダークブルー、ホワイトブラック、ブラックホワイト

初めてのクロスバイクにも!7万円以下モデル4台

同じく初めてスポールサイクルを検討する人の基準価格になるだろう、7万円以下のクロスバイクをピックアップして紹介する。

RAIL 700

■RAIL 700
上位モデル譲りのフレームを使用した9.4kgのクラス最軽量クロスバイク。パーツ構成が軽やかな走行感と抜群の走りやすさを両立するスタンダードモデルだ。軽量で滑らかな回転を生むNOVATEC製ハブを使用。アルミ製のフォークは剛性感が高く、キビキビしたハンドリングを可能としている。

価格:60,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・アルタス
サイズ:400、440,480mm
カラー:レッド、シルバー、ブルー、ブラック、ホワイト

RAIL 700A

■RAIL 700A
RAILシリーズの性能をより多くの人に味わってもらうため、クッションサドルや幅広のタイヤを搭載。快適性や安定感を高めて初心者にも扱いやすい一台だ。2019年モデルからフレームとフォークにリフレクトデカールを搭載し、夜間走行時の安全性を確保している。フロントはトリプルギヤのクランクで、街乗りだけでなく坂にも対応。

価格:45,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・アルタス
サイズ:400、440,480mm
カラー:ブルー、ライトグリーン、ガンメタル、ホワイト

RAIL 700D

■RAIL 700D
雨でもブレーキング性能が落ちにくいディスクブレーキ搭載モデル。700×32Cの太目なタイヤで安定感は抜群で、リフレクト機能により夜間での視認性を高めている。ベル、ライト、スタンドを初期装備。フォークやチェーンステーの内側にあしらったカモフラージュ柄が特徴的だ。

価格:63,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・ACERA
サイズ:400、440,480mm
カラー:ダークブルー、マットブラック

RAIL 26

■RAIL 26
小柄な女性や伸び盛りのジュニアのために、小さめのフレーム設計で開発された26インチ・クロスバイク。140cmから155cmほどの身長に最適なポジションが得られ、軽量フレームでキビキビした走りを実現している。シマノ製Vブレーキを採用し、制動性に優れているから安全・安心。また、標準装備しているスポンジ素材のハンドルグリップが路面からの衝撃を和らげ、快適に走れる。

価格:58,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・アルタス
サイズ:360mm
カラー:ペールブルー、ホワイト

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まとめると

新興ながら着実に地盤を固めつつあるコーダーブルーム。街中で同社製の自転車に乗る人を見かけることも多くなった。再度記すが「日本人のためのスポーツバイク」を純粋に追求して、良質なモデルを送り出してきたことが結果に繫がっているようだ。応援したくなる自転車ブランド——それがコーダーブルームだ。

All Photos (C)HODAKA

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WRITTEN BY増渕俊之

出版社勤務を経て、フリーランスの編集/ライター。編著に『これがデザイナーの道』『自転車ファンのためのiPhoneアプリガイド』『岡崎京子の仕事集』がある。現在、編集を手がけた岡崎京子の単行本『レアリティーズ』が発売中。

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