カフェなのに無料レンタサイクルやシャワーまで!自転車をテーマにした「Pillar Cafe」 が面白い【後編】
無料のレンタサイクルやシャワールームまであるカフェが渋谷の明治通りから入った小道沿いにある。
その名も「Pillar Cafe(ピラーカフェ)」。
運営開始から 1 周年を迎えた今、【前編】ではカフェのプロデューサーである江口一啓氏の自転車に対する想いを、そして今回の【後編】では、「Pillar Cafe」の魅力について話を伺った。
自分の「あったらいいな」をカタチにしたカフェができました。
ー「Pillar Cafe」をはじめるきっかけはなんだったのですか?
私が自転車にハマった理由は生活習慣を改善するための自転車通勤でした(※前編)。
でも、その通勤先である音楽関連会社の事業は、カフェとはまったく関係なかったんです。
実は直接のきっかけは、担当していたバンドの解散。次の仕事として、自分がハマっていた自転車を気軽にレンタルできるカフェの事業計画を提出したんです。それが今から 2 年前くらいですね。
ー脱サラしてカフェ運営をする方もいますが、江口さんは会社の新規事業として立ち上げ
たんですね。
自分のお金稼ぎが目的ではなく、コミュニティを作りたいという想いがあったんです。
Pillar Cafe のピラーとは柱を意味し、自転車ではサドルとフレームをつなぐ部分です。 カフェの雰囲気はアメリカのカルチャーを思わせるようなイメージで、音楽や自転車、飲食など、色々な世界の人をつなげるコミュニティにしたいと会社に提案しました。
ー「Pillar Cafe」のコンセプトはとても面白いなと思いましたが、そのこだわりポイント
を教えてください
自分のあったらいいなを集めた空間ですね。
例えば、自転車の良さは、実際にサイクリングをしてみないとわからないこともありますよね。
このカフェでは、飲食料金に応じて無料で気軽に試乗できるようにしたり、シャワーもあった方が快適に使えるよねといった発想で設置してしまいました。シャワールームは付けないだけで施工費用を 4 分の 1 節約できると言われましたが、ここは譲れないと(笑)
実際に、今ではちょっとトイレを貸してくださいと同じ感覚で、会社終わりにシャワーを貸してくださいと言って寄っていただけるお客様もいます。
また、パーティーやイベントにも使える空間を用意し、プロのボーカリスト、サックスの生演奏といったサービスを無料で実施したり、サッカーW 杯のパブリックビューイングを行ったりと幅広く活用いただいています。
ー普段はどんなお客様がご利用されていますか
当初から自転車好きだけが集まるお店にはしたくないと思っていたんです。マニアック過ぎると、気軽に入りにくい店になってしまいますよね。
その点、嬉しい誤算だったのが、圧倒的に女性のお客様が多いんです。思ったより音楽業界の方が使ってくれなかったのは意外でしたが、まだまだこれからです(笑)
他にはパソコンの電源もあるので、店内でお仕事をされる方もいますし、今後は自転車のメッセンジャーの方などが気軽に立ち寄れる店にもしていきたいと思っています。
「Pillar Cafe」はどんどんカッコ良くなっていく
ー運営開始から 1 年を迎えましたが、今はどんなお気持ちですか?
よくこんな裏路地で 1 年もったなというのが正直な感想です。
大きな通りから 1 本入らないといけないので、なかなか見つけてもらえないですし、パッと見はサイクルショップに勘違いされることもあります。
それでも一歩一歩ファンになっていただき、先日開催した 1 周年パーティーには多くのお客様に来ていただきました。本当に感謝でいっぱいです。
1 周年パーティー来場者フォト:Pillar Cafe常連でHONDA出身のpdc_designworksデザイナー やまざきたかゆきさん
1 周年パーティー来場者フォト:Pillar Cafe で毎月第三土曜日に出張サイクルブース&体験型メンテナンスを開催されている Go Go Wheelers/サクラジテンシャ店長、竹洞さん
ー私もパーティーに参加しましたが、素敵な方がいっぱいいました!では最後に、今後の目標についてお聞かせください。
わかりやすくカッコいい店にしたいですね。
例えば、アパレルのショップは季節ごとに内装がガラッと変わるじゃないですか。
でも、飲食店っていつ行っても同じ。新鮮味がないんです。
だからこそ、Pillar Cafe は、遊びにくるたびにカッコ良くなっているカフェを目指したいです。
あともう 1 点、バンドをしている人たちの雇用を生み出せる場にもしたいですね。ご存知かもしれませんが、音楽業界で頑張っている人たちは本当に食べるのに苦労していることも多く、何かしらサポートしていきたいと思っています。
Pillar Cafe もまだ 1 年なのでこれからも変わり続けていきますが、このようにしっかりとしたコンセプトを持って成長を続けていきたいですね。
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WRITTEN BY松田 然
合同会社スゴモン代表兼ライター。旅をしながら仕事をするスタイルを取り入れ、自転車で日本全国47都道府県を走破。働き方や旅、自転車を中心にこれからのライフスタイルのヒントをブログなどで発信中! http://moyulog.com/