東京の渋谷区にありながら、都会の喧騒とはかけ離れた緑豊かなエリアが広がる、千駄ケ谷。この地に自転車をコンセプトにした施設があるのをご存知でしょうか?
その名も「CHARI千駄ヶ谷」。CHARIはずばり自転車のチャリで、6F建てのビル内には、シェアオフィスやシェアハウス、食堂兼アトリエや自転車のトレーニングジムまで入っています。
今回はそんな「CHARI千駄ヶ谷」の魅力を、前編では運営会社の(株)シェアカンパニーPM事業部事業部長 前川佳美さんに、後編では入居者も交えて座談会形式でレポートします。
自転車と相性が良さそうな街、千駄ケ谷
− 「CHARI千駄ヶ谷」はどういった経緯でスタートしたのですか?
もともと化粧品会社の施設として使われていたのですが、リーマンショック後の時代の変化により、売却するにも損がでるし、しばらくの間あまりお金をかけずに有効活用できないかビル所有者から相談がありました。
そこを当社が「シェア」をテーマに2009年から運営をはじめたのがきっかけです。あらかじめ食堂や宿泊施設なども完備されていたので、この施設だけで衣食住を完結できたり、入居者以外の方も利用できる場所にしたいと考えました。
− なぜ自転車をコンセプトにしたのですか?
千駄ケ谷は渋谷にも新宿にも近く、それでいて知る人ぞ知るみたいな雰囲気があるんです。
新宿御苑や代々木公園などの公園やおしゃれなカフェなどが多くあり、このエリアで働いている方々もデザイナーや個人事業主などが多い。なんか自転車と相性が良さそうなイメージが千駄ケ谷にはあったんです。
それに加え、自転車通勤をする人が増えてきた時代背景もあり、施設を利用する方々が自転車で通える場所にしようというコンセプトで運営をはじめました。
具体的には、以下のような設備を備えたり、色々なテナントさんに入ってもらっています。
もともとあったシャワールームなどの施設を活かして作った「CHARI Station」
自転車通勤後にシャワーを浴びてから仕事をはじめる方も多くいます。
1Fには高価な自転車も安心して止められる鍵付きガレージを用意
自転車専門のトレーニングジム「GranDiver(グランディヴェル)」
屋上に自転車置き場を設けています。
屋上ではBBQを開いたり、夏は神宮の花火を鑑賞しながらのパーティも毎年企画しています。
チャリをテーマにしたシェアハウス「CHARI resi」
クリエータのコラボレーションオフィス「co-lab」
食堂兼アトリエとして運営しているディクショナリークラブ
自転車乗りに配慮した施設としてメディアも注目
− 施設の稼働率はどうですか?
創業して1年ぐらいは知ってもらうのに時間がかかりました。でも、現在はTVや雑誌などのメディアに取り上げていただくことも増えてきており、高稼働で動いています。
例えば、自転車をエレベーターに載せて屋上まで運べるのですが、新しいビルだとなかなかできませんよね。この施設はクリエイター向けに部屋の改装が自由にできるのを売りにしているため、エレベーターが多少傷ついても気にせず使えるようにしているんです。屋上も自転車置き場として使えたりするので、こういった自転車に乗る方に配慮した取り組みが注目されはじめています。
また、今まではビルの運営を委託されていましたが、2014年3月に買い取り、自社で運営をはじめました。そのため、これからさらに便利にご利用いただけるようメンテナンスをしていきたいと考えています。
− 今後はどういった構想を描いていますか?
オフィス、食堂、住居など、色々なことが「CHARI千駄ヶ谷」で完結できるのが面白いところであり、強みでもあると思っています。今後はこの強みをもっと活かしていきたいですね。
当社が運営している他のシェアハウスでもクリエイターさんが多く、彼らが自由に設備を使ってイベントなども行っています。チャリ千駄ヶ谷も食堂や屋上などを使ってイベントを開けるので、入居者の方はもちろん、地域の方々も集まるような場にしていきたいと考えています。
− 自転車をコンセプトに、人が集まる色々な仕掛けがある「CHARI千駄ヶ谷」
後編では入居者を交えた座談会形式でさらなる魅力をご紹介します。イベント情報もあるかも!?