アメリカのドメスティックブランドTREK(トレック)が創業以来始めて軽量バイクを謳って満を持してリリースしてきたマシン。それが”Emonda”(エモンダ)シリーズです。
Emondaとは「削ぎ落とす」というフランス語動詞の”e’monder”から名づけられています。余計な部分を徹底的に削っていった結果、完成車で4.65kgという世界最軽量バイクが完成しました。
Emondaには大きく4種類のグレードが存在します。各グレードそれぞれにしっかりとした特徴があり、ライダーの乗り方、予算などに応じどれを選んでも満足できる仕上がりになっています。
しかしながらその乗り味、グレードの違いが分かりづらくバイク選びに悩まれている方も多いのでは無いでしょうか。
そこで、Emondaの各グレードごとの概要をご紹介!是非バイク選びの参考にして頂けたらと思います。
Emonda SLR
フレーム重量690g、フォーク重量280gと非常に軽量に作られたSLRです。
OCLV700と呼ばれるTREK社最高の高弾性カーボンを使いながらもハイエンドバイクに多いガツガツとした不快な振動が非常に少なく、パリッとした中にもしなやかな乗り味が特徴です。
軽量バイクにありがちなスピードを上げたときのふらつき感がびっくりするほど少なく、峠の下りなどでも安心してコーナーに進入できるほど安定感の高いバイクに仕上がっています。
ブレーキも特徴的で、フレームに2本のボルトで留めるダイレクトマウント(直付け)を採用。
これによりパーツの数を減らしながらもブレーキング時のしっかり感や安定感を体感させてくれるので、初心者の方だからこそ乗って頂きたい1台ですね。
最近流行のANT+規格のセンサーがフレームの中に内蔵できるのも面白いです。
対応のサイクルコンピュータが必要にはなりますが、見た目が非常にスマート。見た目にも非常にこだわった最高のバイクです。
また、自分だけの1台が作れる”プロジェクトワン”に対応。驚くほど多くのカラー、コンポーネント、パーツ類を選択できるので、こだわりたいという方にも非常におススメです。
EMONDA SL
SLRとは大きくブレーキとカーボンの素材に違いがあります。
まず、OCLV500と呼ばれるミドルレンジカーボンを使用。SLRと比べるとややマッタリとした乗り味が特徴です。
ペダルを踏んだ力がそのままスッと前に出るSLRよりもバネのような伸びやかな加速をしてくれます。しかしながらその走りは他メーカーのハイエンドバイクそのもの。
ガッツリとレースも楽しめ、ロングライドやツーリングにもしっかりと対応してくれます。
ブレーキは通常ラインナップのブレーキアーチを使用する設計で、シマノ、カンパニョーロ、スラムはもちろん他のサードパーティブランドのブレーキもお手軽に使え、カスタマイズの幅を持たせているのもうれしいところ。
ハンドルバーやステム、サドルの交換でレーシーにもコンフォートにも調整がしやすいマルチな1台です。
EMONDA S
上位2機種とはシート周りに大きな違いがあります。SLRとSLは”シートマスト”と呼ばれるサドルの真下までがフレーム一体になるのに対し、Sは一般的なシートポストを使用しています。
シートポストを使うことで硬さや乗り味を簡単に変更できるというメリットがある反面、部品点数が多くなるために重量は若干かさみます。
フレーム本体はOCLV300と呼ばれるTREKで一番廉価なカーボンを使ってコストを下げています。
その為剛性や乗り味の調整でリアバックにモノステーを構造に入れるなど、ブランドの様々な努力が垣間見れるバイクですね。
価格を抑えているにも関わらず乗り味はまさにEmonda。他社ブランドでの同じグレードではあり得ないしっかりかつしっとりとした乗り味です。
また、このバイクもプロジェクトワンに対応。なるべくコストを抑えつつオリジナルバイクが作れる楽しい1台です。
EMONDA ALR
TREKのアルミバイク最上位グレードのロードバイクです。
驚くことにフロントフォークはEmonda SLと全く同じフルカーボンのE2テーパードフォークを採用。開発人の本気度が伝わってくきますね。
SLフォークを採用したことによりEmonda上位グレードに引けを取らない上質なハンドリングを実現。
多くのアルミバイクに多い路面からの突き上げるような不快な振動はほぼ無く、角を取り除かれたまるでカーボンバイクに乗っているかのような錯覚さえ覚えます。
またアルミの溶接部は”インビシブルウェルドテクノロジー”という、より少ない素材を使いながらも高い強度と耐久性を保つ技術を採用。
通常では溶接痕が残ってしまうのですが、この技術によりフラットで無駄の無い非常にきれいなシルエットを可能にしています。
コンポーネントも各グレードともシマノのフルコンポで構成されているので信頼性もバツグン。なるべく安価にいいバイクを求めている方にはピッタリな1台です。
最後に
エアロバイクなどの最新テクノロジーが続々投入されている中で、原点に戻りロードバイク本来の乗り味を前面に出してきたとも言えるEmonda。
素直でしなやかな乗り味は様々なライダーに受け入れられること間違いなしです!
最近ではコンセプトストアーと呼ばれるTREK専門ショップも多く出展されており、試乗車も多く用意されています。
まず多くを乗り比べ、その中で予算やカラーなどの好みを当てはめていくと間違いないバイク選びができるでしょう。
よく吟味し自身にピッタリな1台を探し当てこれからの自転車ライフを楽しんでいきましょう。