レースは社内外をつなぐ-株式会社 Socketのサイクルライフ【後編】
2014年秋にKDDIが発表した、スマートフォン向けインターネットの新構想「Syn.(シンドット)」。この構想の運営母体として、2014年秋に設立された Syn.ホールディングス株式会社の子会社として活動する、株式会社Socketにお邪魔し、社内のサイクリストの方々にお話を伺ってきました。
前編は、株式会社Socketの社員さん3名にそれぞれのサイクルライフを紹介しましたが、後編では、社内外のメンバーで参加した8時間耐久レースの様子や、11月に越したばかりの新オフィスをご紹介します。
(前編はこちら)
自転車はコミュニケーションの潤滑油-株式会社 Socketのサイクルライフ【前編】
レース参加が仕事につながる?社内外のメンバーで参加した耐久レース
毎年春・夏・秋に筑波サーキットで開催される「筑波 8時間耐久レース」の秋の8耐に株式会社Socket執行役員・CTO兼アートディレクターの生内さん、社員の星川さん、永田さんの3名が、参加してきました。
全長約2kmのコースを周回し、チームメンバーと交代しながら走るこのレース。時速40kmを超える速度で走ることも頻繁にあり、かなり本格的なレース展開を楽しむことができます。生内さん達は社内外17名のメンバーを集めて参戦しました。
永田龍史さん(以下、永田)「僕は初めて参加したレースなんですが、ペース配分が分からなくて苦労しました。でも、意外と周回することができたし、集団で走ることの難しさや楽しさも知りました。なにより普段レーシングコースを走ることはないのですごく楽しくって、来年もぜひ参加したいと思います」
レース出場にあたり、メカニックを兼任した生内さんは、レースを思い出してこう言います。
生内洋平さん(以下、生内)「チームメンバーは、僕や星川さんの自転車仲間を中心に集めました。会社の垣根を越えて人を集めると、レースの合間や打ち上げの会話から技術協力や新しい仕事が生まれることもあるんです。狙ってやっている訳じゃないんですが、他社の人たちとの損得勘定を超えたグルーピングができるのは、こういう仕事外でのチームビルディングのメリットのひとつですね」
このレースを見学した株式会社Socketの広報の地田さんは、レースに影響され、最近ご自身の自転車を購入したそうです。生内さんも同行したそうですが、地田さんは即座に自転車を決めてしまい拍子抜けしてしまったそうです。
生内「地田さんとお店に行ったとき、ほんとに僕たちに見える範囲で50mくらい試乗して帰ってきて、すぐ決めちゃったんです。“かわいい!”って言って。(笑)」
通常自転車に試乗する時は最低15分は走って車体の感触を確かめる人が多いのですが、地田さんはフィーリングですぐに決めてしまいました。その時のことを笑いながら話す株式会社Socketの皆さんは、ほんとうに仲が良さそうです。自転車が社内の良いコミュニケーションツールになっているのだと感じます。
愛車と共に写真を撮るために、外に移動したとき、自転車に乗った広報の地田さんはまだロードバイクに乗り馴れていない様子でしたが、来年はレースにも参加したいと言います。
地田美紀さん(以下、地田)「レースを見ていると、みんなとてもかっこいいんですよ。普段仕事をしている時とはまた違って。私もそれを見ていると自転車って楽しいんじゃないかって思って。経験者がそばにいるっていう安心感もありましたし」
星川塩見さん(以下、星川)「最初にエスコートする人がいると未知の世界の間口はぐっと広がるじゃないですか。仕事でも自転車でもそう。だから、仲間が欲しい人は、自転車に限らず、お酒でもアウトドアでも、周りの人との共通の趣味を作ってみるといい。私の人生でも、そうやってできた大切な絆が幾つもあります」
生内「新しいメンバーが増えた時、いきなり峠に連れて行くこともあります。もちろん、その人を見ていけそうだと感じたから連れて行くんですが、いきなり高いハードルを課してもなんとかクリアしてその後をスムーズに楽しめるタイプ、大変なことをみんなで乗り越えることで達成感を得られるタイプ、加入してくれる人の指向性は様々です。そういう様々なキャラクターが楽しめるチームにしたい。これは仕事の現場でも同じことが言えるかもしれません」
何事もそうですが、一人で始めて一人で続けるのは心細いもの。周りを巻き込んだり、逆に巻き込まれたりしながら始め、様々なキャラクターと時間を共にすることで、いろんな発見や思ってもみなかったような絆を得られたり、長く続けられたりしますし、参加する人の仲も深まるんですね。
グループ関連会社が集まる大所帯のオフィス
最後に同社が引っ越して来たばかりの新オフィスをご紹介します。
Syn.ホールディングス株式会社の関連会社が一同に集まるオフィスは、とても賑やか。壁も少なく、オフィス内にはトレーニング機器やキッチンも設置されています。
生内「新オフィスは居心地が良いですね。僕は天井が高いのが好きなんですが、前オフィスより天井高も伸びて、開放的。自転車置き場もラックは無いんですが、前より広くて使いやすいです」
取材を行った11月半ばに新体制になったばかりの株式会社 Socket。新しいオフィスの中でSyn.グループの一翼を担い、これからの活躍が期待されます。
今回の取材では、個人で自転車を楽しむだけでなく、社内外のメンバーと共に楽しむことで、チーム形成や他社と連携など、企業経営に良い循環が生まれるケースを知ることができました。
少し前に流行した飲みニケーションをはじめとし、社会でのコミュニケーション方法のは多様化の一途をたどっていますが、自転車やスポーツを通じたコミュニケーションサイクルも、これからどんどん注目されてくるのかもしれません。
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WRITTEN BYスズキ ガク
1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI」