ヨガのインストラクターやジョギングインストラクターの資格を持つ伊藤 ゆり(以下、伊藤)さんと、スイムフォームコンサルタントとして水泳を教えている中村 美穂(以下、中村)さん。今回は、そんなお2人にトライアスロンをはじめたきっかけや上達法を伺いました。
お二人のプロフィール
伊藤 ゆり(TOP写真左)
体が気持ちよくなることで自然に心もほどいてく。そんな温かいレッスンから、アスリート向けの身体にしっかりと意識をむけたレッスンなど、バラエティーに富んだクラスを開催 。
レッスン受講者の層は幅広く、OLはもちろん、男性や年配の受講者にも指導し好評を博す。美容関係イベントやNIKEランイベント、東京マラソン財団法人施設でのランナー向けヨガの講師を務める傍ら、ヨガウエアブランド「Suria 」のアンバサダーや、オシュマンズのヨガコンテンツの監修など、幅広く活動。
受講者に寄り添う心地の良いレッスンはファンが多 く、中上級者は勿論、初心者や運動が苦手な方でもリピーターとなるほど。またバランスの取れた食事 、ビタミンたっぷりのスムージーを提案するなど、日々の生活にちいさなハッピーを広げることも大切にしている。
YOGA Works全米ヨガアライアンス500時間取得、ジョギングインストラクター2級取得、ジュニアアスリートフードマイスター取得。
中村 美穂(TOP写真右)
約20年の競泳競技生活を終え、一度は会社員になるものの「スポーツを通じてより豊かな人生を送ってもらいたい」という情熱を胸に、指導者として指導論・心理学・栄養学・児童心理学・東洋医学などを1から勉強し、現在はスイムフォームコンサルタントとして活動。
ベビースイムからトライアスリートまで幅広く指導にあたる。大人のクセ抜き、省エネスイム、カナヅチ克服を得意とし、『美しく楽に速く』の3点は比例するというコンセプトを掲げ、まずカッコ良く泳ぐためのフォーム創りをして行きます。
ひとりひとりクセや関節の柔らかさは違う…個人にマッチするパーソナルフォームを提案し、寄り添いながら楽しいスイムライフ、そして目標達成を目指します。春日部共栄中学高等学校卒業。法政大学体育会水泳部出身。
体調を壊したことで、健康を仕事に
– 今どういったお仕事をされていますか?
伊藤:私はヨガのインストラクターをメインに活動しています。OLさんから、男性、年配の方、アスリートまで、幅広い層の受講者にスクールに来ていただいています。
今でこそこのようなスポーツの仕事をしていますが……実は私は運動音痴だったんです。大学時代は運動部のマネージャーをしており、自分でやるのはまったく。親からも、今の仕事を不思議がられます(笑)
– それは本当に意外ですね。本日も颯爽と自転車でお越しになったのでスポーツは得意だと。
今でこそ……ですね。大学を卒業後、人をサポートする仕事をしたいと思い、新卒でウェディングプランナーになったのですが、ハードワークで体調を壊したこともあり……その際に友人に勧められたのがヨガでした。
呼吸法やヨガの動きが自分に合っていて、ヨガの良さを広めたいと思い資格を取り、Wワークで週末だけスクールを開催した期間を経て、1年くらい前にフリーランスで活動をはじめました。
友人からヨガを教えてという依頼が増え、ソーシャルメディアからの口コミも広がり、生徒さんが少しずつ増え、何年かして独立しました。私はやっぱり人に何かを教えるのが好きだなと思って仕事をしています。
– 中村さんはいかがでしょうか? いただいた名刺の肩書きに「スイムフォームコンサルタント」とありますが?
中村:私は競泳選手からベビー、ボディメイクの為のスイム、トライアスリート、『泳げるようになりたい』と志す初心者に至るまで広くスイムのコンサルタントしています。
「スイムフォームコンサルタント」というのはオリジナルの呼称で、『コーチング』と『ティーチング』は別のものと考えるし、ただのスイムトレーナーの枠にくくられたくなかった…ただ教えるだけではなく、本人にあった正しいフォームのコンサルティングもできるよ、と。
私は、7才から大学卒業まで競泳競技者としてオリンピックを目指し前へ上へと頑張って来ましたが、やりきった感を覚えていました。そのため、社会人になってからは仕事ばかりしていたら、体調を壊してしまった……そのことをきっかけに再び水泳をしてみたら身体が元気になる感覚があったんです。
それで、スポーツや子供に関わる仕事がしたいなぁと思うようになり、会社で働きながら、児童心理学やスポーツ心理学、栄養学、スポーツ医療、指導論も含めて色々学びました。
そして、独立。現在は、ご紹介のお客様のみプライベートレッスンをお受けし、おひとりおひとり個性に合ったプログラムと実践レッスンで健やかなスイムライフをコンサルタントしています。
– 中村さんもスポーツバリバリに見えますが、体調を壊されたことがあったんですね。その後、水泳を仕事にしていくと決めて、手応えを感じたのはいつ頃から?
私のターニングポイントは、カナヅチでほとんど泳げなかった女性のお客様から、「この子も泳げるようにして」と友人を紹介してもらったこと。その時、あれ!? この紹介してくれる女性は泳げるようになったんだと気付き、これってスゴいクリエイティブな仕事だなと感じたんです。
ライターの方が文章を書くように、建築家が家を一から設計して作り上げるように、新しいスキルを覚えてもらうのは何かを創造するのと一緒だなって。そのことがきっかけで、教えることがより楽しくなりました。
自分自身が体験したことを教える楽しさ
自分自身が体験したことを教える楽しさ
– お二人とも色々な背景があって今に至るんですね。しかも、トライアスロンへ挑戦しているんですよね?
伊藤:私は自分がやっていないことに対して教えるのが嫌なんです。ある時、ジョギングをする方から「ランに効果のあるヨガを教えてください」という依頼があって、そこから走りはじめました。当時は、5キロを走ることすら難しかったですね(笑)
でも、その過程で、走れない自分だからこそ教えられることがあると思って走る習慣を身につけ、マラソン大会に出場したりジョギング指導の資格を取得したり……実はトライアスロンも、お客様からトライアスロンに効果的なヨガを教えてほしいという依頼があって始めたんです。そこからロードバイクをはじめたりヒルクライムに出たり、体験して教えるスタイルが自分の色にもなってきたかな。
ちなみに、現在もトライアスロンやランに効くヨガを教えているので興味のある方はお知らせ下さいね!
中村:私も最初のきっかけはトライアスロンをしたい人に水泳を教えるからには、自分もやっておかないとなって思ったことですね。特に海と競技用のプールでは、泳ぎが全然違うんです。プールはコースが整っていて、波もない静水がメインですが、海の場合は、波や風、潮の流れを読むことが必要で、天気もその日にならないとわからないしといった中を泳ぐので、コンディションによって変わる対策を都度、自分で考える必要がありました。
– お二人のお話を聞いていると共通点が多いなと思うのですが、ちなみに出会いはいつだったんですか?
伊藤:女性のアスリートばかり集まったナイキのCM撮影でたまたま話しかけたんです。待ち時間がかなりあったので(笑)それからスポーツイベントでたまたま出会ったり。そして、お互いトライアスロンをはじめたことでより連絡を取り合うようになって、ヨガのスクールに来てもらったりして。
アスリートのためのすべてがここにあるキミのさいしょの一歩がどんな道に続いていようともスポーツはここからはじまるhttp://gonike.me/6184fEho
Posted by Nike Japan (ナイキ) on Monday, April 20, 2015
二人が登場しているナイキのCM
– そうだったんですね!トライアスロンって参加するにはハードルが高いイメージがありますが、実際どのあたりに魅力を感じますか?
中村:トライアスロンってとてもエキサイティングだと思いますよ。費用もそれなりにかかるので40代~50代で始める方も多いのですが、私自身は充実したアイテムを揃えるなどの形から入らなくてもしっかり練習して成果を出そうと思って始めました。
例えば、自転車レースではビンディングペダルを付けた方がもちろんスピードは上がりますが、私は意地でもビンディングペダルを付けずにタイムを出そうと思って普段は付けていません。
実際に付けたらもっと速いんだぞ!という余力を残しておきたくて。乗っている自転車も高いものではありませんが、ちょっとダサくても強いくらいがかっこいい。それが自分のカラーかな。DHバーなんてタイガー柄だし!こんなバイク見たことないでしょ?(笑)
伊藤:本当だ、そういえばいつもビンディングしてないよね!そういうところすごいなぁ。でも、私も少し重めなアルミのバイクでヒルクライムの大会に出場してる(笑)好きな自転車に乗るのはポリシーだし、その方が楽しいよね。
あと、当たり前のことですが速くなるには練習するしかなくて、練習がしっかり結果に反映されることがトライアスロンの面白さだと感じます。
トライアスロンって、種目が3つあるので身体の疲れ具合のバランスがよく、人によってはオリンピックディスタンスであれば、フルマラソンより疲れにくいないと感じる事もあります。3つあることで飽きずに練習できるところもいいと思います。
– スポーツを仕事にフリーランスで活動している2人だからこそ、わかり合えることは多そうですね。そして、トライアスロンに挑戦した2人。今回の記事では、そんな伊藤さんと中村さんから、水泳やランニングが上達するコツもお聞きします。が……それは後編で。