ヨガのインストラクターやジョギングインストラクターの資格を持つ伊藤 ゆり(TOP写真左。以下、伊藤)さんと、スイムフォームコンサルタントとして水泳を教えている中村 美穂(TOP写真右。以下、中村)さん。今回は、そんなお2人に前編ではトライアスロンをはじめたきっかけをお聞きしましたが、後編では練習方法のアドバイスをいただきました。
※前編はこちら
ナイキも注目!?水泳、ランの美人コーチが語り合うトライアスロンの魅力
人生が豊かになるトライアスロン
– 記事前半ではトライアスロンの魅力をお聞きしてきましたが、お話を聞いているとまだまだ2人が感じる魅力がありそうですね。
伊藤:3つの種目があるので、それぞれの目標を設定をしたり、レースの力配分を自分で考える必要がありますよね。そんな戦略的なところが面白いかな。
中村:自分で考えると言えば、トライアスロンをしている人ってセルフプロデュースに長けてますよね。経営者だったり、お医者さんだったり、仕事が忙しい職種の方もいますが、生活の中にうまくトレーニングを取り入れていて、時間のマネジメントも上手。
伊藤:そうそう、自分をプロデュースする力に長けているよね。そういう方って、その人“らしい”バイクに乗っているし。自分をわかっている感じがする。
– トライアスロンをやっているから精神的にも成長できるってことはありますよね
伊藤:私の友達でトライアスロンをはじめた男性がいたんですが、彼は生活のリズムが変わり、食べ物や時間の使い方も変わり、付き合う人も変わり、誰もが挑戦するものではないので自信もついたみたいだし、人生が豊かに変わっていったの。
これからトライアスロンをはじめる方も、大なり小なりこのような良い変化を感じられると思いますし、それは、仕事にも活かせるはずです。
中村:あと、どこかのチームに属すのもいいと思います。同じウェアを来ている人とすれ違ったら嬉しいし、練習でのモチベーションや安全面でもおすすめです。
– そんなお二人のトライアスロンに向けた練習についてもお聞きしたいと思います。
伊藤:ランで言えば、まったく走ったことがない人は、自分のペースで短い距離からはじめてだんだん距離を長くしていけば、走ったら走った分だけ速くなる実感がありますよ。
あと、レースと同じ距離をいきなり走るのは無謀ですが、本番前には何回か同じ距離を走って自分がどこで疲れるかなどを把握していると本番での安心度が増しますね。
– 本当の初心者は普段の生活にランの練習をいれるのも大変だったりしますよね。
伊藤:毎日走らなくても週に2〜3日くらい無理しない程度に走って、例えば、1キロ走って2〜3分歩いて、また1キロ走るを3回繰り返すなどもいいですね。あまりに走っていない人だと、疲れが残った状態で走って怪我をするので、走ることに身体をならして、慌てずステップを踏んでほしい。
トライアスロンは水泳やバイクもあるので、相乗効果で筋肉が付いたり心肺機能が上がり、練習をしているうちに慣れてくると思います。マンネリ化してきたら、自分より少し速い人と練習するといいですよ。何人かいるとスピードもモチベーションも上がります。
中村:私の場合は、電子マネーのSuicaを持って目的地まで走って、もし気持ちが萎えたら電車で戻ってきます(笑)最初は移動手段としてランをはじめましたが、街ランは楽しくておすすめです。最近ではカフェでの待ち合わせなら走っていくことも多いですし、都内なら意外と電車より速く到着できたりしますしね。
伊藤:そうだね、走った先に楽しみを作るのもいいよね。冬の時期ならイルミネーションを観に行くとか、東京タワーまで走ってみるとか、呑み屋街まで走って、飲んだ帰りは電車で帰るとか……トレーニングを生活の中にいれると楽しいですよ。
– なるほど。ではスイムはどうでしょうか?ランと比べても生活の中にトレーニングをいれるのはより難しく感じます。
中村:生活の中に盛り込めたら一番いいですけど、難しい人はお仕事の後にリフレッシュとしてスイムを取り入れるといいかもしれません。
他にも、ランの後やジムでトレーニングした後に身体をクールダウンさせるアイシングにも効果的なので、まずはプールに通うことに慣れるといいと思います。
– 筋トレをした後にプールはおすすめなんですか?
中村:もちろんです。筋肉を鍛えた後そのままにするより、クールダウンさせた方が筋肉がフレッシュな状態になるため、ボディービルダーや美しい筋肉を保ちたい方もトレーニング後にはアイシングをしています。
あとは、プールでは泳がないでスイムウォーキングだけでもいいんですよ。水圧のメリットは大きく、心肺機能を向上させたり、身体を引き締める効果があります。
– トライアスロンは海の練習も必要かと思いますが、それはいかがでしょうか?
中村:トライアスロンのスイムって、ウェットスーツ着ると意外と水に浮くから安心できるんですよね。でも、泳力がない方がそれを過信して海に出ると、亀さんのように浮いてしまい手足だけでバタバタするので、結果的に筋力に頼って疲れてしまいます。
だから、まずはウェットスーツ着用OKなプールでウエットスーツを着用してみること。それで自分がどのくらい水に浮くか知ってから海に行ってみる。海は塩水なのでもっと浮きますが、それに慣れることが大事ですね。
伊藤:私は海で泳ぐのは初心者でしたが、定期的に海で練習会があるので、1回でも上手い人と一緒に練習すると、本番でパニックになりづらいと思います。波が口に入っただけで焦っちゃったりとかありますからね。
トライアスロンは大人になってからも変化したい方におすすめ!
トライアスロンは大人になってからも変化したい方におすすめ!
– 最後に、これからトライアスロンに挑戦する人に向けてメッセージをお願いします。
伊藤:トライアスロンは3種目もあるし難しい印象がありますが、楽しみ方もそれだけ広がりますし、自分に対しても自信が付くと思うんですよね。これだけのことを努力してやれたというのが。私自身はチャレンジして本当に良かったな。
中村:私も、まずは過程が楽しいですよというのを伝えたい。あとは、大人になってから、息をはぁはぁ切らして頑張るチャンスはなかなかないですよね。走り終えた後にアスファルトの上で大の字になることなんてなかなか無い(笑)大人になって泳げるようになったり、成長する自分を楽しめるのはきっと楽しいと思います。その結果、身体の変化もあるし、心の変化もあります。
よく皆さんが言うのが、トライアスロンはレース中に独りになる時間が長いので、いろいろなことを考えるし、その時はプラスのことしか考えられないので、良いインスピレーションが湧くこともあるんです。だから、新しい自分に会ってみたかったり、大人になってからも変化したい方にはすすめていきたいですね。
仲間との出会いもビジネスの場とはまた違ってすぐに心の距離感を縮めることができますし、本当におすすめです。
– トライアスロンの挑戦はハードルが高いイメージがあるかもしれません。しかし、実際に経験したお2人が、その体験をイキイキと話すのを聞いて、挑戦してみたいと思った方もいるのでは?
レースの結果が全てではなく、そこにいたるまでの過程を通じて、大人になってからも成長できるって素敵ですね。