ヒルクライムレースで優勝するために何をしてきたか
2015年にツール・ド・つくばの20代クラスで優勝した齋藤です。僕はもともと自転車旅のためにロードバイクを購入しました。一日で200km走るような旅はしていましたが、速さは求めていませんでした。峠道ではインナーローでふらふらのぼるレベルでした。そんな僕がどうやってヒルクライムレースで優勝したのか、振り返ってみたいと思います。ヒルクライムレースに興味を持ち始め、これから頑張ってみたいと考えているあなたに少しでも役に立つお話ができればと思います。
過去のヒルクライムの成績をご紹介
2015年6月に出場した「ツール・ド・つくば」20代クラスで優勝。タイムは29分45秒でした。その他の2015年の主な成績は以下のような感じです。
日光白根ヒルクライム・・・男子A3位入賞、総合4位
八方ヶ原ヒルクライムレース・・・男子A5位
JAPAN CUPチャレンジレース・・・総合6位入賞
勝つための戦略~ツール・ド・つくば~
なぜ勝つことができたのか。僕の場合はレース半年前から細かなスケジュールを立てたことで、戦略的にレースにのぞむことができたからだと感じています。
まずは、出たい大会を選びましょう。まずは近場でちょくちょく練習に行ける場所がいいでしょう。僕は家から30分で行けるツール・ド・つくばを選びました。出たい大会が決まったらまずは敵を知ろうということで昨年までのリザルトを見て目標を決め、どのようなコースなのか下調べしました。
次に、会場に行って走ってみましょう。1本目はゆっくりでいいので冷静に試走してコースの雰囲気を覚えましょう。2本目は現時点での全力でタイムアタックをしてみましょう。走って終わりではもったいない、家に帰ってからが肝心です。
走って気付いたことをコースマップに書いてコースを分析してましょう。ポイントは、勾配の変化などを基準にコースをいくつかに分割してみること。僕の場合は、不動峠まで、風返し峠まで、ゴールまでの3つに分けました。それぞれ、たんたんと上る区間、アップダウン区間、きつめの上り区間という感じです。
全体の目標タイムを決定して、いくつかに分けた区間ごとの目標タイムを設定します。この時点では不可能だと感じるかもしれませんが目標は高く設定しましょう。
スケジュールの組み立て
ここまで来たらスケジュールの組み立てです。今の自分のタイムと見比べてみて、毎月何分速くなれば目標を達成できるのか計算してスケジュールを立てます。その際、冬場はあまり走れないから伸びないだろうとか、冬場のトレーニングで春に伸びるだろうとか考えながら、毎月の目標を立てましょう。
毎月の目標が決まったら、どうやってその目標を達成するか考えましょう。たとえば今月はダンシング強化月間とか、こまめなシフティング習得月間などです。ここまでできたら、あとは実践してひと月ごとに振り返りとスケジュールの修正を繰り返すだけです。
毎月1回、月末や月初に本番のコースを通しでタイムアタックしましょう。その月のトレーニングの成果が見えることでモチベーションが保たれますし、次の作戦を考えるのにも自分の現状のデータが必要です。
トレーニングで意識したこと
基本的な方針は、苦手を克服し、得意なところは最大限伸ばす。
まずは、自分を分析してみましょう。僕は、筋肉が特別大きいわけではなく、ガシガシのぼるというよりは、クルクル回して一定のペースでのぼるのが得意でした。苦手ポイントはダンシングや、得意なのは軽めのギアでくるくる回すことでした。これを考慮して次のようなトレーニングをしました。
ダンシング縛り・・・ただひたすらにダンシングでのぼっていく練習。最初はかなりきついですが、コツがわかると楽にダンシングができるようになり、シッティングで疲れた時にダンシングが有効に使えるようになりました。
アウター縛り・・・インナーに落とさずアウターだけで上りきる。筋力アップで得意なハイケイデンスのペダリングを少し重めのギアでもできるようになる。さらにケイデンスを下げて心拍数を抑える走りが使えるようになりました。おしりの筋肉を使うことを意識してやると効果的だと感じました。
坂道ダッシュ・・・短時間全力で坂をのぼります。心拍数が上がってしまった状況で、急激なペースダウンしないようになりました。
おわりに
ヒルクライムは自分との対話、どこをどうすれば速くなれるか自分に問いかけながら練習し、本番で周りの雰囲気にのみこまれなければ、きっと目標に近づけると思います。ここまで競技色が強い内容でしたが、もちろん楽しみがないと辛いだけになってしまいます。山からの景色や、おいしい食べ物など思いっきり楽しんでくださいね。