トライアスロンを始めたいと思ってる人にとって自転車(以下バイク)を手に入れることが最初のハードルになっている人も多いのではないでしょうか。トライアスロンで道具を使うパートでもあるバイク。その道具によって結果が左右される場合も多く、バイクを使いこなすことが重要になってきます。そしてバイクはお金がかかるのも事実、何を基準にどんなものを選べばいいのか。財布に無理なくバイクを楽しむための考え方をアドバイスします。
目次
どんなバイクを選ぶべきか?
バイクといってもロードバイクやマウンテンバイク、クロスバイクなどがありますが、もしあなたがトライアスロンを長く続けるのであれば迷わずロードバイクを選んでください。一部の大会ではママチャリやミニベロの使用が認められているレースもありますが、それはとても稀なケース。基本はロードかTTバイク(タイムトライアルバイク)です。
初心者はロードバイクを乗りこなそう
TTバイクは空気抵抗を軽減させたフォームで乗るためのバイクでポジションが限られます。アップダウンのあるコースやカーブが多く減速や加速を頻繁にするコースには適しません。
日本国内のレースはアップダウンやコーナーの多いレースがほとんどです。これから本格的に始めようという方はまずポジションの自由度があるロードバイクでどんなコースでも乗りこなせるようになりましょう。
信頼できるショップをみつけよう
予算も含め自分に合ったバイクを選ぶのに強力にサポートしてくれるのがバイクショップです。豊富な知識からあなたに合ったサイズやバイクの特性を的確にアドバイスしてくれます。できれば街の自転車屋よりバイクショップ、願わくばトライアスロンに特化したプロショップに足を運ぶことをお勧めします。
ショップとのつき合いはバイクを買って終わりではなく、その後のメンテナンスやパンク修理の方法のほか練習会やレースの情報、またトライアスロン仲間と知り合うきっかけにもなる場になりますので、これからのトライアスロンライフを充実させるためにもおおいに活用しましょう。
ポジション調整で自分とバイクのパフォーマンスを引き出そう
ポジションは手足の長さや身体の柔軟性で決まります。バイクを買う時にショップでポジションの調整をしてもらえると思いますが、少し走れるようになると身体の使い方が変わり最適なポジションも変化します。シートの位置やハンドルの位置を下げたり遠くしたり微調整することによって、より快適により速く走れるポジションが出来上がってくるものだと思ってください。
(参考)
スペシャライズドでバイクを買ってフィッティングしてきたよ!-トライアスロン挑戦記vol.4
パーツをグレードアップして走りを変えよう
自分のバイクをベースにホイールを変えるだけでも走りは劇的に変わります。軽量パーツに組み替えたり、リアのフリー(ギアの歯数)を変えるなどスキルアップと並行して予算に合わせたパーツのグレードアップで走りのレベルをワンランクアップさせましょう。
フレームをグレードアップする時にパーツを移植すればコストも抑えられる
最初のフレームに物足りなさを感じて新しいバイクを考える時、完成車を買わずにフレームだけ買ってパーツを乗せ換える方法もあります。フレームやパーツによっては相性の悪いものもあるのでショップに相談しながら上手にグレードアップしていきましょう。
あえて背伸びしてモチベーションを上げるのもひとつの考え方
どうせ買うなら最初からグレードの高いパーツが付いた完成車に乗りたい。はじめからテンション上げていきたい人にはおすすめな方法です。
ハイスペックなものは操作感や巡行性などそれなりに乗り味が違いますし、特にブレーキ性能のいい器材を使うことは危険回避性もあがりレベルアップが早まることが期待できます。サイフが許すならあえてハイスペックなものから始めるのも悪い考えではないと思います。
2016年モデル 価格帯別おすすめバイクをピックアップしてご紹介します
20~30万円クラス キャノンデール SUPERSIX EVO 105(スーパーシックス エボ 105)
(出典:cannondale)
キャノンデールといえばアルミフレームの代表的メーカー。そのキャノンデールが世に放つカーボンロードがスーパーシックス エボです。
アップダウンや荒い路面、長距離ライドなどすべてのシチュエーションでライダーのダメージを最小限に抑えながらも最速で走れるようにバランスされたバイクといえるでしょう。その乗り味はロードよりもむしろ後半にランパートが控えるトライアスロンでこそ性能が発揮されると思います。(参考価格:税抜 270,000円)
50~60万円クラス BMC TMR01 ULTEGRA(タイムマシン ティーエムアール01 アルテグラ)
(出典:BMC)
このクラスが射程距離に入る人ならぜひ乗ってほしいエアロロードです。空気抵抗を極限まで減らした戦闘的なフォルムで見ているだけでもモチベーションが上がります。どちらかというと脚力を活かしてグイグイ行くタイプのライダーにおすすめです。
エアロバーを付ければそのまんまトライアスロンバイクに早変わり。それでいてポジションの自由度も高くショート、ミドル、そしてアイアンマンディスタンスにも対応する走行性能が魅力です。(参考価格:税抜 578,000円)
80~100万円 スぺシャライズド Venge Pro ViAS(ヴェンジ プロ ヴァイアス)
(出典:SPECIALIZED)
ハイスペックなTTバイクも視野に入る価格帯ですがここはあえてエアロロードの究極マシンをご紹介したいと思います。風洞実験を重ね空力を極限まで追求しながら開発されたこのバイクはまさに究極中の究極といえます。
空力を優先することでブレーキの位置やワイヤー回りなど素人がむやみに調整できない設計になっているので、スぺシャライズドのプロショップにメンテナンスをお願いすることになると思います。
スぺシャライズドの管理のもと常にベストコンディションのバイクに乗るということは、完成車としては高額かもしれませんがトータルで考えるとお得な選択なのかもしれません。(参考価格:税抜 849,000円)
まとめ
レースの距離や目的によって選ぶバイクの基準も違ってくると思います。トライアスロンのバイクは前後にスイムとランのパートがあることをお忘れなく。バイクパートをいかに速く効率よく走ってランに足を残した状態でトランジッションするか、経験を積み重ねているうちにどんどん速くなっていきますよ。自分のスキルアップに合わせてバイクも少しづつバージョンアップすることもトライアスロンの楽しみのひとつです。安全に楽しくバイクとつき合っていってください。
(TOP画像出典:Micheal Foley)