ロードバイクに乗るには絶好の季節になり、ロードバイクを始めようと思っている方も多いのではないでしょうか。
好きなブランドのカタログから予算と好みでモデルを選んで、いざ買うぞ…となると思いますが、実はブランドとモデルを決めただけではバイクを注文することはできません。
ロードバイクはじめスポーツ自転車は細かくサイズが分かれており、洋服のように自分の体に合ったサイズのものを選ぶ必要があります。
この記事では、はじめてロードバイクを買う方向けにロードバイクのサイズの決まり方、自分に合ったサイズの選び方について書いています。もちろん、女性もこの選び方でOKですよ!
目次
ロードバイクにもサイズがある
身長の高い人は大きいロードバイクを、身長の低い人は小さなロードバイクに乗ることが多いです。
ホイールの直径は規格で700cと一律に決まっているため、フレームの長さや角度を調整することでバイクのサイズにバリエーションを出しています。(650cなど、一部700c以外のホイールを採用しているモデルもありますが、あまりにニッチなため割愛します)
詳細な寸法を見るなら「ジオメトリ」を参考に
ちなみにこのロードバイクのサイズごとの詳細な寸法(ジオメトリといいます)は、Specialized公式HPに以下のように掲載されています。
な、なんじゃこりゃーーーと思ったあなた、それが普通です。
これをしげしげ見るのはよほどロードバイク歴の長い人かショップ店員、もしくは機材オタクぐらいです。マニアはこの表を肴に酒が飲めるらしいですが…。
長いこと真剣に自転車競技をしていて、自分に合うフレームサイズはもちろん、自分の好みや体の特性を熟知している人はこの表の細かいところまで見たくなるのですが、初心者の方はいくつかのポイントだけおさえれば、とりあえず1台目として不自由しないサイズを選ぶことができます。
サイズを選ぶ時のポイント
ロードバイクのサイズはメーカーによってS、M、Lといった記号や、上の表のように49~61といった数字で表すパターンが有ります。数字の場合はおおよそのシートチューブ長さ+αを表しています。(αはメーカーごとの定義による)
ですがロードバイクのサイズを選ぶときは、このシートチューブの長さではなく、トップチューブ長と呼ばれる数字を基準にして選ぶのが主流になっています。
トップチューブ長とは下の図に赤で示した長さのことで、要するに自転車の背中に当たる部分です。おおよそ男性用で510~600mm、女性用では480~560mmあたりの値を取ります。
トップチューブ長とは?
注意したいのは「トップチューブ長=物理的なトップチューブの長さ」では無く、トップチューブの前側付け根から地面と水平に線を引いた時、シートチューブと交差する点までの長さがトップチューブ長です。
ですから、正確には「トップチューブ長」ではなく「水平換算トップチューブ長」といいます。
このあたり、実はメーカーや人によってトップチューブ長の定義は微妙に違います。
どの定義でも誤差はせいぜい5mmですので無視していいものとします。正確な値はカタログかメーカーHPに記載されていますしね。
わたしの体に合うトップチューブ長は?
自分の体のサイズに適切なトップチューブ長はどうやって知れば良いのでしょう?
身長を基準にして決める
ライダーに合うトップチューブ長は、身長を基準にしてある程度絞り込むことができます。例としてGiantの公式HPに掲載されているサイズ表には、一番右端に各サイズの適応身長が掲載されています。
この適応身長もトップチューブ長を基準として選ばれることが一般的で、「このトップチューブ長であればこのくらいの身長の人」として考えるのが普通です。
自転車ショップでもまず聞かれるのが「身長は何センチですか?」と多いのはこのためです。
上のサイズ表には530、545,560と3種類のトップチューブ長しかありませんが、より広い範囲のとップチューブ長と身長の関係を表すと以下の表のようになります。
メーカーによって適応身長を表示していないところもありますが、その場合はこの表を参考にして選ぶのも一手です。(※必ずフィットすることを保証するものではありません)
プロショップに相談するのが最善策
上に書いた方法論はあくまで目安であり、正直なことを言ってしまえばどの人にも100%あう方法論は存在しません。
自転車と体の相性、乗り方は個人で変わる
自転車と体のフィッティング要素をまとめてライディングポジションと呼びます。
ライディングポジションはその人の体の寸法はもちろん、筋肉の付き方や柔軟性、関節の可動範囲、運動経験、自転車に乗る目的によっても変動します。
これは人によって千差万別であり、さらに時間の経過とともに個人の中でも変わっていくまさにナマモノです。
通信販売などで自転車を買う、実車がある店舗が近隣にないなど、事情がある場合はこの記事の方法を使って自転車を選んでも不自由はしません。
しかし、よりレベルの高いライダー個々人の問題/課題に対しては、やはりショップでプロの意見を求めるのが何より確実です。
ショップでのフィッティングのメリット
フィッティングに力を入れているショップでは、はじめは上のような方法論で自転車のサイズにあたりを付けます。
その後ローラー台の上でしばらくペダリングをするなど、実際のあなたの乗車フォームを見て最終的な微調整をしてくれます。
このとき、ハンドル高さやステムの長さ、ハンドルの幅、サドル位置、クランク長、ビンディングの場合はクリート位置などなど、目が回るほどある自転車の細かなポジション調整要素をトータルで考えてくれるのもプロショップの大きなメリットです。
これらの調整をたった一人で、しかも客観視しづらい自分の体に対して行なうのはどんなベテランであっても難しいものです。
このフィッティングはその店で自転車を買えば無料でやってくれることが多いので、高価な買い物に確実を期したい方は多少面倒でもショップに行くことをおすすめします。
良いフィッティングをしているショップの探し方
プロショップの中には特にフィッティングに力を入れているショップがあります。近隣にお手頃なショップが有る場合、まずはそのショップのHPでフィッティングを謳っているかどうかをチェックしてみてください。
Specializedのボディージオメトリーフィット実施店がおすすめ
近くにショップがない、あるかわからないという人は、一つの目安としてSpecializedのボディージオメトリーフィット実施店を探すという方法があります。
Specializedは自転車ショップ店長向けに、ボディージオメトリーフィットというフィッティング講習を行なっており、修了した店員がいるショップをDealer Locatorで公開しています。赤枠で囲った項目にチェックを入れて、自宅周辺の実施店舗を探してみましょう。
以上、正解のないバイクフィットですが、この記事を参考に皆さんが最高の一台に出会えることを祈っています。