前回のインタビューでは、Raphaがカフェを運営する目的とライドイベントの取り組みについて、ストアマネージャーの内田雅樹さんに語っていただきました。
続編となる今回はRaphaのウェア作りに対する熱意と、こだわりポイントについてお聞きしました。
全編はこちらをご覧ください。
北参道の一角に、自転車業界で有名なサイクリングアパレルブランドRaphaが運営する店舗があります。Raphaはデザインと着心地、使いや... Rapha Cycle Club Tokyoでライド仲間と楽しむ。ストアマネージャーの内田さんにお... - FRAME : フレイム |
リフレクターをおしゃれに
ー自転車初心者の方はウェア選びについて悩むと思います。そもそも普通のスポーツウェアとサイクル用のウェアは何が異なるのでしょうか。
ランニングやバスケットボールなどのスポーツウェアと異なる部分としては、自転車に乗った時の姿勢を考えながら設計されているところですね。例えば、自転車以外のスポーツウェアを着用して走行すると、背中が丸まってしまうことで丈が短くなり、腰やお腹が露出してしまいますが、自転車のウェアは丈が長めに取られているためそのような心配もありません。また、元々自転車用に設計されたウェアですと脇の下の部分をスリムにしているため風によってバサバサとならず、漕ぎやすい。
普通のスポーツウェアを着て自転車に乗ることはもちろん可能ですが、どこかが窮屈に感じたり丈の長さが気になったりと小さな不満部分が積み重なってきてしまうので、やはり本格的にサイクリングをしようとお考えであるならばサイクルウェアを購入した方がいいですね。
Raphaのサイクルウェアは見た目はもちろん、機能性にもこだわっていてサイクリストの不満点をなくすべく使い勝手の良さを念頭に設計しています。例えば、夜間自転車に乗られる方におすすめなのがこちらのズボン。
裾をめくり上げることでRaphaのロゴが出てくるのですが、これは光を反射するリフレクト素材を使用しています。ただ、反射板と聞くとちょっとダサいなと思われる方も少なくはないと思うんです。だから、あくまでアクセントとして少しだけ使う。デザインと機能性を両立させた典型的な商品ですね。こうして一部分だけのポイントにすることが、ちょっと気の利いたデザインとして洒落が効いていると思うんです。最近ではこのアイディアが結構真似されてきているのかなと感じますが、元々はRaphaのモチーフなんですよ。
Raphaのウェアは快適性がすぐにわかる
ー他にもデザインについてこだわりのポイントなどあるのでしょうか
チームskyのウェアを見てもわかるように、Raphaのウェアは遠くからでも一目でわかるようにデザインされています。一番オーソドックスなクラシックジャージも黒地に白のトルデザインを採用しているためすぐにRaphaとわかりますね。カラーに関してはその時期のトレンドも取り入れつつ、毎年変更しています。
ちなみに、先ほどお話ししたクラシックジャージは創業当初からラインナップする製品ですが、創業12年目を迎える今年リニューアルを果たしました。機能性を重視してメリノウールという素材、いわゆるスポーツウールを取り入れたんです。登山をする方はよくご存知かと思いますが、メリノウールをベースに使用した生地はかなり快適なんです。
汗を素早く吸収して乾燥する。かつ耐久性と消臭効果もあります。このように機能性へ優れているのですが、何と言っても着心地が素晴らしいんです。まるでポロシャツのようで、チクチクしません。縫い目もフラットに仕上げているので肌触りもなめらか。立体裁断も見直しており、自転車に乗った際の前傾姿勢や身体の動きによりフィットしてくれます。
人の気持ちを動かせるような商品を展開する
Raphaの商品はロードレースの選手をモチーフにした商品を多く展開しています。これはレースで戦った選手たちのストーリーを大事にしていきたいし、その生き様も大切に語っていきたいという思いからです。
ですから各商品一つ一つにストーリーラベルというものを付けているんです。ポケット裏とかの見にくいところへ商品ごとに異なるストーリーを小さな字で細かく書いて。記載してある内容はこの商品を生み出したきっかけとなった話です。
店員と一緒になってウェアを探す
―初心者がウェアを見るべきポイントを教えてください
ウェアの選び方は様々ですが、僕らがお聞ききしたいのはウェアの使い方と自転車の乗り方ですね。サイクルロードレースのように走りたいのか、街中をリラックスして気軽に乗りたいのか。そういった好みや目的が聞ければ、我々は商品の提案がしやすくなります。それだったらこの商品がいいよ、とかレースに出るのであればこのウェアがおすすめだよ、とか。ウェアによって素材も違えば、フィット感も違います。より乗り込む方には、フィット感のいい機能性の高いものをおすすめしたいし、そうではないカジュアルな方へはリラックスして着心地の良いものをおすすめしたい。この部分を固めてしまってからデザインやカラーを選んでいった方がスムーズだと思います。
また、お客様から結構多い質問が、その時の季節季節でどんなウェアを着ればいいのかという相談ですね。特に春や秋といった中途半端な季節は何を合わせたらいいかわからないし、そもそもサイズもどれを選べば良いのかと言う方が多いです。このような方にもフィッティングを通して適切なアドバイスができるようにしていますし、色合わせの相談にももちろん乗ります。自転車のカラーへ合わせたいとか、アクセントの使い方とか。Raphaでは頭から足の先まで様々な商品ラインナップを用意しているので、きっとお気に入りのコーディネートを提案できると思います。
こうした対話を通じてコーディネートしたものにお客様が喜んでくれると僕はとても幸せですし、楽しい。だから僕は、現場から離れたくないんですよね。
最後に
コミュニティの場としてのカフェやライドイベントの提供、サイクルアイテムに込められた一つ一つのストーリー、利用者にフォーカスした気の利いたデザインと機能性。あらゆるところから自転車の面白さを再発見し、サイクリストや自転車に乗らない方問わず楽しんでもらおうという熱意が感じられました。
Rapha Cycle Club Tokyoで有意義な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
【Rapha Cycle Club Tokyo の店舗情報】
住所:渋谷区千駄ヶ谷3-1-6
電話:03-6434-5571
営業時間:平日 10:30-20:30 土日祝10:30-19:30(サイクルロードレース放送中は終了時まで営業)
Webページ:Rapha Cycle Club Tokyo