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今年はどうなる? ジロ・デ・イタリア キンタナが最有力か? ニーバリも手強い

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記念すべき第100会回大会

いよいよ記念すべき第100回のジロ・デ・イタリアが始まる。各出場チームからメンバーが発表され、また優勝候補たちのレース前の調子なども垣間見えてきて、今年のジロ・デ・イタリアの行方が占えるようになってきた。

まず触れておきたいのが、アスタナのエースを務めるはずだったミケーレ・スカルポーニ(イタリア)の死だ。ツアー・オブ・ジ・アルプスでステージ優勝も果たし、絶好調であっただけに、4月22日の練習中の事故死は、いまだに信じられないという人も多いだろう。そもそも、アスタナのエースはファビオ・アル(イタリア)が務めるはずだったのだが、アルの故障によりスカルポーニがエースに抜擢されるという経緯があった。今期、絶対的エースだったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)がチームを去ったことといい、アスタナはまるでツキに見放された感じだ。

ニーバリか、キンタナか?

さて、総合優勝の最有力候補だが、やはりヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)とナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の名を挙げておかないといけないだろう。ニーバリは直前のツアー・オブ・クロアチアで総合優勝を果たし、好調ぶりをアピールした。一方のキンタナも直前のブエルタ・アンダルシアで最難関ステージを制し、個人総合でも2位でフィニッシュ。やはり、仕上がりはほぼ完璧だ。

優勝候補筆頭ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)。2014年のジロの総合優勝者だ  (C)RCS Sport

2016年のジロの総合優勝者ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)。今年はバーレーン・メリダを率いて2連覇を狙う (C)RCS Sport

あえて、どちらがより強いのかを決めるとしたら、僅差でキンタナに軍配を上げたい。バーレーン・メリダもモビスターもどちらのチームもアシスト陣も分厚い。しかし20日間の長丁場のレースともなると、長年同じ釜の飯を食ってきたモビスターと新生チームのバーレーン・メリダとでは、前者の方が色々な意味でチームが上手く機能するのではないだろうか? さらに、キンタナはアシストなしでも一人で動けるタイプの選手だが、ニーバリはどちらかというとアシストの助けを借りて強さを発揮する選手だ。キンタナの方が、より有利な要素が揃っているような気がする。

対抗馬は?

ニーバリとキンタナの対抗馬としては、昨年のこり2日でマリア・ローザを失ったステファン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)を挙げておきたい。昨年の経験から「グランツールに勝つためには何が必要なのか?」を学んだクライスヴァイクは、かなり強くなって戻ってくるはずだ。ラボバンク時代からの悲願であるグランツール制覇に、チーム一丸となって戦ってくることは容易に想像できる。

ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)も面白い存在だ。チームがツール・ド・フランスにフォーカスしているため、ジロのメンバーはややさみしい感じが否めないが、やはりこの選手層の厚さは他のチームにとってかなりの驚異になるだろう。ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)とディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)の働きいかんでは、キンタナとニーバリを脅かす存在になるかもしれない。

ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアル)にも期待したい。フランスのチームに所属しているイタリア人という立場で、ジロ・デ・イタリアにかける思いにはかなり熱いものがある。レース展開が自分の思い通りにはまれば、ひょっとするとひょっとすることがあるかもしれない。

伏兵は?

伏兵の登場にも注目したいところだ。2003年のダミアーノ・クネゴ(イタリア)や2012年のライダー・ヘスジェダル(カナダ)のように、まさかと思われていた選手が大活躍してしまうことがあるのもジロの面白いところ。エースの不調によりアシスト選手がエースを任され、その気で走ってみたらめちゃくちゃ強かった、なんていうことがあれば、それはそれでおおいにレースが盛り上がるだろう。いずれにしても、レースは筋書きのないドラマだ。何があるかは、ふたを開けてみないとわからない。むしろ、予想が外れたときの方がレースは面白い。

2015年の総合優勝者アルベルト・コンタドール(スペイン) (C)RCS Sport
2014年にナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が優勝した後、キャニオンから発売されたジロ優勝記念モデル。グランツールの勝利は、バイクビジネスにも大きな影響を与えるのだ (C)Canyon
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