「ドフィネ」ってどんなレース?ジャーナリストが解説
毎年6月、南フランスのドフィネ地方で行われるステージレースである。日本では「ドーフィネ」と呼ばれることが多いが、現地フランス語の発音は「ドフィネ」に近い。正式名称は「クリテリウム・ドゥ・ドフィネ(Critérium du Dauphiné)」。UCIプロツアーに指定される格式の高いレースで、第1回大会は1947年に行われている。
もともと、ドフィネ地方の新聞社ドフィネ・リベレが主催していたレースで、その当時は「クリテリウム・ドゥ・ドフィネ・リベレ(Critérium du Dauphiné Libéré)」という名称だったが、2010年にツール・ド・フランスを主催するASO(アモリー・スポル・オルガニザシオン)が開催権を取得して、現在の名称となった。
同じ時期にスイスで行われるツール・ド・スイスとともにツール・ド・フランスの前哨戦という意味合いが強く、このレースで優勝した選手の多くが7月のツール・ド・フランスでも優勝しているのである。ファンにとっては、ドフィネでの選手たちの走りを見てツール・ド・フランスの優勝者を予想するという楽しみがある。
近年では、2012年の優勝者ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、チームスカイ、当時)、2013年、2015年、2016年の優勝者クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が、同じ年のツール・ド・フランスも制している。最多優勝者はヌル・ロルディ(フランス)、ルイス・オカーニャ(スペイン)、ベルナール・イノー(フランス)、シャルリー・モテ(フランス)、クリス・フルーム(イギリス)の3回。