熟練者が教える海外輪行術|自転車ケース、SIMカード、ホテル、レンタカーに補給のコツまで
date : 2017.08.29 update : 2017.08.29

ヨーロッパ大陸まで飛んですぐ、のイギリスは飛行機輪行大国です

自転車、とくに自転車通勤やロードバイクの人気がブームからライフスタイルとして定着しつつあるイギリス。自転車を持ってヨーロッパ大陸などに旅行する人も多くなり、この数年で飛行場や鉄道駅の輪行環境もだいぶ整ってきました。

グランツール中継で見るような景色の中を走ってみたいなぁと思っている日本の方も増えてきていると思いますので、具体的に企画するとしたらどんな感じなのか、私の今年の南仏ラングドックでの夏休みを例に、ノウハウとしてご紹介したいと思います。

ラングドックのこのエリアには十字軍に全滅させられたカタリ派と呼ばれる人たちが最後まで残っていたと言われ、中世からの集落が多い。

ラングドックのこのエリアには十字軍に全滅させられたカタリ派と呼ばれる人たちが最後まで残っていたと言われ、中世からの集落が多い。

ロンドンから合流したラファ サイクリング クラブの仲間と。みんな激速なので、わたしは自分で引いたルートを頼りに一人旅、ランチなどで待ち合わせて帰りは一緒にという日々。

ロンドンから合流したラファ サイクリング クラブの仲間と。みんな激速なので、わたしは自分で引いたルートを頼りに一人旅、ランチなどで待ち合わせて帰りは一緒にという日々。

モンペリエの海は牡蠣の一大産地。3年モノというこの牡蠣はホントにおいしかった…。フランスも食事が美味しいのが、食いしん坊サイクリストには嬉しいところ。

モンペリエの海は牡蠣の一大産地。3年モノというこの牡蠣はホントにおいしかった…。フランスも食事が美味しいのが、食いしん坊サイクリストには嬉しいところ。

航空会社は「航空運賃+自転車課金」で選ぶ

日本からの直行便や乗継便がある場所ならラクですが、目的地のそばに日本乗り入れ便のある航空会社が飛んでいない場合は、ヨーロッパに入った地点から自力で乗り継ぎ便を探さねばなりません。格安航空券比較サイトのkayak.comなどで検索し、easyJetイージージェット(英)Ryanairライアンエアー(アイルランド)などのLCCも選択肢に入れて探します。

私は今年はロンドンのGatwick(ガトウィック)空港からMontpellier(モンペリエ)空港にeasyJetで入ることにしましたが、去年はユーロスター、一昨年はマイナーなBeziers(ベジエ)空港にライアンエアーで入りました。ヨーロッパも日本同様ローカルな空港がたくさんあるので、旅の目的地を探す時点で、アクセス可能な空港と乗り入れ航空会社を見ていくと効率的です。

航空会社の選択時にもうひとつチェックするべきなのが、自転車の扱いです。ケースの大きさに関わらず自転車荷物は一律課金、一定のサイズ重量内なら手荷物扱いなどエアラインによって金額が大きく違うので、航空券の額面だけで決めると後でガッカリということも

ちなみに英国航空は重量23kg以内なら1個無料の預入荷物を自転車ケースにすることができています(2017年8月現在)。ただし、航空会社ごとに自転車の扱いや料金はしばしば変更になるので常に公式サイトでチェックを。またコードシェア便には要注意。コードシェア便は実際に飛行機を飛ばす会社のルールが運用されるので、帰りにいきなり高額な料金をとられることもあります(経験者は涙目で語る)。

今回の私たちの荷物は、シーコンのハードケース、エアロテック2つと、中サイズのスーツケース1つ。easyJetだと自転車は往復で£80。

今回の私たちの荷物は、シーコンのハードケース、エアロテック2つと、中サイズのスーツケース1つ。easyJetだと自転車は往復で£80。

カーボンバイクはハードケースがおすすめ

気になる自転車ケースですが、これはこれで1本の記事になるくらいディープなトピックなので要点だけにします。

ソフトバッグからセミハード、ハードとそれぞれ長所短所がありますが、ヨーロッパの飛行場で乗り換えがある場合、カーボンバイクは私はできればハードケースがいいと思います。ダンボール箱輪行をした際、箱の横っ腹に大きな足跡が付いていた経験がありますし、自転車ケースが機体から放り投げられている動画がネットで話題になることも珍しくないので。

ケースの大きさも制限が航空会社によってまちまちで、自転車に一律料金を課す航空会社は大抵ケースの大きさに制限はないので(重量制限はあるけれど30kg前後と緩め)、そういう場合はしっかりとしたハードケースにしたほうがいいでしょう。

シーコンのハードケースの場合、左ペダルを外し、ホイールを前後外し、ステムのハンドルバークランプを緩めてハンドルバーを倒し(今回はエアロバーだったのでステムごと外し)、サドルをシートポストごと外すだけ(わたしはシートポストはつけたままでOKだった)。慣れれば15分くらいと梱包が簡単なのもハードケースの魅力。

シーコンのハードケースの場合、左ペダルを外し、ホイールを前後外し、ステムのハンドルバークランプを緩めてハンドルバーを倒し(今回はエアロバーだったのでステムごと外し)、サドルをシートポストごと外すだけ(わたしはシートポストはつけたままでOKだった)。慣れれば15分くらいと梱包が簡単なのもハードケースの魅力。

レンタカーの荷室とのバランスも考慮が必要

とはいえ!自転車ケースを検討する際にもうひとつ大切なのが、レンタカーの荷室との絡みです。ヨーロッパの山などに行く場合はツアーでなければ空港でレンタカーを借りて移動することになりますが、ハードケース2個と人間2人だと、VWポロ、ルノー・クリオのクラスだと運が悪いとギリギリ入りきらない可能性が。たためる自転車ケースなら自転車を出すことでだいぶ積載性は上がるので、ちょっとしたポイントです。

今回の旅のおともは、キャニオンから拝借した、今年発表になったUltimate WMN CF SLX 8.0 Di2。700Cより少し小径の650Bホイールを履いた3XSモデルで、小柄な私にはそれはもう目からウロコの乗り心地だった。小柄な人はこの新しい650Bモデルは要注目です。

今回の旅のおともは、キャニオンから拝借した、今年発表になったUltimate WMN CF SLX 8.0 Di2。700Cより少し小径の650Bホイールを履いた3XSモデルで、小柄な私にはそれはもう目からウロコの乗り心地だった。小柄な人はこの新しい650Bモデルは要注目です。

レンタカーで言えば、ヨーロッパはやはりまだまだマニュアル天国です。中高級車はATが多いですが、小型車や荷室が大きめのバンなどはマニュアル設定しかないことが大半なので、AT免許の人は要注意。一方で、小型車でもナビはほぼ標準装備になってきていますし、Google Mapのナビはかなり頼りになるので、道で困ることは減ってきています。

またレンタカーは、各社の公式サイトよりも、比較サイトや航空会社でチケットを買うとよく出てくる提携レンタカーのお薦め画面から探すほうがだいぶ安いことが多い印象です。

遠くに地中海を望む、標高700~1100mのエリア。いわゆるマッシフ・サントラルと言われる山岳地帯の南端あたりで、ふもとにはワインのためのぶどう畑が広がっている。

遠くに地中海を望む、標高700~1100mのエリア。いわゆるマッシフ・サントラルと言われる山岳地帯の南端あたりで、ふもとにはワインのためのぶどう畑が広がっている。

宿はAir bnbが主流に

宿は、英の自転車仲間ではAirbnbを使う人が多いです。ホテルタイプがよければBooking.com。私たちは以前からお世話になっている、ホリデー用アパートの検索サイトで見つけたオーナーの貸家に2週間滞在しましたが、来年はAirbnbかなと思っています。あとは英語圏ではTripAdvisorが人気で、宿やレストラン探しには情報が充実していていいように思います。

しかしこういう情報を現地で調べるにはやはりスマホでネットが使える必要があります。GoogleMapも地図のローカルダウンロードだけでは心細い。かといって海外パケ放題は高いです。私のおすすめは、スマホをSIMフリーにして、ヨーロッパ現地のデータ通信量多めプランのSIMで使うことです。イギリスの通信会社なら、10GBついた通話用プリペイド(Pay as you Goと言います)で30日で£15(2000円強)前後。現在は欧州内ならほぼどの国でもローミング無料なので、けっこう使い手があります。イギリスの空港内に通信会社の出店があることが多いので、乗り換えのときに買えると思います。

そして楽しいライドプラン♪♪ 私はルート作りはStrava(他の人が走っている人気ルートを調べる)+RidewithGPS(自分の走りたいコースを引いて獲得標高や斜度を調べ、gpxファイルを作る)+GoogleMap(ストリートビューで道の状況チェック)の3つをよく使います。さらにミシュランのクルマ用地図などで緑色がついている景色のいいルートを調べたり、眺めのいいポイントをチェックしたりもします。

ラングドックは南仏でも地味なエリアながら、ツール・ド・フランスもほぼ毎年通るので、そのルートを走ってみるのも醍醐味のひとつ。今年はヴエルタも第2ステージで海沿いを通ったけれど、あそこは平坦で風がいつも強いので地元ローディはあまり行かないのです。

ラングドックは南仏でも地味なエリアながら、ツール・ド・フランスもほぼ毎年通るので、そのルートを走ってみるのも醍醐味のひとつ。今年はヴエルタも第2ステージで海沿いを通ったけれど、あそこは平坦で風がいつも強いので地元ローディはあまり行かないのです。

自己手配がすべてじゃない。助けてくれるツアーもあります

駆け足になってしまいましたが、いかがでしょうか。ここまで自分でやるのはちょっとなぁという人は、cycling、holiday、roadbike、alps、mountain…といったキーワードで検索をすると、元ロードレーサーが特訓をつけてくれる合宿から、トスカーナを縦走するワインツアーなどまでさまざまなものが見つかると思います。ロードバイクで真剣に走るタイプなら、Rapha Travel(ラファトラベル)La Fuga(ラ・フーガ)などが有名で、女性に特化したツアーだとQueen of the MountainsStrongherあたりが知られていますので覗いてみてください。

フランスは各村に水飲み場の設置を義務付けているので、ロングライドでも飲み水に困らない。ただしレストランは2時きっかりに閉まってしまうしコンビニも皆無なので補給計画はしっかり立てないと腹ペコライドになることも…。

フランスは各村に水飲み場の設置を義務付けているので、ロングライドでも飲み水に困らない。ただしレストランは2時きっかりに閉まってしまうしコンビニも皆無なので補給計画はしっかり立てないと腹ペコライドになることも…。


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Written by 青木陽子(Yoko Aoki)

いくつかの雑誌編集部を経て、女性サイトの草分け「cafeglobe.com」の創刊編集長に。現在はロンドンで雑文書き、翻訳などをしつつ、自転車中心の生活を送っています。サステイナブルな社会を作ることと世界を自転車で移動して味わうのがたぶんライフテーマ。 www.yokoaoki.com