秋冬の室内トレーニングに欠かせない存在「スマートトレーナー」と「トレーニングサービス」何がオススメ?
目次
秋冬は「室内トレーニング」が当たり前の欧米で広がるZWIFTの輪
秋風がすっかり冷たくなってきたせいか、「Zwift(ズイフト)をやりたいのだけれど、どんなローラーを買ったらいいかわからない、教えて!」という友人からの質問が飛び込んでくるようになってきました。
ローラーでトレーニングをすれば強くなれるのはわかっていても、ひとり心拍計やパワーメーターの数字とにらめっこでペダルを回すのは、あまりにも味気なく辛いのは事実。バーチャルな空間で世界中のサイクリストと一緒に走ったり競ったりできるZwiftが人気を集めるのも当然という気がします。
バーチャルトレーニングのための「スマートトレーナー」が当たり前になってきた
ではZwiftを楽しむには、どんなローラーを用意するといいのでしょう。
Zwiftの中のバーチャルな世界に登場する自分のアバターが走るスピードは、自分の自転車につけられたパワーメーターか、あるいは固定ローラーが読み取ったパワー(単位はW/ワット)をインターネットを介して送ることで決まってきます。
※ちなみに、自転車にパワーメーターをつけていない場合、パワーを読み取れない旧式の固定ローラーでも、ローラー機種とケイデンスなどから推測されたパワーで走ることはできますが、実際の力とは誤差が生まれがちで、Zwiftの中のアバターが速すぎたり遅すぎたりしてリアルなバーチャル感を楽しみきれないことが多いのが実情です。
このパワーを読み取れるローラーが、「賢い」という意味の「スマート」トレーナーと一般的に呼ばれている機種になります。現行のスマートトレーナーの大半はAnt+とBluetooth Smartの通信規格に対応しており、この無線で飛ばされたパワー情報をPCやタブレットで拾い、Zwiftのソフトウェアがそれを利用しているのです。
スマートトレーナーの正確なデータで室内トレーニングがぐっと実走に近くなる
この、パワーを読み取って無線でPCに飛ばせるスマートトレーナーは、3.5〜8万円くらいで販売されています。昔からある後輪をトレーナーのローラーに押し付けるタイプの他、後輪を外してトレーナーに付けてあるスプロケに自転車を取り付けるダイレクトドライブと呼ばれるタイプも増えてきました。ダイレクトドライブだとより正確なデータが測れ、比較的騒音が小さいタイプが多いようです。タイヤがすり減らないという利点もあります。
スマートトレーナーの代表的機種2つ
Tacx Satori Smart
画像:Tacx公式サイト
¥ 36,446 (税込)
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Elite Muin Smart B+
¥ 61,530 (税込)
上位機種なら斜度の再現も自由自在
ただし、もうちょっと予算を積めれば、ぐっと面白い世界が広がってきます。Zwiftで上り坂に差し掛かるとペダルが重くなると聞いたことがあるのではないでしょうか。スマートトレーナーの中の上級機種には、PCからの情報を受け取ってローラーの負荷を変えることができるものがあるのです。
パワー情報を無線で発信するだけの片方向スマートトレーナーに対して、こちらは双方向スマートトレーナーということです。インタラクティブトレーナーと言われることもあります。これだと、上りではペダルが重くなり、下りではペダルがクルクル回ってしまうほど軽くなります。まさにバーチャル。
双方向トレーナーにも、後輪でローラーを回すタイプとダイレクトドライブの2種類があり、価格は7〜20万円くらいになっています。お値段の差は、ドライブ方式の違い、対応できるパワーの上限や再現できる坂道の急峻さ、静粛性などになっています。
斜度が変わる「双方向トレーナー」代表機種6つ
Wahoo Kickr Snap
画像:wahoo公式サイト
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¥ 89,950 (税込)
Tacx Vortex Smart
画像:Tacx公式サイト
Tacx Vortex Smart をAmazonで見る
¥ 52,838 (税込)
Wahoo Kickr
画像:wahoo公式サイト
Tacx Flux
画像:Tacx公式サイト
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¥ 115,950 (税込)
Elite Direto
画像:ELITE
¥126,500円 (税込)
CycleOps Hammer
画像:CycleOpes公式サイト
CycleOps Hammer
¥ 149,900 (税込)
これらの双方向スマートトレーナーなら、Zwiftの中で友人と走っても、ふだんリアルで一緒に走っているときのような脚力の差を感じられるでしょうし、下り道では足をとめて重力で下りながら一息つくということもできるわけです。
Zwift以外にもこんなにある!スマートトレーナーを使ったトレーニングサービス
もちろん、双方向スマートトレーナーはZwiftのためだけにあるのではありません。たとえば、Zwiftのようなバーチャルワールドは用意されていないけれど、ストラクチャード・トレーニングメニューをたくさん用意し、目的別に長期のプランを立てられることでいまとても人気になっているTrainerRoadも、双方向トレーナーをコントロールして、効果的なトレーニングができるようにペダルの負荷を自動的に変えてくれます。
・トレーニングに特化したストラクチャード・トレーニングサービス
・シリアスなサイクリスト向け
・映画やTVを見ながら、画面下にトレーニングメニューとデータを出し走行もできる
Trainer RoadのWebサイトはこちら(英語のみ)
新しい一部のGarmin Edgeや先日ご紹介したWahoo Elemntなら、大半の双方向トレーナーの負荷をコントロールできるので、トレーニングのプランニングをしてくれるオンラインサービスTrainingPeaksやtoday’s plan(Team Skyのオフィシャルパートナーのトレーニングサービス)などが提供しているストラクチャード・メニューを入れてトレーニングすることができます。あるいは、実際に走ったライドデータを室内で再現して走ることもできます。
・目標を設定するとパーソナルトレーナー的に達成までのプランを作成するサービス+ストラクチャード・トレーニングサービス
・オーストラリアベース
・チーム・スカイやトレック・セガフレードのオフィシャルスポンサー
Today’s PlanのWebサイトはこちら(英語のみ)
Kinomap、VeloReality、Tacx専用のTacx Trainer 4など、アルプスやモン・ヴァントゥなど世界の有名コースを高画質動画でバーチャルライドできるサービスも双方向トレーナーに対応しているものが揃ってきていて魅力的です。
▲VeloRealityの動画サンプル。アメリカ・ユタの大自然の中を走る
・Kinomap
ミノウラのトレーナーとリンク、日本語あり
・VeloReality
4Kの美しい映像を見ながらインドアトレーニングでバーチャルライド、英語のみ
・Tacx Trainer 4
Tacxのスマートトレーナーに特化、世界の有名コースをバーチャルライドできるサービス、英語のみ
スマートトレーナーを選ぶ際の注意点
トレーナー製品を選ぶ際ですが、スマホの設定ユーティリティアプリがiOSとアンドロイドの両方出ていることが多くなってきてあまり心配なくなりましたが、少し古い機種などは、対応OSをチェックしておきましょう。ZwiftはOS XとWindows両方に対応しています。
あとは、スマートトレーナーの多くは電源を必要とするので、ガレージなどの場合はそれも考慮ポイントかもしれません。
スマートトレーナーはますます進化し、関連サービスもますます充実する
今回は割愛していますが、斜度に合わせて前輪のドロップアウトを固定したポイントがジリジリと上下移動して実際の道の傾斜を再現する製品や、ルームランナーのように、回るベルトの上に自転車をそのまま乗せて走る(!)という製品も発表されるなど、スマートトレーナーと関連サービスは今すさまじいスピードで進化を続けているので要注目です!