サラリーマンレーサーが教える、海外自転車レースに出るなら押さえるべきポイント8点
date : 2017.12.05 update : 2017.12.05

こんにちは、SNEL CYCLOCROSS TEAMに所属する向山です。
今回は海外遠征についてのお話です。

海外遠征と言うと敷居が高いように感じる方も多いと思います。
ですが私自身、イタリア、スペイン、中国(中国だけはなぜか3回)と海外のレースに遠征した経験を通し、短期の遠征であればプロライダーでなくても参加しやすいと感じています。

そこで、海外遠征を身近に感じていただけるようなお話を、今年9月に行ったシクロクロスの中国遠征を例にしてお届けしたいと思います。

海外遠征は飛行機に乗る前から始まっている

▲空港で慌てないためにも飛行機輪行の際は航空会社のルール確認が重要
▲空港で慌てないためにも飛行機輪行の際は航空会社のルール確認が重要

海外へ行く時に気になるのは飛行機。自転車を持って飛行機に乗る際には色々と注意が必要です。

航空会社によってもルールが違ううえ、レギュレーションの変更も多いので、最新の情報を確認しましょう。

サイズ制限クリアは専用ケース使用が無難

例えば今回、私はJALを利用しましたが、国内の航空会社は自転車を預ける際には3辺の合計が203cm以内に収まるケースに入れなくてはいけません。この203cmと言う数字はなかなかハードルが高く、これまで段ボールに自転車を入れて運んでいましたが、今回はBTBの専用ケースを使いました。
このBTBのケースは203cmで収めるようにサイズが調整されていて非常に使いやすかったです。

▲専用設計のBTBのケースは無理なく自転車を収納できて非常に便利。高価な自転車を運ぶのだから、ケースはしっかりしたものを使いたい。
▲専用設計のBTBのケースは無理なく自転車を収納できて非常に便利。高価な自転車を運ぶのだから、ケースはしっかりしたものを使いたい。

大切な愛車を守るパッキングは念入りに

また、自転車のパッキング時は、緩衝材をしっかり入れ、変速機などのデリケートな部品は取り外し、衝撃で壊れないような対策をしましょう。
以前、海外の空港で、積み込み時に自分の自転車が思いっきりぶん投げられているのを目撃してしまいましたが、基本的に見えない所で自転車は投げられていると思って準備した方が良いと思います。

▲ケースに入れる際、自転車は緩衝剤でグルグル巻きが基本。
▲ケースに入れる際、自転車は緩衝剤でグルグル巻きが基本。さらにケースに入れた後も、余計な空間を埋めるためにウェアなどを詰めてクッションにします。

さらに自転車を持ち込むなら、事前に伝えておいた方が良いでしょう。私も2年前、事前の連絡をせずに中国の飛行機に乗ろうとしたら、自転車を入れるスペースが無いから乗せられないと言われ、交渉の末に高額な超過料金を支払って乗り込んだことがありました。

手荷物・機内持ち込みのルールを確認しよう

ケミカル類の持ち運びにも気を使う

ケミカル類の持ち運びにも気を使う

もう1つ注意したいのが、バッテリーや工具、ケミカル類をどうやって運ぶか
以前はリチウムイオンバッテリーは手荷物として持ち運ぶことが禁止されていて、スーツケースなどに入れて預けることが義務付けられていましたが、今は全く逆のルールになり、手荷物として機内に持ち込むようになりました。
電動変速機を使っている場合、バッテリーだけ取り外し、機内に持ち込まないといけないのです。
逆に工具類やケミカル類は手荷物ではなく、預け荷物。
毎回一緒に中国に行っている知り合いは、何度も海外遠征しているのに、いつも何かしらチェックインで没収されています。皆さんも気をつけてくださいね。

コンディションを整える機内での過ごし方

“エコノミー症候群”なんて言葉もあるように、飛行中はほとんど体を動かせません。ドレスアップも良いけれど、アスリートとして過ごすならジャージのような柔らかい生地のボトムスを着用した方が無難です。
さらには血流を促進するコンプレッションウェアを着用すると良いでしょう。移動疲れを最小限に留める工夫は大切です。

▲コンプレッションウェアはレース後の回復だけでなく、移動疲れの軽減にも役立つので、海外に行く際には1つ持っていきたい。
▲コンプレッションウェアはレース後の回復だけでなく、移動疲れの軽減にも役立つので、海外に行く際には1つ持っていきたい。

いよいよ到着、現地スタッフの手配は万全

入国審査のスタッフって、あんまり愛想ないですよね。
北京も、グアムも、ボローニャも、どこも無愛想。
日本って素敵な国だなと再認識しつつ、文化の違う国に来たなと感じる瞬間です。

そして、荷物の受け取り。
自転車は大きいので、いつも後回しになって待たされることが多いです。

今回は到着ロビーに着くと、大会のスタッフがバスを用意して待ってくれていました。
海外遠征と言っても、単発のレースであれば、主催者が用意してくれたり、パッケージツアーが組まれていたりと、移動手段の確保や宿の確保にはあまり苦労しないことが多いです。

空港では大会事務局のスタッフが待機してくれていた

空港では大会事務局のスタッフが待機してくれていた

言葉の通じない場所で宿や乗り物を確保することに不安を感じている方は、日本からパッケージツアーで行ける海外レースも多数あるので、そういうレースから挑戦するのがおすすめです。

どこでも寝られる・何でも食べられるが海外遠征の必須スキル

良いパフォーマンスは十分な睡眠から

初日に泊まったのは超高級ホテル。
今回は2レースあったため、2レース目の会場のホテルは普通のホテル。
例えるなら、ちょっと場末な感じのビジネスホテル風。
レースへのコンディショニングのためには、ホテルの良し悪しに限らず環境の変化や時差ボケにも対応し、しっかり睡眠を取ることが不可欠です。

▲最初に泊まった超高級ホテル。モダンな外見でスカイツリーのようにピカピカ点滅をしていた。そしてロビーにはなぜかトランスフォーマー。
▲最初に泊まった超高級ホテル。モダンな外見でスカイツリーのようにピカピカ点滅をしていた。そしてロビーにはなぜかトランスフォーマー。

▲ロビーに掲げられたレースの日程表。
▲ロビーに掲げられたレースの日程表。左のボードにはタイムスケジュール、右のボードには会場までの地図と送迎バスの情報が載っている。国際レースでは現地語+英語で表記される。

最初に泊まった高級ホテル。モダンな内装

最初に泊まった高級ホテル。モダンな内装

腹が減っては戦はできぬ、食事はしっかりと

そして、食事も大事。しっかり栄養を取っておきましょう。
海外の選手はパンやパスタなど、洋食っぽいものはもちろん、野菜炒めやラーメンなど、中華も良く食べます。きっと、どこへ行っても何でも食べられることが、海外で走る必須スキルなのでしょう。

高級ホテルはビュッフェもお洒落

高級ホテルはビュッフェもお洒落


さすが中国。ビュッフェでも麺類が充実

さすが中国。ビュッフェでも麺類が充実

現地の道路事情に対応しよう

海外のレースへ行けば、公道を自転車で走る機会もあると思います。
その際、現地の道路事情に対応することが重要です。

日本の運転は優しいけれど、中国はみんな運転が乱暴で自転車や歩行者を優先するような習慣もないようです。イタリアに行った時も、自転車には優しいものの、もともとのスピードが速い国だから、もの凄いスピードで自転車の脇をクルマがかすめていきました。

右側走行・左側走行に対応するのはもちろん、クルマが優先なのか、歩行者や自転車が優先か、信号のシステムで日本と違う部分がないかなど、事前に調べておくと安心です。

▲会場移動のひとコマ。どこの国の選手も中国の道路事情に順応するのが早い
▲会場移動のひとコマ。どこの国の選手も中国の道路事情に順応するのが早い

ちなみに中国の都市部には車道の脇に幅の広い自転車レースが設けられていて一見走りやすいのですが、クルマの側道も兼ねており向かいからクルマが突っ込んで来たり、停車車両が道を塞いでいたりと、自転車レーンでも安全には注意が必要でした。

▲北京のような都市部では、大通りに立派な自転車道が設けられている。
▲北京のような都市部では、大通りに立派な自転車道が設けられている。何事もなければ走りやすいが、側道も兼ねていてクルマがけっこう入って来る。

ポイントを押さえて海外レースに挑戦してみよう!

いかがでしたか?海外遠征と言っても、単発の遠征なら海外旅行の基本をしっかり押さえつつ、自転車を持って行くことに対する備えだけしっかりすれば、まず問題ないでしょう。海外には日本から気軽にトライできる魅力的なレースもたくさんあるので、ぜひ一度挑戦してみてください。


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Written by 向山浩司

高校から自転車競技を始め、就職を機に一度引退。その後、ロードレースに復帰し、Jプロツアーを転戦。クリテリウムを得意とするスピードマンでならす。現在はSNEL CYCLOCROSS TEAMに所属し国内外のシクロクロスレースを主戦場にする。ロードからMTBまでこなすマルチライダーとして、自身の経験を活かして東京・あきる野市でA-Pad SPORT CYCLE STOREを運営する。A-Pad SPORT CYCLE STORE