PINARELLO(ピナレロ)といえば美しい左右非対称フレーム。独特のフレーム形状はフラッグシップのみならず、エントリーモデルにまで採用されている。レーシーなイメージが強いピナレロだが、エントリー層でも十分ピナレロの性能を堪能できる。
今回はピナレロブランドの背景、技術、そしてモデル紹介を通し、すべての層をピナレロの虜にしてみせよう。
目次
ピナレロの歴史-華々しいレースでの功績
ピナレロは1952年に創業された自転車メーカー。創業者のジョバンニ・ピナレロは元プロ選手で、引退後にイタリアのトレヴィーゾで制作工房を立ち上げた。設立から間もない1960年に初めてプロチームにフレーム供給。以降、積極的にレース・シーンと関わりをみせている。
▲中央:現社長のファウスト・ピナレロ(創立者ジョバンニの息子)。自身も年間1万km以上を走るサイクリスト
1966年にはスポンサーチームが国際的レースで初優勝を遂げ、1975年にはピナレロに乗ったファウスト・ベルトーニオがジロ・デ・イタリアで優勝。その後の戦績に枚挙はいとまがないが、ツール5連覇を果たしたミゲル・インデュラインを筆頭に、ヤン・ウルリッヒ、マリオ・チッポリーニ、イヴァン・バッソ、ファビアン・カンチェラーラ、マーク・カヴェンディッシュなど、歴代のチャンピオンたちはその歴史の中でピナレロを駆って活躍した時期がある。
2002年には世界初の量産マグネシウム合金製ロードバイク「ドグマ」を発表。さらに2007年には東レ「50HM1K」カーボンで作られた「プリンス」を発表。2009年には世界初の左右非対称ロードバイク「ドグマ60.1」を発表するなど、素材とフレームデザインにおいて常に革新的な動きをみせているのも同社の特徴だ。2012年モデルからはすべてのロードバイクのラインナップを左右非対称化している。
▲DOGMA 60.1|デザイン性だけでなく、データに裏付けされた意味を持つ非対称フレーム
近年はツール・ド・フランスで総合優勝4回目を達成したクリス・フルームが所属するチーム・スカイに機材供給。イエロージャージはすっかりピナレロのカラーアイコンとなっている。
▲2017年ツール・ド・フランスで、3年連続4回目の総合優勝となるクリス・フルーム(写真は2016年度)
最近では漫画/アニメで人気の『弱虫ペダル』の登場人物・鳴子章吉の愛車としても有名だ。今回はそんなイタリアンブランドの世界を堪能してみよう。
ピナレロのテクノロジー
常にレースを視野にいれて生み出されてきたピナレロのバイク。独自テクノロジーを紹介していこう。
左右非対称フレーム
自転車フレーム(特にレース用)には強い非対称な力が作用する。ペダルに加えられる踏み込む力は左右ほぼ同じだが、チェーンが常に右側だけでリアホイールを回転させる力を伝えているためである。
▲ペダルをストロークさせたときに、フレームとフォークへの荷重のかかり方が左右で全く違うことを示している
ピナレロ社の分析では、最大の力(1500Wの力でスプリンターがペダリング)が加わると、フレームは右へ1~2mmたわみ、左には2〜3mmたわむように変形することが確認できた。
これらは剛性の高いフレームを作る場合は片側が非常に硬すぎ、軽量なフレームを作る場合は片側が柔軟になりすぎる。カーボンならば生地の種類や数、積層の向きを変えることで簡単に強さを調節できるが、同社のデザイナーは各セクションの剛性は壁厚よりも形状に依存する度合いが大きいと判断。
そこでフレームの動作を最適化するために、構造体の非対称に焦点を当てて計算を試み、左右デザインの異なるアシンメトリック・フレームを開発した。
ONDA2
フレームとフォークの完璧な調和を目指した技術が「ONDA2」だ。この新しい形状は単に空気力学的な強化だけでなく、従来よりもおよそ20%もの剛性アップを実現。採用されている特別な素材「TRAYCA 65HM1K Nanoalloy」カーボンと合わさることで、強力でマッチョなスタイルとなった。
右側フォークブレードは左側より頑丈で角ばった形状をしている。理由はふたつ。ひとつはスプリントやヒルクライム時のハンドルの引きに応答する、非対称な応力に対してバランスをとるため。もうひとつは通常のライディング時に起こる、一般的な非対称な応力のバランスをとるためだ。
eps
強度を上げて重量を減らすピナレロ独自の技術が「E.P.S.」(発泡ポリスチレン成型)システムだ。この工法はカーボンコンポジット成型時、さらに圧縮をかけることが可能となり、剛性を上げて安全性を高めながらフレームの全体的な重量を軽減させることができる製造技術である。操縦性の向上やフレームのたわみ減少に効果的で、ライダーの消費するエネルギーを減少させることに繫がっている。
Think2
電動/機械式コンポーネントの両方に対応すべく開発されたシステムで、各ケーブル・ルーティングをフレーム内部に納められる。一世を風靡した「ドグマ65.1」はこのシステムにより開発された。
eDSS2.0
▲eDSS=Electronic Dogma Suspension System
革新的なロードバイク用電子サスペンションシステム。世界初となる軽量サスペンションシステム「DSS1.0」を搭載した「ドグマK8-S」の発売から2年後、さらに進化したのが「eDSS2.0」だ。
ショックアブソーバーの基本部分はライダーの好みに基づいて動きをカスタマイズできるエストラマーを採用している。このユニットでは、サスペンションをロック状態から完全作動状態に瞬時に切り替えることができる電子制御油圧式システムを導入。ロックすることで完全に堅固になり、平坦なアスファルト路面でも最高の剛性と動力伝達が可能になった。
65HM1K with Torayca®(Nanoalloy® Technology)
日本に本拠を置く繊維素材メーカーである東レ。特別なファイバー製品の生産能力を持ち、航空宇宙産業と自動車産業にも素材供給する世界的企業である。
そのトレカ部門は、新しい「Nanoalloy」テクノロジーを適用した炭素繊維材料をピナレロ社へ独占的に提供している。
炭素繊維はポリアクリルニトリル繊維を数度に渡る高温の炭化工程を経て生み出される極細素材。今日市場に存在する中では、破損重量に対する最も高い抵抗値を持つ材料だ。ピナレロの65HM1Kフレームは、この新素材を採用することで耐衝撃強度を高めることに成功している。
ピナレロ2018年最新モデル全14台
▲ジロ・デ・イタリア記念カラーのDOGMA F10。マリアローザをイメージしたピンクと大会101回目記念を意味する”F101″ロゴのスペシャルエディション
最新モデルをシリーズごとに紹介していこう。特にフラッグシップモデルであるDOGMAシリーズについて、その功績を深く語らずにはいられない。
DOGMA ー ピナレロが誇る絶対的な存在
2001年にデビューした「ドグマ」は、メインフレームにマグネシウム合金を採用して世界を驚かせたモデルだ。デダチャイ社と共同開発されたその合金は、金属の持つ強度や剛性、アルミニウムにはない振動吸収性、そして軽量さを併せ持ち、ロードバイクのフレーム素材としては理想的な特性を示していた。
当時「ファッサ・ボルトロ」に所属していたアレッサンドロ・ペタッキは「ドグマ」が供給されると同時にスプリンターとしての才能を開花。グランツールのステージレースで勝利を連発するようになる。
▲世界初のマグネシウム合金フレーム 「DOGMA」を駆るアレッサンドロ・ペタッキ
そこで課題となったのが、ピュアスプリンターの強大なパワーを受け止めるボトムブラケットの強化だった。ピナレロはコンポーネントの強度不足を補うため、現在の大口径BBの先駆けとなる「MOSTオーバーサイズボトムブラケット」を独自開発し、「ドグマFP」を2004年にリリースした。
▲DOGMA FP(Team Fassa-Bortolo Color):マグネシウム・チューブもダブルバテッドにバージョンアップしている
2007年にはフロントフォークをリブ加工した「ONDA FPX」を採用して進化した「ドグマFPX」を発売。マグネシウム・チューブもトリプルバテッドになり、全体的に剛性を高めた方向にブラッシュアップ。
この機材を供給された当時「イリュス・バレアレス」に所属していたオスカル・ペレイロが、ツール・ド・フランスの個人総合優勝を成し遂げている。同年、ピナレロは「パリ・カーボン」を発表。フルカーボンフレームの可能性を着々と探っていた。
DOGMA60.1:第2世代フルカーボンフレームの誕生
そして2010年、満を持して送り出されたのが「ドグマ60.1」だった。航空宇宙産業で使用する超高剛性素材「TORAYCA 60HM1Kカーボン」を採用し、世界で初めてフレーム全体を左右非対称に設計されたモデルだ。のちのロードバイク開発に多大な影響を与えた革新的な設計概念による同機は、ピナレロと長きに渡り関係を続ける「モビスター」に加え、イギリスの「チームスカイ」にも供給を開始することになる。
▲超高剛性カーボンマテリアル「TORAYCA 60HM1K」
2012年には「ドグマ2」を発表。前作の「ドグマ60.1」の左右非対称設計をさらに進化させ、エアロダイナミクス性能も向上させた。さらにシマノから発売された電動コンポーネントに完全対応するようバッテリーアタッチメントを備え、ケーブルも内装可能な専用モデルもリリース。
翌年2013年には「ドグマ65.1 THINK2」を発表した。左右非対称デザインなど「ドグマ2」の優位性はそのままに、高弾性な東レのハイモジュラス65tグレードカーボン「65HM1K Nanoalloy」を使用。また「THINK2」システムにより、機械式/電動式の両コンポーネントに対応が可能となった。
DOGMA F8:第3世代フルカーボンドグマ
2014年、ピナレロは電撃的に新しい「ドグマF8」を発表する。過去2年間のレースで勝利を重ねてきた「ドグマ65.1」を見直し、機材供給する「チームスカイ」と東レ、自動車メーカー「ジャガー」との強力なコラボレーションを得て開発。すでに完成の域に達したシリーズを進化させるのは非常に困難だったが、最新の解析技術を用い、風洞実験を繰り返し完成させた。
フレーム素材には、東レが開発した高強度高剛性カーボンファイバーである「TORAYCA T1100-1K nanoalloy」を採用。前作「ドグマ65.1」が持つハンドリングやライドフィールなどは変化させずに、エアロダイナミクス性能の向上、軽量化を実現したのだ。
▲DOGMA F8
2016年には、さらに軽量化を果たした「ドグマF8 XLIGHT」を発表。同機は「ドグマ10」が発表された現在でもシリーズ最軽量となっている。
そして2017年に発表されたのが、ツール・ド・フランスの連覇を命題に開発が進められてきた最新の「ドグマF10」だ。TTバイク「BOLIDE TT / HR」と「ドグマF8」を融合し、さらにエアロダイナミクス性能を向上させ、軽量かつ高剛性になったオールラウンド・エアロロードである。トップチューブやダウンチューブの造形も一新。フロントフォークには乱流を抑えるフィン「Fork Flap」を装備し、左右非対称デザインも煮詰められてパワー伝達効率を改善するに至った。
DOGMA F10
日本の東レが開発した現時点で最高の強度と剛性を持つ「TORAYCA T1100G」カーボンファイバーをフレーム素材に採用したエボリューションモデル。細心の注意を払いレイアップされるカーボン・プリプレグにより、前作「ドグマF8」と比較して7%の剛性アップと6.3%の軽量化を実現している。ピナレロの技術の粋を結集させた、すべてがレース・スペックな一台だ。好みのカラーコンビネーションがオーダーできる「MY WAY」対応。
フレームセット価格:680,000円(税抜)
760,000円(MY WAY/税抜)
サイズ:42SL、46.5SL、47、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
42SL、57.5、59.5、62(取り寄せ)
カラー:チームスカイ、レッドマグマ、ブラックラバ、BOB(他、受注発注カラー18色あり)
完成車価格:1,180,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2
サイズ:42SL、44SL、46.5SL、47、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62
カラー:チームスカイ、ブラックラバ
DOGMA F10 Xlight
上記「DOGMA F10」の進化形であり、剛性とエアロダイナミクス特性はそのままに大幅な軽量化を実現している。前作「ドグマF8 XLIGHT」でも使用された「TORAYCA T1100G UD」ファイバーを樹脂含量の低いプリプレグで用い、新しいレイアップ、より慎重に制御される成形プロセスと専用モールドにより、フレーム重量を60g削減。
フレームセット価格:900,000円(税抜)
サイズ:42SL、44SL、46.5SL、47、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62
カラー:チームスカイ、レッドライン、ブラックマット、ブラックTDFライノ、ブラックTDF
DOGMA F10 DISK
フレームは「DOGMA F10」が持つ、すべての特徴が引き継がれたディスクブレーキ仕様車。ONDAフォークは、フロントセクションの剛性アップのためにスルーアクスルにアップグレードされた。フィンの「FORK FLAP」はフラットマウント・ブレーキキャリパーに適合するようにデザインされている。またリア・ホイールには制動中の最高の応答性と安定性のため、142×12mmスルーアクスルを採用。
フレームセット価格:700,000円(税抜)
780,000円(MAY WAY/税抜)
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62
カラー:マーズオレンジ、ブラックラバ、BOB、レッドマグマ、チームスカイ
DOGMA K10
厳しいルートを走るライダーのために設計された、エンデュランス&グランフォンドバイク。ハイエンドモデル「DOGMA F10」をベースに開発された本機は、ジオメトリーとフレームシェイプを改良し、荒れた路面状況にも対応するハンドリングを持ち味にしている。タイヤ幅は最大28mmに対応。
フレームセット価格:680,000円(税抜)
760,000円(MY WAY/税抜)
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:ブラックレッド、ホワイトオレンジ、BOB
DOGMA K10-S DISC
上記「DOGMA K10」のすべての品質と特性に加え、どんな路面状況でも快適な走行と最高のパフォーマンスを実現する「eDSS 2.0」電子制御アクティブ・サスペンションシステム(またはDSS 1.0 エラストマーサスペンション)を搭載。ディスクブレーキの制動力と信頼性を組み合わせて、あらゆるコンディションで抜群の走行性能を発揮する。
フレームセット価格:990,000円(eDSS仕様/税抜)
1,070,000円(eDSS仕様・MY WAY/税抜)
780,000円(DSS仕様/税抜)
860,000円(DSS仕様・MY WAY/税抜)
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5
カラー:ブラックレッド、ホワイトオレンジ、BOB
GAN
ピナレロの名機「ドグマF8」のDNAを受け継ぎ、2015年にデビューしたのがミドルクラスの「ガン」シリーズだ。これは「ドグマF8」の形状をベースとし、優れた空力性能、軽量さや剛性、強度もクラスを超えた実力を持つ、トータルバランスに長けたレーシングモデルである。
素材となるカーボン繊維や些少なデザイン、彩色を見直すことでコストを抑えながらも高いパフォーマンスを発揮。ピナレロの中軸を担う存在となっている。
GAN RS
マテリアルに高強度な「ハイストレングスT900」を採用し、強度と剛性を確保した「ガン」のトップモデル。最高の整流効果が得られる「FLATBACK」チューブデザイン、ハンドリング性能にさらなる磨きをかけた「ONDA F8」フロントフォークなど、ハイエンドモデルに引けをとらないスタイリングと性能を持つ。また2018年モデルからは「ドグマF10」と同様の「MAGIX」と呼ばれるデザインを採用。高級感あふれるメタリックな輝きが美しいグラフィックは、シートステーやフロントを飾るアクセントとなっている。
フレームセット価格:428,000円(税抜)
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:イタリア
完成車価格:498,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・アルテグラ
サイズ: 44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:ラ・ロッサ、マリアネラ、アステロイド・スカイ
GAN S
車体設計は上記「GAN RS」と同様だが、マテリアルに「ハイストレングスT700」を採用したセカンドグレード。コンポーネントにカンパニョーロ・ポテンザ、シマノ・アルテグラ、同105を採用した完成車が用意されている。また「EZ-fit」と呼ばれるモデルがあり、ショート幅のハンドルとステム、165mmのクランク、フィジークの「VESTA」サドルなど、小柄な女性でも無理なく乗れるスペックとなっている。
完成車価格:435,000円(税抜)
コンポーネント:カンパニョーロ・ポテンザ
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:カーボンレッド
完成車価格:435,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・アルテグラ
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:カーボンレッド、BOB、レッドカーボン
完成車価格:375,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:カーボンスカイ、カーボンレッド、BOB
完成車価格:375,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:42EZ
カラー:ホワイトカーボンピンク
GAN
カーボン素材に「ハイストレングスT600」を採用。シリーズの定番作で、上位機種と比べてよりポピュラーなモデルとなっている。コンポーネントにはカンパニョーロ・ケンタウルとシマノ・105を装備。こちらも「EZ-fit」モデルを用意している。
完成車価格:365,000円(税抜)
コンポーネント:カンパニョーロ・ケンタウル
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:ホワイト
完成車価格:310,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:カーボンレッド、BOB、シルバーレッド
完成車価格:310,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:42EZ
カラー:ピンク
GAN DISK
性能は上位機種と同様で、油圧式ディスクブレーキを配したモデル。安定した制動力により、ビギナーサイクリストにもお勧めの一台だ。フレームのカーボン素材は「ハイストレングスT600」で、コンポーネントはシマノ・105を搭載している。
完成車価格:398,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5(取り寄せ)
カラー:BOB
PRINCE
ツール・ド・フランスを2連覇した「ドグマ65.1」のモールド(金型)をそのまま使用し、カーボン素材を「65HM1K」から「60HM3K」に置き換えたリアルレーシングモデル。伝統ある「プリンス」の名を冠するにふさわしい高性能バイクだ。特筆すべきは、そのコストパフォーマンスの高さ。名声を得た「ドグマ65.1」とまったく同じアシンメトリック・デザイン、前述「60HM3K」というフラッグシップモデルに用いられる超ハイモジュラス・カーボンを採用しながらも価格は抑えめに設定されている。また、電動/機械式に両対応の「THINK2」システムを導入しているので、搭載するコンポーネントを選ばないのが特徴だ。2018年モデルには、シマノ・アルテグラを搭載。
完成車価格:465,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・アルテグラ
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56(在庫)
57.5、59.5、62(取り寄せ)
カラー:カーボンレッド、カーボンスカイ
RAZHA
本機は「ドグマ65.1」直系と言えるアシンメトリック・デザインを身にまとった、すべてのサイクリストにお勧めできるパーフェクトなバイク。1”1/8-1”1/2の「ONDA」フロントフォーク&テーパーヘッドセットは、ブレーキ制動時に最大の剛性と安心感を提供。また「THINK2」システム採用で、電動/機械式のどちらのコンポーネントにも対応するので、将来のアップグレードにも対応する。小柄な女性向け「EZ-fit」モデルも用意されている。カラーの「イタリアンザフィーラブルー」は、チームスカイ所属のエリア・ヴィヴィアーニがリオ五輪で金メダルを獲得したトラックバイク「BOLIDE HR」のカラーリングをモチーフにしたスペシャル仕様。トップチューブにはイタリア語で「落ち着いて、冷静に」という意味のタイポグラフィが刻印されている。
完成車価格:243,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:44SL、46SL、50、51、53、54、55、56(在庫)
57、59(取り寄せ)
カラー:イタリアンザフィーラブルー、BOB
完成車価格:オープン
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:42EZ
カラー:カーボンスカイ、カーボンピンクフルオ
ANGLIRU
本機は「DOGMA K」の設計思想を受け継いだエンディランスモデル。カーボン素材をホビーユーザー向けの「T600」グレードに置き換えて、ロングライドフリークにぴったりな一台となっている。ピナレロ伝統の「ONDA」フォークが安心のコーナーリングを実現。弓なりのセンチュリーライド・シートステーは、長距離走行の走破性や快適性を向上させる。またタイヤクリアランスは28Cまで対応するなど、ユーザビリティに優れた設計がなされている。
完成車価格:243,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・105
サイズ:43SL、46SL、49SL、52SL、53.5SL(在庫)
55SL、57SL(取り寄せ)
カラー:ブラック、レッド
NEOR
名車「プリンス」から続くピナレロ・ロードバイクの基本形。アルミニウムの前三角はハイドロフォーミング成形技術を用いてアシンメトリック・デザインに整形され、カーボン製のフロントフォークとシートステーにはピナレロの代名詞とも言える「ONDA」を搭載している。ピナレロらしいライドフィールが味わえるベーシックなモデルだ。
完成車価格:209,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・ティアグラ
サイズ:42SL、44SL、46SL、50、52、54、56(在庫)
58、60、62(取り寄せ)
カラー:ブラックレッド、ホワイト
PRIMA
ピナレロのラインナップの中でも最も買いやすいロードバイクのプリマ。信頼性が高く扱いも容易な「6061-T6」アルミ製フレームに、カーボン製「ONDA」フロントフォークを搭載。これからロードバイクを始めようとするエントリーユーザーや、通勤・通学ライドに使いたいといった人にも多用途に乗れるモデルだ。
完成車価格:149,000円(税抜)
コンポーネント:シマノ・ソラ
サイズ:42SL、44SL、46SL、50、52、54、56(在庫)
58、60、62(取り寄せ)
カラー:ブラックイエローフルオ、ホワイト
レース志向からエントリー層まで、ピナレロの機能美を堪能せよ
ハイエンドな「ドクマF10」シリーズから、ミドルレンジの「GAN」シリーズ、そしてエントリー層に向けられたモデル群。どれもレーシーで、イタリアンバイクらしい機能美にあふれるものばかりだ。現状を常に疑問視し、一貫して新しい考えでチャレンジすることによって問題を解決する努力を惜しまないピナレロ。その姿勢が今なお進化し続ける数々の独自テクノロジーを生み出しているのは間違いないだろう。
今年もツールの季節がやってくる。ピナレロを駆るレーサーたちはどんな成績をもぎ取るのか? いまから興味は尽きない。
お問い合わせ:Pinarello Japan(ピナレロジャパン)