あ、バルブの軸が折れちゃった……。チューブ交換の前に「コア」に注目!
目次
フレンチバルブのコアが交換できれば、チューブはそのまま使えます
タイヤの空気圧って大事ですよね。走る前に必ず空気を入れる人も多いと思います。ロードバイクに使われているフレンチ(プレスタ)バルブでは、バルブの頭をつまんでネジをゆるめたら頭を何回か押してプシュッと空気を抜く。そのあとにポンプで空気を入れます。この作業のうちにバルブの軸が折れてしまったこと、ありませんか? 出かける直前にポロッと折れてしまうと、絶望的な気持ちになります。クリンチャーならパンクもしていないのにチューブ交換、チューブラーならタイヤの貼り替え……。
しかし、救いの神様がいるかも知れません。折れてしまったバルブをもう一度よく見てください。もし、バルブコアが交換できるタイプだったら、チューブやタイヤを交換しなくても走り出せます。
まずは下の写真でコアの確認をしてみましょう。
左:ネジの一部が矢印部分のように平らになっていれば交換可能
右:一体型なので、交換不可
5分でできるバルブコアの交換
もし、バルブコアが交換できるタイプのチューブだったら、もう心配はいりません。さっさと交換して走り出しましょう。必要な工具はラジオペンチのみ、所要時間はたった5分です。
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まずはスペアチューブをチェック
まずやることは、交換するバルブコアが手元にあるかどうか、です。手持ちのスペアチューブのバルブをよく見てください。交換できるタイプだったら、バルブコアを外しましょう。
▲ラジオペンチで平らな面をはさんで回せば、外れます。専用の工具があれば、さらに簡単です。
▲折れてしまったバルブを同じ要領で外して、新しいバルブコアを取り付けます。
▲バルブコアをしっかり取り付けたら、準備完了。空気を入れてください。
バルブコアが手元になかったら
予備チューブを見てみたけど一体型でバルブコアが外せなかった、なんていうこともあるかも知れません。念のため、交換用のバルブコアを準備しておくといいですね。
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それほど高いものではないので、転ばぬ先の杖に購入しておいてはいかがでしょうか。
そもそもバルブコアって何?
フレンチ(プレスタ)バルブは、タイヤに高圧の空気を入れられるように空気を通したり、遮断したりする弁構造になっています。弁が開いているときには空気を出し入れできますが、弁を閉めると高い圧力の空気をタイヤの中に閉じ込める構造です。
左:下側の黒いゴムが下がり、弁が開いている
右:下側の黒いゴムが上がり、弁が閉じている
空気を入れるときに、頭のネジを押してプシュッとやるのは、弁を開いて空気の通り道を作りためなんです。空気を入れてネジを締めると、写真右のように弁が閉じて、タイヤ内の空気が保たれます。
交換後、空気が抜けていたら漏れを疑え!
バルブコアが交換できるのは便利なのですが、注意したいことがあります。実は、バルブコアの取り付けがゆるむと、そこから空気が漏れてしまうんです。サイクリングから帰ってきたときにはパンクした様子がなかったのに、次の日になるとタイヤがペシャンコになっているという場合は、チューブに小さな穴が開いてスローパンクしたか、バルブコアがゆるんで空気が漏れたかのどちらかが考えられます。
あれ、おかしいな、パンクしたのかな?と、チューブを交換する前にバルブコアを締め直して空気を入れてみてください。それだけで元に戻る場合があります。
バルブコアが交換できない一体型はゆるむ部分がないので、バルブから空気漏れしないのがメリットですね。
バルブコアを曲げずに空気を入れる方法
バルブコアを交換する方法を説明してきましたが、軸が折れないように上手に空気を入れれば、そもそも交換する必要もなくなります。
バルブコアの軸は真鍮の細い棒なので、とても曲がりやすくなっています。空気を入れる際にていねいに扱わないと、だんだん斜めになってしまい、最後には折れてしまいます。そうならないためには、ポンプのヘッドを真っ直ぐにバルブに当てることが大事です。
ポンプのヘッドをバルブに対して、まっすぐに当てて押し付けます。プシューと音がしますので、ロックレバーを下げます。これで弁が開いた状態になります。
ポンプのヘッドとバルブが常にまっすぐになるように気を付けてください。
空気を入れ終わったら、ロックレバーを上げて、ヘッドを真下に引き抜きます。ヘッドを外すときに斜めになりやすいので、まっすぐ下に引き抜くのがコツです。最後にバルブのネジを締めて、キャップを付けたら完了です。
タイヤの門番・バルブコアのスペアも忘れずに!
バルブコアについて説明してきましたが、いくら交換できると言っても、手元にパーツがなかったり、一体型だったりすると、結局チューブを交換するはめになってしまいます。
そのため、気をつけることは、当然ですがバルブコアの軸を折らないこと。空気を入れる際にポンプのヘッドをまっすぐバルブに当てることです。特にヘッドを外すときに曲がりがちなので、下へ引き抜くつもりで外してください。
バルブコアは小さな部品ですが、タイヤの門番です。大事に扱って、万が一に備えて予備も用意しておく。出かける前に「ガーン」となる絶望感を味わうことのないようにしましょう。