2018年ツール・ド・フランス、優勝はフルームではなくアシストのゲラント・トーマスだった。彼らの所属するチームスカイがかぶっていたヘルメットこそ、今回紹介するKASK(カスク)だ。
若いメーカーながら革新的なデザインで人気があり、いわゆる「キノコ頭」になりにくいという評判も。安全性の技術とデザイン性が融合したKASKヘルメットの魅力に迫る。
目次
新進気鋭のヘルメットメーカー、KASK
イタリアに本拠を置くKASK社は、2004年に創業した若いメーカーだ。主にヘルメットの設計と製造を行なっており、自転車、スキー、登山、建設現場など、さまざまな分野において人々の頭部を保護する製品を送り出している。才能豊かなエンジニアたちに恵まれ、イタリアでもトップクラスの工場と良好なパートナーシップを結び、短期間で大きな躍進を遂げてきたブランドだ。
KASKの使命は競合ブランドに対して技術的優位性を持ち、機能性、安全性、そして魅力的なデザインが、高いレベルでバランスのとれた製品を作り続けること。そのため、現状に甘んずることなく、常に品質を向上させるための調査・研究を怠らない。この姿勢は競技スポーツの分野でもトップアスリートたちに信頼と安心を与え、彼らのニーズに応えるものだ。そしてエルゴノミクスに優れ、快適なフィッティングを実現した製品を生み出している。
KASKの高い品質とヘルメットとしての本質は、革新的テクノロジーが投入されていることはもちろん、独自の厳密なテストに支えられている。すべての製品は100%イタリアで製造。品質と安全に関して妥協をせず、必ずユーザーが満足するものを届ける努力を遂行している。
最近ではアイウェア・ブランド「KOO」を立ち上げ、常に成長するブランドとしての姿勢を見せている。
— KASK cycling (@Kask_cycling) 2018年1月23日
また、イギリスのロードバイク専門YouTubeチャンネルであるGCN(Global Cycling Network)とパートナーシップを結び、KASK製ヘルメットをサンプルとしてGCN主導で編集した動画がアップされている。フィッティングのコツやヘルメットの洗い方など、役立つ情報をわかりやすく紹介しているので、興味のある人は観てみよう。
ラインナップ
KASKのラインナップは大きく分けて以下の6つのラインから成る。
- AERO:タイムトライアルやトラック競技など、特に空力性能が要求されるシーンに向けたモデル
- PERFORMANCE:プロ選手/チームへの供給を前提に設計されたKASKのハイエンド
- PASSION:PERFORMANCEのコンセプトとレースへの情熱を踏襲したKASKの普及モデル
- CASUAL:KASKのエントリーモデル。軽量で通気性に優れ、カラーもポップ。
- URBAN:普段着でも違和感のないデザインが特長のモデル
- OFF ROAD:MTB向けのモデル
今回はPERFORMANCE、PASSION、CASUAL、URBANの4つにフォーカスを当てて紹介していこう。
■PERFORMANCE – パフォーマンス
まずはハイエンドモデルの「パフォーマンス」ラインから。プロ選手/チームへの供給を前提に設計されている。
VALEGRO
チームスカイとの共同開発により生まれたヒルクライム用ヘルメット。KASKヘルメットのラインナップ中、最軽量の180g(Sサイズ)を実現し、風洞実験に基づく科学的な解析により、低速時におけるヘルメット内部の通気性が格段に向上している。
また、従来の一般的ヘルメットに比べ、頭部と皮膚の接地面積を70%減少させることに成功。新開発の速乾性インナーパッドにより快適性も抜群だ。
サイズ:S(50~56cm)、M(52~58cm)、L(59~62cm)
重量:180g(Sサイズ)
カラー:WHT、L.BLU、BLK、BLK MATT、ANT MATT、LIME、RED、NAVY BLU、BLU MATT
価格:28,500円(税抜)
MATTカラーのみ¥30,500(税抜)
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PROTONE
2014年のツール・ド・フランスに合わせて発表された、チームスカイとの共同開発によるモデル。風洞実験をはじめとした各種の厳格なテストと熱力学の分析を経て、エアロダイナミクスと熱発散を向上させている。また、通気口の空いたヘルメットの中でも最も抵抗係数が低いもののひとつである。
サイズ:S(50~56cm)、M(52~58cm)、L(59~62cm)
重量:215g(Mサイズ)
カラー:BLK×L.BLU、BLK MATT、BLK×RED、BLK×WHT、BLK、BLU、WHT×NAVY、BLU、WHT×RED、WHT
価格:30,000円(税抜)
MATTカラーのみ33,000円(税抜)
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VERTIGO 2.0
プロ選手にも供給される本品は、従来モデルよりパーツ構成を見直して約20gの軽量化を実現。革新的な内部強化フレームが強度を高めるとともに、サイズをコンパクトに抑えている。
万が一衝撃を受けた際にはヘルメットが粉砕するのを防ぐ、機能と安全性を高いレベルで融合させたレースグレードだ。
サイズ:M(48〜58cm)、L(59~62cm)
重量:270g(Mサイズ)
カラー:BLK、BLK MATT、WHT、WHT×BLK、RED、BLK×L.BLU、BLK×YEL FLUO、BLK×WHT
価格:22,000円(税抜)
MATTカラーのみ25,000円(税抜)
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■PASSION – パッション
ハイエンドモデルPERFORMANCEのコンセプトを受け継ぐ、KASKのレーシング普及モデルがPASSIONだ。
MOJITO
チームスカイのリクエストから生まれたコンパクトなシルエットの軽量モデル。2箇所のリンク機構が後頭部を確実にホールドする、独自の「UP & DOWN SYSTEM」を採用している。大型の調整ダイヤルは、走行中でも簡単にフィッティングの修正が可能。また、豊富なカラーリングも魅力的。
サイズ:S(48~56cm)、M(52~58cm)、L(59~62cm)、XL(63~64cm)
重量:220g(Mサイズ)
カラー:DE ROSA REVO WHT×BLK、DE ROSA BLK MATT、BLK MATT TRICOLORE、BLK×WHT、WHT×BLK、WHT、ANT×AQUA、BLK×YEL FLUO、NAVY BLU×WHT、BLK、BLK×RED、BLK×L.BLU、NAVY BLU×PINK、WHT×NAVY BLU
価格:18,500円(税抜)
22,000円(DE ROSA REVO WHT×BLK/税抜)
24,000円(DE ROSA BLK MATT/税抜)
21,500円(BLK MATT TRICOLORE/税抜)
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■CASUAL – カジュアル
軽量で通気性にも優れたKASKのエントリーモデル。ポップなカラーリングにも注目だ。
RAPIDO
ラインナップでトップクラスの軽量性を誇り、24個のエアベントを施したエントリーモデル。内部のポリスチレン層を外部のポリカーボネートと連結し、より優れた振動吸収性を実現する「IN-MOULDING TECHNOLOGY」を採用。転倒時に内部シェルを維持してヘルメット本体の粉砕を防ぐ。
サイズ:M(52~58cm)、L(59~62cm)
重量:220g(Mサイズ)
カラー:LIME、BLK、WHT、RED、FUCHSIA、L.BLU、ANT
価格:9,500円
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■URBAN – アーバン
普段着での街乗りにもおすすめできる、デザイン性に優れたモデルが「URBAN」だ。
LIFESTYLE
スタイルに敏感なアーバンサイクリストに向けた、カジュアルウェアにマッチするヘルメット。ストラップは洗浄可能なエコレザーを採用して、レースヘルメットとの違いを外観で感じることができる。また、アイウェアを付けたまま使用できるバイザーは機能的であり、デザインのアクセントとしても一役買っている。
サイズ:M(48~58cm)、L(59~62cm)
重量:300g(Mサイズ)
カラー:CHAMPAGNE
価格:27,000円(税抜)
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ヘルメット用アクセサリー
汗を吸い込んだインナーパッドは不快感をもよおす。KASKではラインナップ各種に合わせたスペアパッドを用意しているので定期的な交換が可能だ。また、防寒キャップ、防虫パッド、バイザーもあり。自由にカスタマイズしてみよう。
画像出典:KASK
ヘルメットの正しいかぶり方
頭部を適切に保護し、安全性と快適性を確保するために、各種調整システムでヘルメットの確実なフィッティングを正しく行なうことが大事だ。ストラップは耳にかからない位置に調節してバックルを閉める。そして調整ダイヤルで固定する。この時、きつすぎないか、また前後に大きく動くほど緩くないか、必ず確認をすること。横から見たときにヘルメットが水平になっているのが正しいかぶり方だ。
ヘルメットが上向きすぎたり、反対に下向きすぎたりしないよう着用しよう。
フィッティングシステムの調節は、後部にあるサポート部分を大きく下方に引き出す。そしてダイヤルを回転させて開閉するか、ダイヤルの左右にあるレバーを動かして適切なサイズ調節を行なう。
サポート部分の角度が変えられるヘルメットの場合は、サポート部が後頭部に対して直角に当たるよう角度を調節しよう。
日常の手入れと保管のヒント
ヘルメット表面の汚れは、弱酸性の石けんと柔らかく清潔な布を使って水洗いした後、室温で乾燥させる。化学洗剤や溶剤は絶対に使用禁止。ヘルメットの素材を痛め、結果として安全性を損なう可能性がある。また、インナーパッドは水で手洗いすること。
ヘルメットを使用しない時は、直射日光や熱源を避けて置いておこう。購入時のパッケージに入れて保管するのがおすすめだ。
まとめると
ツール・ド・フランス2018でも、個人総合優勝を果たしたゲラント・トーマスがかぶったKASKのヘルメット。彼の所属するチームスカイに製品を供給するKASKにとっても名誉なことである。新興ながら急成長を見せているブランドは、今後トップアスリートからエンドユーザーのために、さらなる発展の道を歩むだろう。新しいヘルメット選びに悩んでいるならば、KASKを候補に入れて間違いない。
Top photo (C) KASK
Photos(C)日直商会