スペシャライズドは様々な自転車シーンで躍動し、オン・オフのレースシーンはもちろんのこと、ちょっと力を抜いたライドにも最適な軽やかなバイクを提案してくれる総合バイクブランドです。
新連載「バイクインプレッション」の初回を飾るのは Allez Sprint Comp Disc(アレー スプリント コンプ ディスク)。すでにロードバイクを楽しむ人にも、初心者にも、ロードバイクらしいイメージ通りの速さ体感させてくれるアルミフレームの一台です。
目次
SPECIALIZED Allez Sprint Comp Disc
商品名 | スペシャライズド アレー スプリント コンプ ディスク |
価格 | 237,600円(完成車、税抜) |
サイズ | 49、52、54、56 |
カラー | Gloss Brushed/Nice Blue、Satin Black/Reflective Light Silver/Clean |
問い合わせ先:スペシャライズド・ジャパン |
SPEC. | |
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フレーム | Specialized E5 Premium Aluminum |
フォーク | Tarmac SL6 Disc fork, full carbon, flat-mount, 1-1/8″ to 1-1/2″ tape |
変速機 | シマノ・105(F)&(R) |
ギヤ | Praxis Zayante, BB30 52×36T シマノ・105 11-28T(11s) |
ホイール | DT R470 Disc |
重量 | 8.7kg(54サイズ完成車実測値) |
空力と剛性に優れ、パワフルなライドを提供する
スペシャライズド独自の溶接技術D’Aluisio Smartweld Sprintテクノロジーを採用して、溶接材を必要な部分にのみ多く配置することで、フレームの剛性と乗り心地、軽量性を高めたアルミフレームです。
短めのチェーンステーはライダーのペダリングパワーすべてが推進力になるように。ダイレクトな踏み味が楽しいリズムを刻みます。
セットされるのはスペシャライズドが自信を持つディスクブレーキ仕様のフルカーボンフォーク。こちらは、剛性とフロントエンドのステアリングレスポンス、路面からの振動吸収性はロードバイク上級者でも納得の性能という仕様です。
アルミでダイレクトな乗り味ということは、カタイんでしょ?と思うかもしれませんが、Allez Sprint Comp Discはその境界線をうまく調整しているバイクと言えるでしょう。たしかに、ギア比も男前な52×36Tで、ガンガン走れるよというメッセージを感じますが、フルカーボンフォークやホイール&タイヤには、乗らずとも走り心地の良さへの調整を感じます。26Cのタイヤはエアボリュームがあるので、かなり快適性に寄与しますし、いつもよりわずかでも空気圧を下げて乗ってみれば、ライダーは自分なりの、少しの味付けを楽しめると思います。
テスター・岡選手「とくに平地向きで、高速域で伸びる」
「クリテリウムのような展開の激しいスピードレース向きの一台だと思います。トラック選手や競輪選手もイメージよく乗れると思いますね。とはいえ、ホビーレーサーや自転車好きのライダーが乗っても楽しめると思います。
スプリントのかかりが良くて高速域で伸びます。調子に乗って踏みすぎると、足に疲労がくると思いますが、オールラウンドで、とくに平地向きです。ルックス通りに剛性があるので、とくに下りが安定していて良い印象でした。上りはシッティングだとちょっと辛さがありますが、ダンシングでサクサク登るならOKです。短い坂なら気分良く走れます。
ハイグレードのヴェンジのようなルックスは、形から気に入れるマシンですね。油圧ディスクブレーキを装備しながら、満足の価格に設定されていると思います。
剛性はあるので、もう少しコンフォートな面を求めたい人は、タイヤの空気圧で調節してみてください。ディスクブレーキも慣れれば扱いやすいので、ホイールを頻繁に外す用途でなければ、ビギナーの方でも大丈夫です」
コントロール性に優れる油圧ディスクブレーキ
平地番長な雰囲気をそのままに、スプリント性能の高さや高速域での伸びに評価の高かったAllez Sprint Comp Disc。それでもオールラウンドとのコメントの通り、個性に振りながらも、乗りやすさにも一定以上の評価です。
フレーム性能だけでなく、シマノ・105のシフティングと油圧ディスクブレーキのほか、サドルやハンドル周りなど、スペシャライズドが開発しているパーツ群などアッセンブルも秀逸です。下りの性能はフレームの剛性と油圧ディスクでコントロール性抜群です。
見た目重視でファーストバイクに選ぶには、硬めのロードバイクではありますが、スピードを楽しむなら良い選択肢の一つになります。普段コンフォート系のフルカーボンバイクに乗っている人も、全く毛色の違うロードバイクとして所有してみては。
また、ロードバイク=カーボンと言うイメージを持たれるほど、カーボンフレームは普及していますが、カーボンフレームほどシビアな扱いを求めないアルミフレームをあえて選ぶのも性能と使い勝手の良さからおすすめ。フレームサイズに合わせてフォークのサイズも変え、どのサイズでも同じ性能を提供するAllez Sprint Comp Discなら理想の加速感を存分に楽しめます。
(テスタープロフィール)
岡やすまさ
イナーメ信濃山形所属。身長174cm。2018年ニセコクラシック優勝。UCIグランフォンドの国内チャンピオン。ライダーの身体的な特徴からバイクフィッティング、自転車のコーチングを行うCOSMOSバイクフィット(茨城県つくば市)を主幹するほか、身体のメンテナンスの専門家とコラボしたバイクフィッティングも手がける。
写真 : 松村誠也