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復活したあの「白いLOOK」から、コスパホイールに80時間使えるサイコンまで。サイクルエキスポ2019で印象的だった製品11選

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2019年2月16~17日に開催された自転車総合イベント「埼玉サイクルエキスポ2019」。各メーカーが最近発表した新しいバイクやサイクルアイテムに触れられる機会でもあります。この記事では、展示されていた製品から良かったものをピックアップ。前半は目を引いた新フレームを、後半はホイールや新しいサイクルガジェットなどをご紹介します。

姿を消していた「白いLOOK」、再び

▲LOOK 765 HUEZ RS (プロチームホワイトグロッシー)。ヒルクライム向けハイエンド・カーボンバイク。フレーム価格480,000円(税抜)。 Photo: やざわすみひこ

マンガ『弱虫ペダル』に登場するヒルクライマー・真波山岳の愛車として有名な「白いLOOK」。実は一時期、彼が使っていたような白いフレームはLOOKのラインナップから姿を消していました。でも、2019年モデルでは普通に選べるようになっているんです。

展示されているのを改めてまじまじと見てしまったのですが、差し色の配置が絶妙で、白基調による上品さとスポーティなロードバイクらしさがうまくひとつになっている感じ。シンプルながらもどこか華があって、思わず手を伸ばしたくなります。このホワイトカラーがあるのは、795 BLADE RS・785 HUEZ RS・795 LIGHT RSなど。

COLNAGOはエントリーモデルも優雅で気品あり

COLNAGO C-RS(ホワイト)。ラインナップの中ではエントリーグレードに当たるカーボンバイク。完成車価格249,000円(税抜)~。 Photo: やざわすみひこ

他にも白いバイクが印象に残りました。イタリアの老舗メーカー・COLNAGOの「C-RS」もそのひとつ。こちらはフォークとシートチューブに入れられたシルバー・ブラック・レッドのラインがベースカラーの白をうまく強調しており、優雅な雰囲気を湛えています。

▲トップチューブ Photo: やざわすみひこ

トップチューブに入れられた銘からも気品が漂い、シートチューブとシートステーの滑らかなつなぎ方といった細部の作り込みもすばらしく、エントリーグレードながら所有欲を強く刺激してきます。

「白いFOCUS」は劇的な変化の象徴

▲FOCUS IZALCO MAX DISC 8.9 WHITE。FOCUSのフラッグシップ・カーボンバイク。完成車価格740,000円(税抜)。 Photo: やざわすみひこ

FOCUSのフラッグシップである「IZALCO MAX DISC 8.9 WHITE」は同メーカーの軽量フレーム「IZALCO MAX」の名を継承しつつも、ディスクブレーキ化し、フォルムにもエアロな形状を取り入れオールラウンダー化したことで発表時には話題になりました。機能性を追求してコンセプトを変化させてしまうあたり、ドイツのメーカーであるFOCUSらしい合理性を感じます。塗装は非常にシンプルで、ほぼFOCUSのロゴが入っているのみ。「走りを追求する人のための白」という感じです。

白いRIDLEY

▲RIDLEY PHOENIX SL DISC(JP19-02As)。エンデュランス系カーボンバイク。完成車価格334,000円(税抜)。 Photo: やざわすみひこ

ベルギーのフレームメーカー・RIDLEYのラインナップにも白いバイクがありました。横から見る限り、ザ・白という感じですが…

▲ヘッドチューブ Photo: やざわすみひこ

ヘッドチューブにはワイルドなイラストが、トップチューブとダウンチューブの上面には赤とオレンジの模様が、それぞれ入っていたりします。全体としてはかなりアグレッシブな雰囲気ですね。LOOKともCOLNAGOともちがう、RIDLEYならではのホワイトになっています。

80時間使えるサイコン「CATEYE AVVENTURA」

▲Photo: やざわすみひこ

先日発表され、80時間という長大なバッテリー持続時間で話題になったCATEYEのサイクリングコンピュータ「AVVENTURA」(アドベントゥーラ)。80時間も稼働するため、充電を頻繁にしなくてよく、完走に数十時間かかる超ロングブルベなどでも、時速やケイデンス、心拍数などのデータを確認・記録し続けられます。GPS内蔵で、アクティビティを記録してStravaなどにアップすることもできる模様。

▲Photo: やざわすみひこ

一見完璧に見えますが、地図表示ができないタイプなのがポイント。 少々癖があり、使う人をやや選ぶ印象です。走る予定のコースを地図で確認することはできないのです。時速などを表示し、記録するのがメインのサイコンです。

展示品では試すことができませんでしたが、簡易的なナビゲーションはできるとのこと。よって地図によらない案内でも走れる・コースを覚えなくてもいいというロングライダーなら、長時間バッテリーの恩恵を最大限に受けられるでしょう。

そんなAVVENTURAは4月発売予定です。価格は18,000円(税抜)になる模様。

5万円ちょいで約1,500g、レトロな雰囲気のコスパホイール「tradizione ZERO」

tradizione ZERO。重量が前後で1,496gのホイールセット。価格47,000円(税抜)。 Photo: やざわすみひこ

重量から見た価格が優れたホイールがあったのでピックアップしておきます(※以前からある製品です)。tradizioneというメーカーの「ZERO」というホイールで、前後合わせた重量が1,500gと一部ハイエンドアルミクリンチャーに迫る数値。それでいて価格は47,000円(税抜)、手を伸ばしやすいのが魅力です。

一応弱点もありまして、リム幅(ざっくり言うとホイールの“厚さ”、使えるタイヤの太さに影響)がかなり狭く、タイヤが現行の主流から外れつつある23Cになるようです。一般に23Cのタイヤは、主流になりつつある25Cより乗り味の面で多少劣るとされています。そこが気にならないならアリでしょう。

見た目的にクロモリフレームと相性が良さそうですね。クラシックな感じ。

電源ONでリアライトも点灯する前照灯「CATEYE SYNC CORE」

▲CATEYEの新しい前照灯「SYNC CORE」。ハイモードは500ルーメン(最大2時間持続)で、夜の山奥で使うのでない限りは十分な明るさ。価格9,000円(税抜)。 Photo: やざわすみひこ

この前照灯は、リアライトやウェアラブルライト(胴体などにつけてライダーの視認性を向上させるライト)と接続させることで、一度の操作で複数のライトを操作できるという製品です。これは動画で見ていただいたほうがわかりやすいでしょう。

動画の冒頭、左上のライトで点灯モードを変えると、中央のライトの点灯モードも変わっていますよね。複数のライトの操作を一元化できるってわけです。いくつものライトをつけたり消したりするのはそれなりに手間なので、なかなか実用的です。

接続できるリアライトとウェアラブルライトはCATEYEの「SYNC WEARABLE」「SYNC KINETIC」という製品に限定されるので、それらもセットで買う必要アリ。そのため、すでに前照灯とリアライトをセットで持っている人についてはお好みでという感じになるでしょう。おすすめなのは新しいバイクを買ったばかりなどで前照灯とリアライトをセットでそろえたいという人です。

7時間使える前照灯「CATEYE GVOLT 70」

▲CATEYEの新しい前照灯「GVOLT 70」。価格・発売時期等不明。 Photo: やざわすみひこ

ハイモード280ルーメンで7時間稼働という、これまでのCATEYEのライトになかったチューニングになっているGVOLT 70。これは毎日自転車で通勤するあるいは街灯のある道路を夜に長く走るときにいい調整だなと。280ルーメンは都市部の夜道では十分な明るさだと思いますが、その明るさで長時間稼働できる製品はCATEYEにはなかったのです(VOLT 1700などオーバースペック気味の製品はありましたが)。

▲Photo: やざわすみひこ

GVOLT 70は、300ルーメン前後で稼働させられる時間がCATEYEの前照灯の中でいちばん長くなっています。ぼくは300ルーメンの前照灯を使って自転車通勤しているのですが、2日通勤すると充電しなきゃいけません。もしGVOLT 70にすれば1週間もちます。

忙しいと前照灯の充電って面倒で忘れがち。長く使えてそんな事態を回避しやすいGVOLT 70は、都市部特化の調整がなされた、地味に便利な前照灯だと思います。都市型ブルベにもよさそうです。

めちゃめちゃ軽いコスパヘルメット「Kabuto FLAIR」

Kabuto FLAIR(フレアー)。価格21,500円(税抜)。 Photo: やざわすみひこ

異様に軽く、持った瞬間、「うわ軽っ」と思わず口に出てしまうレベル。その重量はわずか170g。ヒルクライマーが今新しいヘルメットを買うなら極めて有力な選択肢だと思います。

自転車用ヘルメットには260~300gくらいの製品が多く、もしそうした製品を使っているなら、FLAIRに変えれば90〜130gくらい軽量化できます。パーツでこれくらいの軽量化を実現しようとするとコストがヘビー級になりがち。価格が21,500円(税抜)のFLAIRは、そうした目線で見るなら高コスパな製品と言えます。

パワーメーターっぽいことが約15,000円でできちゃうインソール「DIGITSOLE」

ちょっと変わり種ですが、5月のハルヒルや6月の富士ヒルなどに参加するので「練習してみよっかな?」という人が使うとよさそうな製品です。

▲Photo: やざわすみひこ

見た目はふつうのインソール(靴底)ですが…

▲Photo: やざわすみひこ

裏返すと、かかとのほうがガジェットっぽい。何ができるかと言うと…

▲Image: DIGITSOLE

▲Image: DIGITSOLE

DIGITSOLEをシューズに入れ、専用スマートフォンアプリと接続してライドをすると、以下のようなことがわかります。

  • ペダルにかかっている力が左右均等か(左右バランス)
  • 適切な足の角度で踏めているか
  • どんな風に筋肉が使われているか

要はですね、ふつうはパワーメーターを使わないとわからない情報がわかるようになるんです。あ、パワーメーターとちがってワット数はわかりません。ペダリングを綺麗にするのに必要な情報をある程度まで可視化してくれる、くらいのイメージ。

最大のウリはその価格です。DIGITSOLEは2019年2月17日現在、クラウドファンディングで15,120円(税込、30%オフ価格)で入手できます。パワーメーターと比べると圧倒的に安いのです。「ペダリングをよくして速く走れるようになりたいけどパワメは高いしなぁ…」という人がとりあえずデジタルなパフォーマンス改善を始めるのにいいのではないでしょうか。発送は3月を予定しているそうです。

いつでもどこでも楽に空気が入れられる携帯ポンプ「STOMPUMP」

▲野口商会「STOMPUMP」。重量185g。価格15,000円(税抜)。 Photo: やざわすみひこ

もうひとつ変わり種を。野口商会の「STOMPUMP」という一種の携帯ポンプです。何がいいかと言えば、足で踏んで使うので、手でシュコシュコするタイプの携帯ポンプより空気を入れるのがとても楽ということ。携帯ポンプでは下手をすると数百回くらいポンピングする必要があり、かなりの重労働…というところに出たのが製品なのです。

▲格納先はボトルケージ。Photo: やざわすみひこ

携帯ポンプの魅力は、インフレーター+CO2ボンベなどとちがって無限に空気が入れられるところにあります。ボンベがなくなったから補充とか不要ですし、ライド中に空気圧を自由に調整できます。

▲しかも、タイヤレバーなどが入るスペースまである。 Photo: やざわすみひこ

ただただ残念なのが、最大圧力が60PSIということ。ロードバイクのタイヤは空気圧が100PSIくらい必要なので、残念ながら使えない…。現状はMTBやグラベルロードなどのオフロードバイク向けの製品です。ロード用バージョンも計画されているそうですが、詳細は未定とのこと。シュコシュコから開放されたい携帯ポンプ派の人は野口商会さんに要望を送るといいかもしれません。

物販が安いです、サイクルエキスポ

▲ウェアや小物の値引率がすごいです。 Photo: やざわすみひこ

この記事では埼玉サイクルエキスポ2019にて展示・販売されていたものから新しめのものを選んで紹介してきました。しかし、サイクルエキスポは単なる新製品展示会ではなく、イベントや試乗、物販も行われる総合的なイベントで、現地では特に物販に多くの人が集まっています。結講景気よく値引きされており、すでに発売されていて気になっていた製品を安くゲットできる場合もあるでしょう。今年スルーした人、来年は足を運んでみてはいかがでしょうか。
(やざわすみひこ)

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