こんにちは! あっちゃんです。
皆さんはどんな素材のロードバイクに乗っていますか?
ロードバイクにはクロモリやアルミ、カーボンなど様々な素材が使われています。
これらの素材は全て人工物の素材ですが、実は自然素材である「竹」を使ったロードバイクが存在していることをご存知でしょうか?
今回はそんな自然素材の竹を使ったロードバイクについて詳しく紹介していきたいと思います。
目次
竹製自転車の歴史とは
「竹のロードバイクって聞いたことがないなー」というサイクリストの方が多いんじゃないかなと思います。しかしながら、実は竹で作られた自転車は今から100年以上前の19世紀から存在しています。
ここではそんな竹製自転車の歴史を紐解いていきます。
始まりはイギリスから
1894年、イギリスのロンドンでthe Banboo Cycle Campanyにより最初の竹製自転車が発明されました。
その自転車はロンドンのスタンリーサイクルーショーに展示され、当時の人々を大変驚かせ、注目を集めます。
その後、トーマスストリートでその竹製自転車を試乗してもらい、お客さんの意見を元にひたすら改良し続け、3年後の1897年に正式に商品として販売されます。
その竹製自転車は強度が高く、サビに強く、そのうえ軽いという高品質なものだったのですが、値段があまりにも高すぎため売り上げが伸びませんでした。
その後、スチール製の自転車が急速に普及していったため、1899年には世界で初めての竹製自転車は販売中止に追い込まれてしまいます。
竹製自転車がガーナの農村を救う!?
最初の竹製自転車が販売されてから100年後、竹製自転車が復活します。そのキッカケは、世界中で強度が強く安価な竹が栽培されるようになったことでした。
また、19世紀と違い竹製自転車は社会貢献にも役立っています。その代表例がthe Bamboo bikes projectです。
the Bamboo bikes projectはコロンビア大学地球研究所が運営しているプロジェクトで、貧しい国の農村部の人たちに交通の足として使ってもらうために、高クオリティな竹製自転車を作ることを目指して活動しています。
さらに、その農村部の人たちに竹製自転車を作るノウハウを教えることによって、竹製自転車を自分たちで生産できるようし、その結果、彼らの生活が豊かになるように手助けしています。
要するに、「竹製自転車で貧しい人たちを救おう!」というプロジェクトですね!
そんな活動に全面協力しているのが、ツールドフランス優勝者にロードバイクを提供した実績もある自転車メーカー、カルフィーデザインです。
カルフィーデザインのCEOであるグレッグ・カルフィーは、アフリカのガーナは竹が豊富にあるのにも関わらず自転車不足になっていることを知り、ガーナの農村の人々に竹製自転車の作り方を教えました。
現在、カルフィーデザインはガーナだけではなく、ザンビア、ウガンダ、フィリピンなどでも竹製自転車の製作技術指導と現地での起業支援をしています。
▲カルフィーデザインの竹ロードバイク
今や、竹製自転車は選択肢のひとつへ
また、近年の竹製自転車は社会貢献の側面だけではなく、製造技術の改善によって信頼性も向上しています。
ボストンに本社を置く、高性能な竹製自転車を販売しているErba Cyclesは竹製自転車の操作性をアップするためにフレームのジョイント部分を強化し、耐水性を強化するためにフレームに熱処理をするなど、製造技術の改良に成功しています。
▲Erba Cycles Incの竹製自転車のジョイント部分
このように竹製自転車は社会貢献の役割を果たしつつも、製造技術を向上させたことより、現在ではクロモリやアルミ、カーボンなどの素材の自転車の中での1つのカテゴリーとしての地位を確立しています。
竹製自転車って実際のところどうなの!?
ここまで竹製自転車の歴史についてお話ししてきました。
竹製自転車は実は歴史が古く、一度は作られなくなってしまったものの復活し、製造技術は向上。社会貢献にも役に立っていることがおわかりいただけたと思います。
ですが、いくら竹製自転車自体が歴史があって、良いものだっていうことがわかっても、サイクリストの皆さんが気になっているのは「ぶっちゃけ竹ロードバイクってどうなんだ?」ということだと思います。
なので、ここからは竹ロードバイクについて「見た目」「乗り心地」の面からより深掘りしていこうと思います。
どんな見た目なの?
竹ロードバイクは竹を1本ずつつなぎ合わせて作っているので、フレームに竹の節がくっきりと残っているのが特徴です。
なので、シャープと言うよりはどちらかというとゴツゴツとした印象が強い見た目になります。
スポーティーでシャープな見た目のロードバイクが好きな方にとっては少し物足りなく感じてしまうかもしれませんね。
しかしながら、2つとして同じ形はなく、竹の節がよく分かる唯一無二のデザインは、オンリーワンのロードバイクが欲しい人にとっては最高の1台になるでしょう!
乗り心地はどうなの?
竹ロードバイクは実際に乗ってみると意外に普通な印象です。
また、竹は振動吸収に優れていてよくしなるので、長時間乗っていても疲れを感じにくく、ロングライド志向のサイクリストの方に向いていると言えます。
一方で、よくしなるということは他の材質に比べて剛性が低くスピードを出しづらいという側面もあるので、レース志向のサイクリストの方には向いていないかもしれません。
日本で購入できる竹ロードバイクメーカー
ここまで読んできて「竹ロードバイクに興味が出てきた!」という方もいらっしゃると思います。
そこでここからは、現在竹ロードバイクを扱っているメーカーをご紹介しますので、参考にしてみてください!
現在竹ロードバイクを作っているメーカーはいくつかありますが、先程紹介したカルフィーデザインやErba Cyclesを含め、ほとんどのメーカーは、残念ながら日本では購入できません。
ですが、諦めるのはまだ早いです! 今回は、日本でも購入できる3つの竹ロードバイクメーカーをご紹介します。
ZAMBIKES
ZAMBIKESは「竹ロードバイクといえばZAMBIKES」と言っても過言ではないほど竹ロードバイクの世界では有名なアメリカのメーカーです。
▲zambikesの竹ロードバイク
そんなZAMBIKESですが、先ほどご紹介したカルフィーデザインと同様にアフリカのザンビアの農村部の人々が竹ロードバイクを製造、販売することによって、貧しい地域の発展に貢献しています。
現在、日本国内でZAMBIKESの竹ロードバイクを取り扱っているのはZAMBIKESオンラインショップとセオサイクル竹の塚店の2店舗なので、購入したいと思われた方はこちらのショップを覗いてみてください。
gerworks
gerworksは2000年に日本に来日したブラジル人のジェルソンさんが2007年からはじめた竹ロードバイク専門のメーカーです。
▲gerworksの竹ロードバイク
gerworksの竹ロードバイクは完全オーダーメイドで販売しているので、どんな人でもピッタリのサイズのものを購入できるのが特徴です。
また、欧州統一規格のフレーム強度試験に合格しているうえに、5年保証もついているので安心ですね!
gerworksの竹ロードバイクを購入されたい方はgerworks(http://gerworks.com/)のホームページよりお問い合わせください。
BamDoo Bikes
BamDoo Bikesは板東陽平さんによって作られた、京都で400年続く竹弓を作る技術を応用した自転車づくりをしている、竹弓ロードバイクメーカーです。
特徴は、竹を使ったとは思えないほどの軽さとシャープな見た目です。
また、よく見るとシートステーが特徴的な形をしています。 この形状は竹弓のしなりを再現したもので、これにより地面からの衝撃を上手く緩和し、快適な走りを実現しています。
板東さん自身がこの竹弓ロードバイクでブルベを何度も完走しており、シクロクロスレースにまで出場しているため、実用性と安全性も心配いらないでしょう。
この竹弓ロードバイクの購入されたい時は板東陽平さんのFacebook
又はホームページからお問い合わせください。
竹ロードバイクに乗ってみた!
ここまで日本で購入できる竹ロードバイクのメーカをご紹介してきましたが、今回は実際にBamDoo Bikesの竹ロードバイクで京都の鴨川を走ってみました!
実際に走ってみると、やはり自然素材なのもあって身体への馴染みがとても良いです。また、カーボンバイクのようにフレームが衝撃吸収をしてくれるので、乗っていて不快感を感じませんでした。
そして、ペダルを踏むごとに竹特有のしなりを感じられ、他素材のロードバイクでは得られない面白さがあります。
まとめ
竹ロードバイクは古くから存在し、一度は作られなくなってしまったものの社会貢献という側面から再び注目を集め、現在では技術の改良によって快適な自然派エンデュランスロードバイクとして地位を確立しています。
そんな竹ロードバイクは、アルミやカーボン、クロモリ以外の人とは違ったロードバイクに乗りたいと考えている方にピッタリです!
気になった方は是非ともチェックしてみてください!
出典
Nicholas Aleles,et al. (2015) 「Management of the Design and Construction of the WPI Bamboo Bicycle」
レース自転車メーカーの「エコ」な途上国支援|世界最高峰の技術で竹の自転車を作ろう
写真提供:板東洋平 様