これから日も高くなり、紫外線も気になってくる季節。気になる人はもう日焼け止めを塗り始めているのではないでしょうか?
今回は「汗で落ちない日焼け止め」で話題となったアグレッシブデザインの和光ケミカルさんに日焼け止めの正しい知識をうかがってきました。もちろん汗で落ちない日焼け止めはどうして落ちないのかも聞いてきましたよ!
目次
肌が焼けるだけじゃないの?実は怖い日焼けによる影響
実は日焼けによるダメージってものすごく大きいんです。肌が黒くなるだけではない、怖い日焼けのダメージについて教えてもらいました。
皮膚は体重の16%を占める大事な器官
――選手から日焼けによるダメージがというお話がありましたが、実際に日焼けによるパフォーマンス低下はどのようなものがあるんでしょうか?
力石さん:日焼けをすると肌がまず赤くなり始めると思うんですが、それは炎症を起こし、血液が皮膚に集めているからなんです。
皮膚は皮下組織を含めると人の体重の16%を占める器官なのですが、ここに血流が集中してしまうと筋肉や内蔵など他に回したいエネルギーが使えなくなってしまうんです。熱中症の症状に熱失神があると思いますが、あれは脳への血流が不足してしまったことによって起きるんです。同じ環境で(体重に対して)同じ水分摂取で日焼け止めありとなしで競技をしたら、日焼け止めを塗った人たちは熱中症の発生率が低下したという研究結果もあります。
――熱中症は怖いですね。
力石さん:日焼けが酷いと回復に回せるエネルギーも奪われてしまうので、翌日もトレーニングがあるプロは日焼けをするだけでパフォーマンスが落ちてしまうんですね。
また、日焼けによって肌が乾燥してしまうと筋肉表層部分の動きも悪くなってしまいます。
皆ちゃんと使えてる?意外と知らない日焼け止めの正しい使い方
せっかく付けていても正しく使えていないと効果が発揮されません。日焼け止めの正しい使い方も教えてもらいました。
ちゃんと規定量は塗れている?思った以上の量にビックリ
――実は私もアグレッシブデザインを昨年から使用しているんですが、ちょっと焼けちゃう感じがしていて……。これってもしかして塗る量が足りないんでしょうか?
関山さん:日焼け止めの効果を示すものとしてSPF(Sun Protection Factor)という数値があります。簡単に言うと、紫外線にあたってから肌が赤くなるまでの時間をどれだけ伸ばせるかと言う数値になります。例えば、紫外線にあたって10分で肌が赤くなる人がSPF30のものを塗ると、
10分×SPF30=300分(5時間)
日焼けしないという考え方です。
これは1平方センチメートルに2ミリグラム塗って計測されるものになります。日焼け止めは規定量きちんと塗られていないと表記のSPFの効果が発揮されないんですね。ちなみに顔でいうと手のひらに一円玉硬貨の量を2~3回分の量が必要です。
――全然足りない気がしてきました(笑)。
関山さん:塗る量だけでなく振る回数も重要です。いつもどれくらい振ってますか?
――これくらいでしょうか(5回くらい振って渡す)。
関山さん:全然足りないですね(笑)アグレッシブデザインの日焼け止めに限らず、珠が入っている化粧品は必ずカチカチなり始めてから35回以上大体10秒くらい振って下さい。紫外線を反射する粉が入っているのですが、これが容器の隅の方に残ったままになってしまうんです。使い終わりの頃になると液体が固まってきたりしていたら、それはうまく混ぜられなかった結果だと思います(笑)。
――全然混ぜられていませんでした(笑)。去年使いきれなかった日焼け止めを今年も使っても大丈夫ですか?
関山さん:化粧品は一般的に製造後3年開封後1年となっています。雑菌なども入ってきますので、開封後1年以内には使い切るようにしていただきたいです。
――お聞きした規定量使うと使い切れないということもなさそうですね。
関山さん:はい。規定量使っていただければ、1本あたり全身で10回分くらいになります。顔だけですと半年くらいは持つと思います。
重ね塗りで塗りムラ撃退!
――塗り方にもコツがありますか?
関山さん:必ず汗をかいたり、水を浴びる30分前までに塗って下さい。汗や水に強い被膜がしっかりできるまでに30分ほどかかります。その前に汗をかいてしまうと流れ落ちてしまうことも。
また、ウェアを着る前に足→腕→顔→足…と2~3回ローテンションしながら少し時間を開けて塗ると塗りムラが防げます。
服を着てしまえば焼けないと油断している方も多いです。確かに焼けにくくなりますが、紫外線は通してしまうこともあるので、油断はしないで下さいね。
――重ね塗りが大事なんですね。
正しい日焼け止めの塗り方
- 塗り始めるのは出かける30分以上前。朝のうちに重ね塗り。
- 容器は中の玉がカチカチなり始めてから35回以上(10秒くらい)上下に振る。
- ウェアを着る前に足→腕→顔…とローテンションして2~3回重ね塗りをする。
- 顔1回分の量は手のひらに1円玉1枚分を2~3回重ね塗り。
唇も日焼けするんです。リップクリームでしっかり予防
関山さん:あと唇の日焼けも知らない間にしていることが多いです。唇はデリケートなので普通の日焼け止めでは荒れてしまいます。
Hemere(エメレ)はデリケートな唇にも使えるSPF32/PA+++の保湿もUVカットもできるリップクリームになります。自転車に乗るときバックポケットにリップクリームを入れて持ち運ぶ事があると思うんですが、50℃でも溶けませんので、真夏でも使いやすいと思いますよ。
あと、キャップを外して繰り出す仕組みになっているので、勝手に繰り出すところのネジが回っていて中身が蓋に押し付けられていた~っという悲劇も起きないと思います!
――私は日焼けで唇ガサガサによくなってしまうので、とてもありがたい商品です!
関山さん:女性の方は口紅の下地として使っていただいてもいいかと思います。長時間ライドに出るようでしたら、ティントリップと組み合わせると口紅の塗り直しも不要になるので便利かと思います。
日焼け止めっていつから塗るの?冬は塗らなくて平気?
――夏場はもちろん日焼け止め塗っているのですが、いつ頃から塗り始めるのが良いんでしょうか?
力石さん:季節関係なく一年中塗って問題ないです。冬は太陽が夏より近いんです。紫外線を浴びる角度が斜めからになるんで浴びている表面積に関しては冬のほうが多いくらいです。よく暑くなってくるGWを過ぎたくらいから塗り始めるというのを聞くんですが、もうそれでは遅いんですね。春先から紫外線量は増えてきているので春は気が付いたら首の裏が焼けていたーとかの「うっかり焼け」が多くなってくるんですね。
油脂類でお馴染みのワコーズが日焼け止め?
ワコーズと聞くと皆さんまず思い浮かべるのがチェーンオイルではないでしょうか。
もちろんそれで正解! ワコーズさんは車やバイク、自転車の油脂類を製造している会社です。
――なぜチェーンオイルを作っている会社が日焼け止めを作ることになったのでしょうか?
開発に至る経緯を教えて下さい。
力石さん:今まで長くロードレース界で油脂類のサポートなどもしてきており、自転車競技とは縁が深くありました。機材周りのサポートは行っていたのですが、ふとある時に「日焼けによるダメージが酷い、日焼け止めを塗っても流れてしまう。何とかすることは出来ないか」と何故か油屋なのに相談を貰ったのがきっかけです。
――チェーンオイルと日焼け止め、まった全く分野が違いますね。
力石さん:それがそうでもないんですよ。
油脂類も化粧品もずーっと大本をたどって行くと同じ原材料屋さんが扱っているんです。
なので細かな融通も聞いてもらいやすかったんですよ。原材料を仕入れて研究所で細かな設計をし、その分野が得意な工場に製造を依頼することができる環境にあったんです。
そして、選手に協力してもらい、サンプルができたら使ってもらい、フィードバックをもらうというのを繰り返してきました。もう、ダメ出しが凄くて大変でしたよ。(笑)。
――直接肌につけるものですし、選手の方も妥協できないですね。
力石さん:はい、なのでかなりこだわって作っています。肌が弱い選手もいますので、そんな人がつけても大丈夫なように設計し直し、原材料からの見直しも何度も行いました。
なので、この製品は現在皮膚科でお子さんにも勧められている商品なんですよ。皮膚科でアザ取りなどのレーザー治療前後の紫外線予防に使われています。
外でいっぱい遊びたい子供に紫外線浴びるな、汗をかくなって無理な話じゃないですか。
今までレーザー治療は紫外線量が少ない時期に行なわれているものだったのですが、これを使ってもらうことで紫外線量も多く、汗をかく夏や秋にも治療が行えるようになったんです。
どうして汗で流れないの?その特徴は?
――読者の皆さん気になるのが流れ落ちないその構造だと思います。私達にもわかるような内容で良いので教えてもらえますでしょうか?
力石さん:詳しい内容は企業秘密なので教えられないです(笑)。
――そうですよね(笑)。
力石さん:水と油と紫外線を反射する粉の絶妙な組み合わせで出来上がっています。
この日焼け止めは石鹸では落ちないので、クレンジングを使っていただくことになります。何度も塗り直す手間とクレンジングで落とす手間どっちを取るか考えたとき、塗り直しのできない状況でも使える便利さを取りました。
よくある「石鹸でも落ちます」という日焼け止めありますよね。もちろん石鹸で落ちるのでとても使いやすいと思うんですが、石鹸の成分と汗の成分ってとても似ていて、石鹸で日焼け止めが落ちるということは大量の汗をかくと日焼け止めが落ちてしまうんです。
なので、日焼け止めも状況に応じて使い分けるのが良いと思います。
汗をかかない時であれば、石鹸で落ちるもののほうが使い勝手は良いと思いますよ。
アスリートを元気にそして、世の中も元気に!
――色々とお話をお聞かせ頂きありがとうございました! とても勉強になりました。
最後に読者にひとこといただければと思います。
力石さん:アスリートを元気にして世の中も元気にするそんなコンセプトでブランドを立ち上げました。アスリートとはプロの選手だけでなくスポーツを楽しむ皆さんのことも指しています。
休日外に出て趣味を楽しみたいけど、「日焼けをして疲れて翌日の家事や仕事に影響が出たらどうしよう」と思うと楽しめないこともあるかと思います。そんなときは私達の商品で日焼けの影響を考えず思いっきりスポーツを楽しんで頂きたい。そしてウィークデーを頑張る活力にしてもらいたいと思っています。
また、女性の方は日焼けが原因でアウトドアスポーツを敬遠しがちだったかと思います。スポーツと可愛いや綺麗は両立できないと考えられていた時代もありました。汗をかくからメイクが出来ない。日焼けをするから外に出たくない。ではなく、「スポーツをしながらも可愛いや綺麗を両立する!」
そのお役に立てればと思っています。
――貴重なお話たくさんありがとうございました!
最後に
知ってるつもりで、全然知らなかった日焼け止めに関する知識。
何となく日常的に使ってはいたのですが、特に誰かに教わったりすることもなかったので、目からウロコのお話ばかりでした。
これから紫外線量も増えてきて日焼け本番の季節。
日焼けを気にせず思いっきりサイクリングを楽しんでいきたいですね!
取材協力:株式会社和光ケミカル アグレッシブデザイン事業部
HP