みんなで走る楽しさを知ってほしい。尾根幹のスタート地『CROSS COFFEE – chocolate & sandwiches – 』のコミュニティへの想い

世の中には流行り廃りがあり、そのスピードは以前にも増して早まっているように思います。

その流れとは一線を画し、文化として、人々のライフスタイルとして定着するには、ただ消費されて終わりではなく、「仲間」と「場」というものがキーになってくるのではないでしょうか。

今回取材した東京・矢野口にある『CROSS COFFEE – chocolate & sandwiches – 』(以下CROSS COFFEE)は、オーダーメイドのサイクルジャージを制作・販売するチャンピオン・システム・ジャパンが運営するカフェ。都内のサイクリングの聖地である南多摩尾根幹線(通称:屋根幹)のスタート地に位置し、週末ともなればたくさんのサイクリストが集結します。

『CROSS COFFEE - chocolate & sandwiches - 』
取材日当日。

約束の時間よりも少し早めに着いたため、店内でゆっくりしようと入ってみると、店長を務める中本隆太郎さん(トニオさん)が常連さんとなにやら日常会話を楽しんでいる様子。この光景が、まさにこれから話されることの象徴的なシーンなんだなと、取材を終えて思ったのです。

目指すのは『宇宙一、イベントの多い喫茶店』

「CROSS COFFEEは2017年8月にオープンしたんですが、『コミュニティスペース』がコンセプトです。

自転車って一人で黙々とやっている人も多いんです。はじめたときってコミュニティにも属していないじゃないですか。そういう方々が気軽に参加できるようなイベントを作っています。」

店長を務める中本隆太郎さん(トニオさん)
「ひとつひとつのイベントの仕掛け人は僕ですが、お客さんに『こういうイベントやりたいんだよね』って相談すると、『じゃあ俺リーダーやるよ』って言ってくれるお客さんが多いんです。そうやってお客さんを巻き込みながら開催しています。でも、当日は僕はお店に立っていないといけないので、送り出してるだけ。ほとんどお客さんが仕切って動いてくれて、本当にお客さんに支えられているんです。イベントのバリエーションも女子会とか、ただパンを食べに行く、とか、お灸の先生を呼んでコラボしたり幅広いです。土曜は毎週朝からやっていて、”宇宙一、イベントの多い喫茶店”を目指しているんですよ。

店内の壁には先々のイベントが告知されています
店内の壁には先々のイベントが告知されています

ここに来たら、誰かいる。ワクワクを共有できる場所

コミュニティとして機能するCROSS COFFEE、お店の雰囲気も一般的な喫茶店やカフェとはまた違ったものなんだそうです。

「趣味で遊んでいる人が集まるお店だから、空気感が楽しいんですよ。普通の喫茶店だったら仕事の休憩とか、ちょっとゆっくりするために来ることが多いと思うんですけど、ここは尾根幹のスタート地でもあるからみんなワクワクしてるんですよね、これからどこへ走りに行く、どこどこ行ってきてすごくよかったよ、といった話で盛り上がっていたり。そうやってそれぞれの常連さん同士が繋がってくれる様子を見るのが嬉しいんですよね。仲良くなって、ジャージを作ってくれることだってあるんですよ。」

コミュニティとして機能するCROSS COFFEE、お店の雰囲気も一般的な喫茶店やカフェとはまた違ったもの
ここに来ると誰かいる、と思って来てくれる。

そんなお店づくりをしたいと話すトニオさん。接客する上でどのようなことに気をつけているのでしょうか。

「お客さんと話すことを大事にしています。会話ってすごく大事だと思うんですよね、短くても挨拶だけでもいい、気持ちよく会話のキャッチボールができる人がいるお店っていいなぁ、って。

コンビニでも会計の合間にホッコリするような会話のできる店員さんっているじゃないですか。『天気いいですね』とか言ってくれる人。そうゆう感じに自分もなれたらいいなって思ってます。だからできるだけ来てくれたお客さんには話かけて、忙しくない時は隣の席に座って世間話をしたりしています。」

店長を務める中本隆太郎さん(トニオさん)

サイクリストのことを考えたメニューも、ひとつひとつオリジナル

CROSS COFFEEはサイクリストたちが集まるカフェとして、フードやドリンクも充実しています。

もともと飲食の仕事をしていたという社長が、フランスのカフェでチョコを食べた時の日本のそれとの濃厚さの違いに驚き、CROSS COFFEEではチョコをやりたいとオリジナルで開発。サンドイッチなど、最初の核となるメニューは社長が考案したんだそうです。

サンドイッチなど、最初の核となるメニューは社長が考案

「おすすめは、サンドイッチとチョコレートのプロテインドリンクですね。お客さんは朝であればここから長い道のりを走るし、夕方であれば走ってきてお腹をすかせてるんですよね。なので最近はパスタなどのフードメニューも充実させるようにしました。」
サイクリストのコミュニティとして機能はしているものの、もちろん一般のお客さんも日常のカフェ使いとして楽しめるメニューがたくさん。最近は地元のお客さんも多く来てくれるようになったそうです。

一般のお客さんも日常のカフェ使いとして楽しめるメニューがたくさん

ひとりぼっちをなくす、CROSS COFFEE発のサイクリングクラブ

オープンして約2年。自転車業界でも知名度が上がってきている中で、今後の展開をうかがいました。

「お店のサイクリングクラブを作りたいと思っているんです。コミュニティをたくさん作って、繋がりたいのにひとりぼっちな人をゼロにしたい。そのためのプラットフォームとしてのサイクリングクラブです。

これまでに3回、TEAM DAYSというものを実施しています。

これは、登録してもらったら四人以上のチームで組んでもらって、オススメスポットを理由付きで投稿してもらうんです。そして、くじを引いてそのうちのどこかにランダムで行ってくるとオリジナルのキャップがもらえるよっていう。これもコミュニティを作ってほしかったり、みんなで走ることの楽しさを知ってほしいと思ってはじめたものですね。

ここにはロードの人もマウンテンバイクの人もストリートの人もいるし、レベルもバラバラで、来る人は様々なんです。そういう方々をお店を通してマッチングさせてあげられたらいいなと思っています。

TEAM DAYSでのこれまで投稿されたオススメスポット。レベル別に整理されている。
TEAM DAYSでのこれまで投稿されたオススメスポット。レベル別に整理されている。

トニオさんが話してくれたのは、どこまでも一貫した「自転車を楽しむためのコミュニティづくり」。そのために、トニオさん自身がオープンマインドでお客さんと接する姿勢が、お店のファンを作り、そのファン同士が繋がる良い循環を生んでいると感じました。

尾根幹を走るときに寄るもよし、
自転車仲間を見つけに寄るもよし、
トニオさんに話を聞いてほしいと寄ってみるのもよし。

CROSS COFFEEには、自転車ライフを豊かにするまだ見ぬ出会いが待っているかもしれません。

店長を務める中本隆太郎さん(トニオさん)

*トニオさんによるオススメスポット*

成木峠・・・ゴールが行き止まりなので車の通行がない。鳥の声が聞こえて気持ちいい。

多摩サイクリングロード・・・羽村から羽田までの全長約50km。車道ではないので初心者の方にオススメ。

*ショップインフォメーション*

CROSS COFFEE - chocolate & sandwiches -

CROSS COFFEE – chocolate & sandwiches –

<住所>
東京都稲城市矢野口227-1 グランツドルフ1階

<アクセス>
JR矢野口駅南口より徒歩3分

<電話番号>
042-401-6126

<営業時間>
7:00〜18:00(ランチタイム 11:00〜14:00)

<定休日>
年末年始

<ウェブサイト>
http://cross.coffee/

羽田裕明

WRITTEN BY羽田裕明

せとうちと中国地方をこよなく愛する編集者・ライター・カメラマン。 もっぱら脚での山登りや、オートキャンプが趣味だったけれど、これから自転車も楽しみたいなと思っています。バイクパッキングにものすごく興味があります。瀬戸内海での海遊びもはじめて、全方位的アウトドアマンになりそうな予感。 しまなみ海道の向島で2020年春にカフェをオープン予定。

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