天空を走れ!標高1,000m以上の峠に自転車で行こう!
坂バカの変態さんたちこんにちは!デザイナーのayumiです。
自転車の魅力の一つであるヒルクライム、醍醐味はやはり絶景ですね。車やバイクでの移動と違い、自転車なら「自分の脚でここまで来たぞ!」という達成感も重要です。今回はこの【絶景】と【達成感】が同時に味わえる、標高の高い場所というのをポイントに峠をご紹介します。
標高の高いエリアでは紅葉時期が早いので、9月後半あたりから登りに行くことで、長く紅葉を楽しめますし、GW頃には雪の回廊が楽しめるスポットもありますよ!
連休やお休みが取れるタイミングで「どこにいこう?」とお悩みの方は一度は1,000m以上の地点まで自転車で行ける峠にチャレンジしてみてください!
RoadQuestに寄せられたみなさんからの口コミを元にご紹介します。
※RoadQuestは2021年9月、サービスを終了しました。
2,000m級
まずは超級山岳、日本では数少ない2,000m級の峠をご紹介。ど定番ですが、間違いない絶景が待っています。圧倒的な絶景に魅せられて年に一度、いや何度も登りに行く人がいるほど。
乗鞍 – 長野県・岐阜県 | 2,714m
秋は本当に絶景なので、9月半ばぐらいに是非皆さんに見に行って欲しい。
鮮やかな彩り…夏と違って風情がある。 – 篠♡山は性癖です。
開通期間:5月中旬〜10月下旬頃まで
紅葉時期:9月下旬~10下旬頃まで
※夜間通行制限あり
標高2,714mまで登れる乗鞍(のりくら)は、言わずもがな、サイクリストが一度は登りたい峠の一つです。
長野県側のエコーラインと岐阜県側のスカイラインが主なルート。自転車で行ける道路しては日本で一番高い場所になります。
いつかは乗鞍…そんな難しいことは考えず、行ってみると楽しい峠。今がその時です。- RUV
と、訪れた人は言います。「遠いから…」「登れるかどうか不安で…」と気後れせず、とにかく行って見るべき峠です。
乗鞍のアクセス情報はこちらの記事も参考にしてみてください
渋峠 – 長野県・群馬県 | 2,172m
絶景!とはまさにここための言葉。
まるで本場ヨーロッパのアルプスに来たかのような、いや、オリジナリティとしてはここが唯一無二。 – 神楽坂つむり”
開通期間:4月下旬〜11月下旬頃まで
紅葉時期:9月下旬~10月中旬頃まで
雪の回廊:開通後から5月上旬頃まで
※火山活動により交通規制区間あり
国道最高地点でお馴染みの渋峠(しぶとうげ)は群馬県と長野県の県境に位置し、2,172m地点まで登ることができます。こちらもサイクリストの聖地とも言える人気の峠。
草津温泉側と万座温泉側が主なルートで、圧巻の絶景に誰もが絶賛する峠です。
山頂のホテルで一泊し、日の出、日の入りを待つという粋な楽しみ方もできますよ。
富士山 – 山梨県・静岡県 | 2,305m
紅葉時期:10月上旬~10月下旬頃まで
富士スバルライン:有料道路 ※夜間交通制限あり※マイカー規制あり
富士スカイライン:※マイカー規制あり
ふじあざみライン:11月下旬頃〜7月上旬頃まで冬季封鎖※マイカー規制あり
富士山にはスバルライン、スカイライン、あざみラインと多数のコースがあり、そのどれもが標高2,000m以上の地点まで登ることができます。
なんと言ってもあの富士山の5合目まで自転車で行ける、というだけで心がくすぐられますよね。
コースによって難易度は様々ですが、富士ヒルの舞台になる富士スバルラインが登りやすく人気です。天気によってはアルプスの山並みと雲海が見れることも。
また、あざみラインはプロレースでも使われる激坂として有名です。
美ヶ原 – 長野県 | 2,000m
開通期間:4月中旬頃〜11月下旬頃まで
紅葉期間:10月上旬~10月中旬
RoadQuestの中でも人気の高い美ヶ原(うつくしがはら)。まさにその名の通りといった清々しい高原の景色が観られます。
ルートは標高2,000m地点の道の駅美ヶ原高原まで茅野から登るビーナスラインと、標高1,905mの美ヶ原自然保護センターまで松本から登るスカイライン+美ヶ原高原道路の2つがあります、そのどちらのコースも絶賛の声ばかりです。
山頂までは未舗装のハイキングコースとなり自転車に乗って行くことはできませんが、わざわざ自転車を押して歩いてでも観に行く価値あり。
電波塔群は大自然の中で異彩を放ち、「ゲームの世界のよう」だと言う人も。松本・諏訪方面の街並みが見渡せる山頂の王ヶ鼻も必見です。
1,500m級
お次は1,500m級の一級山岳。2,000mは甲信越地方に集中しましたが1,500m級は地方に広がります。どの峠もその地方のシンボルとして人気のあるスポットです。
浄土平 磐梯吾妻スカイライン – 福島県 | 1,622m
日本で最も美しいサイクリングコースの一つだと思います 。- Yatsuho Tomikawa
開通期間:4月上旬~11月中旬頃まで
紅葉時期:9月下旬~10月中旬頃まで
雪の回廊:開通後から5月上旬頃まで
※火山活動により夜間交通制限あり
絶景ハンターのサイクリストたちが今こぞって登っている話題の峠が浄土平(じょうどだいら)。火山活動の影響により長らく封鎖されており、今後もいつ封鎖されるか分かりません。
日本の道100選にも選ばれたその道の景色は、白い山肌が広がり「火星のよう」だと表現されます。まさに「浄土」という名前にふさわしい、この世の果てのような景色に心奪われること間違いなし。
浄土平ビジターセンターの側にはすり鉢状の吾妻小富士という山があり、15分ほど階段を登ると山の淵からの絶景が楽しめます。
北側のルートは福島駅からアクセスが良いため、新幹線輪行でもアクセスしやすい場所です。
八幡平アスピーテライン – 秋田県・岩手県 | 1,541m
日本を代表するワイディングロードといえばここ!
特に頂上付近は視界がひらけ、雲海を横目に快走できました〜 – がみー
アスピーテは山頂もさることながら、南北120kmに渡る広大な北上盆地を背にする岩手山、八幡平市の町、そして標高が上がるにつれ眼下を埋め尽くす森林と湖沼の景色。ヒルクライム冥利に尽きる – amagama
開通期間:4月中旬〜11月中旬頃まで
紅葉時期:9月下旬~10月中旬頃まで
雪の回廊:開通後から5月上旬頃まで
秋田県と岩手県に跨る八幡平(はちまんたい)アスピーテラインは、標高1,541mまで登れるドライブウェイ。雄大な岩手山を横目に観ながら続くワインディング、点在する沼の数々、アオモリトドマツの樹海と最初から最後まで絶景が味わえると人気のスポットです。
5月上旬〜6月上旬頃には雪解けで鏡沼が竜の目のように見える「ドラゴンアイ」も幻想的です。
蔵王エコーライン – 宮城県・山形県 | 1,610m
開通期間:4月下旬〜11月下旬頃まで
紅葉時期:9月下旬〜10月中旬頃まで
雪の回廊:開通後から5月中旬頃まで
蔵王(ざおう)エコーラインは、南北に伸びる蔵王連峰をまたぎ、宮城県と山形県を結ぶ山岳道路。蔵王連峰の雄大さを感じる絶景の数々が待っています。蔵王不動尊、蔵王寺、山頂の刈田嶺神社と道中に見える山岳信仰の跡をたどるのもまた面白いですね。
そして何と言っても一番の見所は山頂の火山湖「御釜」。視界の端まで広がる手付かずの山並と、鮮やかなエメラルドグリーンの湖は圧巻の景色です。自転車で行く際には蔵王刈田リフトからロープウェイを使って観に行くことができます。
宮城側、山形側ともに新幹線でのアクセスがよく日帰りで行くこともできますが、周囲に温泉街の多い保養地でもあるので、ゆっくり観光を楽しむのもおすすめです。
蔵王についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
金精峠 – 栃木県・群馬県 | 1,840m
紅葉時期:10月上旬頃
冬季封鎖:12月下旬〜4月下旬頃まで
標高1,840m地点まで行ける奥日光の金精峠(こんせいとうげ)は、日本で3番目に高い国道。白根山と男体山に囲われており、日光山の修行僧の峰修行の路として開かれたと言われています。
奥日光ということでご想像の通り、モミジの赤さが際立つ紅葉らしい景色を味わえます。男体山と湯の湖を同時に眺める展望も美しいですね。
日光側はいろは坂を越え、中禅寺湖を越え、戦場ヶ原を越えた先にあるためなかなかハードな道のり。群馬県側は沼田駅からアクセスができます。
大台ヶ原山ドライブウェイ- 奈良県・三重県 | 1,570m
秘境オブ秘境です。十津川村が近いのだからそれだけでお察し。- 神楽坂つむり
開通時期:4月下旬〜11月下旬頃まで
紅葉時期:10月中旬~11月上旬頃まで
大台ヶ原山は、山全体が特別天然記念物に指定され、日本百名山、日本の百景、日本の秘境100選にも選ばれています。手付かずの自然が残る秘境の中を走るのが大台ヶ原山(おおだいがはらやま)ドライブウェイ。全国でもトップクラスの雨量によって育まれた原生林に囲まれ、紀伊山地の山深さを感じられるコースです。
西日本最大のヒルクライムレース「大台ケ原ヒルクライム」も開催されることでもお馴染みです。
UFOライン – 高知県 | 1,692m
開通時期:4月上旬〜11月下旬頃まで
紅葉時期:10月中旬~11月上旬頃まで
車のCMでも有名になったUFOラインは、西日本随一の絶景を誇る天空の道。
なぜUFO?と思ってしまいますが、実は「雄峰」をモジって呼ばれているんだとか。正式名称は町道瓶ヶ森線。瓶ヶ森の峰を横目に走る尾根道からは瀬戸内海と太平洋が見渡せます。
これから向かう道、もしくは登ってきた道が見渡せる景色はグッとくるものがありますが、こんなにも長くまっすぐ続く道を見渡せる場所はそうそうないですよね。
こんな景色を走れば、CMのように歌い出してしまうのも分かります。
1,000m級
他の峠に比べて高さは劣るものの侮ることなかれ、負けず劣らずの個性豊かな峠がまだまだあります。
八甲田山 – 青森県 | 1,020m
八甲田周辺は春は雪の回廊、夏は緑の草原湿原、秋は紅葉と3シーズン全く違った楽しみがあるエリア。八甲田雪中行軍遭難事件の地でもあり、事故にまつわる標識、遭難記念碑等が点在する。 – まさぼう
GW八甲田山を十和田湖側から反時計回りに登りました
歴史的には八甲田雪中行軍遭難事件と聞けばご存知の方も多いんじゃないでしょうか?
旧日本陸軍が日露戦争に向けてロシアを想定した厳寒地での訓練で多くの死傷者が出ました
そんな厳しい峠を自転車で登ると考えるとテンションが上がります – さかす
開通期間:4月〜11月下旬頃まで
紅葉時期:10月上旬〜10月下旬頃まで
雪の回廊:開通後から5月上旬頃まで
八甲田山(はっこうださん)は十和田湖からもほど近く、地元のサイクリストがこぞって訪れるヒルクライムスポット。
ブナやカエデ、ダケカンバが山全体を染め上げる紅葉の名所としても有名です。また、世界でも有数の豪雪地帯で見る雪の回廊はひときわ高くそびえます。
田代平湿原やじごく沼、酸ヶ湯温泉と見所もたっぷりで、どの季節に行っても楽しめる魅力があります。
やまなみハイウェイ- 大分県・熊本県 | 1,322m
絶景地帯の阿蘇から、標高1320mの牧ノ戸峠を越えて、湯布院へ至る新緑の美しい峠。その中核にある『長者原』はくじゅうの山々を見渡す絶景!走りごたえと絶景を兼ね備えたバランスの良い山岳道路です。- ゆうへい
ひたすら天空を走れるよ。 – キコ
紅葉時期:10月中旬~11月中旬頃まで
日本100名道に選ばれたやまなみハイウェイは、大分湯布院と熊本阿蘇を結ぶ総距離50kmにも及ぶ道。くじゅう連山を横目に牧の戸峠を超えるコースで、草原の奥に迫力の山並を眺める解放的な展望が待っています。
道中にはタデ原湿原、牧場、温泉、くじゅう花公園など見所も多く、時間をかけて巡りたい場所ですね。
えびの高原 – 宮崎県・鹿児島県 | 1,200m
紅葉時期:10月中旬頃~11月中旬頃まで
ミヤマキリシマ見頃:5月下旬〜6月中旬頃まで
※火山活動により交通制限区間あり
最後に私の押し峠であるえびの高原をご紹介。
えびの高原は宮崎県と鹿児島県にまたがる「霧島ジオパーク」の中心地。20以上の火山が取り囲み、立ち上る蒸気の中のヒルクライムは自然の息吹を肌で感じられるコース。
道中には温泉も多数ありますし、山頂に足湯があるのも嬉しいですね。
山頂付近からは美しい火山湖へ向かう短いトレッキングコースを楽しむこともできますので、履き替え用のシューズを持って自転車と登山両方楽しむのもオススメです。
残念ながら現在は火山活動により交通制限がされていますが、えびのスカイラインの宮崎側ではススキが取り囲む美しいワインディングも。
番外編:標高が高いけどがっかり峠
標高が高ければ絶景と思いきやそうでもない場合も…。
番外編としてみなさんのがっかり峠も見てみましょう。
麦草峠 – 長野県 | 2,127m
日本で2番目に高い国道とされる麦草峠(むぎくさとうげ)。その道には「メルヘン街道」というかわいらしい名前がついています。
以下みなさんのがっかりコメントです。
がっかり峠ナンバー1を決めるのはここですか??とまあ実際にがっかりした峠です。- 神楽坂つむり
日本で二番目に高い国道です。
二番目ですよ!渋峠の次に高いんですよ!
これはきっと、素敵なヒルクラスポットに違いない。と、走りに行きたくなりますよね。
(以下、東から西に抜けるた時の感想です。)
もう、虚無ですよ虚無 – めんたい子”
メルヘン街道って名前がゆるふわ詐欺 – mg
その標高の高さの割に山頂には看板しかなく、みなさん本当にがっかりしている様子。しかし道中には絶景ポイントもあるようなので、チャレンジしたい方は口コミをチェックしてみてくださいね。
大弛峠 – 山梨県 | 2,365m
2,365mまで登る大弛峠(おおだるみとうげ)は、ヒルクライムポイントとしての辛さに対して見返りの景色が少なくてがっかりしている人が多いようです。
徒歩15分ほどの夢の庭園という自然公園まで行くと絶景が味わえるようですが、知らずに帰ってしまった人もいたようですね…!
頂上の眺望はあまり良くありませんが、15分ほど歩いてたどり着ける『夢の庭園』からの眺めは良いです! – ryuta〽
登った人はわかるだろうが、峠着いても木々が鬱蒼としてるだけでした。- redlion
おわりに
一口に標高が高いとだけで絞っても、峠ごとに特徴が別れてどこも魅力的ですね。
トレッキングを組み合わせたり、高山植物、山岳信仰など視点を変えても面白さが見つけられるはず。
標高の高い山ではスタート地点と山頂との温度差がお約束。フルフィンガーグローブやウィンドブレーカーなどのダンヒル対策は必須です。
観光スポットとして人気の場所ではレストハウスや売店なども充実していますが、中には補給ポイントのないスポットもあるので下調や準備は十分にして挑んでみてください。
また、標高の高いエリアは積雪による冬季封鎖もつきもの。火山活動による規制や夜間交通規制がある場所もあります。規制時期は天候により毎年変わるので各自治体の情報チェックも忘れずに。
とは言え尻込みするのは勿体無いような絶景ポイントばかりです。実は書いている私も行ったことのない峠がほとんどなのですが、今年は今回紹介した中にもチャレンジする予定の峠がたくさんあります。
行きたいと思った時がその時。行けば「いつか…」と言っていた自分が馬鹿らしくなるような絶景が待っています。