東北屈指の絶景ヒルクライムスポット「蔵王」。東京駅から電車で1本!

思い出に残る、鮮やかな青空と景色に出会えるはず――。
東北の中央部、宮城県と山形県を南北に分かつ蔵王連峰。東北でも有数の観光地であり、周囲には温泉街がいくつもあります。登山やウィンタースポーツの場としても有名。東北以外にお住いの方でも「蔵王」の名は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

そんな蔵王ですが、自転車でも非常に楽しめる観光スポットです。毎年「日本の蔵王ヒルクライムエコ」というヒルクライムイベントも開催されています。
東北というと遠そうなイメージがありますが、蔵王は意外とアクセスが良かったり。今回は、ヒルクライムコースとしての蔵王の良さを紹介しましょう。

東京駅から新幹線で1本、乗り換えなしでスパっとスタート

蔵王には、宮城県側・山形県側のどちらからでも登れます。蔵王の大きな強みとして、どちらから登るにしても新幹線が使える、という点が挙げられます。

書いている人は仙台に用事があったので、在来線・白石駅を利用しています。

今回は、宮城県側から登ることにしました。この場合、近い駅は東北新幹線・白石蔵王駅。これは山形県側も同様で、山形新幹線・かみのやま温泉駅が最寄りになります。

つまり蔵王には、東京駅から電車1本でアクセス可能。どちらから登ってどちらに下るにせよ、新幹線で行って帰れるのです。白石蔵王駅⇄東京駅は2時間ほど、かみのやま温泉駅⇄東京駅は2時間半ほど。松本駅(長野・乗鞍)や群馬大津駅(群馬・渋峠)まで行くのと大差ありません。

「東北」というと敷居が高そうですが、蔵王に関しては当てはまりません。電車間隔が長くて待たされたり、土地勘がなくて使いにくい在来線を使う必要はなく、アクセスはかなり容易な部類です。日帰りできなくもないでしょう。

遠刈田温泉でしっかり補給しておこう

この看板のあたりから登り基調になる。
蔵王に向かう国道12号線に入ったところ。この看板のあたりから登り基調になります。

蔵王への登り口は宮城県西部にある「遠刈田温泉(とおがったおんせん)」にあります。駅からは22kmほどのところで、獲得標高が300mほど。ロードバイクだと1時間~1時間半ほどです。

道順は難しくなく、迷うことはないでしょう(白石蔵王駅からすぐのところに陸橋があり、それが少し面倒なくらいです)。

遠刈田温泉にたどり着くまでにはそれなりに走るので、蔵王高原牛乳ソフトクリームなどでカロリー補給しちゃいましょう。
遠刈田温泉にたどり着くまでにはそれなりに走るので、蔵王高原牛乳ソフトクリームなどでカロリー補給しちゃいましょう。

遠刈田温泉は、蔵王山麓にある温泉街です。蔵王を登る山岳道路「蔵王エコーライン」に入ってしまうと、山頂手前まで補給ができないため、コンビニや商店で必要なものを買っておきましょう。
ちなみに、共同浴場もあるため、帰りにここで汗を流すこともできます。もちろん、温泉宿が軒を連ねているため、宿泊してもいいでしょう。

遠刈田温泉からは、もふもふのキツネがいっぱいいることで有名な「蔵王キツネ村」へもアクセスできる。
遠刈田温泉からは、もふもふのキツネがいっぱいいることで有名な「蔵王キツネ村」へもアクセスできたり。

蔵王エコーラインは前半がキツい

遠刈田温泉の先にある巨大な鳥居
遠刈田温泉の先には巨大な鳥居があり、ここから距離16.6km・平均斜度7.4%・獲得標高1,229mの本格的なヒルクライムがスタートします。

ヒルクライム的に厳しいのは序盤
ヒルクライム的に厳しいのは序盤です。鳥居を越えると、ぐんと斜度アップ。瞬く間に7%を超え、10〜12%の区間も頻繁に現れます。

5.6km地点にある「蔵王不動尊」
5.6km地点にある「蔵王不動尊」も森の中。しばらくは森の中で、景色は地味です。補給場所もないため、我慢のヒルクライムになるのではないかと思います。

中盤以降は斜度が緩む

視界がひらけてくるのは、11kmほどのところにある「蔵王寺(ざおうでら)」付近。加えて、この辺りになると、斜度2桁はほとんどなくなり、7〜9%がほとんどに。精神的にも負荷的にも、だいぶ楽になるでしょう。

蔵王寺にはお地蔵さんがたくさん
蔵王寺にはお地蔵さんがたくさん。蔵王寺は、幼くして亡くなった子どもを供養するための寺院なのだそう。たくさんあるお地蔵さんは、賽の河原で地獄の鬼に無限の責め苦を味わわされている子どもたちを守っているとのこと。なんというか、蔵王の厳しさを象徴するようなお話です。

こまくさ展望台は蔵王を代表するビューポイント

ここまでは森の中、空も曇りがち。蔵王寺の縁起のようになんとも険しい感じでした。しかし、1,200mも登るヒルクライムでは、前半と後半で天候も景色もまるで違う、ということがありえます。書いている人が蔵王を登った日は、まさにそうでした。

蔵王寺を過ぎると、空は一気に夏らしく
蔵王寺を過ぎると、空は一気に夏らしくなりました。この夏らしい雲が見えた瞬間、テンションはうなぎのぼりに。

標高は1,000m以上、雲も下のほうに見えるように
太陽に近づいたせいか、それまでは涼しかったのが暑くなってきました。標高は1,000m以上、雲も下のほうに見えるようになってきています。こうしたダイナミックなサプライズがあるのが、蔵王のような大型山岳の醍醐味です。

そして、起点から13kmほど登ったところにある「こまくさ展望台」で、蔵王という山はその壮大な魅力を披露してくれます。

山頂付近に連なる山々
雲が風で流されていき、山頂付近に連なる山々が姿を現した瞬間です。夏らしくビビッドなグリーンに彩られていますが、チラ見えする岩肌からは東北の山々の険しさも感じられます。

山が迫ってくるかのよう。
山が迫ってくるかのよう。ものすごい迫力です。快晴時に見られる絶景にはそれまでの苦しさを吹き飛ばす強烈なインパクトがありますね。

不帰の滝(かえらずのたき)
この日は、谷間に注ぐ「不帰の滝(かえらずのたき)」が涼しげでした。一説によると、かつて鬼ばばが住んでいて、登ってくる男たちを捕えては生き血をすすり、あとは滝壺に投げ落としてしまったという伝説がその名の由来なんだとか。

記念写真を撮るなら、この辺りがいいかも
記念写真を撮るなら、この辺りがいいかもしれません。岩肌をバックに、蔵王らしい写真が撮れるはずです。

山頂付近を駆け抜け、蔵王刈田リフトへ

蔵王ハイラインとの合流地点は要注意
蔵王ハイラインとの合流地点は要注意。自動車専用道路なので、自転車は通行できません。

こまくさ展望台の先は、斜度がどんどん緩んでいき、最終的にはほぼフラットになります。標高1,600mほどのスカイラインを疾走できるので、非常に爽快です。

蔵王刈田リフト
蔵王エコーラインの最高標高点から少し下ったところにある「蔵王刈田リフト」にはぜひ立ち寄ってみてください。書いている人が訪れた日は、たくさんの自転車乗りを目にすることができました。自転車で蔵王を訪れる際の最終目的地がここなのです。

サイクルラックも置かれており、満車状態。
サイクルラックも置かれており、満車状態。

山形名物の玉こんにゃく
リフトのりばの中では、土産物に混じって、山形名物の玉こんにゃくが販売されていました。醤油が染みていて、ヒルクライムで失った塩分を補えます。

リフト乗車中の景色もすばらしい
リフト乗車中の景色もすばらしいですが、蔵王刈田リフトをおすすめする理由はそれだけじゃありません。

蔵王といえば、火山湖「お釜」

火山湖「お釜」
蔵王の代名詞となっている「お釜」は一見の価値あり。蔵王刈田リフトで行ける、蔵王連峰でもっとも標高の高いエリアにある湖です。

展望台からの見たお釜の様子
展望台からの見たお釜の様子がこちら。文句なしに東北屈指の絶景ポイントではないかと!

頭の上にあるのは青い夏空ばかり、自分より低い位置に雲と巨大な火口湖であるお釜が広がっています。蔵王の頂上部分は、火山活動によって巨大な凹地(カルデラ)となっており、その「凹」の部分に水が溜まって、この深い緑色の湖ができたのです。

山形県側も景色良好、蔵王温泉は一級の保養地

山形県側も景色良好
今回は宮城県側から登りましたが、山形県側もすばらしい景色です。こちら側から登るのもアリでしょう。
また、立ち寄り先としておすすめなのが山頂から山形県側に下ったところにある「蔵王温泉」。1,900年の歴史を持つと言われる、雰囲気ある温泉街です。

街中には200円で入れる共同浴場が3つ
街中には200円で入れる共同浴場が3つあり、足湯もあちこちに。日帰り温泉も多数ですし、温泉宿も当然、選択肢豊富。スケジュールや予算に合わせていいところが見つかるはず。ヒルクライム後に泊りがけで温泉巡り…なんて、ダメ人間になってしまいそうです。

おおみや旅館さんが解放している足湯。青空の下でのんびり。

食事処も充実しており、今回は山口餅屋さんでずんだ餅をいただきました。とっても甘くておいしいですよ。お口直しにお漬物がつくのが実に気がきいています。

山口餅屋さんのずんだ餅
ほかには十割そばやジンギスカンなどが楽しめますよ。
蔵王温泉の場所と経路は以下の通りです。

LINK:山形県 蔵王温泉|四季を遊ぶマウンテンリゾート スキー スノーボード 温泉

まとめ

まとまった登りと標高1,600mからの絶景を楽しめ、オプションで温泉グルメもつけられる、満足度の高いヒルクライムスポットです。新幹線が使えるので、東北の峠の中では極めてアクセス良好で、連休のツーリング先として最適ではないかと思います。

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WRITTEN BYやざわ すみひこ

都内近郊の峠に週末繰り出すヒルクライム・ロングライド好き。長期休暇で自転車旅に出て日本国内を走りまわる。

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