2020年のRIDLEY(リドレー)からは、グラベルバイク「KANZO SPEED」が初お目見え。ただこのモデル、位置づけはあくまでレースバイク。レースジオメトリでオンロードもオフロードも走行性能に妥協はない。さらに今年はハイエンドモデル「HELIUM SLX」がディスクブレーキ化によるフルモデルチェンジを遂げた。リドレーの最新モデルを1台ずつしっかりチェックしていこう。
目次
RIDLEY(リドレー)とは
RIDLEYは1996年創業のベルギーの自転車メーカーである。スタートはシクロクロスで、2005年にフルカーボンフレームの「Xナイト」を世に送り出した。またピュアロードレースにおいても、2007年のツール・ド・フランスでカデル・エヴァンスが同社製ロードバイクに乗り、優勝争いで大接戦を演じる。同年、エヴァンスが世界ランキング1位に君臨したことで、トップブランドのひとつとして名を広めた。
▶リドレーのブランド背景をもっと知る。”RIDLEY” の由来はあの映画監督だった?
今回は、ベルギーの自転車メーカーであるリドレーを紹介します。弱虫ペダルの箱根学園でエースクライマーを任されている「山神」東堂... 自転車王国ベルギーから生まれたロードバイクブランド、リドレーとは - FRAME : フレイム |
自転車競技が国技とされているベルギーは、一方で古くからの街並みや石畳の舗装、そして気象状況などから、世界的にライディングが厳しいことで有名だ。そのような環境下で日々鍛えられ生み出されるバイク群。クオリティは信頼に値すると言えよう。
▲オランダの美人プロサイクリスト、Puck Moonen(パックムーネン)×リドレーMTB*
*)日本未入荷モデル
2020年の注目ポイントは?
まずはハイエンドバイク「HELIUM SLX」がディスクブレーキ化。リムブレーキ仕様からの形状を引き継ぎつつ、ディスクブレーキによる強力なストッピングパワーを確実に受け止めるため、カーボン積層の左右バランスが見直された。またスルーアクスル化によるホイールとの一体感は、鋭いハンドリングと高いペダリングパワー伝達を実現している。
グラベル “レーサー” のKANZO SPEED!
2020年はニューフェイスとしてグラベル仕様の「KANZO SPEED」が登場。近年盛り上がりを見せ続けているグラベルロードバイクに対して、リドレーが出した答えは「レースバイク」だった。非常にレーシーな造りで、一般的なグラベルモデルよりもヘッドチューブが短めだ。フォークはグラベルロードながらハンドリングの軽快さをプラスしたストレート形状。フロント&リアともに12mmスルーアクスルで横剛性に強く、ペダリング効率の向上に貢献している。
おすすめ最新モデル全10台
リドレーのロードバイクラインナップは大まかに以下のように展開される
- HELIUM:軽量レースバイク
- NOAH:エアロロード
- KANZO SPEED:グラベルレースバイク
- FENIX:エンデュランスバイク
- HELIUS:アルミバイク
※TTバイク除く
ここからは各シリーズごとに、モデル1台ずつ見ていこう。
HELIUM シリーズ
超軽量でありながら強靭な剛性感により、世界最高峰の数々のレースに実戦投入されて活躍してきたシリーズ。上記したようにディスク化した「SLX」に始まり、チームエディション、それらを継承した「X」がラインナップされている。
ボリュームアップしたフロントトライアングルはさらなる剛性アップに貢献。伝統の細身のシートステーを継承し、その高い振動吸収性は過酷のパヴェ(石畳)でのテストで実証済みだ。
またケーブル類のワイヤリングを見直し、ブレーキケーブルも内装化。無理のないケーブルの取り回しは、よりスムーズなハンドリングを実現している。
ストレートタイプのフロントフォークは優れた反応性とコーナーリング性を発揮し、刻々と変化するレース展開において一瞬の隙も逃さない。
HELIUM SLX DISC
- フレームセット価格:365,000円(税抜)
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- サイズ:XXS、XS、S
- カラー:HSD04As
HELIUM SLX TEAM
- フレームセット価格:365,000円(税抜)
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- サイズ:XXS、XS、S
- カラー:R-HSLX09As
HELIUM X
- フレームセット価格:243,000円(税抜)
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- サイズ:XXS、XS、S、M
- カラー:JP20-08As、HELX-03Bm
NOAH シリーズ
最先端形状のエアロロードフレーム。ウィンドトンネルでの集中テストを繰り返し、あらゆる角度から優れたエアロ効果を発揮するプロファイルを獲得している。フォークからフレームにかけての一体的な造形に、コード・ワイヤー類が内装化されたハンドルから成るシルエットは模範的エアロロードだ。
新開発されたフロントフォークは「インモールドFサーフェイスプラス」テクノロジーを採用。フレーム表面の気流に微細な乱れを発生させ、この意図的な気流の乱れで、滑らかな翼形状よりも平均7%の空気抵抗低減を実現している。
NOAH FAST DISC TEAM
- フレームセット価格:476,000円(NFD01Am/税抜)
486,000円(R-NFD09As/税抜) - フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- サイズ:XS、S、M(NFD01Amのみ)
- カラー:NFD01Am、R-NFD09As
NOAH FAST DISC
- フレームセット価格:476,000円(NFD01Am/税抜)
486,000円(R-NFD09As/税抜) - フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- サイズ:XS、S、M(NFD01Amのみ)
- カラー:NFD01Am、R-NFD09As
NOAH FAST
- フレームセット価格:476,000円(税抜)
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- サイズ:XS、S
- カラー:NFD01Am
NOAH SL DISC AERO PLUS
- フレームセット価格:460,000円(税抜)
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- サイズ:XS
- カラー:NSL07Cms
KANZO SPEED
昨今人気を放つグラベル仕様バイク。36mmのタイヤクリアランスを持ち、その設計によりレーシングジオメトリーが可能となった。ハンドリングと直進安定のバランスが最適化されており、トレイルのあらゆるセクションにおいて思いのまま駆け抜けられる。様々なセットアップのスペースを残すとともに、マッドガードも装着可。
またフレームとフォークのスルーアクスルがバイクとホイール接合部分の剛性を高めている。さらにフラットマウントディスクブレーキにより、オンロードでもオフロードでもあらゆる条件でのバイクコントロール性を向上。
KANZO SPEED
- フレームセット価格:243,000円(税抜)
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- サイズ:XXS、XS、S、M
- カラー:JP20-07As
FENIX SL
オールラウンドなエンデュランスバイク。フレームとフォークは強力なディスクブレーキがもたらすストレスに対処するため、カーボンレイアップを強化している。さらに捻れを防止するためにスルーアクスル化。
フレームは振動吸収性の向上を狙い、シートステーとシートチューブの接合部がキャリパーブレーキバージョンのフレームよりも下がった位置となっている。一方、エンドもスルーアクスル化することで横剛性を高めており、ペダリングパワーを無駄なく推進力に繋げることに成功。
FENIX SL DISC
- 完成車価格:334,000円(税抜)
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- コンポーネント:シマノ・105
- サイズ:XXS、XS、S、M
- カラー:JP19-02As、JP19-02Bs、D718As
HELIUM SLA
上位機種「HELIUM SLX」のテクノロジーを継承したアルミバイク。ベントされたシートステーを踏襲して軽量性と高い振動吸収性を備えており、横剛性を確保している。空力性能を考慮して作られたストレートブレードフォークは、優れた反応性とコーナーリング性を発揮して軽量化にも成功。
ケーブル類はフレーム内蔵式で、マシンの見栄えも良い。2019年に新設された「SPORTS LINE」からの一台で、廉価でエントリーライダーに優しい乗り心地を提供する。
HELIUM SLA
- 完成車価格:129,000円(税抜)
- フレーム:アルミ
- フォーク:カーボン
- コンポーネント:シマノ・ソラ
- サイズ:XXS、XS、S、M
- カラー:JP19-03As、JP19-03Bs
2019年モデルはこちらから
上記HELIUM SLAを内包する「SPORTS LINE」の新設に加え、エアロロード「NOAH」がフルモデルチェンジした2019年。昨年のモデルラインナップもチェックしたい人はこちらから。
石畳と厳しい天候で鍛えられたベルギーの本格ロードバイク。RIDLEY(リドレー)の2019年最新モデルの注目は、フルモデルチェンジした... 2019年RIDLEY(リドレー)ロードバイク最新おすすめモデル10台 - FRAME : フレイム |
まとめ
モットーに「BUILT FOR GLORY」を掲げるRIDLEY。それはレースに勝つことを使命としたプロから、厳しい峠を登りきったホビーライダーまで、様々な人による「栄光」を意味する。何よりも、それはRIDLEY自身に課せられた命題だ。高性能のフレーム造り、そして評価の高いペインティングで、その命題に常にチャレンジしている。あなたも乗ってみるがいい。きっとその挑戦が走りに直結していることがわかるだろう。
All photos (C)Ridley Japan
公式HP:RIDLEY