試乗して一発で惚れたシマノGRX。ついに愛車へとインストールすることが出来ました!
前回はシマノGRXの特徴やおすすめポイントを全体的に網羅しながら解説しました。
シマノGRX、ついに自分の自転車にインストールすることが叶いました。一度、試乗をする機会があり一発で惚れてしまったアイテムです。... 最新グラベルコンポ「シマノGRX」とは|ロード用コンポとの違いは?特徴や予算、互... - FRAME : フレイム |
今回は実際にシマノGRXコンポーネンツに載せ替えて早速走ってきましたので、リアルな感想を交えつつ、シマノGRXの魅力により具体的に迫っていきたいと思います。
目次
シマノGRXに載せ替え!早速走ってきたよ
念願の自分のグラベルバイクへの搭載です。
思えば2019年、夏。
シマノバイカーズフェスティバルで初めて出会ったシマノGRX。
「なんかまた新しいコンポ出たんだ。まあ一応チェックしておこうかな……」
くらいの軽い気持ちで実物を触ってみて
「ん、、なんか思ったより作り込まれているな……」
と思い、試乗車(TREKのCHECKPOINT)をお借りして実際に乗ってみた時に
「なにこれめっちゃ良い!」
と感動して以来。
なのであの時にもシマノGRXの良さについてはある程度認識していました。
ただ、数時間のライドだったし、自分の自転車でもなかったので、本当の意味での理解はできていなかったと思います。
▶シマノバイカーズフェスティバルでの試乗の様子はこちらから
ついに登場!グラベル用コンポーネンツ「SHIMANO GRX」
シマノ「GRX」2つの大きな感動ポイント
ここでは実際に乗ってみてわかった感動ポイントを大きく2つ紹介していきます。今回私が導入したのは機械式変速のRX810シリーズ(アルテグラ相当)です。
①然るべきスポットへと導かれるレバー
まず一番感動したのはやはりレバーの握りやすさです。
これは一度握ってみれば誰しも理解できるかと……。
レバーを握った時、まず感じるのは手の収まりの良さ。一見すると複雑で過去に見たことがない形状をしていますが、だからこそ実現できる手の収まりの良さ。
レバーに手を添えた瞬間に自然と「ああ、こうやって握れば良いのか」と、何も考えることなく然るべき場所に手が誘導されちゃいます。
人間って不思議なもので、一度快適なものに慣れてしまうとそれが当たり前と思ってしまうから、ある意味これは麻薬的な……良い意味で危険な香りがします。
従来のコンポーネンツから載せ替えた身としては、例えるならば新しいスマートフォンに乗り換えたような感覚、と言えば分かりやすいかもしれません。
乗り換えた時は持ちやすいとかフリック入力がしやすいとか反応が早いだとかに感動するけれど、いつの間にか慣れてしまって、気付かないうちにその性能を享受し続ける……。シマノGRXはそんなコンポーネンツだと思います。
もちろん操作性もイイ。グラベルでも街乗りでも効いてくる
少し抽象的な話が続きましたが、具体的にはやっぱりブレーキをかけやすい、シフト操作がしやすいのが特徴です。
ブレーキについてはレバー形状とブラケットの形状、この二つの形状のおかげで「ブレーキをかける」ための動きが最小限で済むように作られています。
どのポジションからでもブレーキがかけやすい!ブラケットをちょっと横着に握っている時でも、ブレーキレバーに指一本だけでも引っかかっていれば、あとは少し力を加えればブレーキをかけることができます。
これはつまり、グラベル走行時においては路面が荒れていて地面からの振動で手が揺れたりポジションがずれてしまったときでも安全にレバー操作が出来ることに繋がるし、街乗りにおいては真面目にレーサーポジションを取らなくても、簡単にレバーに手をかけられるので「安全」とも捉えることが出来ます。
ロードバイクのセッティングでは実は街乗りではとっさのブレーキングがしにくい……という事実もあります。そんなことに気付くことが出来たのも、実際に使ってみたからこそだと感じています。
②ロードより「ちょっと低め」「かつ広め」なギア比
あとはやっぱりギア比についても注目したいところ!レバー形状と同じくらい個人的には評価が高いポイントです。
一番の特徴はそのギアレシオの広さで、かつそのレンジがロードバイク用コンポーネンツより「ちょっと低め」「かつ広め」に取られています。
これはつまり、
「押して歩かなければならないくらいの激坂からそこへアプローチするためのオンロード、街乗りまでをすべてカバーしてくれる」
かつ
「実際に走る速度域を中心にギアが構築されている」
ということです。
私が導入したギア比は、クランクセットが48T-31T、スプロケットが11-32Tです。
最大ギア比が約4.36、最小ギア比が0.96と言うのは驚異的なカバー域です。
こればかりはロード用コンポーネンツ、MTB用コンポーネンツでは実現できません(あるいは実現しようとしてもどこかで無理が生じる)。
最近ではロードバイクの完成車に採用されるクランクセットの大半が、コンパクトクランクと呼ばれる従来のノーマルクランクに比べて歯数が小さいものが採用されるようになりました。アウターチェーンリングの歯数で言うと、コンパクトクランクは50T、ノーマルクランクは52Tもしくは53Tが一般的です。もはやコンパクトクランクがノーマルクランクと呼ばれ、ノーマルクランクがビッグクランクと呼ばれても良いんじゃないかと個人的には思います。
ただこのコンパクトクランクもやはりあくまでロードバイク用のものであり、速度域は高めを想定されているため、実際にこのままグラベルシーンで使用するとなかなかに苦労します。
たとえ斜度が5%程度でも、それがグラベルだと体感では10%にも思えることも珍しくありません。シマノ105コンポーネンツで徳島県の剣山スーパー林道を走っていたあたり、私も今思うと無理していたんだな……と実感しています。
まっすぐなチェーンラインを維持しやすくなった
また、街乗りにおいても気持ち良い速度域で走っているときのチェーンラインが真っ直ぐになるようになりました。これも地味に嬉しいポイントです。
アウターチェーンリングが48Tなので、後ろの変速位置がスプロケットのちょうど真ん中あたりに落ち着くことが多くなりました。
チェーンラインは斜めの時よりも真っ直ぐの時の方が間違いなく機材には優しいです。チェーンのチリチリ音も抑えられますし、気持ち抵抗も少ないような気もするので、ストレスフリーです。これも実際に乗り換えるまでは気付かなかったポイントです。
後ろの変速位置が真ん中ということは、重い側(Top)にも軽い側(Low)にも変速の余地が残っている、余裕が残っているということで、これもライドに集中する上ではメリットとなりますね。
40km/hを超えるようなシーンにはロードコンポを
高速域での走行をしたい場合は、シマノGRXのギア比は適していないと思います。やろうと思えばロードフレームにシマノGRXをインストールすることができますし、実際にやっている事例をすでに何件か目にしたことがあります。
マイペースでロングライドしたりツーリングに出かける、あるいはポタリングやブルべと言うようなあらゆるシーンでシマノGRXはとても良くマッチすると思います。その一方でレースに出たりエンデューロに出たりすると、ギア不足は否めないでしょう。
そこは適材適所。想定速度域が40km/hを越えるような場合は、やはりロード用コンポーネンツに軍配が上がります。
よく「人間工学に基づいた」という言葉を耳にしますが、シマノGRXはそれに加えてグラベルや街乗りシーンでの具体的な使用を想定した「実益」を追求しているように感じました。
グラベルだけなんてもったいない!日常の中でフル活用してこそのシマノGRXコンポーネンツ
レースを想定するような高速走行にはやはりロード用コンポをと話ましたが、逆にそれ以外のシーンならほぼすべてマッチしてくるのがシマノGRX。グラベルアドベンチャー用と銘打ちながらも、かなり汎用性の高いコンポーネンツと言えるでしょう。
ラインナップの幅も必要十分で、グラベル要素を少し追加したいライトユーザーから、フルインストールで未舗装路をガシガシ走破したい人まで、カスタムの自由度も高いです。
シマノGRXが気になり始めた人へ、各パーツの特徴や載せ替えの予算まで解説したこちらこちらの記事で、さらにイメージを膨らませてみてください。
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またグラベルロードの魅力を語った記事はこちらから。
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Photos © 神楽坂つむり
提供:シマノセールス株式会社